1. 毎日5分パリのアトリエからフリーランス!
  2. ep.58 週末さくらももこ「おん..
2020-01-11 24:16

ep.58 週末さくらももこ「おんぶにだっこ」朗読つづき

エピソードをシェアする

Share on X Share on Facebook Share on Threads
週末さくらももこ「おんぶにだっこ」朗読つづきです!くすっと笑えるエッセイと、切ないエッセイの2編をお届けします。
笑えるエッセイの方は我慢できなくてめっちゃ笑ってますスミマセン笑。
00:06
こんにちは、パリのアパルトマンからお届けします。フリーランスのSAKIです。
このラジオは、私SAKIがパリ生活やビジネス、読書で学んだことを、毎朝10分配信してます。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
週末なんで、朗読をちょっとね、またやりたいなって思ってて。
先週、さくらももこさんのエッセイ、「おんぶにだっこ」朗読したと思うんですけど、
ちょっとそれを、もう一回他のエッセイをちょっと取り上げたいなと思いました。
なんか聞き直してみてね、私の前置きのしゃべりが長いなって思って。
なんかそれだったら、エピソードのこと、もうちょっと聞かれたい方もいるのかなって思って、
ちょっとこう、朗読というか、読む時間を長めにしてやりたいなって、今日は思いました。
なんかこんな感じで、勝手に学んで、修正してをやってるんですけども。
ご興味があったらお付き合いいただけではと思います。
エッセイなんで、読みやすいんですよね、短いから。
長編小説だったら、ちょっとまとめないといけなくて、どこを引っ張ってきたらいいのかとかね、そういうのもあるんですけど、
エッセイだったら気軽に何か、何でしょう、お料理しながらとか、育児しながらとか聞けるんで、
さらっと聞くのにいいかなって思いつつ、
今日3つぐらい短いエッセイを取り上げたいなと思ってます。
なんかエッセイの内容としては、ちょっと面白くすっと笑える面白い系と、切ない系と切ない系です。
そこをバランスよくせんのかいって感じですけど、
気に入った3つを、思いっきり偏ってますけど、ジャンルは。
読みたいなと思ってます。
一番最初は、読んでてちょっと振って笑っちゃうなみたいな、面白いなみたいな、思った大失敗っていう話です。
このちーまる子ちゃんがちっちゃい時の話ですね。
小学生かな?幼稚園ですね。幼稚園の時の話です。
大失敗。読んでいきます。
同じ組のあっこちゃんの家に遊びに行くことになった。
あっこちゃんはちょっとおしゃまな女の子で気取っているしわがままだけど、男子からは割と人気があった。
03:02
私とは全く違うタイプだなぁと思っていたが、
たまに一緒に遊ぶことがあったのだ。
あっこちゃんの家に着くと、あっこちゃんの友達もいたので、3人で遊ぶことになった。
お姫様ごっこをしようということになったのだが、私はその日ズボンを履いていたので、あっこちゃんに、
桃ちゃんはお姫様になっちゃダメ!と言われ、けらいや馬車の運転手みたいな雑用係になり、
あっこちゃんともう一名はお姫様の役になった。
少しも面白くなかった。
あっこちゃんなんて大して可愛らしくもないだるまみたいな顔のくせに、
よくズーズーしくお姫様なんてやってられるよなぁと思っていたが、
もちろんそんな失礼なことは言わずに黙っていた。
私はおとなしくけらいとなり、雑用をやっていればいいのだ。
本当はこんなだるまよりも可愛らしいし、たぶん頭も良いと思うが、ズボンを履いているのだから仕方ない。
あっこちゃんは私に、あれを持ってきて、とか、これをあっちに持ってって、とか、その他いろいろ平気で命令していた。
もう一名はあっこちゃんのように命令はしなかったが、別にかばってくれるわけでもなかった。
最高につまらない。一刻も早く帰りたい。
こんなところにいるぐらいなら、一人で坊主めくりでもやっている方がマシだ。
何回ももう帰ると言おうとしたが、だるまのやつが次々に用事を命令してくるので、なかなか言い出せずにいた。
こんな時、大声で、つまらないからもう帰ると言える勇気のある人が羨ましい。
あっこちゃんならきっと言えるんだろう。そもそもあっこちゃんなら家来にならないだろうし、実際そうだ。
では、あっこちゃんのような人になりたいかと言えば、絶対に嫌だ。
あんなふてぶてしく平気でエバるような人にはなりたくない。
だからもう帰ると言えないのは、あっこちゃんのような人じゃないからしょうがないんだし、家来なのもズボンのせいだけじゃなく性格的な要素もあるのだ。
私はあっこちゃんのような人になるより、家来の方を自分で選んでいるのだ。
だからつまらなくても帰れなくても我慢するしかない。
そのような実に消極的なあきらめが漠然と心を負っていた。
でもこんな気持ちぐらい大したことはない。
私はほとんど毎日、何らかのあきらめや不安に襲われて生きている。
だからこの程度のあきらめなんて、私にとっては軽く処理できるレベルだ。
5時まで我慢すれば帰れる、と思い、時計を見たらまだ2時半だった。
06:04
あと2時間半。
家来をやってりゃこのだるまの気も済んで、波風立てずにこの家から去ることができるのだから、それまでの辛抱だ。
私はあっこちゃんたちから一歩引いたところで、庭を眺めたりして時間をやり過ごしていた。
あっこちゃんたちは楽しそうにお姫様になりきっている。
どうやらお城でパーティーが開かれるらしい。
そこへあっこちゃんのおばあちゃんがおやつを持ってやってきた。
お盆の上にはジュースとクッキー等の甘いお菓子が乗っていた。
おばあちゃんが部屋から去ると、あっこちゃんは
わぁパーティーのご馳走よ、いただきましょう、と言ってもう一名の友達におやつを勧めた。
そして私の方を向いて、家来にはあげないからね、と言ったので、私は普通に別にいいよ、と言った。
当時の私はチョコレートとプリン以外の甘いお菓子は全く好きでなかったのだ。
ケーキもクッキーもまんじゅうもカステラも何もかも嫌いだった。
子供のくせに甘いものが嫌いなんて、とよく大人から言われたが、
こちらにしてみりゃあんな甘ったるいものをよく食べるよな、と不思議に思っていた。
私が普通に別にいいよ、と言ったのが、だるまには気に入らなかったらしい。
もっと私が騒いで、ちょうだいちょうだい、と言うとでも思ったのだろう。
あっこちゃん、あっこちゃんは、
うん、何よ、ほんとは欲しいんでしょ、と言ったので、
私はほんとにいらないよ、とまた普通に言った。
するとあっこちゃんは勝手に腹を立て、
そんならほんとにあげないからねえだ、
と実に憎たらしい顔をしながらそう叫んだので、私はもう黙っていた。
あっこちゃんの挑発に乗らなかったため、
あっこちゃんの機嫌悪くなり、なんとなく賢悪な気配が漂っていた。
私があっこちゃんの挑発に乗り、
お願いだからお菓子をください、とすがりつけばこんなムードにならなかったのかもしれないが、
私だっていくらなんでもそこまでおどけピエロになるつもりはない。
波風を立てぬようにと気を使っていたのに、
こんなに一方的に波風を立てられてしまうなんて、
これじゃあ気遣い存じゃないか。
今ここで私がもう帰ると言ったら、
だるまたちはきっと、
ももちゃんは意地を張ってお菓子を食べられなかったから、
悔しくて帰っちゃったんだ。
バカみたいね、なんていうに違いない。
それも悔しい。
もう一つ大人になって、そう思われたって別にいいじゃないか、とはまだ思えない。
09:01
だから険悪なムードの中でひたすら耐えるしかない。
あっこちゃんがお庭で遊ぼうと言い出したので、
三人で庭に出た。
庭にはママごとセットが置いてあり、
お姫様ごっこをやめてママごとをすることになった。
あっこちゃんがお母さんで、
もう一名がお姉さんで、
私が父親の役をやることになった。
ズボンを履いているせいもあるし、
嫌だと言えない性格のせいもあるが、
あっこちゃんの意地悪のせいが
80%ぐらいを占める敗役だと思われる。
早速お父さんはあっち行って、
早く行ってきますって言って、
会社へ行ってよ、と言われた。
私が男だったら、
こんなエバるだるまなんて決して妻にしない。
一生だるまで棒に振るなんてまっぴらだ。
しかし余計なことは言わず、
じゃあ行ってきます、とだけ言い、
私はママごとの現場から離れ、
家の影に身を潜めた。
無精算の時間が流れていく。
日陰の暗い空間で、
こうして足元の故郷を眺めているなんて、
実にくだらないが、
だるまにエバられるよりはましだ。
あと30分ぐらいここでこうしていれば、
そのうち5時になるだろう。
そう思いじっとしていたら、
急に臭いを催してきた。
これはさっさとトイレに行ったほうがいい感じだ。
遠慮してる暇はない。
だるまにいちいち断ってる暇もない。
私は足早にあっこちゃんの家の中に入り、
トイレに向かった。
トイレの扉を開けると、
男子用トイレと女子用トイレが仕切られていたので、
女子用トイレの扉のノブに手をかけた。
その時、おしっこが漏れてしまった。
自分でも全く信じられない事態だった。
目の前が真っ暗になり、
ゴーンというショックの音が心の中に響き、
額全部にダーッと縦線がおり、
目は白目という姿になったわけだ。
男子用のトイレの床に水たまりができている。
スリッパも濡れてる。
どうしよう。
その辺に雑巾はないだろうか。
それとも紙で拭こうかなど、
瞬時にいろんな手段を考えたが、
激しく動揺しており、
何もできずにそのまま黙って逃げることにした。
私は半泣きで走った。
あんなに憎らしいあっこちゃんの家でおしっこを漏らすなんて。
5歳にもなっておしっこを漏らすなんて。
悔しいやら情けないやら恥ずかしいやら、
感情のコントロールの限界を超えて、
体がガクガクしているのを感じた。
12:01
家に着き、ただいまと言ったまま、
親の顔も見ずに部屋に直行し、
急いでパンツとズボンを着替えた。
そして濡れたパンツとズボンを握りしめ、
洗濯機の中にこっそり投げ入れた。
親にも言いたくなかった。
こんな失敗、誰にも言いたくない。
明日、幼稚園であっこちゃんに会ったら、
なんて言われるだろうか。
あの男子用トイレの水たまりに、
あっこちゃんの家族が気づかないわけがない。
そして私は何も言わずに帰ってしまったのだから、
誰がどう考えても、
ははーん、さてはももちゃんがおしっこ漏らして黙って帰ったんだな、
と思い当たるだろう。
絶望だ。
あの意地悪なあっこちゃんは、
みんなに、ももちゃんはおしっこ漏らしたと言いふらすだろう。
そうなった場合、私は一体どれぐらいの年月を
黙って我慢して生きていけば済むのだろう。
待ち受ける運命の辛さに泣きたかったが、
家族の前でも泣くわけにはいかないので、
泣かずに頑張るしかなかった。
布団に入ると、女子用トイレのドアノブに
手をかけた光景が思い出され、
あと一歩だったのに、
という無念さと現状の切なさで涙があふれてた。
翌朝、思い足取りで幼稚園に行くと、
案の定すぐにあっこちゃんがやってきた。
「ももちゃん、昨日なんで途中で帰っちゃったの?」
と不機嫌そうな表情で尋ねてきた。
私はあっこちゃんにいきなり
昨日おしっこ漏らして帰ったでしょと
言われると思っていたので、
今のあっこちゃんのセリフは意外だった。
もしかしたらあっこちゃんのおばあちゃんが
男子用トイレの水たまりをいち早く発見し、
特に誰が?という疑問も抱かずに
拭いたのかもしれない。
きっとそうだ、それ以外にこの展開は考えられない。
私は落ち着いて、
昨日あっこちゃんに
お父さんはあっち行ってって言われたから
もう帰ってもいいのかと思って
そのまま帰ったんだよ、と言った。
それを聞いたあっこちゃんは
ふーんと言い、
それ以上私のことなんて興味がない様子で去っていった。
大ピンチの大きな山場をクリアしたという感覚を得た。
私はよその家でおしっこを漏らしたのに
人知れず闇に葬ることに成功したのだ。
はい、終わりです。
大失敗というエッセイはここまでですね。
面白いですね。
15:00
日常のこんなちっちゃい時のことを
細かく風景が思い浮かぶように書き出して
しかも笑えるっていう
ちょっと読みながら笑ってしまったんですけど
あっこちゃんのことをだるまって呼び出して
途中から名称がだるまってなったことも面白かったし
もう一人の友達のことを他一名って書いてたので
すごい印象なかったんでしょうね。
なんかありますよね、こういうのね、ちっちゃい時
ちょっと意地悪な友達みたいな
はい、面白く読ませていただきました。
まあ、えっと
あと一個ぐらいにしよっかな
またもう一個は別の機会に読もうと思いますけども
ちょっと次は切ない系のエッセイですね。
タイトルは窓のおばあちゃんっていうタイトルです。
じゃあちょっと読んでいきます。
窓のおばあちゃん
5歳の時母方の祖母が亡くなった
ついこの前まで元気だったのに急に死んでしまった
祖母が生きていた頃は遊びに行くたびにお小遣いをくれた
近所の駄菓子屋にも連れて行ってくれたし
桃子はいい子だねといつも言ってくれたので私は嬉しかった
そんなおばあちゃんが倒れたという連絡が入り
病院へ行ってみると
おばあちゃんの意識はなくただ静かに寝ていた
鼻にはチューブが通されていた
私は黙ってその姿を見ていた
それから間もなくしておばあちゃんのお葬式が行われた
おばあちゃんの家に行くと親戚の人が集まって泣いていた
看護家の中でおばあちゃんは手を合わせて静かに横になっていた
私が遊びに行くといつも笑顔で迎えてくれたのに
その顔は少しも動かなかった
私はおばあちゃんのお葬式なのに少しも悲しくなかった
大好きなおばあちゃんが死んでしまったのに涙も出なかった
ちょうどその頃幼稚園へ通う途中の家の窓から
いつも声をかけてくれるおばあちゃんがいた
桃ちゃんお利口だね行ってらっしゃい
と毎朝そのおばあちゃんは言ってくれた
時にはチョコレートをくれることもあった
18:00
そのおばあちゃんが少し死んだおばあちゃんに似てる気がした
私は幼稚園の帰りにもそのおばあちゃんに会って
いろいろ話をすることがあった
話といっても大した話じゃないが
今日あれを見たとかこれを作ったとかその程度の内容だ
でも聞いてもらえて嬉しかった
窓越しに話をするので私は窓のおばあちゃんと呼んでいた
あの窓を覗けばおばあちゃんの小さい顔が見える
そしてほんの束の間日だまりのような穏やかな時間が流れるのだ
そのおばあちゃんもある日ぽっくり死んでしまった
私がそれを知ったのはお葬式が終わった後だった
そのおばあちゃん死んじゃったんだって
と母から聞いた時は実感がわかなかった
そんなことあるわけないという気がした
窓を覗けばきっとまたあの小さい顔がこっちを向いて
ももちゃんおはようというはずだ
そう思っていたら窓は閉まっていた
窓の曇りガラスには仏壇用の提灯の青白い光が映っていた
玄関扉付近ではほんのりお線香の匂いも漂っていた
それでもまだ私はあの窓を開ければおばあちゃんがいるような気がしていた
今日は窓が閉まっているからおばあちゃんの顔が見えないだけだ
違う日ならきっといる
数日後あの窓が少しだけ開いていたので中をそっと覗いてみた
するとおばあちゃんの写真が飾られていた
玄関の扉は開いていておばあちゃんの家の人がいたので
私はおはようございますと挨拶をした
すると家の人は
ももこちゃんうちのおばあちゃん死んじゃったのよ
いつもそこの窓のところにいたのにね
と言った
いつもいた人がいなくなってしまうというのが死ぬということなんだ
初めて実感した
死ぬと動かなくなっていなくなることぐらい知っていると思っていたが
本当にはわかっていなかったのだ
窓のおばあちゃんにはもう二度と会えない
あの窓を覗いてももう誰もいない
あのおばあちゃんは死んでしまったからどこにもいないんだ
21:01
それからしばらくして私は母の実家へ行った
母方のおばあちゃんももういなかった
お葬式の日は館桶の中にいたけれど
今はもうどこにもいない
いつも座っていた場所にも台所にもいない
いつまでたってもどこからも帰ってこない
私の大好きなおばあちゃんは二人ともいなくなってしまった
死んでしまったのだ
深い悲しみがまとめて湧いてきた
今目の前にいる大切な人たちとも
いつの日かお境に二度と会えなくなるのだと思うと
悲しすぎると思い
毎晩布団の中でむせび泣く日が続いた
むせび泣きは一年以上続いていたように思う
窓のおばあちゃんっていうエッセイでした
ちょっと切ないですね
最初実感が湧かなくて
後からじわじわ実感が湧いてきて
毎日関わっていたおばあちゃんが二人ともいなくなっちゃって
深い悲しみが後でまとめて湧いてきたっていう話でしたけど
ちょっと読んでたら感情移入しちゃいましたね
おばあちゃんのこととか色々考えたりしました
今日はちょっとここまでにしようかな
二つ読みました
さくらももこさんすごい大好きで
ちょっと前に亡くなってしまいましたけど
その時本当に悲しすぎて
ブログやってますけど
そのブログ海外フリーランスの始め方といって
フリーランスのこととかについて書いてましたけど
全然関係ないのにさくらももこさんの追悼日記みたいなの書いてますからね
全然関係ないのにもう書きたくなってしまって
中学生ぐらいの時からエッセイとか漫画とかすごい読んでたんで
もう新しい作品が出ないのかと思うと
切なくなりましたね
作品は偉大です
ずっと残るからね
だから何回も読んだりしてるんですけど同じものを
今日はちょっと皆さんにシェアしました
この音部にだこっていう本もまだ他にも中にエッセイいっぱい収録されてるんで
よかったら読んでみてください
24:01
じゃあ今日はそろそろこの辺でお開きということで
また次回お会いしましょう
それでは皆さん良い週末をお過ごしください
24:16

コメント

スクロール