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こんにちは、ninjinkunです。
今日は、おととい見た、現在公開中の映画「関心領域」について話そうと思います。
かなり話すのが難しいというか、自分の中でもまだあまり整理できていない状態なので、
なんか散髪的なことをしゃべる感じになると思うんですけど、
まあちょっと、しゃべってみようと思います。
この映画はドイツの映画で、
去年のアカデミー賞の音響効果賞と長編外国語映画賞を受賞していたと思います。
何についての映画かというと、
ドイツのアウシュビッド収容所の横で暮らすルドルフ・フェウディナンド・ヘス。
ルドルフ・ヘスという人は2人いて、スペルが違うらしいんですけど、
有名な方はナチの副総統だったかな?なんですけど、
こっちのルドルフ・フェウディナンド・ヘスの方はアウシュビッド収容所の所長ですと。
このヘスの一家がアウシュビッド収容所の横で暮らしているんですね。
この一家の何気ない日常がずっと淡々と続くという作りで、
実際の収容所の中で何が行われているかとか、そういった直接的な描写はほぼないという、
かなり変わったというか、挑戦的な作り?挑戦的とも違うかな?
非常に今までと違った角度で作られている映画だと言えると思います。
なので我々が目にするのは、本当に楽しそうに暮らしている家族?なんですけど、
時々銃声が聞こえたり、悲鳴のようなものがかすかに聞こえたりするっていう、
すごい繊細な演出で、どうも堀の向こうでは虐殺が行われているらしいことが示されると。
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あとはヘスが仕事の中で収容所で遺体を焼く、
あるいは何て言うんでしょうね、ボイラーというか火葬にする部分の設計を議論してたりして、
実際に虐殺が進行中であることは示されるんですけど、
それが稼働していたり、実際にユダヤ人がそこで焼かれたりするシーンはゼロという感じです。
まずですね、パッと見てて思ったのが、
カメラが映す映像がドキュメンタリーっぽい、非常にのっぺりとしたルックになっていて、
ボケとかフォーカスがあまり使われていないので、
パッと見ちょっと安っぽく見える、のっぺりとした映像に見えるんですけど、
これもおそらく意図して使われていると。
私が好きなライムスター宇多丸さんの公開社会の中での音声があるんですけど、
その中の解説によると、
やっぱりそういう我々が現代的な視点で、
地続きで見ているように撮ったんじゃないかということが言われていましたけど、
なのでパッと見ちょっと映画っぽくないようなルックになっているかなと思います。
そこで家族が非常に楽しそうに暮らしていて、
子供も2人いて、
あとお手伝いさんが何人かいたりして、
普通に暮らしていると。
彼らは完璧にその重声とか悲鳴を無視して暮らしていて、
まさにそこが関心領域の問題でもあるんですけど、
それを見ていると我々も何が起こっているか、
虐殺みたいなことを考えなくなるというか、
淡々とした家族だなとか楽しそうに、庭がすごい広いなとか。
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特にヘスの奥さんは家のことが気に入りまくっていて、
自分でかなりお庭を設定したりとか、
温室を作ったりとか、プールを作ったりして、
自分の夢の暮らしをここで叶えたと言っていて、
ヘスが途中で収容所所長じゃなくて、
別のところに転勤になる話をするんですけど、
もう絶対私はここを動かないや、みたいな感じで、
あなたがもう単身不倫になさいな、みたいな感じで、
実際そうさせるという感じで気に入りまくっているんですけど、
そうは言ってもやっぱり変なとこなんですね。
やっぱり変な音は聞こえるし、
植物に使っている灰はどこから持ってきたんだ、みたいな感じだし、
あとは何か大きな予想をする列車の音がしたりとかするので、
我々からすると異常というか、
ここでこんな楽しく暮らせるのは何なんだっていう感じなんですけど、
何でしょうね。
逆に、だんだん家族にも感情を輸入していくんで、
別に何かここで少なくともユダヤ人にさえ関心を払わなければ、
普通に楽しい暮らしなんですよね。
なので、そういうふうに自分のフレームを決めていれば、
楽しく暮らせるんだろうなというようなふうに、
ある程度の想像が働くようになっていくという、
そういう本当に、
関心領域、ゾーン・オブ・ゼ・インターストというタイトルが付いているんですけど、
非常によくできたタイトルというか、
日本語の関心領域という訳もいいですよね。
いろんな自分に突きつけられてくるような、
そういう作りになっている映画です。
なので、見終わった後は非常にぐったり疲れて、
何を見たんだろうという感じで帰ってきて、
あんまりそこから感想も進まないというか、
言語化が難しいような映画でした。
なので、こういうふうにちょっとボソボソボヤボヤした感想になってしまいますけど、
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別に全然ハッピーな映画でもないので、
別に誰にでも勧める訳ではないですけど、
これは非常に重要な映画として今後も残っていくんじゃないかなと思いますので、
そういうアウシュビッツとか虐殺とか戦争とか、
そういうことに関心がある方は是非ご覧になるといいんじゃないかなと思います。
あとは、この映画はホロコーストという、
虐殺の背景知識を見る人が基本的に持っているということを前提にしている映画だと思うんですけど、
これはやっぱりホロコーストという事件が、
全人類的にというか、おそらくこれを歴史の授業の中で教えてないところって、
自分の知る限りではないと思うんですね。
なのでそういうふうに人類的に共有されている事件であるからこそ、
直接描かずに視聴者の想像に委ねるようなことが作りとしてできるというふうに思いました。
なのでそうですね、そういうみんなに共有されている事件だからできる描き方だなと思いました。
そんなところかな。
この撮った監督のジョナサン・グレーザー監督かな。
ちゃんと調べないといけない。確かジョナサン・グレーザー監督。
関心領域。
ジョナサン・グレーザー監督はですね、
有名なジャミロ・クワイのビデオのバーチャル・インサニティっていう、
ジャミロ・クワイが横にスライドしながら踊るので有名な、
私の世代なんかは絶対見たことあるし真似したこともあるビデオの撮った監督で、
映画監督としてはそんなにいっぱい撮ってないらしいんですけど、
他の映画もあと4本あるのかな。
セクシービースト記憶の茨・アンダー・ザ・スキン。
関心領域か。かなり過作ですね。
この監督の他の映画も見たいと思いましたし、
あとはアカデミー賞の受賞の時のスピーチで、
イスラエルとパレスチナに言及して、
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アカデミー賞の現場って多分結構ユダヤ人の人も多く、
おそらくシン・イスラエルの人も多い現場だと思うんで、
かなり勇気がある行為だと思うので、
そういう実際に現在進行中のパレスチナの虐殺とか、
そういうことにもこの監督はちゃんとアクションをしていくということだと思うので、
そういう意味でもコウホー監督にすごく好感を持ちましたという感じです。
では今日はなかなか語るのが難しい映画、関心領域についてお話ししました。
ありがとうございました。