1. レイ・イナモト「世界のクリエイティブ思考」
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2023-07-11 14:16

#037 「組織がクリエイティブになるには?」

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第37回は、長年、アイビーリーグで教育改革に取り組まれてきたジョエル・ポドルニーさんがゲストで登場。トップダウン型の会社で議論を活発化させるにはどうしたら良いか?Appleを成功に導くため社員がスティーブ・ジョブスを説得した方法は?高いレベルのクリエイティビティを実現するための良い摩擦など、今回はジョエルさんに組織がクリエイティブになるには?についてお話を伺いました。


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サマリー

ジョエル・ポルニさんをゲストに迎え、組織がクリエイティブになる方法についてお話ししました。議論を通じて組織の考え方を変えることができることや、共通の目的意識が重要であることを説明しています。組織がクリエイティブになるためには、意見の対立においてオープンマインドであること、問いかけること、アイデアの主張ではなく内容に集中することが重要です。

組織のクリエイティブ性
This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone. This is Reina Moro. 皆さんこんにちは。ニューヨークと東京を拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO、共同創業パートナーのReina Moroです。 この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回のゲストは、前回に続き、スタンフォード大学、ハーバード大学、イエル大学経営大学院など、長年教育分野のトップランナーとしてご活躍されてきた
ジョエル・ポルニさんです。 今回は、組織がクリエイティブになるには?についてお話を伺いました。
So, let's get started. では、始めましょう。
Creative Voice
What were some of the tools that you and or the teams around you used in order to change a strong voice or a person with a very loud voice change their mind?
日本企業は年功序列で意思決定がトップダウンになりがちです。 こうした会社の経営トップが圧倒的な権限を持つ企業でも、議論によってトップの考えを変えることはできるのでしょうか?
You're really driven by a common purpose. There's absolutely no loss in saying, I was wrong about this, and now I want to go this way, because what I care about is…
その会社のトップが他の社員と共通の目的意識ですね。 目的意識を持っていれば、議論によってトップの考えを変えることは可能だと考えています。
より良い製品を作りたいとか、お客さんのためにより良いサービスを提供したいとか、そういった目的意識さえちゃんと一致していて、全員がそこに向かって最善を尽くしていれば、トップだってこれまでの自分の考えは間違っていたと認めざるを得ないこともあると思います。
スティーブ・ジョブズは最初にiPodとiTunesをWindowsのプラットフォームに乗せるのを非常に反対していたのですが、彼は本当にキラーアプリのようなものだと信じていたので、マクインタッチを買うためのものがiPodと呼ばれる素晴らしい音楽デバイスだったのです。
実際にこうしたことは、私がAppleに行った時にありました。
スティーブ・ジョブズは当初、マクインタッチ以外のコンピューターでiPodとiTunesを利用できるようにするという案には、実は大反対だったのです。
iPodとiTunesを使いたいなら、みんなマクインタッチを買うべきだというふうに彼は考えていたのです。
ただ、その頃マクインタッチの売り上げはマーケット全体のたったの5%でした。
つまり、Windowsのコンピューターを使う95%の人たちは、iPodやiTunesがどんなに素晴らしいものかを体験するチャンスすらなかったのです。
これについては、社内では意見が分かれて、議論が繰り返されました。
結果的にスティーブは、Appleが提供する革新的な体験を多くの人に共有したい。
そういった目的意識を持って、WindowsのコンピューターでもiPodとiTunesを使えるようにしたのです。
これはAppleの歴史の中でも最も大きな決断の一つでした。
スティーブ・ジョブズの考え方の変化
もしこの決断をしていなければ、Appleがこれほど大きな影響力を持って、ここまで驚異的に売り上げを伸ばすことはなかったと思います。
iPodとiTunesをWindowsのコンピューターで使えることにしたことで、
AppleはiPhoneを発表したときには、すでに市場で優位なポジションに立っていたのです。
あの決断が会社を大きく変えたことは間違いないですし、結果的に世界を大きく変えることにつながりました。
Appleの社員全員が同じ目的意識を持って、お互いの専門知識を尊重しながら、
スティーブを説得しようと議論の練習をしたからこそ、成し遂げられた成果だと考えています。
僕もそこそこの年の人間で、自分の経験から来た自信だったりとか、自分の考え方にこだわっているところは結構無意識的にあるとは思うのですが、
オープンマインドになって、他の人の意見も若い人の意見を聞くとか、拾ってあげるということを、どんどん積極的にやるべきだなと思いますね。
多分これって、部分的には家庭の中でも、例えば子育てとかにも役に立つんじゃないかなと思うんですよね。
だから子供でも、なぜこれをやるのかとか、何が目的なのかということを理解させるのは大事だと思うんですよね。
特に子供だと、なんでなんで?みたいな問いかけとかよくあって、
親だと、僕も子供、10歳以上の子供から小さい子もいる家庭なので、正直面倒くさいなって思っちゃうこともあるんですけど、
その辺は、ちゃんと辛抱強く、なんでかっていうことをはっきりと伝えて、できるだけわかってもらうっていうのは、
個人的な家庭の中だと、議論するのって面倒くさいじゃんって思っちゃったり、嫌だなって思う部分もあるんですが、
でも子供の頃から大人と子供が議論し合うことができる家庭を作るのって、実は大事で、
それって多分その時は面倒くさかったりとか、ややこしいかもしれないんですけど、
子供が今度大人になった時に、それはすごくいい宝物になるんじゃないかなと思ったので、
このジョルさん、大学院でいろんな素晴らしい大学で教えてきた方で、
そしてAppleという世界トップの企業でも社員育成等をされてきたことの考え方ですけども、
これは子育てにも役に立つんじゃないかなと、今改めて思いましたね。
スティーブ・ジョブズ氏が考えを変化させた一番の理由は何だと思いますか?
スティーブは直感的な判断をすることで知られているんですけれども、
意外にもこの時考えを変えた理由はデータの分析結果でした。
iPodやiTunesをWindowsで使えるようにしないと、マッキン特集って高いんですね。
その高いコンピューターを買わないお客さんからは速報を抜かれてしまって、
総合的に見て損失が大きい、そういうデータを見て彼は考えを変えたんです。
スティーブ・ジョブズ氏が意見を変えて、その後みんなの意見が正しかったと自分の誤りを彼は認めていましたか?
そういう意味ではありません。
あなたが正しいと言って、私が間違っていたと言っても、
すぐに誰の意見だったかについて考えを変えられるんですよね。
大事なのは、その意見です。
組織における意見の対立
そうですね、どうでしょうか。
ただ言えるのは、大切なのは誰が言ったかではなくて、どんなアイデアなのかということだと思います。
もともと誰のアイデアだったかっていうのは、どうでもいいことなんです。
特に家庭だったりとか、組織だと、自分が勝って相手を任せるという、
どうしても人と人との議論とかって、話し合いって人と人との対立でもあるので、
自分が勝たなきゃ、自分が勝たなきゃっていう思いになることが少なくないと思うんですね。
それは社員同士でも、例えば自分のアイデアを通したいとかっていうことになると、
どうしてこっちが正しいのかっていうことを説得しようっていう気持ちになっちゃったりとか、
あと親と子供だったりすると、私が親なんだから、僕が親なんだからみたいな上下関係みたいなところを強調しちゃって、
勝とう勝とうっていうところが無意識に出ちゃうと思うんですよね。
でも家庭でも組織でも、家庭としていい方向に向けばいいわけで、
そして会社の場合だったら、組織としてお互い協力していい方向に向けばいいわけで、
相手を任そうっていうことじゃないんだよねっていうことを、
これも今ちょっと自分で話してて、改めて思わされましたね。
会社の中で意見が対立したとき、両者の間に摩擦が生まれますが、
良い摩擦と悪い摩擦、その違いは何ですか?
意見は途中で変えてもいいものなんだっていう認識が、とても大切だと思います。
自分の意見だけが絶対に正しくて、相手の意見は間違っているから、何としても説得しなくてはいけない。
そう思ってしまうと、大きな摩擦が生まれて、良い議論にはなりません。
誰が言った意見なのか、このことに気を取られてしまうと、個人攻撃のような形になってしまって、
摩擦が大きくなりすぎます。
大切なのは、誰が言ったかではなくて、どんな意見なのか、その内容に集中するべきだと考えます。
相手の意見を聞くことよりも、自分の意見を主張することばかり意識してしまうと、良い議論にはなりません。
だから、まずは相手に好奇心を持って、他の人の意見に耳を傾けてみてください。
摩擦はなければないほうが良いというものでもありません。
高いレベルのクリエイティビティを実現するためには、適度な摩擦は不可欠です。
クリエイティブなアイデアの生み出し方
違う意見をぶつけ合うことで、摩擦が生まれたとしても、そこからクリエイティブなアイデアというのは生み出されていくものなんです。
ここまでお送りしてきました、レイナムトの世界のクリエイティブ思考。
今回は、教育改革に励むジョエル・ポドルニーさんに、組織がクリエイティブになるには、についてお話を伺いました。
この後編でジョエルさんが紹介してくれた、スティーブ・ジョブズとのエピソードのお話が、僕はすごく印象的でして、
議論か論争か、その違いということをちゃんと理解しておくべきだというふうに、ジョエルさんがおっしゃっていました。
それを見極める3つのヒントがあるんですが、まず、そこにいる人たちがオープンマインドであるか。
クローズマインドだと、自分の意見は絶対的、そして他の意見は受け入れないみたいな閉ざされた心構えだと、論争になってしまって議論することができない。
なので、オープンマインドであることが大事。
2つ目に、主張だけではなくて、問いかけをすること。
主張するだけだと、向こうは逆にガードをしてしまって、心を開かない。
そうなんじゃなくて、問いかけることによって、そういうオープンマインドな環境を作っていく。
Lean into questioning, not just advocating.
3つ目は、誰が言ったか、誰のアイデアかということを取り上げない。
これ、誰のアイデアか、もしくは自分のアイデアかというところにこだわってしまうと、摩擦、フリクションが出てしまう。
そうなんじゃなくて、何が良いアイデアなのか、そしてどうしてこのアイデアが良くなる可能性があるのかというところについて議論をすべきであって、
自分のアイデアだからこそということを主張することではすべきではないというふうにおっしゃっていました。
オープンマインド、クエスチョン、not just advocating、そして、アイデアインデペンデントフル、プリゼンティブ。
その3つがこの議論、もしくは論争、その見極め方のヒントということをジョエルさんが教えてくれました。
これも何か僕も分かっていたような気はしたんですが、こうやって明確に、はっきり説明していただくと、これは今日からも既に実践的に使えるかなと思いました。
世界のクリエイティブ思考、お相手はレインナウトでした。
次回もお楽しみに。
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