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2023-04-24 50:14

第115回 清朝末期の香港にあの二人が現われた!「辮髪のシャーロック・ホームズ」莫理斯 著

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【今回の紹介本】 ■『辮髪のシャーロック・ホームズ』莫理斯(トレヴァーモリス) 著 舩山むつみ 訳 文藝春秋

19世紀の偉大なる名探偵シャーロック・ホームズがもし、ビクトリア朝時代の英国人ではなく、清末の時代に生きた中国人だったとしたら……。

そして、彼が奇妙な事件を次々に解決したのが大英帝国の首都ロンドンではなく、東の果ての植民地香港だったら……。

ホームズとワトソンを彼らとまったく同じ時代に生きた中国人、福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)とし、物語の舞台を香港にした極上のパスティーシュ作品。

是非お聴きください。

【番組内で紹介したトピック】 ■『辮髪のシャーロック・ホームズ』莫理斯(トレヴァーモリス) 著 舩山むつみ 訳 文藝春秋 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915296


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【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック


00:01
文学ラジオ 空飛び猫たち
19世紀の偉大なる名探偵シャーロック・ホームズが、もしヴィクタリア朝時代の英国人ではなく、
秦の時代の終わりに来た中国人だったとしたら、 そして彼が奇妙な事件を次々に解決したのが、
大英帝国の首都ロンドンではなく、東の果ての植民地香港だったら、 原作を知らなくても十分に楽しめる極上のエンタメ作品
辮髪のシャーロック・ホームズを紹介します。
どうも皆さんこんにちは。文学ラジオ 空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティーは、私ダイチとミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快に、
それぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、トレバー・モリスの 辮髪のシャーロック・ホームズ 新タンフーアルの事件簿という本になります。
船山睦美さん役で、文芸春秋から2022年に出版されています。
自己紹介がですね、少し変わりました。
これは、今日が4月入ってからの初めての収録なんですけど、
ミエさんがですね、東京にやってきましたね。
京都から東京に、3月末に引っ越ししまして、
今まで、自己紹介の時に、東京と京都を結んでとかですね、
あとミエの前に、羊を巡るカフェのって入れてたんですけども、
カフェをね、ちょっと3月いっぱいで辞めてしまったんで、
ちょっと羊を巡るカフェがもうね、使えなくなったんじゃないかなと思ってですね。
もうただのミエになりました。
ただの海外文学好きな人みたいな。
そうなんですよ。
大地さんもね、読書会の名前をね、つけていたのを、外してしまったんですね。
うん、もうこれも、この文学ラジオも、
これ今日があれですもんね、作品紹介が115回か。
で、番外編が30個以上あるから、
この間ちょっと見たら、全部のリリースしてるエピソードが150超えてるんで、
もう150本以上、全然配信してるんで、
もうなんか、読書会の人間ですみたいなのよりは、
もう文学ラジオ、ソロトピネコたちの大地ですっていう感じで、
いこうかなと思っております。
そうですよね、もう3年あって、もうちょっとでね、4年目に入ってくるんで、
03:03
まあまあちょうどいいタイミングかもしれないですね。
これちょっと自己紹介を変えたりするのに。
でもちょっと言い慣れちゃってるから、ガラッと変えるのはやめたっていう。
そうなんですよ、いきなりガラッと変えると、
そうなんですよ、うまく言えない気もするんで。
まあでもまたちょっとオリオン見て、基本的なコンセプトは変えてないから、
あの子供だと思うけど、変えてもいいかなとは思いつつ、やっていきましょう。
自己紹介は変えたんですけど、内容はですね、なんか作品紹介の仕方とか、
その辺はね、あんまり、というか特に変わらずにやっていくというところですね。
うん、そうですね。
なんか三枝さんの東京へ来た、なんだろう、初感、心境とかは、
もうちょっとしたらまた番外編に撮るんで、そこでちょっといろいろ語ってもらえますか。
そうですね、まだ東京について語れるほどは、まだ1週間ぐらいしかいないので。
確かに。
じゃあまたそこもちょっと、あの皆さんお楽しみというところで。
で、今日はあれですね、日本翻訳大賞最終候補の作品のうちの一つという、
弁護発のシャーロックホームズという作品になりますね。
いや、全く知らなかった作品で、翻訳大賞最終候補に選ばれて、ちょっと初めて、
ちょっと知って、そういう意味では本当ノーマークだったね、作品が。
急浮上してきて、これは読まないといけないとなって、読んだという経緯ですね。
そうですね、完全にあの二次選考で残ってた16作品の中に入ってたのに、ほぼ意識が行ってなかった。
そうなんですよ、いや本当にね、ちょっと注目できていなかったんですけども、
ちょっと今日この後で語っていくと思うんですけど、これがまたね、とんでもなくすごい良かった作品で、
やっぱり日本翻訳大賞の最終候補に選ばれるってなると、やっぱり作品のクオリティっていうんですかね、
そういうのが本当に期待を裏切らないというか、
やっぱこの選ばれた5作がどれもすごいなっていうのを、本当にやっぱり改めて思わせてくれた、そういう小説でしたね。
個人的には本当日本翻訳大賞のおかげで読めたっていうところが大きいんですけど、
作品としてはもうめっちゃ面白いエンタメ来たなっていうところですね。
もう結構クスクス笑えるし、物語は割とシンプルなんだけど面白いし、ストレスなく読める作品だなと思いました。
個人的にはシャーロック・ホームズや香港について全然詳しくない人間なので、
きっとすごい詳しい人から読むと多くの発見がある一冊なんだろうなぁとは思ってますね。
とはいえ、シャーロック・ホームズを知らなくても全然大丈夫で、すごい楽しく読んでいけると思いますね。
僕もシャーロック・ホームズちゃんと読んだことなかったんですけども、それでも本当にこんな面白い話があるんだと思って、
06:00
ちょっとワクワクしながら読んでいたので、とにかく面白かったというのが一つと、あと弁発のっていうタイトルに入ってるんですけども、
ちょっと中国と思われる方もいると思うんですけども、一応舞台としては香港になりますね。
そういうちょっと香港の中っていう限定されたですね、しかもシャーロック・ホームズのパロディっていうんですかね、
そういう形のもので、こじんまりとした作品じゃないかと思われる方もいるかもしれないんですけど、全然そんなことなくてですね。
これがスケールが結構すごいというかですね。本当にこれ読んで衝撃を受けたんですけども、どんな人でも読んでも楽しめるんじゃないかっていうぐらいよくできている作品だなと思っていて。
日本翻訳大賞、ちゃんと終えているのはこの3年ぐらいなんですけども、過去にこれもエンタメでSF小説でマーダ・ボット・ダイアリーというのが2年前の翻訳大賞で最終候補を選ばれて受賞もしたんですけども、
その作品もすごい面白かったんですけども、それ以来の同じような衝撃を受けた作品になりましたね。
僕の中ではついに現れたって思ったのがですね、この主人公がフーアルという、シャーロック・ホームズみたいな人なんですけども、
その人が今までラジオで紹介してきた中で憧れの人物のナンバーワンになりましたね。
ついに憧れの人物が現れたと。
いやーなんか三枝さんあれだもんね、なんかこれ我々収録するまでになんやかんややりとりをチャット上だけどするけど、
先に三枝さんが読み終わってたってのがあるんだけど、結構なんか途中から結構熱量ありそうな感じのチャット飛んできたと思って、結構ハマってそうな空気が出てたけど。
正直これ第1話読んだ時に、これはすごい名作だって思ってですね。
なるほど。
この作品自体のクオリティですね、それがやっぱすごくて、これはめちゃめちゃエンタメなんですけどもね。
ただのエンタメという枠にはまた収まらない、やっぱりすごい、こんな作品が出てくるんだなっていう、ちょっと本当にびっくりしたんですけども。
そういう意味では、僕はあんまり推理小説とか読んでこなかったので、それでもすごく楽しめたんですけども、
弁発のシャーロック・ホームズもただの推理ものではなくて、結構ですね、このフーアルという主人公の持っている教養とかですね、
19世紀後半の香港が舞台なんですけども、そこの描かれている社会とかですね、そういったところがすごい魅力的で。
やっぱフーアルのキャラですかね、そういう教養が武器になって物事を解決していくっていう、その過程にすごい魅力を感じましたね。
本県のシャーロック・ホームズも同じだと思うんですけど、この感じはすごい面白いですよね。
09:05
そうです。シャーロック・ホームズを知らない人が僕なんですけども、読んだら、本家知らない分、やっぱね、衝撃の、やっぱり受けてしまいましたね。
同じような人多いかもしれないですね。私もシャーロック・ホームズ実は全然知らなくて、まず読んでないし、実はシャーロック・ホームズというものにまともに接しているのは、ベネティクト・カンバーバッジがやってた海外ドラマ。
結構新しいやつですね。
そうです、新しい方。しかも第一話しか見てないんですけど。結構見たいなと思いながら時間なくて全然見れないんですけど、ベネティクト・カンバーバッジが若いんですよね。
最近アマプラか何かでまた再配信が始まったのかな?ネットフリックスかどうか忘れちゃったけど、それで再配信始まったと思って、一話だけ見たことがちょっと前にあったんですけど、時間あれば全部見たいと思ってたけど、
でも、そうなんですよ。だから本当にシャーロック・ホームズは知識がほぼない、我々二人なんですよね。
そしたらこんな魅力的なキャラいたんだっていうね。
俺あれだな、でも今回の、ちょっと後で話すけど、今回のでいうと、要はワトソン役?ワトソン役のホアションが好き。
ホアションもね、いい味出してますもんね。
というところになっておりますが、今回の配信がですね、日本翻訳大賞の最終候補になったから、ちょっと読もうという形で今回紹介しようという流れになってますが、配信日がですね、なんと大賞発表日なんですよね。
そうなんですよね。
予定通りいけば。
4月24日の朝7時にこの配信がね、この収録が配信されているんで、その日の朝10時に日本翻訳大賞の結果発表がされるというので、
もしかすると聞いてる方は、配信されてすぐ聞かれる方はね、これ聞いたともうすぐ日本翻訳大賞の結果を知ることになるという。
そうですね。だから我々としてもちょっとドキドキ、ドキドキというか、もう後の祭りなんだけど。
この段階で、我々も今回読んだ、今回紹介する弁発のシャーロックホームズと、以前ラジオで紹介する路上の陽光、
あとスモモの木の生地の3冊しか読んでなくて、まだチェベングールと黄金虫編奏曲は読んでないので、
この後読みますけど、読んで紹介しますけど、今回ちょっと日本翻訳大賞の発表が早いので、これはちょっとどうなるかなと思いつつ、
もう多分聞く人のほとんどがもう結果が出ちゃってる段階で聞くと思うので、何とも言えないんですが、
ちょっとこの状況の中でもうさらっと予想だけして本編入っていこうかなと思ってますが、
12:00
私読んでないけど、なんか分かんないけど、オーラで黄金虫編奏曲と、あともう1冊ダブル受賞する可能性があるならスモモの木の生地が取るんじゃないかと思ってますね。
なるほど。
直感だけど。
どっちもほんとすごいですもんね。僕もまだ大地さんと同じくて、2冊読めていない状況なんですけども、
今のところこの弁発のシャーロックホームズが自分の中では本命ですね。
なるほど。本当に分かる。それは。
翻訳っていう意味では結構やっぱ凄そうなイメージがある。
そうですね。今回もかなり本当にすごい高度な語学的なところの翻訳とかですね。
あと歴史的なところとか、いろんな要素が絡み合った作品かなと思っていて、この翻訳物ですね。
とはいえですね、まだ2冊ちょっと読んでいない状況なんだよね。
そうだね。とんでもない2冊が残ってる。
そうなんですよ。その2冊がすごい、とんでもない大作が2冊あるんで。
じゃあちょっと、みなさんはじゃあもうこの本命の弁発のシャーロックホームズ、ちょっと紹介していきましょうか。
まずですね、著者トレバー・モリスさんについてちょっと簡単に説明しますと、この方は1965年香港生まれで、ケンブリッジ大学で法律を学ばれていて、
2001年から香港に戻って映画会社に勤務して、ドキュメンタリー映画であったり、アニメーション映画であったりっていう制作をされていたと。
大学で法律の教授もされていたという方で、実は本書ですね、弁発のシャーロックホームズが初めての小説作品であると。
原作自体は2017年に創刊されたものであると。
あとすごいのが、このトレバー・モリスさんの家族、妹さんが香港芸能界の大スターであるカレン・モクさんという方で、
つまりカレン・モクさんのお兄さんにあたると、中華圏では知らない人いないと言われている大スター、俳優歌手であるという方ですね、カレン・モクさんというのが。
すごい家族の、お父さんお母さんもすごい活躍されていた人みたいなんですけども、
お兄さんも小説家として、今回初めてですけども作品を出して、それがすごい面白いものを作られたという、そんな方ですね。
そっか、この大スターがどれくらい有名かわかんないけど、相当ぽい掛けくっぷりをしているような妹さん。
歌手・俳優・カレン・モク。俳優ってことは、もしかしたら映画とかで見てる可能性ある?
それはあると思いますね。
わかんないけどね。
じゃあちょっと結構いろいろ異色な。
そうなんですよね。
65年生まれで17年に初めて観光ってことは、結構ね、体制した後から小説を書き始めてるってことですよね。
15:06
シリーズになってるっぽいから。
そうですね。
なんかね。
一応全4巻シリーズでね。
マーダーボットと同じで、続々と翻訳がすいそうな気がしておりますね。
本当はこれはちょっとね、早く2巻読みたいですね。
なるほど。
じゃあ具体的に作品紹介入っていきましょうか。
じゃあまずあらすじをお伝えしたいと思います。
19世紀の偉大なる名探偵シャーロック・ホームズが、もしヴィクトリア朝時代の英国人ではなく、
シンの時代の終わりに生きた中国人だったとしたら、
そして彼が奇妙な事件を次々に解決したのが大英国の首都ロンドンではなく、東の果ての植民地、香港だったら、
ホームズとワトソンを彼らと全く同じ時代に生きた中国人、
フーアルとフォアションとして物語の舞台を香港にした極上のパスティッシュ作品、
聖典ホームズシリーズからの観光脱退ぶりが絶妙だ。
1880年代の香港の様子が生き生きと描かれ、ミステリーであると同時に歴史小説としても読み応え十分となっております。
そうなんですよね。
いつもと紹介のテンションが違う感じもあって、ちょっといいですね、このあらすじね。
そうですよね。結構ね、あらすじがテンション高めですもんね。
でもね、大地さんが言われたみたいに、舞台がイギリスではなく、19世紀の後半の香港と、
1880年代の香港が舞台と。
シャロクホームズのパスティッシュ作品と言われてたんですけど、
シャロクホームズの作品を下敷きに書かれてるんですけど、
ただ全てそのままではないと。
トレバー・モリスさんが結構アレンジしたり、
イギリスではなく香港なのでそこに合わせたような内容にしたりとか、
その辺がまた面白いところなんですけど。
あと特徴的なところで言うと古風な舞台ですね。
実際、原作も中国語のちょっと古風な舞台で書かれているみたいなんですけども、
日本語訳もですね、ちょっとそこに合わせてすごく古風な雰囲気を出している日本語で書かれているんですけども、
実はこれがですね、意外と読みやすくてですね、
意外とというかもうびっくりするぐらい読みやすくて、ちょっと驚いたんですけども、
本当に最初はちょっと慣れればですね、逆にこれが読みやすくて心地よく思えるんじゃないかなと思いますね。
テンポ良かったよね。テンポとかリズムからかな。
すごい良い舞台だなと思いますね。
そうですね。雰囲気はちょっと古風かもしれないんですけども、全然違和感なく読んでいきますね。
あとはこの小説自体、これも視点としてはこのフォアションという、
ワトソン役のフォアションの視点で書き残された物語の記録となっていて、
それをですね、後1900年代に入ってからその記録を、
18:03
ドゥ・コナンという人が、編集者が見つけて出版したというそういう形式で前提として入れていて、
このドゥ・コナンがコナンと言う文字ったような人物なんですけども、
ただそれはあくまで前提で、やっぱり中身の部分はシャロック本物とワトソンである、
フーアルとフォアションの物語であるということですね。
そうですね。
あとそのコナンのところもそうなんですけど、
これは字としてはもちろん当て字。
中国語の読みを当てにいってるんですけど、
今回ちょっと個人的には、
なんか読んでて混乱はしなかったんだけど、
気にしたら混乱しそうだなって思ったところは、
なんか中国語の読みの問題が多分あって、
おそらくこれちょっと物語のトリック的な部分、
人が勘違いしてしまう部分とかでも、
ちょっと使われてた部分もあるんですけど、
中国って私も詳しくわかんないですけど、
地方によって漢字の読み方、
字の読み方が発音が違うのかなみたいなのがあって、
日本で言うとこの方言だと思うんですけど、
でも結構なんか違いそうだなと思いました。
福建省から来た人とかしかちょっと通じないみたいな話とかあったりして、
なるほどなと思って。
中国語の中でもいくつか分かれてるんだなっていうのが、
なんとなく自分は認識はしたんですけど、今までも。
でも今回読んで、なるほどなんか結構色々複雑そうだなって思いました。
ただこの物語を楽しむにおいては、
全く気にしなくていいポイントではあるんですけど。
むしろそれが面白くて、
フーアルがね、やっぱりその人が喋る言葉とかのナマリとか漢字の書き方とかで、
どこ出身かとか、どういう経歴かとかですね。
そういうのをね、やっぱり推理していくんで、
それがちゃんと説明書かれてるんで、やっぱ読んでると面白いところかもしれないですね。
あとなんかちょっと衝撃的であった言葉、
俺宮古ナマリって言葉が結構衝撃だったんだけど、
宮古でナマリみたいな。
こっちの感覚で標準語ってこと?みたいな。
なんか不思議な感覚だなと思った。
都会言葉みたいな。
なんか朝廷が、朝廷の言葉なのかな。
なんかわかんないけどね。
ちょっと面白い単語だったなと思いながら。
そうですね。
あとは当時というか、向こうで使われている用語もちょくちょく出てきてですね。
例えば警察とかは刺人という、
差し出すにしとって書いて、
刺人って書かれたりするんですけども、
それも特に気にしなくて大丈夫かなという、
いくつかそういう用語があるんですけども、
ちゃんと文脈からわかりますし、
あとその説明とかもちゃんとあったりするんで、
漢字がちょっと見慣れない漢字がページパラパラめくると出てくるんですけども、
21:00
読んでいけばもう全然問題なく読み進めていけるかなと思いますね。
そうですね。
ここからはですね、全体的な作品の全体的な魅力の話をしていきたいなと思います。
その後ですね、ちょっとストーリーの紹介もしていこうと思うんですけども、
まずですね、全体的な魅力としては、
まずキャラですね、非常にキャラが立っていると。
それはもちろんシャーロック・ホームズとかワトソンとか、
その役割の人が出てくるというところで、
特にフーアルですね、このシャーロック・ホームズ役というか。
フーアルという名前はシャーロック・ホームズの中国語表記に当たります。
一文字書いてはいるんですけども、
シャーロック・ホームズを中国語表記して呼ぶとフーアルというみたいで、
これもですね、やはり元がシャーロック・ホームズということで、
博覧狂気というのは言うまでもなくて、
あと武術の達人でもあって、
ヨーロッパ留学経験があってね、いろんな国の言葉を話すことができて、
出身は中国なんですけども、
非常に優秀正しい上流階級と言っていいのかな、そこの人で。
家族からはね、中国で国のために働きようと言われるんですけど、
ただ自ら好んで香港に住んでいると。
フーアルが何か香港で専属で何か仕事をしているかというと、
そうではなくて、今やっているのは私立探偵ですね。
これもシャーロック・ホームズのあれなんですが、
香港警察とつながっていて、香港警察の顧問を務めるような形で私立探偵をしていて、
結構ね、警察からいろんな依頼が入ってくるという、そういう状況ですね。
あとはその時代背景としては19世紀の後半なんですが、
非常に科学を学んでいて、探偵にも科学を用いようとしているとかですね。
あとフーアルの振る舞いがすごく優雅で、常に余裕があるそういう人物描写がされていて、
あとは義強心という、すごく義理堅いそういう人物でもあるというですね。
本当に死の打ちどころがない人物ですね。
そうですね。主人公フーアル。
視点としてはワトソン・インポジションのフォアションから描かれるんですけど、
このフーアルは本当にかっこいいし、読んでいて本当に憧れる人だなと思っていますね。
個人的には私ちょっとシャーロック・ホームズのイメージって、
今完全にベネティキッド・カンバーバッチェがやった海外ドラマシャーロックの印象が強くて、
その印象からするとちょっと変靴で付き合いにくそうな印象があったんですけど、
このフーアルも最初ちょっとあるんだけど、
海外ドラマシャーロックの方のシャーロック・ホームズはちょっと近寄りがたいなみたいな空気があるんですけど、
このフーアルは変わってるのは間違いないんですけど、
友達になれそうな空気がすごいあって、
読んでてこの人とちょっと友人になりたいなみたいな、
そういう瞬間がいくつかあったんで、なかなか魅力的なキャラクターだなと思いましたね。
24:00
香港という場所から中国の人だけじゃなくて、ヨーロッパの人もたくさん来ていて、
あとインドとかですね、東南アジアとか、
そういう色んな人たちが混ざり合っている街で、どんな人とでも仲良くなれるような人物ですね、フーアルは。
階級とかも関係なく、すごく人間的な魅力のある人です。
なんか頭いいんだけど、見下してるのが全然嫌味じゃないんだよな。
そこがこのキャラクターの作り方のめちゃめちゃ上手いところだなとは。
すごい礼儀正しいし、
どんな人にも礼を持って接しているっていう。
本当に言うことは言うし、
結構俺的には熱かったところが、272ページの彼のセリフで、
朝廷が悪事を成すとはどういうことだ。
私は法による登場を信じているからこそ、困難に遭っている人を助け、
無知の罪を消せられようとしている人の疑いを晴らすために探偵になったんだ。
超かっこいいと。
そうですよね。
もしかして朝廷、中国の国の役人の方々との衝突になるのかみたいな支援があった時に、
全然躊躇わないっていう。
ワトソンポジションの保安庁も巻き込むかどうか結構悩んでらっしゃいましたけど。
あと僕はやっぱ、なんでフーアルが香港をわざわざ選んで、
そこに住んでいるのかっていうところもですね。
これも282ページに述べられていて、
やっぱり香港っていう場所が中国からするとイギリスに浄土して、
偏僻な場所で国と民族の恥と思われているという、
当時そういう見方がされていたかもしれないんですけども、
ただフーアルからするとですね、
ヨーロッパとアジアが隣り合っていて、
いろんなものが集まってきて、いろんな知識も得られる場所で、
そういう西洋のものを学んで中国式に役立てようと。
それができるのが香港だと。
そういういろんな西洋の制度とか長所とかですね、
そういうのを得て、中国の短所というのを捨てて、
いつか中国が強い国となって、
改革を進める時に新しい道をね、それで開くことができるというですね。
そのようなことを言っていて、
そうなんですよ。なんかすごいやっぱり考えを持ってね、
香港で遊んでるとかね、ただ趣味で探偵してるとか、
そういうのじゃなくて、すごい大義名分をね、やっぱ持って。
だよね。いいよね。
やっぱすごいかっこいいところですね。
次がワトソン役のフォアションですね。
これもワトソンの中国語表記で、なんかそう呼ぶみたいで。
で、実際書くとちょっとね、ワトソンの中国語表記の一文字違いで、
の漢字になっているという、そういう人で。
このフォアションは元々軍人だったんですけども、
27:02
ちょっと戦争行った時に足に大怪我を負ってしまって、
ちょっとそこでこれ以上ね、戦いの場に行くことはできないとなって、
元々の家業がお医者さんの一族というんですかね。
そこで医学を学んでいたんで、今はそういうね、
ちょっと医師をやっているという人ですね。
ちょっと香港で住むことになって、
フーアルの知り合ってね、手伝いをすることになったという。
このフォアションは結構ね、熱血感なところがある。
もうまっすぐな人なんですけども、
時にね、やっぱそれが裏目に出ることもあるという。
それがちょっとオシャメなところでもあるんですけども、
なかなかいい味を出しているキャラですね。
個人的には私はフーアルよりフォアションの方が好き。
結構抜けているところがあるんだけど、
それを自分でも自覚しているような部分があって、
そこが結構自分は魅力的だなと思いました。
バカにされても全然気にしないときもあれば、
すごい憤慨するときもあって、
その辺りの反応の差みたいのも面白くて、
人間くさくてすごく好きなキャラクターですね。
僕は結構好きで、
フォアションもフーアルと一緒にいるとだんだんね、
推理することも慣れてきて、
たまにフーアルより先に相手の様子を見て、
こういうことですよねって推理したらね、
全然違ってたとかね、
そういうのがあって結構面白いんですよね。
あとはやっぱり魅力としては、
エンタメとしての完成度の高さというところがあるかなと思います。
これやっぱりミステリーというところで、
フーアルの推理を読むというのがすごい楽しいですし、
それも面白いなと思うのはやっぱり教養の部分ですね。
相手が話している発音の違いとか、
鉛とかとか、
あとは相手が身に着けているものですね。
着ている服とか装飾品とか、
そういうので相手がどういう出身の人で、
どういう経歴を持っている、
どういう身分の人かっていうのを、
フーアルがね、もう推理していって、
問題、事件の解決にだんだん近づいて、
ほんとちょっとした、
些細なヒント、手がかり、
事の真相を突き止めて、
そこに近づいていくっていうね。
そこに対してかなり教養的な部分が、
この本では描かれているので、
僕ちょっとですね、シャーロック・ホームズの、
もともと知らないっていうのもあるんですけども、
内容的にはですね、
子供、もちろん楽しめるんですけど、
それ以上に大人の方が読んでいると、
面白く思えるんじゃないかなとは、
ちょっと思いましたね。
この、なんかほんと、
些細なことから、
推理を広げていける感じは、
やっぱなんか面白いなと思う。
多分ホームズの原作、
原作、制作か、
本家本元のシャーロック・ホームズも、
こんな感じなんだろうけど、
おそらくシャーロック・ホームズが、
いろんな形で、
いろんな作品にオマージュされていくっていうのは、
多分ここが面白いからなんだろうなってすごい思った。
そんなところから。
そうですよね。
共感というかね、
誰が読んでも楽しめるポイントなんだろうね。
30:00
そうですよね。
なんかね、相手がどれだけ日焼けしていて、
靴の裏に何かちょっとつけていたら、
もうそれだけでね、
何時にどこで何していたかっていうのもね、
それを何のためにしていたかも当ててしまうとかね。
これはでも、
なんかハマるの分かりますね。
うん。
あとすごい墨田、
やっぱエンタメ作品としての面白さ、
すごいあったと思いますし、
やっぱり原作ベースにしていても、
独自のアレンジがされていたと思うんですけど、
ただ翻訳はすごいこれ大変だったんだろうなと思いましたね。
あーね。
中国語でも、
やっぱり発音の違いとかもそうですけども、
なんかすごい細かく説明がされていたりして、
読んでいるとですね、
それがどういうことなのかって思うところがあるんですけど、
例えば、
これある人物が使っていた手紙をですね、
代筆する人がいるんですけども、
代筆する人が
関東語で、
関東語を話す人だったら、
書く字がですね、
ちょっと違うとかですね。
そうですよね。
そうですよね。
そうなんですよね。
中国語の中でも、
同じ言葉を書くのでも、
関東語とか、
北京語とか、
いろいろあるんですけども、
何語をしゃべるかによって、
漢字の表記がちょっと違って、
それをね、
なんかすごい細かく説明していたりしてですね。
その辺の事情の翻訳とか、
めっちゃ大変だったんだろうなと思いますね。
うん、本当だよね。
おそらくこの本がストレスなく読めている段階で、
めちゃめちゃすごいことなんだろうなって、
思いますね。
間違いなく、
この辺りが、
日本翻訳大賞の最終候補に
残っている理由だなと思いますね。
そうですよね。
うん。
これをね、
つまずかずに読ませてくれて、
しかもね、面白く読ませてくれているというところで、
やっぱ、
翻訳の力の大きさって、
すごい感じますね。
うん。
絶対これ、
船山さんは、
日本の人が楽しめるために、
めちゃめちゃ努力したと思うんですよね。
すごい考え抜いてくれたんだろうなっていうのは、
すごく感じる。
やっぱこれね、
やっぱりこのフーワルの推理、
教養、持っている教養を、
やっぱ読んで、
同じように、
こんな教養を持っているんだというのはすごいな、
感じさせてくれるというところもそうですよね。
うん。
エンタメ性の高さ、やっぱ凄さがあるんですけど、
そこを支えている、
翻訳の凄さもですね、
同時に感じられるという。
あともう一点ですね、
この小説の魅力的なところで、
歴史小説としての一面も楽しめるというですね。
うん。
これも作者のトリバー・モリシスさんが
意図しているところで、
ただシャーロック・ホームズのパラデューを書くだけじゃなくて、
19世紀終わりの
香港社会、
香港の当時の社会、歴史ですね。
そこを感じられる作品、
作りをしていると。
33:00
イギリス寮であったために、
中華と西洋が
混在しているようなですね、
そういう何とも言えない魅力があって、
作品の中でもですね、
やっぱりその国の関係ですね、
香港と中国とか、
香港とイギリス、香港とフランスとの
それぞれのですね、関係が描かれていたり、
あと当時の
社会というのかな、
ちょっとこれ今もあるかわからないんですけども、
例えばその香港の
海岸では、
12時ちょうどになると、
正午を知らせる大砲が
なるんですね。
すごいドーンとね、
町全体に響き渡るような。
それもですね、全く知らなかったんですけども、
そういうのが毎日されていたと。
それが結構ですね、
香港で生活していると、
一つの特徴的なね、
アイテムにも
行くというですね、そういうすごく
この物語と
当時の香港の
暮らしとか文化とか、そういうのが
絡まっていて、
香港のことも知れる、すごい面白い
作りになっている点ですね。
この当時の香港にタイムスリップできるような
感覚が味わえるというのは、
役者とかにもその辺りのことをちょっと書かれていたんですけども、
ここは本当、歴史小説
っていうとちょっと固く感じる
かもしれない人もいるかもしれないですけども、
私はもう個人的には
本当この時代を感じさせられる
文章、表現とかが
多かったんで、そこはもう本当
単純に楽しかったっていう
ところがありますね。
ではここからですね、ストーリーの
紹介に移っていきたいと思います。
この本の中には
6つの
短編が入っているんですけども、
ラジオではその中から
2つですね、最初に
収録されている血文字の謎
という作品と、黄色い顔の
ねじれた男という作品を
ちょっと簡単に紹介していこうと思います。
もちろんネタバレなど一切なしで
話していきます。
まずですね、この血文字の謎ですね。
これは最初に入っている
短編で、どんな話かというと
ワトソン役のホアションと
シャロック・ホームズ役の
フーアルの出会いから始まる、そういった
2人が出会うきっかけの
短編になっていて、
先ほどのちょっと話にも
あったんですけど、ホアション、もともと軍人だったんですけど、
足を戦争で
怪我してしまったので
引退して医師として働くことになったと。
住むところを
香港で探していた時に
面白い同居人を探している
金持ちがいるというですね、
そういう感じのことを伝えられて
いろんな条件が良かったので
会いに行くと
金持ちというのがフーアルだったと。
フーアルというのがとにかく
なかなか素性が見えてこない
謎の多い人物だったんですけど、
家にはよく人が
訪ねて来ていたと。
これも先ほどの話で
香港警察と繋がっていて、
いろんな警察さんから
依頼があったり、
警察以外でもフーアルというのは
そういう噂が広まっている
とんでもないすごい人がいるという
36:00
ちょっとしたことで
いろんな物事の真相を
見ることができるという
そんな噂が広まっていたので
いろんな人が困った時に
フーアルを頼りに来ていたと。
そんなある日、警察から
殺人事件の捜査の協力依頼が
あったと。
それは路地で
死体が見つかったんですけども
その死体が
カタキという漢字で
血で書き残していたと。
調べていくと
金見当ての強盗では
なさそうだと。
何かのカタキなのではないかと
思われたと。
そうしている間に2人目の殺人事件も
起きてしまって
被害者となった2人
同じような殺され方をしているんですけども
ただ2人とも武術に長けた人間で
そう簡単に殺されるはずではないのに
どっちもあっさり
簡単に殺されていると。
抵抗できずに。
殺された2人は
共に地方のある土地で
同郷だった。
同じ地方出身だったということが
分かってきたと。
この背景から
物語が続いていくんですけども
フーアルは
これに対しても
わずかな手掛かりを頼りに
犯人と犯行手口を推理していって
ファーションと事件を解決
していこうと。
それが第1話目
血文字の謎の大まかなあらすじですね。
本家本元のシャーロックホームズでいうと
ヒーローの研究かな
これは。
ノマージュですね。
2話目でフーアルが
登場してファーションと
出会っていくんですけど
面白いですよね。
この推理の話も
もちろん面白いんですけども
フーアルがフーアルと
フーアルがフーアルと
出会って
いろんな衝撃を受けていったりとか
するところがなかなか面白い。
フーアルが結構洋館に
住んでるんですけども
生活も西洋的な生活
とかをしていて
フーアルがやっぱり喫水の
中国人なんで
フーアルの暮らしについていけない
時とかあるんですけども
カルチャーのギャップみたいな
そこに
良かったりついていけなかったり
そんなところも読んでると面白いところですね。
もう完全にフーアルと
フーアルの出会いのシーンは
ここは多分シャーロックホームズを
ママオマージュしてるんだろうなっていう
フーアルの素性をちょっとしたことから
破っていってっていうところは
あるんですけど
これは香港に直されてるんで
中国とか香港の
ものに直されてるんで
きっとここは作者が書いていて
鳥羽森さんが書いていて
きっと面白かったところだろうなと
楽しんで書いてるんだろうなっていうのは
すごく伝わってくる部分でした。
この辺りはちょっと私も
シャーロックホームズを読んでなくても
ドラマでちょっとこのシーン
ドラマに合ったと思いながら
ちょっと読んでたんですけど
39:00
たぶんこの後いろいろ
シャーロックホームズのシーンっていうのは
そのままオマージュしたようなシーンっていうのは
たくさん出てくると思うんで
シャーロックホームズ知ってる人はニヤニヤして
読んじゃうんだろうなって思いましたね。
事件の背景が結構
香港になるではというか
当時のねそういうところの要素は
独自アレンジの
面白いところかなと思いますんで
おそらくこの1本目で
結構心掴まれる人は
多いんだろうな
これでねすごい
こんな面白い話ができるとは
ちょっと思いましたね。
じゃあもう一つの作品は私の方から
これは3話目かな
3話目に入ってた
黄色い顔のねじれた男という作品になります。
これはですね
香港在住の西洋人によって
起きた事件となります。
きっかけとなったのは
フーアルト・ナカノリ・ピアシーという
19世紀の香港の教育者
これ実在する人物ですね。
キリスト系の学校を作り校長していると。
ピアシーは友人である
宣教師のマンローをフーアルト・フォアションに
紹介する。
マンローは思い寄せる女性がいるんですが
男につきまとわれているから
困っていると相談してきました。
その女性につきまとっている男というのは
大気軍人で
どうやら女性の闇を握っているようでした。
その女性はですね
ピアシーの学校の先生をしていて
マンローとは
どこかというか
話を聞く限り両思いに見えるし
実際フーアルト・フォアションが
マンローとその女性が一緒にいるところに
お会いを見るに
両思いなんだろうなというところが
伺いました。
女性は元々福建省
福省にいて
子供の頃に
両親を失っていて
香港に移住してきているという経緯があります。
学校では同じく福省出身の
小児の女の子を大事に守っていました。
大気軍人がどんな弱みを握っているのか
知るために
フォアションは女性から事情を聞き出そうとしたが
その時黄色い顔をした
背中のねじれた男と
出会いました。
出会ったというよりも見かけた程度なんですけれども
だいぶ印象に残る形で出てきます。
ここから殺人事件が起こり
この異様な見かけをした
背中のねじれた男が容疑者として
捕まるが事件はですね
フーアルト・フォアションの推理によって
思うよもよらない真相が明らかになっていく
というところで落ち着いていきます。
結構シンプルだけど
いい話だよね
そうなんですよね
なかなかね
これは読んでね
感動的な話でしたね
僕これもですね
まずちょっと印象が残ったのが
フーアルトと
先教師のマー・マンローとの
最初の会話ですね
最初二人で会って挨拶するんですけど
そこで136ページの
部分なんですけども
フーアルトが相手の
話すカントン語の発音と
あと相手の服装の
シャツのカフスボタンですね
それ見ただけで
マンローの出身と経歴を当ててしまうんですけど
42:00
その会話が
最初まずすごいなと思ってたんですけど
ちょっと読むと
あなたの話すカントン語を
聞いていたら
スコットランドの発音と
北京漢語の発音の影響があるのがわかりました
カントン語にはマキジタの発音が
ありませんがあなたの話し方には
スコットランドや北京漢語にある
マキジタの音が聞こえます
だからあなたの出身地も
わかったしきっとカントン語より先に
北京漢語を学んだはずだ
ということもわかったのです
それから握手をした時にカフスボタンの
気象が見えました
それはオックスフォード大学の
コーパス・クリスティカレッジの気象です
中国人の教授
すなわちレッグ教授は
オックスフォード大学の漢学の教授で
しかもコーパス・クリスティカレッジに
いらっしゃるそしてあなたは
本当に上品な中国語名を
お持ちですから中国語の造形が
大変深くいらっしゃるのは確かだ
だからレッグ教授の
教え語だとすぐにわかりました
なんてですね
恐ろしい推理ですね
この相手のマキジタがどうかだけで
先にどっちの
言葉を習ったかとかカフスボタンを
見ただけでどの先生から
学んだとかね
これあれだよね
なんかホームズっていう
フォーマットはあるけどこの作者の
本校にあてはめをしたときの
なんていうのかな
広げ方がすごいよね
そうなんですよね
ちょっと今の読んなんですけど
作品全体にこんな感じのことが
こういう感じのことをフーアルが
言っているんですねいろんな人物に
それがただ単に読んでて面白い
面白いですよね
この話結構すごいなって思ったのは
山の上で
山の上にある
西洋人が山の上に
家を作りたがるので
山の上に
中国というか香港人の
方々の感覚からすると
山って風水的にあんまり
家を置いちゃいけないっていう
ところがあるから
山の上に家があるのは
西洋人だけなんですけど
西洋人の家で殺人事件が
起きたとなったから
フーアルとフォアションは
急いで向かうわけなんですけど
その時に人力車で登るんですよ
その人力車
移動手段が人力車なんですね
この時代は
山をものすごい勢いで
人力車が登っていくシーンがあって
よくわかんない迫力があって
俺結構好きだったんですよ
そうですよねこういうとこ面白い
なんだこれすげえなと思って
あと展開で言うと
もう良くない不幸なことになる
事件なんだなと思いながら
読み始めてたところもあったんで
結構ラストは
安心感のあるラストだったので
ちょっと安心して読み終えましたね
そうですよねこれもやっぱり
当時の
結構えげつない話
それはあるけどね
結構本当にね
不幸なこととか
語られているんですけども
45:01
ただ最後
終わり方はすごい
良かったなというので
すごい好きな作品ですね僕が
今回の
本の中で
後味の悪い作品は
この作品の中には一つもなかった
気がしていてやっぱちゃんと
安心して読める
作品だなという
ところもありますね
好きだったのは今回西洋人が
何名か出てくるんですけど
みんなすごいやっぱり
自分たちのためというよりかは
やっぱり人のためとか
香港のためとかですね
そういうすごい気概を持っている人たちが
出てくるのでやっぱり
人物が基本的に魅力的というか
そういったのはやっぱりこの作品を支えている
重要な
良さと思いましたね
あと他にもですね
あと4つ短編集が
あってどれも
正直すごい面白かった
ですね
語りたいぐらいですがちょっと時間が
ないので
今回紹介した2作だけじゃなくて
多分どれも同じぐらい面白かった
というのは個人的にはありますね
ちょっと軽く触れちゃうと
2話目の
これはもう
香港のある事実も
下敷きにしているし
これはすごい面白かったね
個人的には4つ目の
これはちょっと
黄色い顔のねじれた男じゃなかったら
こっちを紹介したかったかなという感じは
あるぐらい結構
俺好きな話でした
これもねちょっと本当に
魅力的な人物がまた1人出てきて
作品としての
良さすごく感じましたね
ベトナム語通訳はこれはこれで
シャールク・ホームズの方にも
確か同じような話あるんだけど
ギリシャ語通訳かな
なんだけど
ちょっとシャールク・ホームズの
違うわ
ちょっと色んなことも
わかる
いい話だよね
最後がこの売弁の初期という
作品ですね
これは
勝者の人が
なんというかきっかけというかですね
依頼人になるんですけども
結構すごい若くて
青年実業家みたいな人がね
登場するんですがそれが実在の人物で
実際にこの
中国の本当にすごい
成功された人の
懐かしい日を登場人物として
出してきていてこれもすごい
読んでるとねちょっと複雑な
事情はあったんですけども
単純に面白いというか出てくる登場人物の
魅力というか
そういうのも感じられましたね
じゃあ最後
いつも通りどんな人に読んでもらいたいか
感想交えてお話ししたいと思います
まずですねどうしてもお勧めしたいのは
シャールク・ホームズ好きですね
これは間違いなくハマると思います
本校に造形のある方住んでいたとか
48:01
何かしらで関わったみたいな人は
もしかしたらめちゃめちゃ楽しめるんじゃないかな
と思います
そうではない私みたいな人でもですね
全然楽しめますし
もちろんミステリー好きには
お勧めできる一冊ではないかなと思っています
今回のシャールク・ホームズはですね
肩の力を抜いても
楽しめる一冊だと思うので
ぜひぜひストレスなく読める
一冊だと思うので気になった方は
手に取っていただければなと思います
やっぱりこれはただのパロディーと思ったら
実はとんでもない
教養を楽しめる作品だったなと思いましたね
シャールク・ホームズ知らなくても
全然問題ないんですし
あと香港やっぱりね
すごい好きになりますね
名前でビクトリアピークとかですね
かっこいい名前の建物
街かな
出てくるんですけども
すごいロマンを感じるような描写がされていて
実際はどういうところだったんだろうね
すごくねちょっと
実際に見に行きたくなるような
描かれ方をしているので
やっぱり肩の力を抜いて読みますし
読むとすごく癒される一冊になるんじゃないかな
と思いましたね
じゃあ次回告知で終わりましょう
次回はですね
エマ・ドナヒューの聖なる証という一冊を
ご紹介します
ちなみにこちらですね
ゲストが来ていただける予定となっておりまして
3人で作品紹介しますので
お楽しみに
番組の最後になりますが
こちらですね無料版有料版とありまして
無料版は毎回のエピソードで
長すぎた部分ちょっとカットした部分を
音源化して配布しております
我々のエピソードを
いくらでも聞きたいという人がたまにいらっしゃるので
その人のためにやっております
有料版はサポーター特典という形になっていて
我々の日記のような編集講義をお届けしています
詳しいことは
番組概要欄に記載しておりますので
ぜひそちらご確認ください
番組の感想やリクエスト
またこのラジオを聞いて紹介された本を
読み返しましたとございましたら
ハッシュタグそろとび猫たちをつけて
教えていただけると嬉しいです
TwitterインスタのDMや投稿などでお待ちしております
お便り本も
番組情報欄に載せておりますので
ぜひぜひそちらから我々に対するお便りください
積極的に拡散共有していただけると
助かります
ではまた来週ありがとうございました
50:14

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