00:05
始まりました。志賀十五の壺、参観王ランディバースです。
今回のトークは、There is 構文から英語の特徴というものを考えていこうと思います。
ありましたね、There is 構文ね。
存在を表す表現で、日本語に訳せばいるとかあるになるようなものです。
テーブルの上にスプーンがあるとかだと、There is a spoon on the tableみたいな言い方になると。
で、このthereの後のbe動詞は、その後に出てくる名詞と一致しなきゃいけなくて、特に数の一致ですね。
今スプーンが一個だけなので、There is a spoonでしたけど、複数だったらね、There areというふうにbe動詞の形が変わるということです。
このThere is 構文が変わっているのは、主語っていうのが動詞の後に出てきているということですね。
そう言ってしまっていいと思います。
英語っていうのは語順がかなりきっちりしてるっていうか、例外を認めづらいような言語で、
特に主語っていうのは動詞の前で決まっているんですけど、このThere is 構文に限りbe動詞、動詞の後に主語が出てきているということになっています。
なんでそういうことが言えるかというと、さっきも言ったように、be動詞の後に出てくる名詞によって動詞の形が変わるからです。
英語もそうですけど、どんな言語でも、その動詞に一致を促すような、コントロールするような名詞のことを主語というと思います。
英語の場合は、この主語と動詞の一致みたいなものは、かなり捨たれてしまっていて、
be動詞と三人称単数現在のsと、これくらいにしか見られないですね。
むしろ英語における主語っていうのは、その動詞と一致する名詞というよりは、動詞の前に出てくる名詞っていうふうに、
位置で大体決まっていると言っていいと思います。
そういった意味でThere is 構文っていうのは、ちょっと変わっているということです。
あと文頭に出てきているこのThereっていうのも、実質意味がないですよね。
03:00
そこでとか訳しちゃダメで、There is a spoonって言ったからといって、そこにスプーンがある。
まあこういうふうに和訳してしまうとダメなんですよね。
そういった意味でも、このThere is 構文っていうのは変わっていると言っていいと思います。
存在を表す時にいつでもThere is 構文っていうのが使えるわけではないんですね。
これは主語が不定の時にしか使えないと言われています。
この不定っていうのは言語学の用語で、簡単に言えば聞き手が知らないこと、知らないものっていう意味なんですね。
不定の反対は定と言って、英語だと定感詞のtheっていうのがつくようなものです。
ということはThere is the spoonとは言えないんですね。
このThere is 構文に出てくる主語の名詞っていうのは、不定感詞のaとか、あとはsomeとかね、こういったものがよく一緒に出てきます。
なので、スプーンが話題になってて、そのスプーンがテーブルの上にあるっていう時は、
もうそのスプーン自体を本当の主語にしてしまって、
The spoon is on the tableっていう風に典型的なbe動詞を使った表現になるんですね。
これはね、おそらく中学校だかなんだかの英語の授業で皆さん習ってると思うんですけど、
まあ忘れちゃってる人もいるんじゃないかなと思います。
逆に言うと、aっていう不定感詞がついてる名詞が主語になるっていうのもちょっと言いづらいので、
There is a spoonっていう言い方になると。
これは英語の大きな特徴で、端的に言えば英語っていうのは、さっきもちょろっと言いましたけど、
動詞の前っていうのが主語の位置で、同時に主題の位置でもあるということなんですね。
主語と主題、言語学では厳密に区別するんですけど、
あんまりね、一般には深く考えられていないんじゃないかなと思います。
日本語においては、この主語と主題っていうのはきっちり区別されるもので、
いろいろ詳しい話はあるんですけど、ごくごく簡単に言うと、
日本語の主語っていうのはががつくもので、主題というのははがつくものです。
さっきのスプーンの例を日本語で考えてみると、スプーンがテーブルの上にあるというふうに、
06:02
相手がスプーンのことを知らない場合はがっていうのを使って、
スプーンがすでに話題に上がっているときは、スプーンはテーブルの上にあるっていうふうにはを使うんですね。
つまり、相手が知らないか知ってるか、不定か定かっていうのが、
助詞のがとはの交代にうまく対応しています。
英語の漢詞もあとざっていうのが対応してるんですけど、
この存在を表すときは、there is 公文を使うのか、
典型的なbe動詞の公文を使うのかっていうふうに構造自体が変わってしまうんですね。
これは何でかというと、英語の主語っていうのは主題でもなければいけないというか、
つまり、相手も知っていることでないと主語になれない。
つまり、動詞の前に出てこれないということなんですね。
なので、スプーンがテーブルの上にあるみたいに、相手がスプーンのことを知らない場合は、
その主語が動詞の前に出てくるのを避けるために、
there is 公文というのを使って、
thereっていう何の意味もない要素を動詞の前にポンと入れて、
本当の主語は動詞、be動詞の後に出てくるということになっているんですね。
もう一回今までの話をまとめとくと、
日本語と違って英語っていうのは主語と主題っていうのが強く結びついている言語なので、
たとえ主語だとしても、主題じゃない場合、つまり相手が知らない場合は、
動詞の前に出てこれないと。
そのためにthere is 公文という、ちょっと変わった語順の公文を使うってことなんですね。
以上お話ししたように、このthere is 公文から、
英語という言語は主語と主題っていうのがかっちり結びついていて、
主題ではない主語、
つまり相手が知らないような場合の主語は、
there is 公文みたいにね、少し変わった語順になるということが分かりましたけど、
それともう一つ面白いのは、
thereっていうのが出てこなきゃいけないっていうことですね。
その動詞の前の位置っていうのは空にすることができないということです。
これはthere is 公文のthereもそうだし、
雨が降るとかのit rainsのitとかもそうです。
本来なくていいんですけど、その動詞の前の位置っていうのを空にすることができない。
意味がないとしても主語っていうのは省略できない言語ということです。
09:00
よく英語と対比して、日本語っていうのは主語を省略できる言語だみたいにね、
さも日本語の方が珍しいみたいな言い方をする人がいるんですけど、
むしろ逆で、主語が絶対何が何でも出てこなきゃいけないような英語みたいな言語の方が実は変わっていると言っていいと思います。
なので皆さんはこれから日本語っていうのは主語が省略できる珍しい言語だよとかは言わないでほしいですね。
うんざりしてしまうんでね。
これは英語がよくできる人ほどそういうことを割と言いがちなんですよね。
というわけで今回のお話はここまでということで、最後まで聞いてくださってありがとうございました。
番組フォローもよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。