具体的にはどんなふうにドキュメンタリー制作に広告を制作する時の手法を取り入れているんですか?
例えば広告戦略では幅広い消費者層にアピールするために行う360度のゲリラマーケティングというものがある。
このゲリラマーケティングはこれまでとは違う型破りな発想と表現で消費者に驚きや感動を与えることで認知度や売り上げを上げるという手法なんだけど、僕はこの考え方を取り入れてドキュメンタリー制作でも幅広い観客にアピールするために行っている。
ストーリーにこれまでとは違う視点や衝撃を散りばめているんだ。戦略的に人を驚かせるというのは広告の手法だけど、これはドキュメンタリー制作でもとても効果的なんだよ。
僕はこの方法を取り入れることで、普段この人はこの映画見ないだろうなっていうような観客を惹きつけることができると実感している。
これから先、広告業界はもう成長していかないんじゃないか。このような懸念から別の業界に転職する人が増えています。そんな中でデイビッドさんはクリエイティブディレクターとしてどのようにやりがいを保っているんですか?
僕はクリエイティブディレクターの仕事が本当に自分に向いていて、得意なことを楽しくやっているという感じだから、やりがいを保っている。
僕はクリエイティブディレクターの仕事が本当に自分に向いていて、得意なことを楽しくやっているという感じだから、やりがいを保つために何か特別なことをしているわけじゃないんだ。この仕事を続ける中で充実感や満足感が得られる瞬間はたくさんあるからね。
特にやりがいを感じるのは、ブランドに声と魂を与えて成長させていく仕事。キャンペーンをやったり、SNS戦略を立てたりして、消費者にインスピレーションを与えて、ブランドのビジョンを伝えるのが好きなんだ。
ブランドにも消費者にも、それに関わる全ての人にいい影響を及ぼすことができれば、それは僕にとってとても意味があることだからね。広告には映画などエンターテイメントにはない方法で、人とつながってコミュニティを築くパワーがあるように感じているよ。
今後どんなことをしていきたいですか?
正直なところ、3ヶ月先のことくらいしか考えていないんだけど、あえてすごく先の将来のことを言うと、広告の仕事とドキュメンタリーの仕事を両方続けていくためには、もっとよく考えて情熱と時間を配分していくことが大切だと思う。
映画制作は時間がかかるから、今年はドキュメンタリーだけとか、広告業界の動向次第では今年はクリエイティブディレクターの仕事に集中するとか、片方を優先させる年だって出てくるだろうね。でも両方やりたいから、それが実現できるようなパートナーを見つけたり、会社が作れたりしたらいいな。
20年くらい先には長編のドキュメンタリー制作の仕事が8割、短編の映画制作や広告の仕事を2割くらいの感じで続けていけたらいいと思ってるよ。
ここまでお送りしてきましたレイナウトの世界のクリエイティブ思考。今回はデイビッド・チャーズ・ロドリエさんに仕事を純粋に楽しむことの重要性についてお話を伺いました。
デイビッドがまず最初に広告業界でキャリアを進み始めて、それは多分10年から15年くらいやったと思うんですけども、15年くらいしてから多分30代になってからドキュメンタリー映画っていうのを作り始めたと思うんですね。
そのドキュメンタリーの世界でも、ネットフリックスっていう超大手のところのドキュメンタリーシリーズを任されたりとか、結構な大役を任されていて、広告の業界、そしてドキュメンタリー映画、共通点としてストーリーテリングっていうところがあると思うんですけども、
彼がどっちの業界でもすごい成功を収めてるっていう秘訣、ポイントは何なのかなって改めて考えると、実はお金をあまり意識してないことなんじゃないかなと思うんですね。
っていうのは、広告業界に限らず、大企業、ちゃんとした業界、そしてちゃんとした企業で働くと固定した収入が得られる。特にアメリカのマーケティング業界とかって給料はいい方なんですね。
ドキュメンタリー映画制作っていうのは逆に給料がないみたいなところもあると思うので、その給料がいい業界から給料がギャランティーされない業界に行くのってすごく実は大変なことだと思うんですよ。
そこを彼はちゃんと割り切ってお金を目的とせずに働いてるから、それが割り切れたと思うんですよね。
僕の周りでも30代後半から40代になると共通してあるのが、これは他のエピソードでもちょこちょこ話してるミッドライフクライシスなんですけど、だいたい踏ん切りがつかない足稼がお金なんですよ。
やっぱり40代になるとそこそこ収入も良くて、なおかつ家買ったからとか結婚して子供がいるからとかっていう金銭的な縛りが出てきて、結構高収入を得てるっていうのといろいろ支払いをしなきゃいけないっていう責任があって、
どっちも切り離せられなくて、それが足稼、なおかつ手錠になっちゃってる人っていうのをいっぱい僕見るんですね。
彼は今回の話ではその辺のところ具体的には聞かなかったですけど、ドキュメンタリー映画制作をしようっていう時にお金を得たいからそっちの業界に行ったっていうことじゃないはずなんです。
絶対そうなんですよね。
ちゃんとそこを区切って、俺はお金のために仕事をしてないっていうところが彼の根本的な思想の中にあるんじゃないかなと思います。
今回の会話からの3つのテイクアウトなんですが、まず1つは1つの道を極めなくても良い。
2つ目に仕事を純粋に楽しむことの重要性。
そして3つ目に皮肉からは何も生まれない。
1つ目のこの1つの道を極めなくても良いというのは、特に広告とかクリエイティブとかマーケティングの業界って今はだいぶマシにはなったんですけど、
特に昔は長時間労働で、クライアントとのお仕事をしているとどうしても自分が思ったことができなかったりとか、自分の思う通りに物事が進まないことって非常に多々あって心が折れちゃうようなことは少なくないんですね。
なので僕の周りでも広告をやっていた人、デザインをやっていた人、クリエイティブをやっていた人がキャリアを変えたりする人って結構いるんですけども、
彼はそれとをやりながらここ10年ぐらい、昔からドキュメンタリー映画を撮りたいっていうのは思ってたみたいで、
それを両立してどっちの業界にも一つ一つ足を入れながらフリーランスのクリエイティブディレクターとして、そしてインデペンデント独立したフィルムメーカー、ドキュメンタリー映画の監督としてキャリアを同時に進行させて両立させるんですね。
これって今となってはだいぶ可能になった働き方かなと思うんですけども、なかなか両立するっていうのは難しくて、というのもやっぱりその似たような業界ではあるオーバーラップ重複しているところはあるかもしれないんですけども、やっぱりそこで働いている人たちっていうのは全然違って人脈も全然違うので、
その業界での評判だったりとかその業界でのつながりっていうのをちゃんと持っていかないとうまくいかないと思うんですよね。
それを彼は2つの業界に一つ一つ足を置きながら、ちゃんとそういう人脈とか自分の評判っていうのを意識しながら同時に、もちろんこっちが忙しいときはこっちに手がつかないっていうそういう調整はあると思うんですけども、ちゃんとそれを両立できてるっていうのは新しい働き方でもあるし、決して簡単なことではないんですが、
今、リモート化がかなりだいぶ進んだ時代、すごく可能になったことだと思います。
なので、いくつかこういうことをやってみたいとか、これだけじゃないんだよねって思っている人たちは、レビューと参考にして、その一つの道を極めなくても、いくつかのことに興味を持って同時に進行するのも全然可能なんだなと思います。
なので、彼の働き方、生き方を参考にできるんじゃないかなと思います。
2つ目は、仕事を純粋に楽しむことの重要性。これはこのエピソードのタイトルにもしているんですけども、これはですね、なんでドキュメンタリーの映画を撮りながら広告の世界でもずっと仕事をし続けるのっていうふうに聞いてみたら、もう純粋に、いや、ただ好きなことだからっていうすごく直球のストレートな答えが返ってきたんですね。
先ほどお伝えしたみたいに、どの業界でも10年20年とやっていると、嫌なことが見えてきちゃったりとか、業界が変わったりとか、いろんな理由で他の業界に行ったりとか他の仕事に行く人たちって、僕の周りでも結構いるんですけども、その中の一つで楽しくなくなったからみたいなことが理由になる場合って少なくないんですよね。
なんですけども、デイビッドはちゃんともう本当に自分の心の底から楽しめるというふうに思っているし、それも楽しんでやっている。もちろんその仕事なので辛いことがあったりとか、自分の思うようにいかないことっていうのは必ず起きてくるとは思うんですけども、それを結構ちょっとちゃんと気持ちの整理をして楽しいからっていうところにフォーカスを当てて、それでずっとやってるからもう20年以上続けられてるんじゃないかなと思います。
映画を作るとか広告を作るとかキャンペーンを考えるとかっていう、もう本当、僕もそういうことをやってる人間なのでアイディアを考えるってすごく楽しいんですね。
そこにすごく重要性を彼は分かっていて、そこにフォーカスしているからやっていけるっていうのと、あとそれをちゃんと追求してるからいいものができていて、そしてそれが結果につながってるんだと思います。
この仕事を純粋に楽しむことの重要性っていうのは、ある意味当たり前のことかもしれないんですけども意外と難しくて、どんなに辛いことでもやっぱり何が楽しいかっていうことを把握しておく、自分で意識していくのは大切なんじゃないかなと改めて思いました。
3つ目の皮肉からは何も生まれない。やっぱりその皮肉的な批判的な目で自分のいる業界をそういう意識を持っちゃうことって仕方がないことでもあるし普通のことだと思うんですね。
ただそうしちゃうと結局それが敵になっちゃって争いになっちゃうので、だからそこからいい、守るっていうフォーに入っちゃうと何かを攻撃する、もしくは何かに攻撃されてるっていう状況になっちゃうので、そこからはいいもの、いいことは生まれないですよね。
他人だったりとか仕事だったりとか業界を批判とか皮肉っぽく見ることによって自分をやってることを正当化したいっていう武器だったりとか鎧かもしれないですね。
広告の業界っていうのは今はテクノロジーの変化でいろいろ固みが狭い思いをしている業界でもあると思うんですけども、でも彼はそういうちょっと皮肉的な見方はせずに、もうちゃんとさっき言ったみたいに純粋に何が楽しいかっていうことをちゃんと意識しながらキャリアを積んでいく。
自分ができること、自分がやりたいことっていうのをちゃんと明確に持っていくためには皮肉をあまり意識せずに肯定的に仕事、そしてその業界を見ていくっていうのはすごく重要なんだなと思います。
今回、デイビッドとのお話の3つのキーテイクアウエーは、1つ目は1つの道を極めなくても良い。2つ目は仕事を純粋に楽しむことの重要性。そして3つ目、皮肉からは何も生まれない。
もしこの番組を気に入っていただけましたら、Apple PodcastやSpotifyでいつぼしの評価をいただけると嬉しいです。
次回はAsk Me Anythingをお届けします。どうぞお楽しみに。
世界のグループ志向、お相手はリーノットでした。
デジタルガレージは、危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えた、テクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクより是非ご覧ください。
Web3 is here. Join us. Join the first penguins.
ニューコンテックスデザイナー デジタルガレージ