1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2021-10-27 09:55

#378 【衝撃】仮名文字は音声を表さない!? from Radiotalk

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始まりました。志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
日本語の文字は大きく2つのタイプに分けることができます。 標語文字と標音文字ですね。
標語文字っていうのは漢字のことで、 語を表す文字っていうことになってるんですけど、
僕はね、昔これを表意文字、意味を表す文字っていうふうに習った記憶があるんですけど、
最近は標語文字という言い方をするようです。 一方、標音文字っていうのは、仮名のことですね。
ひらがなとカタカナのことです。 音を表す文字ってことですよね。
こういうふうに漢字、ひらがな、カタカナって3種類もの文字を使っている言語っていうのは、世界的に見てもかなり稀ではないかなと思います。
音を表すという意味で言えば、アルファベットも標音文字に当たるわけなんですけど、
日本語の仮名の場合は、真と応募音が一色たになって表されているので、 標音文字の中でも音節文字と言われることもあるんですね。
では、 日本語の仮名、ひらがなにしろカタカナにしろ仮名っていうのは、
音声を表しているかというと、そうではないんですね。 仮名が表しているのは、
音声ではなくて音素と言われるものです。 大した違いはないというか、そもそも音素ってなんだんだっていう感じだと思うんですけど、
言語学では、この音声と音素の区別っていうのは非常に大事で、
ある意味その言語の確信をついているようなところっていうか、
単に言語音とか音とか音とか言った場合に、まずそれは音声なのか音素なのかっていうのが問題になるんですね。
言語学において大事なのはどちらかというと音素というものです。 どういった違いかというと、音声っていうのは
実際に発話された音というか、 物理的な対象というか具体的な音のことなんですね。
一方音素っていうのはもうちょっと抽象的で、 よく言われる定義としては、
その言語において単語の意味の区別に関わる音のことを音素と言うんですね。
日本語のかなぁが表しているのは、この意味の区別に関わっている音、音素ということになります。
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どういうことかっていうのを今からちょっと考えてみますと、
まずは微濁音っていうのが挙げられると思います。微濁音、皆さん聞いたことありますかね。
これはガギグゲゴっていう発音が、ガギグゲゴっていう風に鼻に抜ける、
バリエーションっていうかな、そういった音のことを微濁音と言うんですね。
現代日本語ではこのガギグゲゴっていう微濁音を使っている人はあんまりいないんじゃないかなと思います。
昔はアナウンサーなんかはこういう微濁音を使えるように強制されたみたいなんですけど、
多分今はそんなこともしてないんじゃないかなと思います。
この微濁音っていうのは出てくる環境が限られていて、語中とか語尾にしか出てこないんですね。
つまり単語の頭には出てきません。
なので学校という時はガっていう微濁音じゃない発音で出てくるんですけど、
中学校とか小学校とかになると微濁音で表れるんですね。
あるいは外来語にも表れません。
すりガラスっていうのはすりガラスっていう風に微濁音は出てこないんですね。
このガギグゲゴっていう微濁音が日本語の音素かというとそうではないと思います。
つまり微濁音は意味の区別に関わっていないということですね。
中学校と言おうが、中学校と言おうが、微濁音を使おうが使わないが意味に変化はありませんよね。
あるいは各助詞のガっていうのも私ガと言っても私ガと言っても意味は別に変わりません。
せぜえ聞いた感じの印象が変わる人もいるかなぐらいなので。
こういった意味で微濁音っていうのは音素ではなくてガという発音の一つのバリエーションにすぎません。
こういうのを専門的にはイオンという言い方をするんですね。異なる音と書いてイオンです。
なので微濁音っていうのは意味の区別に関わらない音素ではないので日本語では微濁音のためのかなっていうのはないんですね。
単純にかきくけこに濁音の点々つければ済みということになっています。
まぁただ一応ね、かきくけこに丸をつけてがにんぐげんごっていう微濁音を表すっていう表記の仕方があるみたいなんですけど、一般には普及してませんよね。
あるいは日本語のんという発音も本当は様々なイオンがあるんですね。
かんぽうって言った時とかんとうって言った時のんの発音は全然違います。
かんぽうの方はアルファベットで書くとmを使うような、唇を使ったんっていう発音なんですけど、かんとうの方はnを使うような歯茎の裏にね舌先を当てるような発音になっています。
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これは後ろに出てくる音がかんぽうだったらぽっていう音が唇を使うのでそれに引きずられているし、かんとうだととっていう音が歯茎の音なのでそれに引きずられているっていうだけのことなんですね。
なので日本語のんっていうのは唇で発音しようが歯茎で発音しようが意味の違いには別に関わっていません。
かんぽうのんとかんとうのんっていうのは音声としては違う音なんですけど意味の区別に関わってないので一つの音素ということになります。
だからまあんっていう一つの仮名しかないっていうことなんですね。
他にもザっていう発音は完全に口の中で閉鎖を作ってザって発音しても閉鎖を作らず摩擦だけ起こしてザって発音しても意味の区別には関わりませんよね。
関わりませんよねっていうか今の2つを聞き分けられる人がどれくらいいるかわからないんですけど、まあそれだけ人間の耳はある意味でいい加減っていうかな。
実際の発音上はいろんなバリエーションつまり音声があるんですけど、
母語話者の耳には一つの音素としてしか聞き取れてないっていうかねそれを仮名で表しているということになります。
日本語にはおっていう仮名が2つあってあいうえおの方のおと和音の方のおがありますよね。
この和音の方のおっていうのは人名を除いてですね現代金使いでは女子としてしか使われませんよね。
魚を食べるとか本を買うっていうふうにいわゆる目的を表す女子としてしかこの金は出てきません。
僕はねこの和音の方のおは表音文字ではなくてむしろ標語文字ではないかなと思います。
つまり漢字と同じような扱いっていうことですけどどういうことかっていうとおっていうのは
発音も表してますけどそれと同時にその前に出てきているものが目的語であるっていうことも表していますよね。
だから発音を表す以上のことをやっているので他の仮名とは性質が若干異なると言っていいと思います。
むしろそれは漢字に近いと言ってもいいんじゃないかなっていう気もするんですよね。
こういうふうにですね日本語のひらがなカタカナっていうのは表音文字と言われるので
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まあ確かに言語音を表しているんですけどそれは音声ではなくて音素を表していると。
つまり意味の区別に関わるような音を表しているというのがまあ今日言いたかったことですね。
この音声と音素の区別っていうのは繰り返しになりますけど言語学の基本中の基本となっているので
もしね興味のある方は書籍なんかで調べて見ても勉強してみてもいいんじゃないかと思います。
というわけで今回のトークはここまでということで最後まで聞いてくださってありがとうございました。
よろしかったら番組フォローをお願いいたします。お相手はシガ15でした。
ではまた。
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