1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2021-08-20 09:40

#349 夢中さ、まるまるに。(倒置法) from Radiotalk

#夢中さまるまるに
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関連トーク
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参考文献
『日本語の文法を考える』 (大野晋、岩波新書)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:02
こんにちは、志賀十五です。
今日のトークは、ハッシュタグ企画に参加したいと思います。
こちら、ラジオトーカーのあまきにこさんがなさっている、
夢中さまるまるにっていう、ハッシュタグ企画なんですね。
話す内容としては、そのまんまですね、
夢中になっている人、物、こと、推しているそういったものについてね、
収録トークをとって、ハッシュタグで夢中さまるまるにっていうのをつけて、
配信すると、そういったことになっています。
企画の概要については、あまきにこさんのトークのリンクを貼っておくので、
そちらを聞いていただけたらと思います。
というか、この夢中さまるまるにっていう、
ハッシュタグのトークをね、ぜひ他のも聞いていただけたらと思うし、
トーカーさんだったらね、ぜひこれ参加してみたらよろしいんじゃないかと思います。
8月いっぱいまでじゃなかったかなと思うので、
その締め切りがね、まだまだ全然日はあるので、
これ聞いているトーカーの方もぜひ、
夢中さまるまるにでトークをとってみてはいかがでしょうか。
で、僕自身何の話をしようかなと考えてて、
最近乃木坂ちゃんのYouTubeとかを見てて楽しいなっていうことだったので、
乃木坂46の話をしようかなと思っていたんですけど、
このハッシュタグの夢中さまるまるに、
これは統治法ですよね。
普通のっていうかデフォルトっていうかノーマルなっていうかね、
そういった語順っていうのはまるまるに夢中さとなるところを、
夢中っていうのが前に出てまるまるにっていうのが後ろに回ってるわけですよね。
この統治法っていうのを今回のトークはお話ししていこうと思います。
結局言語学の話になっちゃいますけど、
言語学に夢中っていう解釈にして、
統治法っていうのをテーマに話すってことでね、やっていこうと思います。
統治法っていうと堅苦しいですけど、大したことはないといえば大したことはないですね。
こういうふうに夢中さまるまるにとかね、
あるいは何やってんのお前とか日常的にポンポンポンポン口から出てるものなので、
なんか学校教育ではしのぎ法とかね、
文学的な手法として統治法っていうのを習ったりするんですけど、
そんな大それたものではなくて、
日常的にこの統治法っていうのは皆さんお使いになっていると思います。
03:02
僕を含め。で、この僕を含めっていうのが統治法ですよね。
この統治法っていうのは一種の協調表現ということができると思うんですけど、
協調って何なのかっていうのは結構難しい問題だと思うんですよね。
協調って言ったら何でもかんでも協調になってしまうので、
一つは普通の語順というか、どんな言語でもそうだと思うんですけど、
よく知っている情報、共有している情報を先に述べて、
新しい情報、新情報を文の後に持ってくるっていうのがよくあることだと思うんですね。
英語も含め日本語もそうだと思います。
そういう時に統治っていうのが使われるっていう説明が一つあります。
例えば花瓶が割れているのを見つけて、
誰がやったんだっていう話になっている時に、
やったのは俺だっていうとこれは普通の語順なんですけど、
俺だやったのはっていうふうに統治を使うと、
協調しているというかちょっとおっと思わせるような効果があると思うんですよね。
そういうのを日本語母語話者だったら巧みに使い分けていることだと思います。
俺っていう新情報を最後に持ってくるんじゃなくて、
俺だやったのはっていう新情報を頭に持ってくることで協調しているっていうことですね。
国語の古文で係り結びっていうのをやりましたよね。
なんかぞうなむやかっていうのが出てくると最後連体形で文が終わって、
こそっていうのが出てくると依然形で終わるっていうものですよね。
あれも一種の統治だっていうね、そういった説があります。
一番有名なのは多分王の進む先生が言っている説だと思うんですよね。
この係り結びっていうのは統治法に由来しているということなんですけど、
特にぞうなむやかが出てきて連体形で結ぶ方の係り結びですね。
こその方はちょっと一旦置いておいて、どういったものかというと、
百人一首だったら木のつらい雪の人はいさ心も知らずふるさとは、
花ぞ昔の蚊に匂いける。ここですね。
最後けるっていうね、終始形はけりですけど、これが連体形になっているということですね。
我々はこれを国語の時間に機械的に覚えたわけですけど、
ぞうとかなむとかやとかかっていうのが途中に出てくると、
文末は連体形になります。そういうことですよね。
ここも花ぞときて最後けるになっているわけですが、
ただ係り結びっていうのはそういう機械的な現象ではなくて、
06:04
統治法だっていうのが大野進先生の説なんですね。
つまり現代語風に言うと、花だ昔と同じ香りなのはっていうことですね。
なぜこれ最後が連体形になるかというと、
連体形っていうのはその名が示す通りですね。
対原に連なる形っていうことなので、
当然後ろに名詞が続くときもこの連体形になるんですけど、
連体形それ自体で対原の役割があったんですね。
現代語で言うのみたいなもので、見るのをやめるみたいなときののですね。
なのでやっぱり現代語に言い直したときは、
花だ昔と同じ香りで匂うのはという風になるんですね。
というわけで今お話ししたように、係り結びっていうのはもともと統治法だったんですね、由来としては。
一種の強調表現だったわけなんですけど、
この係り結びっていう現象はだんだんだんだん廃れていくんですね。
現代語には当然それは残ってないので、
古文という形で我々勉強したわけですけど、
なんで係り結びがなくなっちゃったかっていうと、
係り結びっていうのは、
ぞ・な・む・や・かっていうこういう助詞が出たときだけ、
文末が連体形になるっていう現象だったんですけど、
そういった助詞が出なくても、
文末を連体形にするっていうのが流行っちゃったんですね。
つまり終始形の役割を連体形が分取っちゃったっていうことになります。
なので我々が終始形っていう風に思っているものは、
由来としては本当は連体形なんですね。
例えば朝起きるって言ったときのこの起きるっていうのは、
当然現代日本語では終始形っていうことになってますけど、
起源を遡ればこれは連体形で、終始形は送るっていうものがあったんですね。
それが係り結びが崩壊して、
特定の助詞が出てこなくても文末を連体形にするっていうのが流行っちゃって、
文末に送るの代わりに送るっていうのが使われ始めて、
その後送るが起きるになるっていう、また別個の変化もあるんですけど、
そういった事情があって、
係り結びはなくなっちゃったし、
終始形の役割を連体形が分取っちゃったと、
こういった歴史的な背景がございます。
ただ係り結びはなくなっちゃいましたけど、
統治法っていうのは冒頭言ったように今でも全然使われてて、
09:04
俺だ、やったのは、とか、
今回のハッシュタグの夢中3002もそうですけど、
昔から統治法っていうのは日本語で脈々と使われているものっていうことがわかりますねっていうことで、
今回のトークはここまでってことにしたいと思います。
ぜひ他のこのハッシュタグのついているトークも聞いていただけたらと思います。
それでは最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回のトークでお会いいたしましょう。
お相手はシガ15でした。ではまた。
09:40

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