1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #216 洗濯機、「センタッキ」..
2020-11-19 11:18

#216 洗濯機、「センタッキ」って言っちゃわない? from Radiotalk

すんごい唐突な終わりかた笑

さがみ若竹センターのはっしーさんのツイートからトークのネタをいただきました、ありがとうございます!
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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょう。志賀十五です。
皆さんは、洗濯機のこと、ドラム式とか色々ありますけど、あのことを洗濯機って言ってませんかね。
っていうのが今回のタイトルですよね。これはほぼ100%日本語母語話者だったら、洗濯機、洗濯機って言ってると思うんですよ。
ただ、正式名称っていうか、文字で書こうとしたり打ち込んだりしようとすると、洗濯機って言うと思うんですよね。
ただね、さっき試しに、僕iPhone使ってるんですけど、iPhoneで洗濯機って言ってもね、漢字でちゃんと変換してくれるんですよ、洗濯機って。
賢いもんだなーっていうことなんですが、そういうわけで今回のトークテーマは、この洗濯機、これは何なんだっていうお話ですね。
これね、探してみると意外とあったりするんですよ。洗濯機もそうだし、あとは水族館、水族館なんだろうけど水族館って言ったり、体育館を体育館。
これはどうかな、人によるかな。あるいは万穀機を万穀機って言ったり、いろいろあったりするんですよね。
結論を先取りしていってしまうと、これは母音の無精化、あるいは削除として一般化できるんですね。
もう何を言うてるんだよ、堅いなーってことなんですが、順を追って説明するとですね、どうしようかな。
知らないか。退屈ですけど、前提となる知識なんで、順番にご説明いたしますと、
日本語に限らず、言語音っていうのは、いろんな分類の仕方がございますけど、大きく2つに分けることができます。
1つは無声音、もう1つは有声音なんですね。声がない、声があると書いて無声有声ってことなんですが、
これは声帯が震えてるか、震えていないかという基準なんですね。
ちょっとね、気づきづらいものなんですけど、声帯が震えてるかどうかっていうのは、ご自身で喉に手を当ててみるとわかると思うんですよね。
普通に喋ってるときは、声帯が震えて、振動が指先に伝わってくると思うんですけど、
例えば、ささやき声でこうやって話してると、全然声帯が震えないんですよね。
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もうちょっとわかりやすいやつで言うと、静かにしてっていうときにシーって言いますよね。
このシーっていう音は音にはなってるけど、声帯は全く震えてないのがわかると思います。
これが無声音ってことなんですね。
一方、有声音になるとジーって音になって、これはシーに比べて全然声帯が震えてるっていうのがおわかりになると思います。
なので、このことからわかるのは、日本語の作業は無声音で、座行は有声音ということになります。
こういうペアは他にもあって、もうまとめてしまうと、日本語の無声音っていうのは、
下行、さっき言った作業、他行、派行、そして派行っていうことになりますね。
これ行というよりは正確には、KとかSとかっていう字で書く真が無声音と言ったほうが正しいんですけど、
日本語だと、かさた、はぱっていう音が無声音っていうことになります。
たぶん、ちょっと漏れがなければそういうことになると思います。
それ以外は全て有声音になるんですね。
母音のあいうえおも有声音だし、だく音も有声音。
らりるれろみたいな音も有声音ってことになってるんですね。
ちなみに、世界のどんな言語でも、無声音と有声音の区別があるっていうわけではないんですね。
日本語母語話者にとっては、たーとだーっていうのは全然違う音なんですけど、
こういった区別は、例えばお隣の韓国朝鮮語とか中国語にはないんですね。
韓国朝鮮語や中国語では、たーとだーの区別というよりは、たーとたーの区別みたいになってるんですよ。
日本語母語話者にとっては、両方単に聞こえたかもしれませんけど、
これは無声音有声音ではなくて、有気音無気音っていう言われ方をして、
これは発音の際に空気の激しい回放というか気流の流れができるのが有気音で、たーっていう音になるんですね。
そういうのがないのは、たーっていうのが無気音。
この区別が大事になってるんですよ。
韓国朝鮮語はもう一種類音があったりするんですけど、3つ対立があったりするんですね。
そういう言語はあるんですが、日本語においては無声音と有声音、たーとだーっていう区別が非常に重要になってて、
意味が全然変わってきたりするわけですよね。
これは声音と濁音の違いと捉えてもいい場合もあるんですが、
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それだと不十分なんですよね。
濁音、つまり点々がついてるかなは全部有声音なんですけど、
逆に言うと、まみむめもとか、ぼいんだけあいうえおみたいなのは点々つかないけど有声音なので、
やっぱり声音濁音だけではカバーしきれないところなんですよね。
イメージとしては声音濁音って感じですけど。
ほいで話を戻しまして、
洗濯機が洗濯機、水族館が水族館になるのは、
無声シーンが母音を挟んでるとき、母音が無声シーンで挟まれてるとき、どっちでもいいですけど、に起こるんですね。
常にそうなるわけではないですけど、起こりやすい。
洗濯機で、ここのくときでローマ字で書いていただくとわかるんですけど、
くきのところが、ゆうが両方けいで挟まれてますよね。
そういう場合は、このうっていう発音が無声音になるっていうことがまず起こり得るんですね。
洗濯機みたいに洗濯機。
この声帯の振動がなくなると。
さらにそれが進むと、完全に母音が削除されて、
そうするとシーンの連続になるので、洗濯機とこうなるってことなんですね。
水族館も一緒で、やっぱりけいの音で挟まれてる、無声音で挟まれてる母音が削除されて、水族館になってるということなんですね。
これいろんなとこでありますよ。
例えば助手席っていうのをみなさん、カジュアルには助っ席っていうんじゃないですかね。
あれもやっぱりSっていう、文字で書くとSっていう無声音で挟まれてる母音が無声化して、さらには削除されて助っ席になってるとか。
あたたかいがあったかいになるのも、やっぱTっていう無声音で母音が挟まれて、
言ってみれば無声音で挟まれているので、間の母音は有声音ですけど、オセロみたいな感じですよね。
無声音にしちゃえっていうか吊られちゃうみたいな感じで無声音になって、さらにはそれが削除されるということなんですね。
今言っている洗濯機みたいな場合は、同じシーンが連続しているので、洗濯機みたいに小さいつみたいに聞こえるんですよね。
こういうのを速音って言ったりするんですが、これは実は違うシーンでも母音の無声化あるいは削除っていうのは起こっていて、
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例えばあすからとかね、あすからっていうこのあすのうっていう母音がかなり聞こえづらくなって、完全に削除されてあすからっていう風になってると思うんですよね。
あるいは一単語の中でも紙を溶かすくしっていうのもくしって言うんじゃないですかね、皆さんどうですかね。
くしのこのうっていう母音が無声シーンくっていうのとすっていう音で挟まれているので、くしとこうなるっていうね、全く同じプロセスがあるんですよね。
なので何が言いたいかっていうと洗濯機みたいに全然違う発音になってんじゃんって思うものも、これはたまたま同じシーンがくっていうシーンが重なっているから速音小さいつみたいに聞こえるので全く違うように聞こえますけど、いろんなとこで起こっているってことなんですね。
で面白いのはね、これ母音の無声化っていうのは連濁と裏表なんですよ。連濁っていうのは顔っていうのが寝顔になったりするものですけど、これは逆に無声シーンが母音に挟まれているので、母音っていうのは有声音なので有声化してるってことなんですよね。
顔が寝顔になったり、たるっていうのが逆だるになったりするのもこれは母音の無声化と逆というか同じというか有声音で挟んでいるので、それにつられちゃって無声シーンのかーとかたーっていうのががーとかだーになっているってことなんですよね。
なので洗濯機って言っちゃうのも寝顔って言っちゃうのと同じ現象であると言えば同じ現象なんですよ。こういうのを動化とか言ったりするんですよね。音の動化と言ったりします。
というわけで最後まで聞いていただいてありがとうございました。また次回お会いしましょう。ごきげんよう。
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