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始まりました、志賀十五の壺。新感覚の実力派、ラバーガールです。
今回のトークは、語形成というテーマでお送りしようと思います。
語形成、単語を作るということですね。
言語っていうのが、この世のものとかこととか、真羅万象を表しているものだとしたら、
当然、それぞれのものことについて、名前が必要なわけなんですけど、
新しい単語を作るのに、全く新しい形を生み出すこともあれば、
もともと存在しているものを利用して、活用して、新しい単語を作ることもあるんですね。
今回はそっちの話です。
例えば、この番組はラジオトークっていうアプリで撮って、
PodcastなりSpotifyなり何なりに配信しているわけなんですけど、
このラジオトークっていうのも、ある意味、もともとある単語を利用して作られた単語ということになりますよね。
ラジオっていう単語も、トークっていう単語もあって、
それを組み合わせることで、新しい単語を作っています。
こういうパターンを複合語という言い方をするんですね。
いっぱいありますよね。
犬小屋とかもそうですよね。
犬っていう単語と小屋っていう単語を合わせて犬小屋。
お化け屋敷とかもそうですよね。
お化けプラス屋敷でお化け屋敷。
この犬小屋とかお化け屋敷っていうその概念を、
全く新しい名前をつけてもいいんですけど、
そういうことはせずに、せっかくあるんだからね、あるものを使おうということになっています。
日本語の場合、この複合語を形成するときに音の変化が起こることがあります。
犬小屋だったら小屋っていうのが小屋っていう発音になってますよね。
こういうのを連濁と言って、ある意味接着剤みたいな役割をしてるんですね。
ある単語の一部だよということを表すために濁音になっています。
これは小屋っていうのがその後ろの要素なわけですけど、
前の要素が何か音が変わるっていうこともあって、
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風車とかがそうですね。
これは風っていう単語が風っていう音になっています。
これは転音と言われるもので、やはりこれも接着剤的な役割をしていて、
風から風っていう風に母音が変わることによって、ある単語の一部っていうことを表しています。
さらに風車の場合は車が車になっているので、連濁も起こっているわけですよね。
こういった複合語とよく似た現象として、
重複とか重複とか言われる語形性もあります。
これは同じ単語を繰り返すっていうタイプですね。
これも複合語と同じく連濁が起こることがあって、
人々とか神々みたいなものですね。
この重複っていう語形性はいろんな言語で見られて、
やっぱりね、その繰り返すっていうことから複数であることを表したりとか、
頻度が高いことを表したりとか、意味的にはそういった特徴があるんですね。
この重複の中でも繰り返すときに後半部分の音が変わるっていうことがあって、
これはちょっと連濁とは違うんですけど、
イメージで言うと日本語のしどろもどろとかしっちゃかめっちゃかみたいな感じですかね。
こういったものはエコーワードとか反響語って言われて、
南インドの言語でよく見られる特徴だそうです。
今言った複合とか重複っていうのは、その素材全体をありのままで使ってるっていう感じなんですけど、
そうではなくて、ある程度カットして使うっていう語形性もあるんですね。
単純に短縮と言われるものは、
例えばテレビジョンからテレビになったり、アルバイトからバイトになったりするようなもので、
テレビの場合は前の要素だけ使って、バイトの場合は後ろの要素だけ使っています。
さらに面白いのは、そのカットしたものをつなぎ合わせるみたいな、
短縮と複合がセットになったような語形性もあります。
これは混成とかブレンディングと言われるもので、日本語でもあるものなんですね。
例えば、破くっていう動詞がありますよね。
この破くっていうのは混成と言われる語形性で作られた単語で、
実は破ると削くのブレンディングなんですね。
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あとね、有名なのはスモッグとかですね。
これは煙のスモークと霧のフォッグをブレンディングしてスモッグになっています。
あとはブランチなんかが有名ですよね。
あれは朝食と昼食を兼ねたような食事ですけど、
当然ブレックファーストとランチのブレンディングということになっています。
さて、今までお話しした複合とか重複とか短縮とか混成とか言われるものは、
全部独立した単語を再利用というかね、活用した語形性でしたけど、
そうではなくて、ある単語に何か部品をつけて新しい単語を作るということもあります。
これを言語学では派生という言い方をするんですね。
例えば形容詞から名詞を作る部品として、
さとかみというものがあります。
新しいから新しさとか、つらいからつらみとか、
こういったさとかみっていうものは独立しては使えないものです。
こういった部品のことを節字、
特にある単語の後ろに出てくるようなものを節微字と言うんですね。
日本語はこの節微字がかなり豊富で、
例えば動詞につくものだと、
食べるから食べられるとか、食べさせるとか、食べたいみたいにさまざまな節微字があるんですね。
これに対して単語の頭に出てくるようなものを節頭字って言うんですけど、
日本語はあんまりないんじゃないかなと思います。
一番メジャーなのは定名語のをとかごっていうもので、
弁当の前にをっていうのがついてお弁当とか、挨拶の前にごがついてご挨拶とか、
あとは細いからか細いとか、足からす足みたいに、
多少節頭字と言われるものはありますけど、
日本語の場合は節微字がかなり優勢な言語ということができるんじゃないかなと思います。
最後の語形性として転生名詞っていうものをご紹介しようと思います。
ご紹介っていうか皆さん普段使ってるものですけど、
これは動詞のいわゆる連用形がそのまま名詞になるようなもので、
動きとか走りとか話とか光とかこういったものですね。
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これらはさっき言ったように連用形という形がそのまま名詞として使われているんですけど、
こういった転生名詞の中にはもう名詞として独立してるというか、
括弧たる地位を築いているものもあって、
どういうことかというと話とか光っていうのは送り仮名をつけませんよね。
これは転生名詞とかそういう意識はなくて、もう独立した名詞として意識されているからです。
一方、動きとか走りっていうのは送り仮名が必要で、
こういった転生名詞はまだ派生しているっていう意識があるっていうことなんですね。
というわけで今回のトークは語形性という新しい単語を作る手段のお話でした。
また次回のトークでお会いいたしましょう。