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音声業界の海外市場が見えてくる番組、PODCAST AMBASSADOR。
この番組では、自称オーディオジャーナリストであるあらいりなが、音声を通じて、音声業界の気になるニュースや注目の動きをお伝えします。
音声配信者やポッドキャスターが知っておきたい情報、音声配信が気になっている企業に役立つ視点を、業界目線とリスナー目線でお届けしていきます。
さて、今月、PODCASTのセミナー講師として登壇をさせていただく機会があったんですが、
その最後で、海外の音声市場って今どんな流れなのかという質問をいただきました。
今回はここを少し掘り下げてお話をしたいと思います。
海外の音声市場ってどうなのか、国内の市場の流れと比較するとどんなことが見えてくるのか。
音声業界、海外市場と国内市場、PODCAST AMBASSADOR的視点で考えていきます。
本編の書き起こしをご覧になりたい方は、概要欄にリンクを貼っておりますので、そちらからご覧ください。
さて、今回は音声業界、海外市場と国内市場というテーマでお話をしたいと思うんですが、
実はこのテーマ、今月登壇させていただいたセミナー、
本場アメリカのポッドキャスターから学んだ音声配信の始め方で、参加者の方からいただいた質問がきっかけでした。
セミナー内容自体はですね、私が勉強してきた音声で最適に情報を発信するためのテクニックをお伝えするというものだったんですが、
その勉強してきた先というのが、音声市場の先行事例とも言われるアメリカでした。
今ではこの番組、PODCAST AMBASSADORでも音声業界の海外市場をテーマにいつもお届けをしているわけなんですが、
そこで、本場アメリカの市場の流れってどんなものですか?という質問をセミナー終了後いただいたんですね。
そこでお答えした内容をさらに掘り下げて、今回はお話をしたいと思います。
ではまずは、アメリカを中心とする海外市場の流れから言ってみたいと思います。
ここはですね、今年に入ってからまずプラットフォーマーの動きが盛んになってきているのが個人的には大きな流れだと感じています。
ここでいうプラットフォーマーというのは、AppleやSpotifyなどのもともとPodcast媒体を扱っていたプラットフォームだけではなくて、
新たに音声というメディアを取り扱うようになってきたTwitterやFacebookというようなテックジャイアントも含みます。
今年の頭にはですね、クラブハウスという音声SNSも音声市場に参入して大きな話題となったのは記憶に新しいところなんですが、
TwitterやFacebookなども音声SNS的な機能、そして音声メディアを扱う体制が整ってきたというのが最近のニュースです。
それまではどうだったのかというと、Podcastというユニバーサルなフォーマットがもともとあって、そこにAppleでも聞ける、Spotifyでも聞けるというように
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プラットフォーマーが一機能としてPodcastというコンテンツを取り扱ってきたというような形でした。
それがここに来てですね、Spotify、Twitter、Facebookなどの個別のプラットフォーム、それぞれの動きが盛んになってきているんですね。
その背景に何があるのかというと、マネタイズです。
AppleやSpotifyがPodcastのサブスクモデルを始めるという発表、今年の春にされましたよね。
そしてTwitterも音声ライブのためのチケット販売で個人がマネタイズできる機能というのをテストし始めています。
こうすることで今、個人がコンテンツを作ってマネタイズまでできるという、世の中全体の流れに音声メディアも沿っていっているというふうにも見えるんですが、
一方でそれを成り立たせるには、各プラットフォーマーがコンテンツを独占という方向に舵を切っているとも取れます。
例えばSpotify、数年前からではあるんですが、オバマ、元大統領夫妻などをはじめとする有名人や大物ポッドキャスターとの独占契約をバンバンしてきているんですね。
他にも、今後本格展開していくAppleやSpotifyのサブスクモデルも、それぞれのプラットフォームで独占的にコンテンツを配信していくクリエイターを増やしていきたい、囲い込みをしていきたいというふうにも取れるんです。
これが良い悪いというのは別にして、流れとして今まで万人がどのスマホでも世界中のどこにいても聞けていたポッドキャストという媒体が、今後さらにSpotify独占とかAppleのサブスク契約の人だけとか、プラットフォームごとのコンテンツ囲い込みという流れになってきているように見えるのが海外市場の流れです。
では一方で日本国内市場の流れはどうなのかというと、もともとVoicyやラジオトーク、スタンドFMなどの国内それぞれの個別のプラットフォームが、それぞれのコミュニティというのを確実に作り上げながら発展をしてきています。
各プラットフォームごとに特色があったり、そこに集まるリスナーやコンテンツ配信者も違う。そこからどんどんと国内の音声業界全体が盛り上がってきているという流れがあった中、近年、特に今年に入ってから徐々にポッドキャストというフォーマットへの認知度が上がってきたような気がしています。
特に外資であるSpotifyが2年にわたってポッドキャストアワードを開催したり、今年に入ってはポッドキャスト配信者を主人公としたテレビドラマを配信したりと、音声メディアの認知に余念がありません。また、ポッドキャスト配信ツールとしてのアンカーも正式に日本舞台が今年から発足したようで、草の根的にSNSを使ったポッドキャスターの認知を始めています。
国内市場としては、もともと各音声配信プラットフォームから始まった流れというのが、今、ポッドキャストに広がってきているというような流れなんですね。
ここで気づいた方、いらっしゃるかもしれませんが、実はこの国内市場の流れ、先に挙げた海外市場の流れと逆なんです。海外はポッドキャストに始まり、今、各プラットフォームへという流れ、一方で日本はプラットフォームに始まり、今、ポッドキャストへという流れなんですね。
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これ、あくまでもザクッとした見方ではあるんですが、逆なんです。よく海外で流行ったものは、2、3年遅れて日本に来るというふうにも言われると思うんですが、確かにそれも一理ありつつ、この音声業界の流れに関して、やっぱり国民性だったり、そのものの市場によって何が先に流行り出すのか、引き続き役となるのかといったところが違うということもあると思います。
ではこれ、日本の市場が海外の市場の動きと逆行しているとあえて言うならば、この逆行、私は結構、今後海外市場で使えると思っています。
というのも、国内市場を見たときに、今までそれぞれのプラットフォームでどう盛り上げるか、どうそこにファンが集まって、そのプラットフォームをうまく使いながらコンテンツ配信をしてきたかというノウハウや経験値というのが、実は日本国内の音声配信者の方の中にはすっごく詰まっていると思うんですね。
海外市場でポッドキャストを一番組配信しようものなら、もう大会の一滴。特にまだリスナーとのやり取りができるような機能というのも少なくて、リスナーとの関係性の構築という面では、ポッドキャストはプラットフォームよりも弱点があるんです。
それが今後、海外でSpotifyやAppleなどの個別のプラットフォーム内でサブスクモデルが本格化してきたとき、すでにそのような関係構築を元に配信し続けている国内の配信者の方々が、多分先に大きな一歩を踏み出せるんじゃないかなというふうに思っています。
まとめると、海外市場と日本市場、この市場の流れの逆行というのが実はアドバンテージとなって、国内の様々なプラットフォーム内での配信者の方の経験値がきっと役立つと、ポッドキャスト・アンバサダー的視点では考えているという話でした。
さて、今回は音声業界、海外市場と国内市場というテーマでお話をしていきました。
セミナーでいただいた質問がきっかけとなった今回のエピソード、音声業界の流れという大きな視点で、ポッドキャスト・アンバサダーでもぜひお伝えしたいと思って今回取り上げさせていただきました。
他にもですね、とっても熱心にいろんな質問を投げかけていただいて、登壇した身としても、とっても有意義で次につながる視点というのをですね、いただくことができました。
セミナーに参加をしてくださった皆様、そして企画をしてくださったシード・ブレイナリーさん、本当にありがとうございました。
さて、今日がですね、2021年8月最後の放送、今週2回目金曜日の放送はもう9月になるんですよね。
ということで、次回の放送では、この夏にこっそり立ち上げたコミュニティ音声とビジネスを考える会、ポッドキャスト勝手に未来会議の8月のまとめをお伝えしたいと思います。
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すでにですね、10名を超えるメンバーと一緒に1ヶ月間ディスカッションを続けてきた、ポッドキャストの事業活用って何?というお題、どこまで話が進んだのかお届けします。どうぞお楽しみに。
今回のエピソードの感想は、書き起こし配信をしているnoteのコメント欄やTwitterにてお待ちしております。
そして、今回の放送が役に立った、面白かったという方は、ぜひApple PodcastやSpotifyからのフォローやレビューも嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ポッドキャストアンバサダーのあらいりながお送りしました。
それでは次回のエピソードで。