1. レイ・イナモト「世界のクリエイティブ思考」
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2023-07-04 19:21

#036 「創造性を刺激する教育とは?」

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第36回は、アイビーリーグで長年、教育改革に取り組まれてきたジョエル・ポドルニーさんがゲストで登場。どうやって議論をすれば、お互いのクリエイティビティを高め合うことができるか?Apple Universityの伝説の講義「イノベーションの最大化」とは?会社など上下関係がある場で意見を伝える方法など、今回はジョエルさんに、クリエイティビティを刺激する教育についてお話を伺いました。


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This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone. This is Reina Moro. 皆さんこんにちは。ニューヨークと東京を拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO 共同創業パートナーのReina Moroです。 この番組では世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回のゲストは、スタンフォード大学、ハーバード大学、そしてイエール大学経営大学院など、長年、教育分野のトップランナーとしてご活躍されてきた、ジョエル・ポドルニーさんです。
ジョエルさんは、イエール大学教育学部の学部長だったとき、財務や会計などの分野を横断した革新的なMBAのカリキュラムを開発したことで知られています。
そして、このならたる有名大学いくつかで活躍している最中に、彼自身は一生、大学で教育者としてキャリアを終えるのかなと思っていたそうなんですが、
15年ぐらい前ですかね、スティーブ・ジョグス氏に直接連絡をもらい、そしてアップルの中でアップルユニバーシティというのを作ってほしいというリクエストをもらい、
そしてその教育の分野から企業に移るという、そういうキャリアチェンジをされた方です。
アップルでは12年以上活躍をされて、アップルユニバーシティの設立、そして統括を行い、社員の教育育成に力を入れていたんですが、
ちょうど2年ほど前、独立をされてオーナーエデュケーションというスタートアップを立ち上げ、その会社を経営されている方です。
そんなジョエルさんに今回はクリエイティビティを刺激する教育について語っていただきました。
それでは、Let's get started!
まず最初の質問なんですが、クリエイティビティは生まれ持った才能でしょうか?
それとも教育によって引き出すことができるのでしょうか?
クリエイティビティを刺激するためには、どんな教育をすればよいと思いますか?
クリエイティビティは教育によって引き出すことができるものだと思っています。
ここで私がクリエイティビティは生まれ持った才能だと言ってしまったら、とても短いポッドキャスト番組になってしまいますからね。
そして、教育的なコンテクストに移動すると、私たちはどのような教育的なコンテクストについて考えているのでしょうか?
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そのコンテクストによって、オリジナルの考えや技術的な行動によって、その考えに基づいて行動することができるのでしょうか?
クリエイティビティは、自分で思い描いた唯一無二のアイデアと、それを形にすることのできる能力だと考えています。
ただ、教育によってどうやってこの2つを刺激するか、これは難しい問題です。
何かを暗記させたり、過去の作品を真似させたりしても、クリエイティビティを刺激することはできません。
ただ一方で、何もないところから何でもやっていいよと言っても、生徒たちはおじけづいてしまうだけです。
人間は何でもやっていいと言われると、逆に何をすればいいかわからなくなってしまうんです。
私が博士号を取るために論文を書いたときもそうでした。
真っ白なページにどう埋めていっていいかわからなかったので、まずとにかく何でもいいから書き始めようと思ったんです。
そしたらひどい内容になりました。自由度が高すぎるのも考えものです。
論文を書くには間違いなくクリエイティビティが必要ですが、どうやったらいいか、そういう指針がないと逆にクリエイティビティは阻害されてしまうんです。
そこで私は何をしたかというと、参考文献から書き始めることにしました。
インスピレーションを書き立てられるような文献をたくさん集めてきて、それからアイデアをまとめることにしたんです。
私が論文はまず参考文献のページから書き始めなさいというふうに言っているのは変わったアドバイスだと思うかもしれませんが、私はいつも生徒たちにそう伝えています。
クリエイティビティを引き出すためにはどんな教え方をしていますか?
クリエイティビティを刺激するためには、それぞれの視点で意見をぶつけてもらって議論をするのが一番です。
ビジネススクールではケーススタディについて、違うバックグラウンドを持つ生徒同士で議論をしてもらって、
アップルユニバーシティではデザイナーたちに、製品についてデザイン批評のようなことをしてもらいました。
たくさんの疑問点とか、異なるアイデア、対立する意見がクリエイティビティを前に進めます。
私たちはみんな異なる意見、違った視点、異なる能力、違う洞察力を持っていて、それぞれの意見に関して、
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その違いこそが重要なんです。これに気づいてから、私の教育へのアプローチは大きく変わりました。
もう少し具体的に聞きたいことなんですが、これまでどんなテーマで議論をさせたんですか?
アップルユニバーシティにいた頃、マックOSやiOSを開発したグレッグ・クリスティと一緒に、イノベーションの最大化という授業をしていました。
この授業は僕のお気に入りで、生徒たちにこの授業を教えてもらいました。
歴史を振り返ると、印刷機、ラジオ、自動車、それから、史上初めて人類による月面着陸に成功した宇宙船、
アポロ11号など、革新的な技術に注目をしました。
例えば、アップルユニバーシティのイノベーションの最大化という授業は、
もし、印刷技術がなければ、聖書によってキリスト教がここまで広がることはなかったでしょう。
こうしたことを例に、本当の意味で革命的なイノベーションとは何か。
このイノベーションとは何かというと、
アップルユニバーシティのイノベーションは、
そうすると、新たな可能性を生み出す新しい理論が出てくるのです。
私は教育の場で、いかに意見の違う人たちと触れ合う機会をつくるか、
それについて考えています。
教育の場で、いかに意見の違う人たちと触れ合う機会をつくるか、
それについて考えています。
教育の場で、いかに意見の違う人たちと触れ合う機会をつくるか、
それについて考えています。
私は教育の場で、いかに意見の違う人たちと触れ合う機会をつくるか、
そしてお互いの考えを変えることができるか、
こうしたポイントを重視しています。
生徒のクリエイティビティを高めるためには、どちらも不可欠な要素です。
生徒のクリエイティビティを高めるためには、どちらも不可欠な要素です。
なので、私はクラスやチームに多様なメンバーを集めて、
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生産的な議論ができる技術を教えて、実際に議論してもらっています。
お互いの考えが変わるほどのパワフルな体験が積み重なっていくと、
新たなものを生み出すことができますからね。
僕もですね、ジョーリーさんと比べるほどでは全くなくて恥ずかしいぐらいなんですが、
僕もですね、ジョーリーさんと比べるほどでは全くなくて恥ずかしいぐらいなんですが、
客員講師としてニューヨークにあるコーネル大学というところの大学院で、
客員講師としてニューヨークにあるコーネル大学というところの大学院で、
MBAの生徒とエンジニアリングの生徒に対し、
デザインを教えているんですね。
デザインをやりたいと思っている生徒たちにデザインとかブランディングを教えるのではなくて、
そうではないところの人たちにデザインだったりブランディングを教えるという、
正直やりにくいところはあるんですが、
そこもちょっと今日勉強したいなということもあったので、
ジョーリーさんとのお話はすごく楽しみにしていました。
教えるときって、もちろん何十人とかいる教室で教えるんですけれども、
少ないときは10人、20人、多いときは100人、200人、300人くらいのクラスを教えていることもあるんですけれども、
今まで僕が意識していたのは、一人一人に知識を共有するということを結構意識していたと思って、
チームごとで課題を出したりチームアサイメントをやるんですが、
チーム同士ごと生徒同士で意見をぶつけ合うということは、あんまり意識していなかったかなと正直気づかされたんですよね。
もちろんアメリカとかで教えていると、皆さん意見の多い人がたくさんいて、うるさい人もすごくいるので、
自然とディベートというか議論にはなりがちではあるんですが、
そこをもっともっと励まして、問いかけをしながらお互いを磨き上げていくということをもっと意識して、
教育に立ち向かうというのは必要なんだなと思いましたし、そこはちょっともっと意識しようかなというふうに思わされました。
大学などと違って会社内では議論したくても、特に日本は上下関係が邪魔をして、なかなか率直な意見が出てこない、そういうことがあると思います。
大学などと違って会社内では議論したくても、特に日本は上下関係が邪魔をして、なかなか率直な意見が出てこない、そういうことがあると思います。
そんなときはどうすればよいですか。
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偉い人たちが圧倒的なパワーを持っている会社では、確かにデータとかの裏付けなしに新しい提案をするというのが難しいかもしれません。
そうしたとき、まずは偉い人を抜きにして、同僚たちと議論の力を持ち、
そうしたとき、まずは偉い人を抜きにして、同僚たちと議論の力を持ち、
そうしたとき、まずは偉い人を抜きにして、同僚たちと議論の力を持ち、
練習をして考え抜かれた提案をされると、偉い人たちだってそれを単なる思いつきで却下するわけにもいかなくなると思うんですよね。
もし仮に別の大企業からApple Universityで教えていたようなことを、うちでもやって欲しいと言われたら、何を教えますか?
大企業にはとてもクリエイティブな人たちがたくさん働いていると思います。
ただ、そうした人たちが一緒に仕事をする機会はあまりないかもしれません。
したがって、共通の目的に対して、違う意見をぶつけて議論する場を作ることができるのではないかと思います。
会社の中で、同じ目的に対して、それを達成しようという意識とか情熱を持った人たちが増えれば、クリエイティビティはどんどん生まれていきます。
もしカリキュラムを考えるならば、2つのことをメインにします。
1つ目は、共通の目的に対して、違う意見をぶつけて議論する場を作ることができる。
2つ目は、お互いの意見を転換させることのできるような議論の方法。
共通の目的がなくて、議論だけしていたら、誰のためにもなりませんからね。
議論するときに、何か気をつけることはありますか。
議論で大切なのは、相手の専門知識に敬意を払うことです。上下関係ではありません。
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相手が専門分野で培ってきた経験とか時間の長さ、そこから生まれた洞察力を尊重することで、多くのことが学べると思います。
相手の専門知識を尊重しながら議論することで、より良い結論が導き出せると考えています。
ここまでお送りしてきました、レイナモトの世界のクリエイティブ思考。
今回は、教育改革に励むジョエル・ポドロニーさんに、クリエイティビティを刺激する教育についてお話を伺いました。
まずジョエルさんはですね、学歴があまりにもすごくて、こんなにすごい大学を渡り歩いている人っていうのは、
アメリカでも日本でも会ったことがないんですね。
そんなにすごい人なのに、すごく奇策な方で、僕の何十倍もの知能を持った人だと思うんですが、
対等に話してくれたっていうのがすごくありがたくて印象的でしたね。
クリエイティビティを発揮するような教育のカリキュラムの3つのステップっていうことを、彼がその場で教えてくれたんですけども、
その3つのステップは何かというと、まず英語で言うとDeep Sense of Common Purpose、2つ目にCulture of Debate、3つ目にReverence for Expertise、もしくはRespect for Expertiseという言い方をされていました。
まずこの最初のDeep Sense of Common Purposeというのは、組織もしくは団体、グループの人たちが何を目的として動いているのかということを最初にはっきりさせる。
2つ目にCulture of Debate、議論をする文化、そして空気を、そういう場を作る。
ただ論争をするだけでなくて、アイディアをぶつけ合いながら、岩の中に岩石の中にある宝石を見つけていくように、最初はゴツゴツしているんだけども、ディベートをすることによってその中にある宝石を見つけていく。
その文化を作るのが大事、これが2つ目。
そして3つ目、Respect for Expertise、Expertiseというのは専門分野だったりとか専門技術という意味なんですが、
特に組織だったりとかグループの中ではいろんな人がいて、多様性があるといろんな背景だったりとかいろんな技術を持っている人がいると思うんですが、
その人たちの各自の専門分野をリスペクトして、自分の分野ではないところは任せて、そして自分の分野のところは自分が責任を持って最高のものを仕上げるということを大事にすべきだということをおっしゃっていたんですね。
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なのでこのクリエイティビティを発揮するような教育の仕方というのは、まず共通の目的が何かということを発揮させて、そこで共感を作る。
Culture of Debate、議論をしあって岩石の中にある宝石を見つけていく。
そして各個人の専門分野もしくは得意なことを尊重する、この3つがカリキュラムを設計する上で大事なんだということをおっしゃっていたのは、今までのクリエイティブ思考では教育者という方にはあまりお話を聞く機会は多くはないんですが、すごくハイレベルなおかつ具体的なことが聞き出せたなと思いました。
次回は組織がクリエイティブになるについて、情侣さんとの対談の続きをお届けします。
次回もお楽しみに。世界のクリエイティブ思考、お相手はレイナウトでした。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えた、テクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
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