1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #408 奈良時代の日本語は母音..
2022-01-15 10:08

#408 奈良時代の日本語は母音の数が多かった!?(上代特殊仮名遣) from Radiotalk

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https://radiotalk.jp/talk/356274
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https://radiotalk.jp/talk/425873

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『古代国語の音韻に就いて―他二篇』 (橋本進吉、岩波文庫)
A History of the Japanese Language (Bjarke Frellesvig, Cambridge University Press)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:05
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。豊臣秀吉です。
今日のトークは、奈良時代以前の日本語というテーマでね、お話ししていこうと思います。
まあ以前ってことは奈良時代も含むわけなんですけど、
まあ我々がね、その古文とか古典とか言った場合、
頭に浮かぶのは学校で習ったものですよね。
まああれは一応日本語なわけですけど、昔の日本語ということで、
ある意味、外国語として学ぶような側面もあったわけですよね。
まあ現代語と共通しているとこもあるけど、
まあやっぱり別個の言語に見られるようなとこもあって、
特に助動詞の活用なんかすごい面倒くさかったなぁと僕は記憶してますね。
当然、その古文で習った日本語から現代の日本語まではこう連続してるわけなので、
その変化していく段階っていうものがあったわけなんですけど、
そういったものは学校では習わないので、
まあすごい断絶したものとしてね、我々には見受けられてしまうということです。
まあその辺りを補完するものとしてね、この番組はトークを配信しているとこもあって、
やっぱなんかもったいない気がするんですよね。
現代日本語とは別物かもしれないけど、
やっぱりこう連続をなしてこう代々受け継がれて現代の日本語までつながってるんだっていうことがわかんないと、
実感を持って古文でも何でも学べないと思うんですよね。
だからこの番組ではちょいちょい古文と現代語のかけはしみたいなね、
そういった内容の話をすることがございます。
当然古文っていうのが要位どんでそこからあったわけではなくて、
それ以前の日本語っていうのもあったわけですよね。
ただ我々が中学や高校で習うのは平安時代以降の言語、
源氏物語をはじめとする、そういったものを習うわけなんですよね。
文言一致運動っていうのが明治時代に起こるまでこの古文っていうのが文語だったわけなので書き言葉だったわけなんですよね。
だからまあ一つ、そういう古文っていうのが規範的な言語としてずっと機能していて、
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現代語ではもう書き言葉も話し言葉も同じようになっちゃったので返りがなくなっちゃったので、
そういう意味では古文っていうのは完全に現代では使われている言葉ではないので、書き言葉ですらないので学ぶ実用性っていうのはもしかしたらないのかもしれません。
まあその辺の話は置いといて、
その学校で習った古文以前の日本語について今日はお話ししていくと、
そういったことでやっていこうと思います。
我々が古文で習う平安時代の日本語っていうのは、
その文字資料っていうのが大量にあって、
源氏物語っていうものがまず規範的なものとしてあるわけですけど、
それより前の奈良時代以前の日本語にも文字資料がないわけではないんですね。
それは万葉仮名と言われるもので書かれている資料で、
万葉集っていうのがその万葉仮名で書かれていたわけですけど、
今で言うあて字というかな、よろしくっていうのがありますよね。
夜の梅雨の死んで苦しいみたいな。
ああいう風に漢字の音をそのまま日本語の音に当てたような使い方をしたりとか、
そういう風に発音をそのまま当てた用法があって、
それが万葉仮名と言われるものです。
それが崩されたり一部を使ったりすると、
平仮名、片仮名になっていったわけですね。
なので文字資料としてきちんと奈良時代以前の日本語は残っているわけなんですけど、
まず中学や高校では使われないと。
そしてこの奈良時代以前の日本語は古文とは異なる仕組みだったんですね。
それは文法的にもそうですけど、
今日メインでお話ししようと思うのは音ですね。
音の体型というのも古文とは違うんですね。
端的に言うと奈良時代以前の日本語は、
古文あるいは現代日本語よりも母音の数が多かったと考えられています。
それは万葉仮名を見てみればわかるんですね、それこそ。
というのが、子っていう単語で子供の子っていう意味の子と、
これっていう意味の子、
この2つ別々の漢字を使って表されていたんですね。
その漢字の使い分けが混ざるっていうことはありえなくて、
幻覚に使い分けられていたと。
となるとこれは子という発音に2種類あったと考えられるんですね。
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あるいは現代日本語では火っていうのはお日様って意味と炎っていう意味がありますけど、
奈良時代の日本語では万葉仮名で別々の漢字が当てられていました。
もっと言うとピーっていう発音だったと考えられています。
と考えるとこのピーというのも2つの発音があったと考えられるんですね。
こういう2つの発音を持つ仮名として、万葉仮名の使い分けとして、
きひみ、けへめ、こそとのよろ、
これらの仮名、あとその濁音ですね。
がそれぞれ2つの発音があったと考えられているんですね。
だから、いに2つ、えに2つ、おに2つあったということです。
こういう2つの発音をこうおつとつけて甲類とかおつ類っていう言い方をするんですね。
さっきの例で言うと、子供の甲の方の甲は甲類の甲で、
これっていう意味の甲はおつ類の甲。
おひさまの方の火は甲類の発音で、
炎の方の火はおつ類の発音というふうに分類されます。
つまり、現代日本語あるいは古文ではあ、い、う、え、おの5母音体系だったわけですけど、
いに2つ、えに2つ、おに2つあったわけなので、
全部で8つ母音が区別していたと考えられています。
この区別は平安時代ではもう失われていて、
いもえもおも1つしかなかったということになっているんですね。
現代でも5母音体系であると。
こういう奈良時代以前の万葉仮名でしか見られない仮名の使い分けのことを
常代特集仮名遣いというんですね。
これは橋本新吉先生という先生が発見・提案したものなんですけど、
実際にこの2種類のいやえやおがどういう発音だったかまでは分からないんですね。
使い分けがあったことは確かですけど、
実際どういう発音だったかっていうのは録音資料があるわけではないので、
分からないということになっています。
これについてはいろいろ諸説あるんですね。
こういった母音の違い以外にも、
奈良時代の日本語っていうのは、
現代日本語と違う音を持っていたと考えられていて、
さっきちょっと言っちゃいましたけど、
現代日本語のハヒフヘホっていう音は、
奈良時代の日本語ではパピプペポであったと考えられています。
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我々が古文で習う日本語では、
ファフィフフェフォっていう唇を使う摩擦音だったと考えられてるんですね。
それと濁音も現代日本語とは違って、
一度鼻に抜けるゼンビ音破裂音だったと考えられてるんですね。
だからンバーとかンダーとかンガーっていう風に発音されていたと考えられています。
こういう風に、
奈良時代の日本語っていうのは、
現代語はもちろんですけど、
古文とも全然違う体型を持っていて、
特に音の面では、母音にしろ親音にしろ、
それ独自の特徴を持っていたんですね。
というわけで今回のトークは、
古文より前の時代の日本語についてのお話でした。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
お相手は志賀十五でした。
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