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ある夏の夜、眠れる街の人たちや百貨店のマネキン、家の人形などに、一夜限りの魔法がかかる。
彼らは月の下に踊り出て、思い思いに一夜を過ごしていく。 スティーヴン・ミルハウザーの魔法の夜を紹介します。
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするポッドキャストです。パーソナリティは、私ダイチとミエの2人でお送りします。
文学とプロではない2人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快に、それぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、スティーヴン・ミルハウザーの魔法の夜になります。柴田本幸さん役で、白水社から2016年に出版された本になります。
初めてのミルハウザーですね。
ちょっと意外かもしれないですね。今までミルハウザーに触れてこなかったというのが。
確かに我々のラジオの性質からして。意外と2人ともミルハウザー4弾が今回初めて。
そうなの?俺だけじゃないんだ。僕もなんです実は。じゃあ2人とも初のミルハウザー本は魔法の夜だったということですね。
川手文庫で出ているミドウィン・マルハウスという小説。これミルハウザーのデビュー作ですけれども、かなりいろんなところで見るので気にはなってた作家の一人ですね。
そうですよね。ここはマーティン・ドレスラーの夢という長編なんですけど、ビリーチャーショーを撮ったっていう。それとかすごい面白そうと。
気になるね。
あと結構柴田本幸さんがいっぱい役されていて、2020年にホームランっていう短編集も出てるんですけど、それもすごい気にはなっていましたし。
もうミルハウザーといえば柴田本幸さんのイメージがありますよね。全然関係なくてこのタイミングで挟んでいいかあれなんだけど、
今ちょっと配信する頃には公開終わっちゃうかもしれないけど、でもかなりいろんな方が見てるだろう。
ムーヴェンダーズのパーフェクト・デイズって映画があるじゃないですか。役所工事さんが主演の。
そんなのがやってるんですね。
そうです。これに柴田さんが出てるんですよ。
そうなんですか。
役者として。
そうなんですね。
っていうのは知ってたんで、どんな感じで出てくるのかなって気になって。普通に気になった映画だったので見たんですけど、柴田さんが。
役者として。
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役所工事が主人公なんですけど、彼がたびたび写真を撮るんですね。主に木漏れ日っていうか木漏れ日の写真を撮るんですけど、それを現像するのに持ってく先のカメラ屋さんが柴田本幸さんなんですよね。
キャストニアの写真屋の主人っていうので名前がありますね。
そこで週に1回なのかな。写真を現像してもらって、またフィルムを出すっていうルーティンがあって、それで柴田さんが出てくるんですけど、ちょっとびっくりしました。柴田さんだと思って。
ってことは大地さんは映画は見てるんですか。
見た見た見た。
映画見て初めて気づいたんですか。
前から出てるっていう。
前情報は。でもどんな形で出てるかまでは調べずに見に行きました。
だから1回ちょっと飲み屋で現れた、柴田さんと似たような年齢の方が現れたんで、あれこの人かなと思ったんだけど近くて写真屋さんの店主でしたね。
まさか映画を出ていらっしゃったと。
古本屋のシーンもあるんですけど、古本屋の店主は柴田さんじゃなかったっていうか、そっちじゃないんだみたいな。
面白かったですね。
ちょっとすげー余談ですが、このタイミングで柴田さんの本役を紹介するんで、最近見た映画だったんでちょっと触れておきたくて、めちゃめちゃいい映画でした。
多分文学好きには響くと思います。
見たくなりますね。
ってことで魔法の夜に話をちょっと戻していくとですね、今回読んでみて思ったのは、話が一晩の出来事という形なんですね。
本当魔法の夜の一晩の出来事なんですけど、群蔵劇になってます。
いろんなキャラクターが出てきて、いろんなことして一晩を彩っていくというところで、結構こういうタイプの小説好きな方なので、しかも内容もちょっと登場人物把握するの大変だったけど、あまり肩肘張らずに読める一冊なんじゃないかなと。
幻想的なお話で、ポップなとこもあればシリアスなとこもあるみたいな。
なので結構バランスの良い一冊なんではないかなと思って読ませていただきました。
僕はですね、これ2016年に出た当時からすごい気にはなっていたんですが、想定がすごく可愛らしくてですね、紺色単行本なんですけども、紺色で熊の人形とかですね、いろんな人形がちょっと部屋の中では描かれているっていうですね。
なんかすごく、しかも帯には月の光でお読みくださいっていうですね、すごくワクワクさせるフレーズもあって、いつか読みたいなと思っていたんですけども、よく調べると、これも柴田さんが後書きで、ミルハウザ入門にはうってつけの中編小説ということで紹介されていてですね、いつか読みたいなという中で、もうそろそろじゃないかというので今回ですね、読むに至ったんですけども。
いやでもすごく良かったですね、やはり。本当にある夏の夜に魔法がかけられて、街の人たちが思い思いに一夜を過ごしていくっていう話なんですけども、すごくロマンチックで文章も良くてですね、月と夜のすごく詩的な描写っていうのがふんだんに出てきて、ちょっとファンタジー要素の強い作品かなっていう幻想的なイメージ、先入観としてあったんですけども、
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確かにそういう幻想的なのもあるんですけど、それ以上にこの詩的な描写表現力っていうところがですね、読んでて印象に残ったところではありましたね。確かにこれは夜に読むといいなと、寝つけない夜とか読んだらですね、なかなか癒される小説じゃないかなと思いますね。
確かにそうですね。ちょっとなんかね、なんか夢と現実の狭間みたいな小説だよね。
本当の出来事が起きてるんだろうけども、振り返るとあれって本当だったんだろうかみたいなですね。なんかそのすごく良い余韻が味わえる本かなと思いますね。
ではですね、ちょっとここから著者のミルハウザーの紹介を軽くして作品紹介を移っていきたいと思うんですけども、スティーブン・ミルハウザーは1943年ニューヨークに生まれたアメリカの作家になります。
72年にエドウィン・ミルハウザーでデビューして、そこからマーティンド・レスラーの夢で96年ビューリッジャー賞をとって、すごくたくさん翻訳されています。
聞いたことあるのか、いっぱいあるんですけど、バーナム博物館、ナイフ投げし、ある武装者の肖像などですね。賞もたくさんとられているという、すごくアメリカを代表するというか、すごい現代を代表する作家さんになります。
ここから作品紹介にいきたいと思います。本元の情報を引用させていただいて、
百貨店のマネキン、月下のブランコ、屋根裏部屋のピエロと目覚める人形など、作家の心髄が凝縮、眠られぬ読者に送る魅惑の中編。
本文からの引用もありまして、月の光線の下、マネキンの隠れた背が目覚めていく。指に微かな震えが生じる。片方の手首が僅かに曲がる。
サングラスの奥で瞼がゆっくり閉じて開く。本文より。というですね、紹介で。これだけ読んでも、かなり幻想的で、ちょっと面白そうかなという雰囲気が出ているなと思いますね。
そうですね。片方の手首が僅かに曲がる。いいですよね。
それを実際見ている人がいるんですよね。マネキンが動くっていうことだってなるんですけど。
ストーリーとかに先に本、この作品の特徴をですね、ちょっと3つほど述べたいなと思います。
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まず一つがですね、一夜の出来事がオムニバス形式で語られるという点ですね。
オムニバスということで、たくさんの登場人物が出てきます。場面もたくさんあって。
本当に短いのだと1ページで数行程度で語られることもあれば、どれも短いですね。
2、3ページぐらいで語られることが多いですし、長くても数ページか数ページぐらいかなという。
そのぐらいのテンポ感でどんどん場面が変わっていくというところが特徴かなと思います。
一方でやはり人物も結構たくさん出てくるんで、その辺りを把握しておかないと読むのに苦労する作品かなと思いますね。
そうですね。ちょっと私はだいぶごっちゃになっているかもしれない。今読み終わった。
僕も今回メモを取りながら読んでたんですけど、メモを取らないとちょっと厳しかったですね。
そうですよね。私ちょっと何も考えずに読んでしまって、結構ごっちゃになっている部分あるかもしれないですね。
あとこれ、一夜の出来事があってところなんですけれども、時間が時折伝えられるので、今時間何時ぐらいなんだなというのがちょっと分かったりするのと、
あと基本は時系列ですよね。時系列に並んでいるんで、夜が始まって明けていくまでという話になっていて、そういう話はちょっとワクワクは感じますよね。
特徴の2つ目に行きたいと思うんですけども、やっぱりそういうワクワクするというところで、魔法の夜になるんですね。
夜に魔法がかかるというか、魔法の夜が訪れるというか、魔法がかかって、町の人たちが自分を出していくというのが特徴2つ目かなと思っています。
これもおとぎ話であるので、やっぱり魔法がかかるといろんな現実ではありえないことが起こったりするんですけども、この辺はただミルハウザーがやっぱり大人向けな作品かなと思っていて、
結構人間民のあるような出来事というか、自分を出すというのも、自分の中にある欲とかですね、そんなのが現れたりもしたりして、なかなかそれが大人が読んでてもわかるなというところかなと思います。
なので、恋愛要素はちょっと多いかなというところですね。男性が女性を求めたりとか、女性が男性を求めたりみたいな。
これも見方によっては、魔法の夜に何者をねだりしてるだけじゃないかなって思われるかもしれないんですけども、ただこれも見方によってはですね、僕個人的にはですね、救いの一夜でもあったんじゃないかなと。
やっぱり町の人たちも普段は隠されている自分の中の欲とかですね。
あと、例えば男性の前に女性が現れたり、女性の前に男性が現れたりした時に、普段はそういう人が隠していないような、その人がでも本来思っているであろう明るさとか優しさとかユーモアというのが現れていてですね、すごく人物が魅力的な一面が出てくるというですね。
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なんかそんなちょっと救いの一夜でもあったんじゃないかなって感じれて、そういう魔法がかかって自分の本当にその人の魅力がどんどん出てくるような、そんな夜だったんじゃないかなっていうところですね。
うん、確かに。なんかこのストレートになっていく部分っていうのがやっぱりある気はしていて、それによってちょっと今まで言えなかったことっていうまではいかないかもしれないけれども、ちょっと関係を結果的に関係が変わってしまったと思うんだけども、でもそれはなんかあるべき姿だったというか。
なんかその契約になったとか決定的に壊れたとかじゃないんだけれども、微細な変化がこの登場人物たちの中にあるなと思っていて、特に作家とそれを見守る年上の女性の話があるんですけど。
また一番のメインキャラクターですね。 そうだよね。ハバストローとミセツカスコが。なんだけどこの二人はこの夜の出来事ってまでいかないんだけれども、この夜を経てちょっと関係が変わったような部分をちょっと自分は読み取ったけれどもね。
そうですね。 その辺りはなんだろう、その大きいものじゃないけれども、なんか上手い描き方してるなっていう感じはしましたね。ちょっと上手く伝えられない部分なんだけど。
そうですね。なんか今みたいなハバストローと年上の女性との関係とかは結構そのささやかな変化みたいなのかもしれないし、他の人物は結構大胆な出会いがあったりとかですね。色々ケースがあるんですけども。
このハバストローとミセツカスコの話は結構好きですね。
最後の特徴は文章ですね。非常に魅力的だなというところで、すごく美しい文章で、夜の描写であったり月の描写であったり語られていくので、本当帯に書かれている通り月の光で読むとすごく感傷的に読めていけるんじゃないかなって思いますし、
あともう一つ結構詩的な文章でもあるので、ゆっくり自分のペースでゆっくり読むとたっぷり味わえるんじゃないかなと思いますね。
場面によって書き方はちょっと文体は違ったりもするんですけども、例えば本当最初の方で夜の声たちのコーラスっていう章だと、
今夜は刑事の夜、人形たちが目覚める夜、屋根裏で夢見る者の夜、森の吹きの夜っていうですね、本当1、2行が述べられているんですけども、その言葉だけなんですけども、そこから色んなことを想像させるっていう、本当に詩のような文章があって。
あと私は個人的には今回のこの文章っていうか作りになっちゃうんだけど、映像的だなと思いました。やっぱりすごくサクサク場面が切り替わっていくし、あと途中で虫の歌っていうか声っていうかなんだろうとか入るじゃないですか。
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やっぱすごく映像的だなってそのあたり思ったし、映画にした時にこう場面の切り替わりとかまでもうなんかこのまま作れそうな作品だなと思って、映像的な感じでちょっと読みましたね。
そうですね。ミュージカルとかにもやりそうなくらい。
ミュージカルとかね。演劇とかいけるね。
そうですね。詩的だし、あと音楽性っていうのかな、そういう歌要素もすごくたくさん含まれてましたしね。
読みやすいとは思うんで、そのあたりも。
そうですね。ここからストーリー紹介、ちょっと映っていきたいなと思います。
まず舞台はアメリカ東海岸のコネチカット州南部にある海辺の街になります。
8月のある夜に魔法がかかるんですけども、そうするとショーウィンドウの中のマネキンは月の光を浴びてもう解放されたりとかですね。
家の中の人形たちは目を覚ましたりという、だんだんと魔法が街にかかっていって、
街の人たちはその月の下に繰り出して思い思いに過ごしていくという展開になっていきます。
ストーリーというかですね、登場人物を中心に話していきたいなと思います。
まずメインはハバストローという39歳の作家志望の男性になります。
この人は同じ作品を9年間描き続けているんですけども、一向に完成しないプロジェクトということで、
実家暮らしで社会的地位は特になくて、ちゃんとした仕事とかもしたことがなくて毎日描いているっていう。
そんなハバストローにはちょっとした習慣があって、週に2回ですね。
夜になると、夜型の人間なんで、夜になると友人のお母さんの家を訪ねるという。
その人がミセスカスコという人なんですけども、そのミセスカスコの元に行ってちょっとお話をして、議論したりお話してというですね。
この魔法がかかった夜もそのミセスカスコの元を訪れます。
このミセスカスコというのは息子がもともとハバストローと同級生だったんですね。
ハバストローと友達で。
ただ息子が21かな、確か20歳か。
そのくらいの時に夫さんと息子がメキシコに行ってしまって別れてですね、一人暮らしになったと。
その後もですね、ミセスカスコはハバストローとは友人同士というかですね、付き合いはあって。
で、一時期そうやって一人暮らしになったタイミングでは、年の差はですね、結構20歳以上離れてるんですけども、恋愛関係になるかもしれなかったというですね。
そんな雰囲気もあったっていう。
でもやっぱりね、ちょっとそこはミセスカスコが思いとどまったんですけども、その後も定期的に会って、ハバストローを見守ってるというか、いい話し相手になっているという。
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そんな2人なんですけども、この夜はですね、ちょっとハバストローが外の空気に当たりたいというので、外に散歩をしに行くというですね。
そんな出来事が外に出るようになります。
次ですね、一方でちょっと場面が変わって、次がマネキンですね。
これはショーウィンドウの中でいるマネキンなんですけども、この中から解放されたいというのを夢見ています。
マネキンなんですけども、ちょっと自我というか意識を持っているという。
そういう欲望、秘密の欲望というのを抱えているんですけども、この月の光を浴びることで、それが解放されて首を動かしたり、人目を動かしたりという、ちょっと動かすっていうのをやるようになります。
この魔法の夜に。
で、一方でですね、このクープという男性です。
本名はね、クーパーなんですけども、愛称クープという男性がいて。
この人は28歳の男で飲んだ暮れなんですけども、飲み仲間と飲んだ後ですね、周りの友達とかはやっぱり好きな女性のテープって、
グラビアのポスターとか飾っている美女とかって言うんですけど、クープはそういうのには全然賛同できなくて、自分が好きなのは実はこのショーウィンドウのマネキンだったと。
飲んで解散した後、一人でそのマネキンを見に行くんですけども、その魔法の夜にですね、なんとそのマネキンがちょっと体を動かすっていうところを見てしまうっていうので、
そこですごいびっくりするんですけども、ただね、そこでマネキンとクープが出会って、ちょっとね、クープがそのマネキンの手を取って、
これもね、二人で線路沿いの道を歩くっていうですね、そういうちょっと解放された夜を過ごすっていうことを迎えていきます。
いいよね、ここでクープが貴婦人っていうね、言葉を使ってね、自分が好きなのは貴婦人でみたいな、いいですよね。
で、他にも面白いのが女子高生の一団ですね、黒い仮面を、夜になると家に侵入して置き手紙を置くんですよね。
私たちはあなたの娘だっていう、で、あとちょっとしたものを盗むと、その家の果物にある果物とかですね、ジュースとか。
で、その女子高生の一団は黒い仮面をつけていて、誰にも見つかることなく、なんかそういう家に侵入して置き手紙を置いていくんで、伝説家みたいなことになってて、
そういう人たちがいるけども誰もそんな正体は見たことがないっていう。
そしたらですね、この魔法の夜は女子高生たちの一団が、ある一人暮らししている年配の女性の元に行くんですけど、
ちょっとね、見つかってしまって、その女性からね、レモネードを勧められて、その女性はそういう女子高生の一団っていうのをですね、
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なんか知らなさそうというので、話し相手になったりするっていうですね、これもなかなか読んでるとちょっとね、面白いようなね、あの話で。
というですね、なんかそんな、これはちょっと恋愛要素とかそういうのではないんですけども、なんかそういうですね、何とも言えないそんな集団もいるっていうですね。
っていうのが現れるっていう。で、さらにはですね、これはなんか男性陣ですね。
なんかあの3人組の男たち、スミティ、ブレイク、ダニーっていうですね、これ確か年齢16歳とか高校生ぐらいかなって思います。
で、この3人組はなんか図書館に入る計画をしていて、実際入るんですけども、もう町の図書館に入って、
女の子との過去の関係というかね、下ネタの話とかね、しあうんですけど、16歳のダニーは女性とキスをしたことがないっていうので、
ちょっとですね、まだ話についていけなくて、どっちかというとそういうね、女性とはっていう、なんかそのちょっと憧れを持っているようなタイプで。
で、このダニーがちょっとブレイクとね、仲互いしていたこともあって、途中で帰るって言い出して。
で、この魔法のカットより1人で家に帰ろうとするんですけども、このダニーがその月に歌を捧げるんですよね。
すごく綺麗なので、その月の女神の歌を、月に歌を捧げたら本当にですね、ダニーが寝てる間に月の女神が現れるとかですね、そんな出来事が起きたりするっていうですね。
そんなですね、ちょっと魔法がかかったような出来事だったりします。
で、他にもですね、14歳の少女、ローラという少女は、もう同じくですね、月に魅せられていて、自分もその、こんな家の中とかじゃなくて、その月に行きたいと思っていて。
で、月に導かれるように、その魔法の夜に外に出て、月の向かって歩いていくんですけども。
で、だんだんそのローラもね、その解放されていって、その月の光にあたって。
で、服を脱ぐようになるんですけども、やっぱりね、一応山の中、山というかちょっと丘の中っていうのかな、森の中みたいなところで脱ぐんですけど。
そこでなんかね、ちょっとある登場人物とバッティングしたりとかですね。
そんな、なんかのいろんな展開を迎えていくっていう。
それ以外にもね、他にも20歳の女性で、ハンサムな彼を夢見たら本当に現れて、浮かれてしまうとかですね。
あとは森の笛吹きとか、夜の声のコーラスとか、虫ですかね、森の虫とか。
あとは家の中の人形とかですね。
本当、人間以外にもいろんな人、いろんな生き物とか人形とかも語ったり、それぞれの歌を歌ったりとかですね。
というので、なかなか華やかな魔法の夜っていうのが描かれて、とはいえですね。
もう夜にも限りがあるんで、魔法の夜も終わりを迎えていて、夜明けが今度は訪れてくるっていう、そんな話になりますね。
ありがとうございます。だいぶ結構いろんな話もあったのに、だいぶうまくまとめていただいて。
これで夜明けで終わるっていうのがいいよね。夜明けって章だったかな。
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結構そこには割と今まで出てきた登場人物の話がバババッと出てきて、締めくくっていくっていうところで。
同じ時間を表現するっていうのは、やっぱりこういう小説はすごいいいなって思いますね。
そうですよね。意外と狭いエリアかもしれないんですけど、意外とこの人物とこの人物がちょっと繋がってるとかですね。
そういうのもあったりして、この辺はオブニンパスの形式の面白いところでね、思いましたね。
僕はやっぱりこれ読んでて、最初はですね、幻想的な雰囲気で、結構ロマンチックに読めるところもあるんで、面白く読んでたんですけども。
夜明けを迎えるあたりですね、だんだん終盤になってくると結構感動するところが出てきて。
一つがマネキンの女の子ですね。マネキンが魔法のように解放されて、外に出れて、クープと一緒にね散歩するんですけど。
ただマネキンに戻らないといけない、やっぱりタイミングっていうのがあって、でそのマネキンに戻ろうとするシーンとかですね。
結構感動、ジーンてくるところがありましたね。
確かにね。クープあれだっけ、振り返ってはいなかったんだっけ?
あ、そうですよね。ちょっと振り返ったんじゃないかな。振り返っていなかった。
なんかすごい楽しいんですよ。
クープもね、すごい寂しそうに、あれだったことだっけな。
まあこの夜を信じているっていうのと、その毎回いなくなるのは。
でもね、マネキンもそのマネキンに戻らないといけなくなるんですけども、ただ月が解放してくれたこの夜ですね。
この夏の夜は2つの世界の狭間を歩きながら、感謝の念に心を震わせたっていうですね、ちょっと文章が。
感謝の念に彼女は心を震わせているっていう文章があってね。そこを読んでいると感動しましたね。
そうかそうか。慌ただしい別れだから、別れて彼が一人帰っていくんだよね。
そうですね。クープもなんていうか、日頃だとほんと飲んだくれで、結構ね、クープも男性的というか性的なこととかね、下ネタとか考えているんですけど、
このマネキンと出会ってからはやっぱりちょっとダメな一面だけじゃなくてね、なんかしんみりさせる一面も持ってるっていう。
そのところでちょっと印象に残った話になってきてますが、言ってきますか。
印象的だったところとかって。
あのね、あのあれですね。虫の歌のところで、羽ばす虎が父親に教えられたこと。
虫の声があの男どう生きていけばいいか教えてくれるからって教わったって話をしてるんですけど、
ここのあのね、ちょうどこの章の、この章というかこの部分の前後に野の虫たちの歌があって、
いつかはチュッチュカチャク、チュクチュカチュクカとかあって、その次がコオロギブルーグラスバンドとかって楽しくやろうみたいなのがあって、
なんかこのあの虫の歌が入るのがすごいいいなと思って。
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ここであれなんだよね、ここからもうミセスカスコと別れて歩き出すんですよね。
そうですね。
このなんか一連の流れがすごいいい。
まあ3時になって虫の声のコーラスが始まって、羽ばす虎を糸間を告げるってなって、
虫の声入って、でいかに生きるべきかっていう話からコオロギブルーグラスバンド、そしておやすみなさいっていう。
この一連の流れがすごい好きだったな。
このね、ミセスカスコとちょっとじゃあもう行くよっていうところね。
そうですね。これでも結構すごい、虫たちの歌、夜の声たちのコーラスとかもね、その前にあったりして、
それなんだろうと思ったら、その後ね、羽ばす虎がね、お父さんから聞いた話ですね。
いいなと思いました。
繋がってくるんだっていうので。
でもちょっとこれ思ったのは、なんか羽ばす虎が書いた小説じゃないかなっていうのはちょっと思いましたね。
あーなるほど。そっか。
あ、そっか。確かに。
そうだよね。
羽ばす虎だけ魔法の夜なのに、マイペースというかですね、それまであんま変わってなくて、
それ以外の人たちはね、結構魔法がかかったかのように、なんていうか、いろいろ動いたり、自分の中の持っていた気持ちとかを出せたりするんですけど、
羽ばす虎はなんか今まで通りっていう感じがして。
あーじゃあそっか。この魔法の夜は、羽ばす虎が書いた小説かもしれないね。
羽ばす虎は羽ばす虎で全然もう書けない作家のもので、だから羽ばす虎が書いてないけど頭の中で想像した世界みたいな。
確かに。そうかもしれないね。
あと僕は結構印象的だったのは、これもちょっと終盤なんですけども、
女子高生たちの一覧が女性の家で過ごすんですけども、そこでですね、
女子高生たちの正体は気づいてるけども、それを決して言わないというか秘密にしていた女性の心の声が書かれてるんですけども、
すごい良いこと書かれていてですね、私は本当にあの子たちを理解していると。
彼女たちは一人で部屋にいられないのだ。どうしても絶対に夜の中に出て行って、誰にも知られぬままでいずにはいられないのだ。
なぜならひとたび知られたら自分を失ってしまうけれど、隠れている限りは自由なのだからって言ってたんですね。
隠れている限りは自由だけど、でも誰かに知られたら自分を失ってしまうっていうようなですね。
そのような状態で女の子たちが誰にもバレないように自由にやってるんだっていう。
だから自分もね、それ知ってるから正体知ってるけど言うことはない。
そういう女性の心理もあったりして。
その女性もね、この女の子たちと出会って自分の中の持ってるなんていうか明るい部分っていうか、
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そういうのを出すこともできているんで。
確かに。
その辺りでもこれもなかなか共感というか感動しながら読んでましたね。
確かに。いい魔法っぽいですね。
知られたら自分を失ってしまうって本当ね。
そうですね。
あとは作中のハバストローがミセスカス子との会話で、ちょっと創作論の話をしていてですね。
私っていうのを名乗った段階でも私は私ではなくなるみたいなこともですね。
これもそんな話をしていてですね。
これもちょっともしかするとこの作品と重なるところあるかもしれないっていうのは思いましたね。
この作品を暗示しているというか。
ああ、確かに。あれだよね。ハバストローを語るのとこだよね。
そうです。
この章というかこのセンテンスは結構好きだな。
うん。
ラストの締めがいいんだよな。
人が中身を埋めるんですよね。想像を埋めるわけです。
人は中身を埋める。記憶は常に想像に転化していく。
世界、事実、現実、みんな想像を埋める。
人は中身を埋める。記憶は常に想像に転化していく。
世界、事実、現実、みんなすり抜けていくんです。
記憶なんて不可能です。
くわ立て全体が挫折するほかないんですっていう。
なんかこれ確かにちょっとこれ、この本を象徴している、この話を象徴しているかもしれない。
うん。
ね、うん、確かに。
最初はね、なんかちょっと難しいことを言ってるなって思ってたんですけど、読んでいくうちにだんだん。
うん、ちょっと。
これハバストローがね語ってたことじゃないかっていう、この小説って。
うん、確かに。付箋派ってあったか今読んだけど、全部読んでからここ読むとだいぶ印象変わるね。
そう、そうだと思いますね。
うんうん。確かにこれ、みえさんの言う通りハバストローが作った話なのかも。
そうですね。なんかその、ほんと、この魔法の夜に解放されていく、なんか人たちのね、なんか描写とか。
うん。
がやっぱりね、すごくどれもなんか美しいなってね、ほんと、なんか思いながら読んでて。
まあなんかね、いろんな登場人物いるからあれだけど、結構やっぱり人によって話が違ってきて、多分読み手によって共感する人違うんだろうね。
うん、そうですよね。
うん。テーマトーク最後行きたいと思います。魔法の夜が訪れたら何が起きてほしいかっていうテーマなんですが、これちょっとみえさんからいただいたあれですが。
ね、もし。
魔法の夜ね。
自分が夜、家にいるときとかに魔法の夜が訪れて、ちょっと外出てみようかなって、とかですね。何かそう、その夜に訪れてほしいことって何だろうかっていう。
うん。今回のこの魔法の夜は割とポップっていうか、明るく描かれてると思うんで、あれなんですけど、その魔法がかかった人形とか、もしくは虫とか、まあ動物とかとなんかこうコミュニケーションが取れるんだったら、ちょっと取りたいな。ちょっとね、あの怖い感じになられるようになるんだけど。
本当ですね。家の中の人形とか動いたらね、ちょっと怖すぎますけど。
うん。猫と会話できるんだと超嬉しいけどね。
ちょっとね、夢ありますね。かなり。
クレーム来たらどうしよう。
でもなんかそうだね、なんかそういう動物とか物とかの恋を聞いてみたいなって。
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ああ、それはいいですね。
まあ話せないにしても何かね、何か意思を伝えてくれると嬉しいな。
そうですね。僕もやっぱり作中では月の女神が出てきたりとかですね。
僕もそうですよね。人間以外の存在とちょっと会ってみたいっていう。
ああね。
なんか感じますね。
うん。楽しいよね。絶対ね。怖くない意味で。
そうです。怖くない範囲で。
感じで。なるとやっぱちょっと夜散歩してみたいかもね。
うん。そうですよね。なんか窓の外から。なんか誘われるままに外に出ていくみたいな。
あとはあれですよ、作中だとなんか夜の図書館に入ったりとか。
ああ。
そんなんもしてます。どこかかといって入りたいところとか。
そうですね。いい年になってくるとなかなか。
確かにね。難しいよね。
高校生の時とかだったら確かにどっか入りたいとかあったかもしれないですけど。
あれだな。そのこの魔法の力がどこまであるかちょっとわからないけど。
ちょっと空飛びたいとかちょっとあるかもね。
はいはいはい。そうですね。確かに。月に登ってみたいとかそういうのはすごい思いますね。
うん。これね。本当に夢物語の本となっていくとね。そういうのあるけど。
でもなんかこれ終わっちゃったら全部幻だったのかみたいになるわけですよ。
そうですね。なんかその多分具体的な記憶が抜けてるけどでもぼんやりと残ってるものはあるみたいな。
確かになんか夜1時とか夜3時とか外出たらどうなるんだろうとかっていうのはちょっとなんか。
魔法のように。
そうですよね。思いますよね。
もし猫と会話できたらその猫と感情を知ることができたらちょっとそれで改めることができるんだったらちょっと改めたいな。
なんかこれ迷惑だったんだとか。
いやでも猫とね会話できたらもうそれだけでもう感情がね高まってなんか。
あー確かに。
そうですね。もうね。そっちの。
探けて満足ですね。
それだけで満足してしまいそうだ。
楽しくて仕方がないかもしれない。
ちょっとなんかあんまりまとまんなくなってきたけど。
いやなかなかこういうのはあれですよね。普段からそういうなんかちょっと欲というかなんか持っとかないとなかなか出てこないなって思いましたね。
あとあれかな。やっぱ子供心かな。
あーそうですね。
子供の心がちょっともうちょっと必要なのかもね。
そうですね。なんか冒険心とかね。そういうのがいるなって思いましたね。
そういう意味でもこういう本を読むとちょっとそういう気持ちが取り戻せるから。
確かに。
いいですよね。
じゃあちょっとこんなところにしておきましょうか。
じゃあ最後感想言って終わりたいと思います。
今回ですね。スティーブミルハウザーは私ちょっとイメージと結構違ってこんなポップでなんだろう明るい作品を書く人なんだなっていうのはちょっと勝手な先入観だったけどちょっと思ってなくて。
他気になっている作品あるんで。まあいずれ読んでいこうと思っています。
ちょっと三井さんとは逆でちょっと最後にあれなんだけど結構俺表紙が怖くて。
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そうなったんですね。
右下の女の子の人形とかちょっと怖くて。ちょっと怖い話だったらどうしようって。
あーそうなったんですね。
ちょっとちょっと考えてました。やっぱこれも印象のあれかなってことだけどね。
ミルハウザーの印象がもうちょっと自分はこんな明るい作品じゃないと思ってたところに起因しますが。
本当皆さん最初に言った通り、眠れない夜とかには確かにいい本だなと思うので。
ぜひ気になったら手に入れてみてください。
そうですね。本当現実逃避にいい本だなって思いましたし。
確かにそうですね。
自分の中でちょっと遊び心とか子供心が何か気迫になっている時とか。
こういうの読むとすごく思い出させてくれるものがいっぱいあるんじゃないかなって思うので。
こういう本たまに読むのはやっぱりいいなって思いましたね。
そうですね。じゃあ次回告示で終わりたいと思います。
次回はですね、久しぶりのゲスト会かな。
ゲストをお呼びしてコラボする予定でございます。
ぜひお楽しみに。
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番組の完成やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。
読み返しがございましたら、
ハッシュタグそろとび猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
Xやインスタの投稿などでお待ちしております。
お便り本も番組情報欄に載せておりますのでそちらからいただけたら
我々がお便り紹介会の時にお答えさせていただきます。
この番組気に入っていただけましたら積極的に拡散共有してあげると助かります。
ではまた来週。ありがとうございました。