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2024-11-23 07:09

#10 残された父母の使命、同行三人 / 岡真史詩集『ぼくは12歳』高史明・岡百合子編集 その4

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(※音が聴こにくい部分があります。すみません。)

今回は、岡真史の詩集「ぼくは12歳」

12歳にして自殺してしまった最愛のひとり息子を無くした悲しみから
残された父母が見出す高潔な祈りがあとがきに残されています。

悲しみの底からどう生きるのか、父母の言葉から感じ取りたいと思います。

また若干12歳にして、透明な光を放つ無垢な詩も、ゆっくり味わいたいと思います。
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せっかくだから、お母さんの跡書き、ちょっと紹介していいですか?
ぜひ。
お母さんの跡書きもね、寂しいんですけど、
ちょっと時間もあれなんでね、本当に最後の部分だけ。
で、お母さんの跡書きはね、タイトルが跡書きとしてじゃなくてね、
同行三人って書いてるんですよ。
同行三人、同じに行くに三人。
同行二人って言葉があって、
お返路もあるときに、一人で歩いてるように思えるけれども、
常に空海さんがともに歩いてくれてるんですよって意味で、
同行二人って言って、杖持って鈴鳴らしながら歩くっていう風に、
から消えるイメージを得て、そう。
同行三人って書いてるんです。
その最後の部分、ちょっと読みますね。
あの子も精一杯生きたのだと思います。
でも生き続けられなかった。
僕だけは絶対に死なないと、
最後の日、幼い手でしっかりと書きながら死んでしまいました。
今、私たちに残されたことは、
あの子がやりたくて果たせなかったこと、
それが何であったのかを考えながら、
せめて私たちが生きている間でも、
間だけでも、あの子を生き延びさせてやることだと思います。
なぜ、このような悲しみを背負いながら、
生き続けなければならない、
生き続けなければいけないのかと思いながらも、
あたりを見渡せば、
なんと多くの人が悲しさをかみしめながら生きていることでしょう。
今まで見ることのできなかったそのことが、
今、私にははっきり見えます。
これが、あの子の悲しいプレゼントなのでしょうか。
あれからの私には、
心からの笑いとか楽しさというものは、
失われてしまいました。
しかし、そういう多くの人々の涙を見つめつつ、
生き続けているとき、
あるいは、今まで知らなかった本当の喜びを見つけることができるのかもしれません。
それは、死ぬまで続く三人の旅です。
今、私の前には、
白々とした一筋の道が見えます。
あの子が好きだった旅、
私たちは歩き続けます。
目には見えない傘をかぶります。
傘に書いた文字は、同行三人。
そういえば、あの子は鈴を集めるのが趣味で、
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主のいない部屋には、今も鈴の束が下がっています。
金の鈴、銀の鈴、木の鈴、土の鈴、
チロンチロンと鳴る鈴を持って、
私たちは、あの子と一緒に、
人々との長い旅に出るつもりです。
って言った後書きが終わるんですよ。
まさにさっきの、本当に、
こう、氏名産と、
同室のことが書かれてあると思うんですけど。
これ、あれから私には、
心からの笑いとか楽しさというものは、
失われてしまいましたって言うんですね。
しかし、そういう多くの人々の涙を見つめつつ、
生き続けるとき、あるいは今まで知らなかった本当の喜びを見つけること、
あるいは今まで知らなかった本当の喜びを見つけることができるかもしれません。
って言うんですよね。
これ、本当の喜びって言うのか、
これ、心からの笑いとか楽しさが、
本当に喜びじゃなくて、
まださらに深い本当の喜びってものがあるってことなんですね。
そんな言葉に何かね、引っかかりはあったのを聞いててもね。
それをこれから知るかもしれないってことを言ってる。
知るかもしれませんって言って生き続ける。
知るかもしれないと言って生き続けるね。
でしょうね。
そして鈴の話とかね。
最後の一文、ちょっともう一回聞いていいですか?
だって、いきなり。
最後のとこなんかすごいもう一回聞きたくなっちゃったね。
そうだね、これあと冒頭言ってた、
あの子がやりたくて果たせなかったこと、
それが何であったのかを考えながら、
せめて私たちが生きている間でも、
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あの子を生き延びさせてやることだと思います。
っていうのもいいですよ。
私たちが考えれば、あの子は生きている。
で、最後のところ。
あの子の好きだった旅。
私たちは歩き続けます。
目には見えない傘をかぶります。
傘に書いた文字は同業三人。
そういえば、あの子は、
私たちが生き延びさせてやることだと思います。
私たちが生き延びさせてやることだと思います。
私たちが生き延びさせてやることだと思います。
傘に書いた文字は同業三人。
そういえば、あの子は鈴を集めるのが趣味で、
主のいない部屋には、今も鈴の束が下がっています。
金の鈴、銀の鈴、木の鈴、土の鈴、
チロンチロンと鳴る鈴を持って、
私たちはあの子と一緒に、
人々との長い旅に出るつもりです。
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