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2024-10-22 10:04

#697 ら抜き言葉ではなく「ar 抜き」言葉!? from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/693337

主要参考文献
井上史雄 (1998)『日本語ウォッチング』東京: 岩波書店.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

今回のエピソードでは、「ら抜き言葉」とそのメカニズムについて深く掘り下げている。また、この現象が「AR抜き言葉」とも呼ばれる理由や、動詞の種類による説明の違いについても解説している。

リスナーからのギフトとお便り
ギフトやお便り頂いております。
遠藤美孝さんから、ラジオトーク宛にギフトを頂きました。
ありがとうございます。励みになります。
そして、いつも配信ありがとうございます。さんからもギフト頂きました。
ありがとうございます。
そして、マクタブさんからお便り頂きました。ありがとうございます。
程度が大きいことを示すのに、「すごい楽しい」という風に、「すごい」を使うことが多いと思います。
しかし、模範的にはすごくて、以前はこれが多かったように感じます。
どういう理由で変わってきたんでしょうか。
ら抜き言葉のようなスッキリしたメカニズムがあるのか、すごい気になります。
ということで、マクタブさんどうもお便りありがとうございます。
このテーマ、まさにこのテーマについてお話ししているエピソードがございます。
シャープ387、すごく面白いとすごい面白い、どちらが正しいというエピソードがあります。
シャープ387、配信したのが2021年11月ですので、ちょうど3年前に配信したエピソードでございます。
リンクは概要欄に貼っておきますが、すごい楽しい、みたいな。
そういった言い方がなんで成立したのか、みたいな話もしているはずですので、そちらを聞いていただけたらと思います。
BGMです。
始まりました4月15日のツボ、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
クラウンライターライオンズです。
ら抜き言葉の解説
お便りにら抜き言葉が出てきましたので、今回はこのら抜き言葉をテーマにお話ししていこうと思います。
要は、食べられるというべきところを食べれるとらを抜いてしまうのがら抜き言葉です。
ら抜き言葉については過去にお話ししたエピソードもあるとは思うんですが、
どういった現象かというと、今言った通りですね。
食べられるが食べれるになるんですが、もうちょっと一般的な言い方をすると、
一段同士で起こる現象です。
一段同士、紙一段紙も一段あるわけですけど、食べるっていうのは一段同士なんですよね。
日本語には食べるみたいな一段同士と、もう一個大きいグループが五段同士っていうのがあって、
あとは不規則同士がある。するとくるっていうのがあるんですよね。
一段同士っていうのは食べるみたいなやつで、五段同士っていうのは書くとか読むとか、こういったものです。
見分け方っていうのはいくつかあるんですが、その一段同士と五段同士の見分け方っていうのはいくつかあるんですけど、
母語話者であれば、ないっていうのをつけるのが一番簡単です。
つまり、食べるに対して食べない、書くに対して書かない、
で、このないの直前の音があだんだったら五段同士です。
書かない、読まない、飲むが飲まない、酔うが酔わないとか、こういったものは全部五段同士です。
一方、食べるは食べないで、なの直前がべっていう枝の音ですので、これは一段同士です。
他には起きるに対して起きない、見るに対して見ないとか、こういったものが一段同士です。
あとは一段同士っていうのは必ずるーで終わるとか、でるーの直前はいだんかえだんかどっちかしかないとかね、いろいろあるんですけど、
日本語母語話者であればないっていうのをくっつけて、あだんが出るかどうかで見極めることができます。
で、あだんの音が出てこない一段同士でら抜き言葉は観察されます。
さっきも言ったように食べられるから食べれる、見られるから見れる、起きられるから起きれる、こうなるんですよね。
じゃあなんでら抜き言葉が生まれたかっていうのは、いくつか説明の仕方があるんですけど、
一つは、このれるられるっていう形が機能がいっぱいあって、働きすぎっていうか、
食べられるって言った場合、魚がサメに食べられるっていう受け身の場合もあれば、尊敬で食べられるっていうのも使えるし、
可能で朝はそんなに食べられないとか言い方をした場合はこれ可能ですので、主に受け身尊敬可能っていう3つの機能があるんですよね。
そうなるとちょっと見分けがつかないっていうか、負担を軽減させるためにらっていうのを抜いて食べれるといった場合は可能を表しましょうみたいなね。
そういうふうに変わっていったという説明があります。
尊敬であればお食べになるないし、召し上がるとか別の言い方をするっていう作戦もあるわけですが、
いずれにせよれるられるっていうのは機能が多いので、その機能を分散させるためにらを抜いたら抜き言葉、食べれる起きれる見れるっていうのが可能専用の形式になったということです。
それと合わせて語談動詞の方は、読めるとか飲めるとか書けるっていうような可能動詞っていうのが存在しているんですよね。
書かれるとか読まれるというのは可能では使わずに可能については書ける読める飲めるっていうそれ専用の形式がすでにあったので、
そうすると語談動詞は可能専用の形式があるのに一談動詞はないということで、それに合わせる形で食べれる見れる起きれるっていうら抜き言葉がね、
語談動詞の可能動詞に沿う形で発生したという言い方もできるんですよね。
AR抜き言葉の考察
このら抜き言葉というのは、実はら抜きではなくてAR抜き言葉だという説もあるんですね。
らではなくてARというのが抜けているという見方です。
さっきも言ったようにら抜き言葉っていうのは一談動詞でしか観察されないわけですが、
書ける読める飲めるみたいな語談動詞の可能動詞も一緒にひっくるめて考えると、
らが抜けているというよりはARが抜けていると考えた方が統一的な説明ができると、そういう見方もあるんですね。
これはローマ字で書いてみるとよくわかります。口頭だと結構難しいんですが、つまり書かれるっていうのと食べられるっていうのがあって、
これはどちらもれるられるがついた、ある意味伝統的な形です。
国語学風に言えば未然形にれるられるがついて、書かれる食べられるとなります。
これが可能の表現に今なっているのは書ける食べれるとなっているんですよね。
余裕のある方はぜひペンで書いてみてほしいんですけど、
書かれると書ける、食べられると食べれる。
見比べたときに両方抜け落ちているのはARというボイントシーンのこの並びが抜け落ちているということに気づくと思います。
書かれるから書けるはARが抜けていて、食べられるから食べれるっていうのもまたARが抜けています。
つまりら抜き言葉っていうのを一段動詞のらっていうのが抜けていると考えるのではなくて、
動詞の種類に関係なく、一段だろうが五段だろうが、れるられるのついた形式からARが抜けているんだ、それで可能を表す形式ができているんだと考えれば、
さっきも言ったように統一的な説明となります。
そう考えると、動詞の種類に関わらず可能表現ができたと考えれば、ら抜きというよりはAR抜きといった方が正確なんですよね。
これはね、なかなか面白い発見というかね、実際にローマ字で書かないとわからないので、
かなで書いてもちょっとこれは気づかないことなので、ぜひ皆さん確かめてみてください。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー!
10:04

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