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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。元気にしていらっしゃいますでしょうか。志賀十五です。
秋といえばね、フルーツがおいしい季節なんですよね、きっとね。
僕自身は岡山県出身で、ご存知でない方も多いかもしれませんけど、岡山県ってフルーツ王国なんですよね。
代表的なのは、やっぱり桃太郎ゆかりの地っていうだけあってですね。桃ですね、特に白桃ですかね。
あとはそれ以外にもマスカットとかブドウとかっていうのも、非常においしい土地柄なんですよね。
僕もやっぱりマスカットはすごい好きですね、岡山の。糖度も高くてね。
実は大きいというよりは、大きいんですけど、大きいというよりはしっかり詰まっているって感じでね。
高級食材なんで、なかなか特別な時にしか食べないですけど、そういった岡山県産の果物っていうのはね、非常に好きなんですよ。
ただね、都内だとなかなか岡山県産の果物って見かけることはないですね。
やっぱりその地理的なね、距離が近いっていうこともあって、山梨県産のフルーツが多いですよね。
なのでなかなかね、地元に帰った時とかぐらいにしかそういった桃とかマスカットとかブドウとか、口にする機会はないんですよね。
そんなことよりもですね、この果物って何なのかってことですよね。
果物っていう言葉の話です。単語の話ですね。果物。
果のものなのかとかね、そういうことをちょっとふと思っちゃったんですよね。
っていうのも、この番組初めてお聞きになる方もいらっしゃると思うんですが、言語音楽の話をよくしているんですよ。
なので、果物そのものというよりは、果物っていう単語の成り立ちとかね、そういうことに関心がいっちゃうんですよね。
そういうこともあってですね、ちょっと果物っていう語源を調べてみたら、どうやらあれは木のものっていう意味らしいですね、もともとね。
木になるのが果物の、なんていうかな、素人的な定義の一つですから、木になるものを果物と言っていると。
くっていうのが木のことで、音も似てますよね。
このだっていうのが、昔の日本語でのっていう意味があったみたいなんですよね。
木のものっていうのがそのままくだものになって、今では一単語みたいに考えられていると。
このだっていうのは、他にもあって、例えばけだものとかですね。
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これは毛のものっていうことで、毛が生えているものっていうことで、動物っていう意味になっているみたいですね。
日本語ってもともと、のにあたる単語っていうかね、助詞っていうか、そういったものが豊富だったみたいですね。
果物とか、けだもののだっていうのも、のにあたるみたいだし、当然、こののっていうのも昔から使われているものだし。
他にも、現代日本語では主語を表すとされているがですね。
私が言ったとかのがっていうのも、昔はそののみたいな感じで名詞を修飾するものだったんですよね。
現代でも君がよとか、我が家とか、化石的に残っているって感じですよね。
他にもですね、つっていうのも、その名詞を修飾するのに使われてたんですよ。
これも化石的にしか残ってないですけど、まつげとかですね。
このまつげっていうのは、もともと目の毛っていうことで、このつっていうのがのにあたってたみたいですね。
万葉集の中にも、おきつしらなみとかね、ご存知の方もいらっしゃると思うんですけど、あれはおきのしらなみってことなので、
どうやら場所関係とか位置関係を表すのに、このつっていうのは使われていたようです。
なので、今お話ししたものの中だけでも、のにあたるのは、だと、のと、がと、つっていうね、少なくとも4つはあったみたいなんですよね。
この中でもね、だっていうのは相当歴史が古いんでしょうね、きっとね。
少なくとも我々が高校で習う古典では、このだっていうのは出てきてなかったですから、
他のがとかのとかつっていうのは、名刺就職の女子っていうふうに習うんですけど、
その我々が習う古典の時代では、もう生産性がないとかいう言い方をするんですけど、
単語の一部みたいになっちゃって、果物とかけだものとか、そういったとこにしか観察されないってことなんだと思うんですよね。
ただ、果物がもともと木のものっていう、そういう意味だったかっていうのは、ちょっとね、僕自身疑問が残りますね。
そのことをちょっと順を追って説明いたしますと、そもそもですね、木のものだったら果物じゃなくて木だものになるんじゃないのかみたいなね、
そういう疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれませんね。
僕はね、そこは別にいいと思うんですよ。いいと思うっていうか。
というのもですね、ある単語の中で複合語の構成部分っていうか、もっとわかりやすく言うと、ある単語の一部になるときに、
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その単語の形が変わる、音が変わるってことはよくあることなんですよね。
例えば、風っていうのが風車になったり、酒っていうのが酒屋になったり、雨っていうのが雨がっぱになったりね。
こういうふうにいろんなところで観察されることなので、木っていうのが果物で、木っていうのが食うっていう音になるっていうのは別に不思議ではないと思うんですよね。
実際ですね、先ほど挙げた例の中で、まつげっていうのもまさにそうで、あれ目の毛って言いましたけど、
あれもやっぱり目っていうのがある単語の一部になるとき、まっていう形になって、目の毛でまつげになったり、あるいは目のふたでまぶたになったりしてるわけですよね。
なので、音が変わるっていう点では別に不思議ではないと思うんですけど、
それだったらね、果物じゃなくて、こだものになるんじゃないかなって気がすんですよね。
こだもの。
というのもですね、木っていうのは木陰とか言いますよね。
だから木っていうのがある単語の一部になるときは木っていう音になるのが普通っていうかね、そういうルールなんじゃないかなって思うんですよね。
あるいは木漏れ日とかですかね。あれも多分一緒だと思うんですけど。
なので木陰とか木漏れ日っていうのを見てると、やっぱ木っていうのはある単語の一部になるときは木っていう音になるのが普通で、
そうするとやっぱりこだものじゃねえのかなって思うんですよね。
と思いきやですね、月っていう単語はある単語の一部になるときは、やや文語的な言い方かもしれませんけど、
つくよとかね、つくよみっていう感じで木っていう音がくになってるので、そういうのを見てると、
木がくだもので、いがうっていう音になってもいいのかなって気は多少しますけど、
でもやっぱり木っていうのが木漏れ日とか木陰でおっていう音になっているのを見るとね、やっぱこだものじゃねえかなっていう気はやっぱどうしてもしちゃいますね。
今までの話をちょっとまとめるとですね、ある単語がある単語の一部になるときに音が変わることがあるっていうことなんですよね。
そういうのを露出形と被覆形っていう言い方をよくします。
単独で使うときのことを露出形と言って、これは雨とか風とか目とか木とか月ですね。
ある単語の一部になるときは被覆形と言って、これは雨とか坂とか風とか間とか甲とか築とかそういった形になります。
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少なくともね、現代語だけ見てると木っていうのは露出形は当然木で、被覆形の方は木漏れ日とか木陰みたいに凍って音が出てるので、
果物はね、こだものになりそうな気がなんとなくするっていうね、そういうお話でした。
これまた余談ですけど、今まで単語がある単語の一部になるとき形を変えるっていう言い方をしてたんですけど、逆の見方もあるんですよ。
つまり露出形、単独で使うときに特殊の形を取る。
つまり被覆形の方がデフォルトで、ひとり立ちするときにちょっと形を変えてるっていうね、そういう見方もあるんですよね。
ちょっと具体的に言うと、イっていう設備辞をつけて露出形を被覆形から派生してるっていうね、そういう見方があるんですよね。
ちょっと専門的な言い方になっちゃったので、もし興味のある方は過去に似たようなトークをしているのでそちらを聞いていただけたらと思います。
リンク先貼っておくので。
というわけで今回のトークは、果物ってこだものじゃないの?っていうね、そんな話でした。
よかったら他のトークも聞いていただけたらと思います。
それではまた次回お会いしましょう。
よろしかったら番組フォローお願いいたします。
ではまた次回。ごきげんよう。