にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「デジタルの始まり IT全史を読んでいくシリーズの第15回」です。
今、僕たちが使っているコンピューターはデジタルで動いているというのは、ITに疎いという方でも何となく知っていると思います。
ただ、デジタルについてきちんと説明できるかというと、なかなか難しいですよね。
デジタルが新しくて、アナログが古いみたいな妙なイメージを持っている方も結構いるように思います。
別にアナログが古いわけではありませんし、遅れているわけでもありません。
ただ、現代の技術水準ではデジタル化にメリットがあるというだけのことです。
コンピューターはデジタル化とともに進化してきました。
それは、情報をデジタルで扱うという理論が生まれたことで可能になりました。
クロード・シャノンという人が、情報理論というものをまとめたのが1948年です。
情報理論は、世の中で起きる様々な現象を情報として捉えること、
そして情報は数値に置き換えて表現ができるということ、
数値化すると数学的な演算ができるようになること、とざっくり表現することができます。
例えば、僕たちが音として聞いているものも、音の周波数と大きさという量で表すことができ、
その量は数値にすることができます。
周波数の変化とか音の大きさを波の形で表現したとしたら、
ある瞬間に波を切った時の波の高さを数値にすることができるかも、ということを直感的に理解できるでしょうか。
できるだけ細かい頻度で切って高さを測るということをして、その数値の並びを誰かに渡したら、
渡された人がその数値を高さとする棒のようなものを並べていくと、
元の波の形をある程度再現できるということが想像できませんか。
想像できたら、元の波に近づけるには波を切る頻度を多くすればいいということも想像できると思います。
音について想像できたら、光も同じようにできそうだということもわかるでしょう。
人が直接感知できるこれらのアナログ量だけではなく、
自動車や電車のスピードの変化とか、ある街のあるポイントを通る人の量とか、
数値で表すことができますよね。
小説だって文字で表されているわけですから、文字一つ一つに番号を付けて、その並びとして表現できてしまいます。
小説を読んだ感想をアンケートでたくさんの人に答えてもらったとしたら、それを数値で表すことは可能です。
もちろんそれは人の思考とか感覚のすべてではないかもしれませんが、
小説を読んで感動したときの心拍数とか、皮膚で起きる発感とか、体温の変化みたいなものをデータとして捉えることができたら、
感動を数値化することも不可能ではないかもしれません。
数値化ができたら、それは機械でも計算することができるし、数値の列を通信で送って、元の量をトークである程度再現することもできます。
僕たちが現在親しんでいるテレビとか、このラジオ配信などは、現場で起きていることを一旦数字に置き換え、それをネットワークで送り、
受信したところで元のアナログ量に近いものに再構成することで成り立っています。
そして数値化された大量のデータは、貯めておいて後で再現することができるし、何らかの処理をすることもできます。
映像になった自分の顔にフィルターをかけて盛ったりするのはよくやると思いますが、
あれは顔の画像を細かく分解して数値で表して、それらの数値を少しずつ調整する計算を行っているのです。
あらゆるものを数値に置き換えることで、コンピューターが得意な数値計算を使って処理をすることができるようになったわけです。
違う角度で見ると、事象を細かく分解して、分解した単位で何らかの処理をするということを、
分解したすべての要素について行うというふうに考えることができます。
このような考え方は、我思うゆえに我あり、で有名なデカルトが考えた方法除節の面積に考える方法に近いのです。
ちょっと難しいですが、デジタル化は面積に物事を考える方法の一つと考えることができるのです。
現代にデジタル化が大きなテーマとなっているのは、このように世の中を明確に理解するための方法として有効であるという思想があるからだと考えることができます。
コンピューターを使うと、人の思考の一部を機械に任せることができます。
世の中をより細分化して考えるとしたら、人の力だけではパワーが足りなくなるわけで、機械の力を借りるのは当然ということができるでしょう。
もしも古い人間という意味で、自分はアナログ人間だと言っているとしたら、
それは、何事も勘と努力さえあればできると思っていると言っているのに等しいのですが、当たっていますかね?
ぜひ考えてみてください。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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今日もワクワクスリーでありますように。
千葉直樹でした。ではまた。