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2023-06-17 04:26

#588 【史】漂流した人たちの物語/地図も読み物だから(34)

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北海道立文学館の「地図と文学の素敵な関係」という展示の図録から、江戸時代に漂流して世界を回ることになった日本人の小説の話をします。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

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をご覧ください。

漂流した人たちの物語。地図も読み物だから(34)-1
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「漂流した人たちの物語。地図も読み物だから。」の34回目です。
土曜日は地図を読む話をしています。
先週と同じように、北海道立文学館の地図と文学の素敵な関係、図録を見ながら話をします。
歴史の中に紡がれた物語というページがあります。
その中に2つの小説が地図とともに紹介されています。
1つ目は、吉村昭の大黒屋高台湾。
大黒屋高台湾は、シベリアを横断して日本に帰ってきた人で、
映画にもなった井上康の小説、「オロシア国スイムタウン」が有名ですが、
新しく見つかった資料をもとに、新たな高台湾を描いたのがこの小説ということになります。
広大なシベリアを往復する苦難の旅も印象的ですが、
北海道はオホーツク海を介してロシアと接しているにも関わらず、
江戸時代までは外交の正式な入り口ではなく、
日本側から見るとこの地域は北海道を含めて謎が多く、
戦前よりも戦後の方が闇のイメージが濃くなったという不思議な地域だということを僕の場合は考えてしまうんです。
ロシアにとっても日本にとっても変境だというふうに考えると、歴史はまだまだ動いている感じがするんですね。
二つ目は三浦彩子の「改例」です。
終わりの国から江戸への物流線が遭難し、
14ヶ月漂流してアメリカ本土に流れ着き、そこからイギリスを経由して日本に戻ってきたけれど、
異国船打ち払いにあって帰国が叶わず、シンガポールでイギリス人として生きた人の話のようです。
こちらはワゼラン海峡や希望峰を経由して世界一周しているところがスケールが大きいなと思います。
漂流した人たちの物語。地図も読み物だから(34)-2
ロシアにしてもイギリスにしても極東の日本に強い関心があり、
外交の手段として貴重な漂流民を案外低調に扱ったことと、
逆に漂流民には興味を持たずに鎖国を続ける必要があった日本の対比がとても興味深いと思うんですね。
ちょっと調べてみると、ハワイにも漂流者がいたようだし、
近くの大陸側とか東南アジアにはもっとたくさんの漂流者がいたことでしょう。
記録がないので見えないけれど、この2つの小説よりもずっと数奇な運命を紡いだ人がいたかもしれません。
なんて考えてみると、江戸時代のかなり世界が見えてきた日本人と、
同じように東の端の日本が見えてきた欧米の人々の接触によって起きる様々な摩擦の歴史の流れの中に、
現代の我々も生きていると考えることができるのだなと思うんです。
今回は、漂流した人たちの物語について話してみました。
今日はここまで。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については、概要欄のリンクから、または、「読書と編集」と検索して、
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この配信の書き起こしを、ノートで連載しています。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。
04:26

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