1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2023-02-11 09:27

#520 暗いL:people はなぜピーポー? from Radiotalk

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主要参考文献
“English Phonetics and Phonology” (Peter Roach, Cambridge Univ. Press)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。まいとがいです。
英語には、ラ行にあたる音に L と R っていうのがあって、
それぞれ、聞き分けないし、発音の仕分けっていうのがね、
日本語母語話者にとって難しいっていうのは、よく言われてますよね。
ま、今回は主に L の発音についてお話ししていこうと思います。
ま、専門的には L っていうのは側面接近音と言われる音で、
ま、舌先が歯ぐきにあたってるんですよね、とりあえず。
で、その側面、ベロの側面から、肺からの空気が抜けていくような音になっています。
ラララっていうような音ですね。
で、R の方は、ま、英語の場合ですけど、英語の R っていうのは、
舌先がどこにもつかないような発音になっています。
ま、こういう使い分けっていうか、発音の仕分けがあるんですが、
実は L の中にもいくつか変種っていうのがあるんですね。
その L の音が単語の中でどの位置に現れるかっていう環境によって、
異なる実現の仕方があります。
ま、いつでもラーっていうような音になるわけじゃないっていうことですね。
で、これも専門的にはイオンという言い方をします。
言語学一般にね、そういうイオンっていう言い方をするんですね。
異なる音と書いてイオンです。
で、この側面接近音のラーっていう音が出るのは、母音の前だけです。
例えば光っていう意味のライトとかね、
こういうのはラーっていうような、まさに L らしい L っていうような音に聞こえるんじゃないかなと思います。
ま、いくらでもありますよね。幸運のラックとかね、ミルのルークとか何でもいいですけど、
この L の後に母音が続く場合は側面接近音、すなわち歯茎に舌先が当たった発音、
そして下の横を空気が流れているようなラーという音で発音されると、そういうことになってるんですね。
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この側面接近音の L の発音のことを明るい L ということがあります。
明るい L があるんだったら暗い L があるのかっていうことですが、まさにあるんですね。
英語でもダーク L という言い方をすることがあります。 先ほどの明るい L は、後ろに母音が続くときに現れるっていうことでしたが、
暗い L、ダーク L の方はその逆っていう感じで、 つまり後ろに何も続かない語末であるとか、
あるいは後ろに進が続く場合にダーク L というのが現れます。 例えば、今回のエピソードタイトルにあるように、
people っていうのはピーポーっていうこともありますよね。 で、実際ネイティブの発音を聞くとピーポーみたいな風に聞こえると思います。
こういうふうに、語末の L はウとか、あるいはオーみたいな発音に聞こえます。 で、これをダーク L っていうんですね。
で、専門的にはこれは軟膏外化した側面接近音といって、
なんというかな、その口の中の空気の流れを邪魔する、その狭めっていうのが、
軟膏外っていうとこで行われるんですね。 この軟膏外っていうのは、
カキクケコウとかガギグゲゴウとかいう、口の奥の方に当たる部分です。 で、この辺の部分っていうのは、
母音で言うと後ろじた母音って言って、ウとかオっていう時に使う器官なんですね。
なのでダーク L っていうのは、軟膏外化した音ということで、必然的にウとかオという発音に聞こえます。
実際ダーク L を発音するときは、ウとかオのつもりで発音してしまっていいと思います。
で、明るい L の場合は、先ほど言ったように舌先を歯茎につける、
ラーっていうような発音でしたが、ダーク L の場合は舌先は別につかなくてもいいみたいなので、
本当に日本語のウとかオみたいなリラックスした発音でいいんじゃないかと思います。
で、ピーポルとか、あるいはリンゴのアポルとかね、こういったものは後ろに何も音が続かない、
ゴマツの発音ということで、ウとかオに聞こえるダーク L で発音されます。
で、ダーク L が出てくるのはゴマツだけではなくて、後ろにシーンが続く場合もそうです。
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例えばミルクっていうのもミルクみたいに聞こえるし、カルチャーっていうのもカルチャーみたいに聞こえます。
で、このダーク L っていうのはこれも繰り返しですけど、ウとかオっていうような母音に近いので、
その直前に出てくる母音に影響を与えることがあります。
例えばカルチャーっていうのも、このアっていう母音がカルチャーみたいにちょっとオみたいに聞こえることがあるので、
このダーク L の前の母音は少し聞こえ方が異なることもあるっていうのも注意が必要なところです。
以上明るい L と暗い L の話をしました。
英語に詳しい方だったらね、この L に2つの変種があるっていうのは結構知られていることではないかなと思うんですが、
実は L の発音にはもう一つあるんですね。
これも専門的な言い方ですが、それは無精化した L というもので、
プートゥークっていう無精破裂音の後の L っていうのは無精化してしまうんですね。
つまり声帯の震えが伴わないっていうことなんですが、どういうことかというと、
例えば横たえるとか寝かせるっていう意味のレイっていうのは、
これは母音の前の L なので明るい L でレイっていうような発音になります。
一方遊ぶって意味のプレイっていうのは、
同様に明るい L で発音されそうなんですが、
L の音の前に P の音があるんですね。で、こういった場合はプレイっていったような発音になります。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、L の部分だけを取り出してみると、
ファーっていうような発音になります。
ラーに対してファーっていうような、ちょっと摩擦が伴うこともあるんですけど、
明るい L と口の形は一緒なんですが、声帯の震えが伴わない、
プレイみたいな発音になるんですね。
プレイではなく、プレイみたいな発音になるんですね。
ただまぁ、この無声化した L にしろ、明るいくらいにしろ、
意味の違いに直接影響するものではないので、
L と R っていうのは意味の違いに関わってきますけど、
この L の変種っていうのはあくまで変種なので、
全部明るい L で発音しても通じるとは思いますが、
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聞き取りの際なんかには参考にしていただけたらと思います。
というわけで今回は、英語の L の異音についてのお話でした。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回お会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はしがじゅうごでした。
またねー。
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