1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2023-10-28 09:30

#594 「ゆる言語学ラジオ」の言語学 from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/814627

ゆる言語学ラジオ
https://yurugengo.com/

主要参考文献
「南琉球宮古語伊良部島方言: シリーズ記述文法1」(下地理則、くろしお出版)
A History of Japanese Language (Frellesvig, B., Cambridge Univ. Press)

下地先生は宮古語伊良部島方言の記述で、形容詞ではなくPC語根 (Property Concept root) という術語を使ってらっしゃいます、面白い!

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:12
始まりました、志賀十五の壺。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
腐ったみかんです。
番組宛にギフトをいただいております。
マクラスさんからギフトをいただきました。
どうもありがとうございます。
この番組では、ラジオトークというアプリから送ることのできるギフト、
それ以外からも送ることのできるお便り、
いつでも募集しておりますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、「ゆる言語学ラジオ」という番組がございますね。
ポッドキャスト番組がございます。
この番組よりもはるかに人気のある言語学の番組でございますが、
このゆる言語学ラジオ、ゆるい言語学ラジオではないんですね。
ゆる言語学ラジオ。
ゆるいと言ってしまうと、それで一単語ですので、
二単語ということになっちゃうんですけど、
ゆる言語学ラジオと言ってしまえば、一種の複合語ですね。
それ全体で一つの単語、名詞となっているわけでございます。
ゆるいというのは形容詞ですので、
ゆるが形容詞、言語学名詞、ラジオ名詞なので、
形容詞プラス名詞足す名詞で、複合名詞というのが全体として出来上がっているわけです。
今回はこの形容詞というのにちょっと注目してお話ししようと思います。
言語学とラジオを足して言語学ラジオになるっていうのは、
よくありがちっていうかね、名詞足す名詞で名詞ですっていうのは、
かなりストレートなシンプルな複合語なんですけど、
形容詞が複合語を形成するっていうのは、
結構奥が深いんじゃないかなと思います。
さっきも言ったように、ゆるい言語学ラジオではなくて、ゆる言語学ラジオなので、
このゆるっていうのは、専門的に言えば形容詞互換とかね、言えるようなもので、
その活用で変化しないとこですね。
いっていうのが活用語尾というかね、屈折なわけですけど、
それなしで語幹が名詞と一緒くたになっているということです。
03:00
その形容詞語幹が名詞と組み合わさって名詞になるっていうのは、
あるといえばあるんですよね。早足とか早い足じゃなくて早足とか、
サブイボとかもそうだと思うんですけどね。
鳥肌のことですけど、
サブっていうサブイのイがない形容詞語幹とイボが組み合わさって、
一つの名詞になっているということです。
沖縄の都語では、結構ねこういったことが普通に行われるようです。
背の高い人っていうのはタカプトゥみたいに言って、
高人みたいな言い方になってるんですね。
この都語と比べると、
いわゆる共通語の形容詞語幹と名詞の足し算っていうのは、
あんまり生産的とは言えないですかね。早足みたいに、
もうそれで一単語みたいになってるものが大半ではないかと思います。
歴史を遡ってみると、この形容詞語幹っていうのは相当独立性が高かったみたいです。
我々がね、中学とか高校でやった古文の授業でやったように、
形容詞っていうのは、どうしもそうですけど、連体形っていうのがあって、
現代語だとタカイというところを終止形タカシに対して、
タカキっていうような、キっていう連体形があったわけですよね。
連体形っていうのは対言というか名詞にかかる形なわけですけど、
その古文よりさらに前の時代の、
上代日本語と言われる奈良時代以前の日本語では、
形容詞語幹だけで名詞を修飾するような用法っていうのがあったようです。
まさに早足みたいなものですけど、
タカイだったらタカヤマとかタカナミっていう風に、
このタカっていう形容詞語幹が名詞をそのまま修飾しているというか、
これは複合語になっていると言えるのかな。
いずれにせよ、形容詞語幹がかなり独立性が高かったんですね。
さらに形容詞語幹に助詞がついて、
名詞を修飾するっていう用法もあったようです。
例えば通つ人とか通つ国みたいなもので、
06:03
これは遠い人とか遠い国ということですけど、
形容詞の連体形使うんだったら、
遠き人、遠き国と。
こうなりそうなんですけどね。
形容詞語幹の遠に、
上代日本語だったらトポという発音だったと考えられてますけど、
いずれにせよこの遠っていうのに、
名詞につく助詞つっていうのがくっついて、
遠いの人とか遠いの国みたいになっているんですね。
このつっていうのは、
現代日本語でもまつげとか、
そういったとこに化石的に残っております。
本来このつっていうのは名詞につくものなので、
おきつしらなみとか、おきのしらなみみたいに、
そのおきみたいに名詞につくはずの、つく助詞が、
形容詞語幹についているっていうことは、
日本語の形容詞語幹というか、形容詞っていうのは、
昔は相当名詞的だったと考えることができるんですね。
実際そういった説があって、
たかとかとうみたいに、
現代では形容詞語幹と考えられるもの単体で、
名詞的に機能していたというふうに言えるんですね。
現代日本語では、形容詞っていうのは、
用言と考えられていて、それは活用するからですけど、
ただその活用っていうのも、
例えば、高かったみたいに言うのは、
高くあったっていうふうに、
もともとあるっていう動詞の助けを借りて活用しているので、
ある意味、本来的なものではないんですよね、形容詞の活用っていうのは。
世界の言語を見回したときに、形容詞っていうのは、
動詞的な場合と名詞的な場合とがあって、
例えば韓国朝鮮語の形容詞っていうのは、かなり動詞的ですけど、
ヨーロッパの言語の形容詞っていうのは、
格変化したりするので、かなり名詞的なんですよね。
現代日本語の形容詞は、さっきもちょっと言いましたけど、
活用するので、用言っぽいんですが、
歴史的に見れば、
上代日本語とかの形容詞は、
名詞と組み合わさったりとか、
名詞と同じ助詞がついたりするので、
そういった意味で、
本来的には、日本語の形容詞は、
名詞的だと言えるんじゃないかなと思います。
09:01
ゆる言語学ラジオのこのゆるっていうのも、
そういう日本語の形容詞の名詞的特徴の名残みたいにね、
言えるんではないかと思います。
というわけで今回のエピソードはここまでということで、
また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
チャンネル登録と高評価もよろしくお願いします。
お会いしましょう。
またねー!
09:30

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