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2020-08-17 27:09

第10回「ザ・ロード」コーマック・マッカーシー著 〜世界の終わりでどう生きるか〜

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【今回の紹介本】

 ■『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー著 黒原敏行訳 ハヤカワepi文庫 

今回第10回目でご紹介するのはコーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』です。 

世界に致命的な何かがあり、荒れ果てた世界で父と子は、生き抜くために南へ南へと旅をする。掠奪がはびこる荒廃した世界の中で、善良であろうとする父と子。 

この絶望のなかで描かれる愛について今回語っています。映画化もされている作品です。どうぞお楽しみに! 

【番組内で紹介したトピック】 

■『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー著 黒原敏行訳 ハヤカワepi文庫 

https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310060.html 

■映画『ザ・ロード』 

https://movies.yahoo.co.jp/movie/335576/story/ 

■『血と暴力の国』コーマック・マッカーシー著 黒原敏行訳 扶桑社 

https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594054618 

■映画『ノーカントリー』 

https://movies.yahoo.co.jp/movie/328975/story/ 

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:04
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、広派な文学作品を楽しもうコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーく文学作品を紹介するラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの回のダイチと
水上めぐるカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。お互いの紹介に関しては、第0回で話しているので、そちらをお聞きください。
今日はですね、コーマック・マッカーシーのザ・ロードをお届けしようと思っています。この作品なんですけど、ちょっと前回の予告でも話してるんですけど、私は今年読んだ中で今のところ一番好きな作品です。
僕は好きな作家ベスト3の一人がコーマック・マッカーシーなんで、その中でもこのザ・ロードは本当もうね、マッカーシーの中でも1番か2番に好きな作品ですね。
いいっすもんね。なので、個人的にはもうこの話ができるっていうだけで、結構テンション今日は上がってますね。ちょうど私これ、あ、そうか、今年の初めじゃないな。3月ぐらいに読んで、ちょうど自分の読書会ができなくなっちゃった時期だったんですよ。
そんな時期で。
そう、これ読んで、あ、で、なんかその時ってまだ緊急事態宣言出るのか出ないのかみたいな、どうなんだこの後みたいな感じの時期で、こんなに長引きと思ってらっしゃったんで、またすぐ読書会できて、誰かとこの話聞けるかなと思ってたら、いや、なかなかそういう状況に訪れずっていう状況だったのが、あ、思い出しました。だからすごい誰かと話したかった。
いや、でもまたすごいタイミングでザ・ロードを読んでたんですね。
たぶんね、あえて読んだんだと思いますよね。なんかちょっと、世の中がちょっと、コロナって暗くなり、でも本当その時ってまだこんな長期化するって思ってなかったと思うんで、たぶん2月とか3月に手に取ったと思うんですけど、でもあえてなんかちょっとディストピア系読んだらハマるかなと思って、ちなみにこれ読書友達からもらった本なんですよ、私は。
あ、もらい物にあったんですね。
もらい物なんですよ。自分で買った本じゃなくて、なんか読んでほしいって言われたのかなってくれた本、いただいた本なんです。
あ、そうなんですね。僕もこのザ・ロードはブックオフで確かめて、フルフォンで買って、でしばらく眠ってたんですよ、本当はね。
でもどのタイミングだったっけな、なんか結構自分の中で気持ちが沈んでる時になんか読もうってなったんですよね。タイミングでなんか選ばれる、なんかきっかけがないと読まないかもしれないっていう。
これ映画は見てたんですけどね、原作まで全然頭が、私その映画見た時はもう回らなかったんですよね。
あ、僕映画は見てないんだ。
あ、そうですか。映画は多分見ましたけど、めちゃめちゃ良かったのは覚えてます。でも私は個人的には映画よりも書籍の方が全然良かったなと思ってるんで、今日ちょっと話そう。楽しみですね。
そうですね。
じゃあ行きましょうか。
よし、行きましょうか。
今回紹介する本はコーマック・マッカーシー町のThe Road 早川 恵美文庫から出ています。
03:05
役は黒原俊幸さんです。
ちょっと私の方から簡単にあらすじ伝えたいと思います。
空には暗雲が垂れ込め、気温は下がり続ける。
目の前には植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われた廃墟と化した世界。
その中を父と子は南への道をたどる。
略奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、僅かに残った食料を探し、お互いのみを生きる様子かとして、世界は本当に終わってしまったのか。
現代文学の巨匠が荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を書き上げた渾身の長編、ピューリッツアショー受賞作となっております。
ちょっとあらすじだけだと状況が全くわからないと思うんですけど、これちょっと補足させてもらうと、もう終わってしまった後の世界の話なんですよね。
イメージで言うと北斗の剣みたいな。 そうそう、そういうケースよね。ちょっといきなりライトがかかってるけど。
マドマックスとかかな、映画のマドマックスとか、そんな感じで。で、これ終わっちゃったかわかんないですよね。
そうですかね。 世界に何か決定的な致命的なことが起きて、滅んでしまって。
で、もう秩序も何もかも、多分国っていう感覚もなくなってしまった世界で、略奪者がはびこっている世界。
で、その中で、もう実際それがおそらくもう10年とか経ってんのかな。結構な時間がその状況経ってて、世界が荒れ果ててしまっている世界っていうのが、
これも実際本の中ではあんまり解説がないので、急に終わった状況の段階から話が始まるので、
断片的にちょっとその情報が出てくるんですけど、から想像することしかできない。
そうですよね。あんまりその世界の説明ないです。
うん、ないですね。だからそこは想像するしかないんですけど。
コーマック・マッカーシについてちょっと言いますと、本当にアメリカを代表する作家さんで、映画化をされている作品が何作かあるんですけども、
一つが、一番その中で有名なのが、ノー・カントリーという映画で、コーエン兄弟が監督で、ハビエル・バルテムが主演した。
その原作が、地都暴力の国というので、マッカーシが書いている小説になります。
で、本日取り上げるザ・ロードも映画化をされていますし、あとは悪の法則という映画も脚本を書いていたりしていて、結構映画化をされている作家さんではあるんですけども、
その中でもやっぱり一番有名なのは、このザ・ロードでになりますね。
すごいでもこれ、作品数はそんなに多くないと思うんですけども、すごいこのマッカーシという作家も個人的には好きなんですけども、
傑作がたくさんあって、国境三部作と言われる作品の中で、えっきょうという作品があるんですけども、これとあとブラッド・メリディアンという作品で、
どちらも早川で文庫であるんですけども、これもですね、結構暗い話と言いますか、
06:02
今回のザ・ロードもね、結構暗い話だと思うんですけども、より、なんて言うんですかね、暗い設定で人もどんどん死んでいくんですけど、でも読み応えのすごいある小説で。
なるほど、すごい読みたいんですよね。でもなかなか手が出せてない。
そうですね、ちょっと読むのに時間だいぶかかると思うんで、勇気いると思うんですけども、そういう中ではこのザ・ロードが多分一番読みやすいかなと思いますよね。
長さちょうどいいですもんね、多分。
そうですね、300ページぐらいなんで、マッカーシの小説に比べると説明とかもね、文章もまだちょっと読みやすいかなとは思うんですよね。
じゃあ、感想をお話ししたいと思います。
ほんとちょっと簡潔に言うと、ラストですね、私初読の時ですね、めちゃくちゃ泣きましたね。
わかる気がしますね。
ほんとこれはすごい感動なんですけど、すごい良かったなって思いました。ほんとこれ読んで良かったなって思ったんで、
もう、ほんとラストの最後の方ですね、ちょっとボロボロに泣くとこが訪れるんですけど、すごく良いです。
なんかこの親子の愛とか、すごく感じるところがあるんで、ぜひちょっと、
ちょっとでもなかなかラストなんで話しにくいんで振られないと思うんですけど、ラストはすごく感動的なとこが待ってるとちょっとお伝えしたいなと思います。
で、これ基本的に崩壊した後の世界を描いてるんで、すごく絶望的なんですけど、残酷な描写すっごい多いんですけど、
なんかその中でやっぱりその人間の本質的な部分っていうか、そうなっちゃうよねみたいなところとかはすごく描かれていて、
そういうことを考えるにおいては結構良かったなって思います。
最終的にこれ、その暴力的なシーンとかすごく多くて、その状況とか、主人公の父と子はすごくその中でも善良に生きようとしていて、
特に子供とかなんですけど、息子の方が善良に生きようとしてて、すごく愛を持って生きているし、そこになんていうか、こんな絶望な状況の中でもこういうふうな愛があるんだみたいな。
それでやっぱり人間の本質的な部分なのかなって思ったりして、読んだ時になんかちょっと救われたような気持ちに私はなれましたね。
そうですね。僕はこの小説のやっぱり緊迫感というのをすごい感じながら読んでいて、この親子が今日のこの一日を本当に乗り越えることができるのかっていうのを読みながら、すごいヒリヒリした感じで読んでいて、
しかもこの小説で結構ね、あっさり人って死んでいくし、周り見渡しても死んでる人ばっかりだし、あと都合のいいことって本当起きないんですよね。
都合悪いことはいくらでも起きる。この辺が真っ赤足が、本当情け容赦がないなっていうのをすごい感じながら読んで思っていて、
09:03
だからこそね、このタフに生きていくお父さんと、その一緒についていく少年、すごい優しい少年なんですけど、その二人の姿に感銘を受けましたし、
僕も初めて読んだ時、もう何年か前なんですけども、本当に小説から生きる力っていうのがもらえたなと思っていて、本当にもうそういう意味では作品も好きだし、この真っ赤足っていう人も好きなんですけども、
ただ何だろう、希望があるとか明るさがあるとか、そういうのとは全然違って、真っ赤足ってすごいちょっと暗い話を書くことが多いんですけど、
暗さの中で生きていく人たちっていうのがやっぱりそこにすごい感銘を受けることができるんで、僕はこの真っ赤足のこの暗さっていうのが好きだなと読んで思いましたね。
今回のザ・ロードの魅力というか面白いところとしては、やっぱり一つが文章だなと思うんですね。
そうですよね。
この文章でも会話とか字の文とか描写とかあるんですけども、真っ赤足っていう作家がすごいんですけども、本当に何か言葉を魔法のように扱っていて、文庫の解説にも書いてあったりするんですけども、
小説であり、詩を書いているというような描写とか比喩とかがまずすごいですし、あと特徴的なのは苦闘っていうのは点がないんです。
これね。
これがちょっと読んだとき、本当びっくりしたんですけども、点がほぼ使われないので、なんか一文が長くなったりするんですけども、
例えばですね、「数千の夜に子供の想像力が夢に見たのは高凸無形な世界や恐ろしい世界だったが、現実となったものは一つもなかった。」
っていう、今のちょっと溜めていたんですけども、今のも点なしで一文でいくんです。
「〇〇だったが〇〇ではなかった。」って普通だったがの後ろに点がついてるんですけども、
なんかそういうのはもうなしでも一気に文章が続いていくっていう、なんかね長い文章も所々あったりするんですけども、でもなんか気を抜いてるとちょっと読みにくいかもしれないんですけども、
でもそれがなんかね美しく思えてくるんですよ。
これ読んでちょっと不思議なんですけども、なんかそういうちょっと本当に力のある文章っていうのがあって、あと特徴的なのが会話に鍵カッコがないっていう。
これすごくいいですよね。
そうですよね。しかもその会話もすごい短いんですよね。本当に一言二言しか話さなくて、親子の掛け合いっていうのが、で鍵カッコなしでいくと、それがまさしく詩として成り立ってるように見えてしまうんですよね。
わかります。私もすごく会話のこの鍵カッコのない、あの短い会話の連続、すごく詩みたいだなって思いました。すごく優しいし、その会話の内容が。
そうですね。まあその元々の文章のすごさっていうのもあるし、あとこの会話のこの短いやりとりをカッコなしで読ませていくというので、なんていうんですか、なんかすごい神秘的になんか読めたりする。
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すごくわかります。これは本当ザ・ロードの多分一番いいところですよね。この対比がすごくいいですよね。その字の文では結構淡々と絶望的な状況とかを結構、しかも比喩がすごくうまくって。
何だろうな、その比喩のうまさによってリアルに感じるような文章がすごく多くて、ちょっと長くてみたいのが続けて、その合間にすごい短い二人の会話が入ってくるから、対比ですごい迫ってくるなって思いますね。
そうなんですね。なんかそれで読んでて、本当神秘的だし神話を読んでるようなちょっと感覚にもなってくるかなと思うんですね。
あとこの、さっきもちょっと触れたんですけど、会話の内容がなんかすごい優しいっていうか温かい会話が結構多くて、まあ色々緊迫してる時には色々あるんですけど、大丈夫かとか、大丈夫だよパパとかそんな感じのやり取りが多くて、
それだけでなんかすごく父がすごく息子のことを気にしているのもわかるし、息子がなんか父に心配かけないように頑張っている姿ってのもすごく見える。
そういう描写はないんですけど、会話のそのセリフだけでそれを見せてくれてて、その温かさの感じとその字の文の、会話以外の文の暗さっていうのがすごいなんか対比的ですごく、自分はもうこれでかなりやられましたね。
このお父さんの優しさとか勇気づける言葉とか、これすごくいいなと思うんですよね。
そうですね、でもだんだんその息子も最初すごく素直なんだけど、ちょっと疑いが強くなってきたりとか、お父さんをね、ちょっと半分言い聞かせるだけでしょみたいな感じにもなってくるような時期もあったりとかして、
ちょっとそのあたりも結構なんか切ないっていうか、まあ仕方ないけどみたいなとこあって、そのあたりの会話の感じとかもすごいいいですよね。この少年がすごく素直だから、すごい純粋無垢だから、言われたことを信じたりとかしてる。
すごい善良な人間に育っているのがすごく、この荒れ果てた世界の中で、この姿がすごい胸に打ちますよね。
確かに、周りで死にかけている人とか困っている人がいたら、少年は本当助けたいって思うんですよね。でもそれってこの世界ではすごい危険なことで、他人に関わるっていうのは、だからそれでちょっとお父さんとしてはヒヤヒヤしたりするんですけど、他人に思いを寄せられる少年がこの世界で育ってるっていうのがなんか、いやー考えさせられますよね。
これね、この少年、ちょっといくつかは明かされてないんですけど、一応世界が終わってしまった後に生まれた子供なんですよね。だからその豊かな、豊かなっていうかそのまともな時の状況っていうのは全く知らないから、その話をお父さんとかからしか聞いてないので、きっとこのお父さんがすごいいい話をたくさんしたんだろうなとは想像するしかないんですけどね。
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そうですね。なんか生き延びることを優先しようと思ったら、お父さんって教えとしてその他人には関わるなとか、これは危険だとか、そういうのを教えたりすると思うんですけども、そうじゃなくて本当にすごい心を持った人間として育ってきているっていうので、この辺にやっぱ親子の魅力っていうのがあるなって思いますね。
うん、すごくいいですよね。お父さんがいろんな息子に話をしている中で、自分たちは良き者だみたいな話をよくしてて、悪者は多いけれども自分たちは良い者だから、良き人間たちだから南の方へ向かって旅をしようっていう話になって、もともとこの南へ行くのは暖かさを求めて南へ移動せざるを得なくなっちゃったんですけども、
それで自分たちの、ちょっとイメージしにくいかもしれないですけど、この小説の中で火を運ぶっていう表現がされているんですけど、希望の火を運ぶんだっていう話をしてて、この二人の旅が続いて描かれているんですけど、一応このラストちょっとあまり話すとあれなんですけど、一応救いのある形では終わっていくっていうか、旅は続いていくような形で終わりはするんですけどね。
このお父さんというのが、ずっと小説を引っ張っていく存在ではあるんですけども、これがまたすごい良いことを言っていてですね、それは少年に言い聞かせる言葉もそうだし、そのお父さんが一人でこの世界に対して思いを馳せる考え方というか、そこもそうだし、
例えば、63ページになるんですけども、この世界にやるべきことのリストなどなかったと。今日1日があるだけで幸運だった。この1時間があるだけで後でという時間はなかった。今がその後でだったっていうのがあって、今しかないという後々のことなんて考えられるような状況ではないと。
というのをお父さんがそういう決意を持って日々を過ごしているなというのも文章の中で書かれていたりして、というのを、少年が眠っている時にそっとパパがそういうふうな問いかけをしたりとかですね。
あとは少年を、怖い夢を見た少年、息子に対してというセリフがあって、お前が今まで一度も本当にはなかった世界やこれからも絶対ないような世界を夢に見て、それでまた幸せになるとしたらお前はもう諦めてしまったということだ。分かるか。でもお前は諦めちゃいけない。パパが諦めさせない。
というのがあって、これもやっぱりこの世界を生きていこうというところで、やっぱり少年に諦めさせないというその言葉を、これはこの一回だけじゃなくて、結構少年がちょっと不安、怯えてしまったり何かあった時に常にお前は諦めるなと、そういうことを言っていて。
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そうですよね。すごいそこはお父さん強いなって本当に思いますよね。
こういうのを読んでいくと結構自分がお父さんの言葉に影響を受けたりして、そういうふうに生きていこうというのがね、なんか小説を読んでいる中で自分がそう思えてきておりまして、これはこの小説の良さでもあると思うんですけど、
お父さんという人の持っているその本当の強さというか優しさ、一方で優しさでもあると思うんですけど、なんかそれがねお父さんのセリフとかに出てて、やっぱりすごい良いですよね。
すごいなんか生きていくことの気をつけなきゃいけないこととか大切なことを都度都度自分の息子に教えていっているっていうこの姿がすごく良いですよね。
生きるとは何かみたいな、それを本当この300ページぐらいかけて語りかけているのかなっていうのを感じるんですよね。
これあれですもんね、マッカーシーが息子に向けて書いた小説なんですよね、そもそもね。
このザ・ロードの面白さというか良さってもう一つがすごい緊張感のある小説であるというところかなと思います。
この緊張感っていうのが本当に一夜一夜ですね、それが過ぎていく感覚っていうのを本を読んでいると感じるんですけども、やっぱり今日のこの1日をね、
なんとか生き延びれたなと。でまた次の日が始まってくると。
その繰り返しではあるんですけども、なんとかやり過ごせたっていうその安心感と、また食料がなくなってきたとか、ちょっと怖い場面になってきたというそのプレッシャーとで、その緊張感が結構すごいなって思うんですよね。
この緊張感っていうところだと、私毎回ドキドキしたのが旅をしてて、なんか家とかナヤとか見つかったりすると、とりあえずお父さんが一人で見に行くじゃないですか、基本。
あの子供、何があるかわかんないから、とりあえず子供は隠れといてみたいな感じで。で、毎回その離れる瞬間すごいドキドキしたんですよね。
なんかもう、このなんかあって離ればなりになっちゃうじゃないかとかすごい思いながら、本当ドキドキしながら読んでました。
そうですよね、わかります。で、またこの少年がやっぱりちょっと優しいんで、なんかお父さんのちょっと予期しない行動を取ったりするんですよね。
うん、確かに。あと基本的にもうちょっとお父さんと離れたくないから、行かないでって毎回言うんですよね。
うん、そうですよね。
もうなんか、全部伏線にしか見えなくて、自分の話を。もう怖いなって思ったんですけど。
そうですよね、なんか言い方あれですけど、この死体の描写とか正直ぼやかせるじゃないですか、そんなに。
21:02
うん。
なんですか、ちゃんと描かなくてもって言い方あれだけど。
そうですよね。
なんか曖昧にしてたらとか思うのに、結構ちゃんとどういう状況で置かれてるかとか描きってますよね。
そうですよね。
それもなんか結構怖くて毎回。
なんかちょっとあれだけど、野球帽をかぶったまま首だけ吊るされてた死体とか、多分終盤1回出てきたんですけど、そこの描写とか結構なんでこんなにリアルに描くんだろうとか、結構思ったり。
そうですよね、なんか腰から舌が切られて、こういうふうに描いたりとかあったりして、結構なんかグロテスクな表現をリアリティーにもって描いてしまって。
それもなんかこっちにやだら迫ってくる。
そうなんですよね。
なんかそのすごい描写で、本当に綺麗に世界を描くこともあれば、さてグロテスクにね、何かを強調して何かを隠すとかそういうのをせずに、もう全部フラットに描いてしまうっていう。
世界観としてやっぱりもうちょっと絶望的な状況の世界なんで、フラットに描かれてしまうと、やっぱり読んでる方はもうだんだん怖くなっていくというか、絶望がだんだん大きくなっていくっていうのがね、結構緊張感につながってくるのかなって思うんですよね。
確かに。
はい、そのところでザ・ロドとお話ししてきましたけれども、最後いつも通りちょっとどの人に読んでもらいたいかなっていうのをちょっと話して終わりたいと思います。
まあちょっといろいろ話してきて、ちょっと怖いっていう印象を持たれた人も多いかもしれないんですけど、なんかこの小説って結局そのいろんなその絶望的な状況とかも描きつつ、描いてる方針のところは、なんかこの親子の愛情とか人間の愛だと思っているんで、なんだろうな、誰かを大切にしたいと思ったことがある人には必ず胸を打つ作品だと自分は思ってます。
なんかそういう作品好きな人にはぜひ読んでもらいたいなと思ってるし、これ結構今まで紹介してきた作品のどれよりもみんなに読んでもらいたいなって個人的には思いますね。
長さも300ページだけど、そんなに文字細かくないんで、2日、3日あれば多分読めると思うので、ぜひちょっとこの狡黙な歌詞のザ・ロドはいろんな方に読んでもらえて、ちょっとお話ししたいなって思う小説です。
そうですね、僕は読んでもらいたい人っていうのは真剣に生きようと思っている人には読んでほしいなと思いますね。
やっぱりこの狡黙な歌詞っていうザ・ロドでこの親子にすごい厳しい現実を突きつけてくるんですけども、その現実に対して親子が向き合って生き延びようと必死に日々を過ごしていくと。
24:01
で、これほどの緊張感があって、同じく希望もある小説というのは他にはなかなかないのかなと思っています。
さっきまでちょっと怖いとか言ってたんですけども、決して怖い小説ではなくて、ただ緊張感がものすごいという小説ではあるんですけども。
僕はそれはマッカーシーの文章から先にちょっと引き込まれた方で、人によってはストーリーからとかキャラクターから引き込まれるっていう人ももちろんいるかなと思うんですけども、
僕はやっぱりマッカーシーの文章がすごい好きで、その文章で書かれていることっていうのがやっぱり本当真剣さっていうのがあるのかなと。
マッカーシーの小説って本当冗談みたいなことっていうのが全然出てこなくて、本当生きるか死ぬかみたいなことしか基本書いてなくて、それがもう尋常ではないレベルでいうところで、
だからちょっと自分も真剣に物事を考えたいなとか、ちょっと生きようかなと思っているタイミングとかで、ぜひ読んでほしいなと思います。
今この状況、コロナでいろいろある状況で読むと、なんか感じること結構多いんじゃないかなって個人的にはちょっと思ってますけどね。
細かいマッカーシーのダ・ロードでした。
楽しかったですね。
そうですね、別にこれラジオじゃなくて、あれですね、みえさんといずれどこかで会うでしょうから、その時にもうちょっとゆっくり話しましょうか。
そうですね、だから読書会とかで。
そうですね、やりましょうか。
いや本当これラストすごい良いから。
そうですね、ザ・ロードだけではなくて本当に他の作品もね、やっぱりもうどれも本当すごい作品ばっかりなんで、マッカーシーどこかで人気が出てほしいなと個人的には思ってますね。
じゃあちょっと俺も読んでおきますわ。
ぜひ読んでほしいですね。
じゃあ次回予告なんですが、これはみえさんにお願いしますか。
次回は菅篤子さんのミラーの霧の風景を紹介します。
これは菅篤子全集というのが川手文庫で出ているんですけども、その第1巻に収録されているミラーの霧の風景というところを紹介していきます。
こちらエッセイになります。
このラジオでは初めて小説ではなくてエッセイを紹介することになるんですけど、
文学作品として非常に魅力的な作品だと思っていますので、こちらもお楽しみにしていただけたらなと思います。
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メールアドレスも番組情報に載せています。
積極的に拡散していただけるとありがたいです。
拡散していただくときはハッシュタグスラットビー猫たちをつけてもらえると助かります。
というところで今回の番組はここまでになります。
27:03
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
27:09

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