にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、
動線から光ファイバーへ IT全史を読むの24回目です。
今回は、主にインターネットに使用する回線のスピードの変化に着目して話をしていきます。
具体的な数値を出していますが、数値の正確さにはあまり意味はなく、ざっくり計算しているので、計算ミスがあるかと思います。
大体のイメージが伝われば良いと考えていますので、正確な数値が知りたい方は、ぜひご自分で計算してみてくださいね。
今、スマホのOG LTE接続で通信のスピードを測ったら、
下りが42.5Mbps、上りが3.48Mbps。
有線で繋がっているパソコンで測ったら、上り下り両方とも60Mbpsぐらいでした。
僕が住んでいるところは光回線でも遅い方です。
今はもっと速い回線を家に引っ張っているという方も多いでしょうね。
すごく速いわけではないのですが、YouTubeや映画を見るのに支障はないし、ましてやSNSを見る程度だと全く困りません。
強いて言えば、スマホの回線を使うとスピードよりも通信容量が問題になるくらいです。
それも家でWi-Fi接続する分には気になることはありません。
今の通信環境は実用上はほとんど問題がないすごいレベルです。
BPSというのは1秒間に何ビット遅れるかというものです。
60Mbpsは1秒間に6000万ビット遅れるということです。
今一つピントきませんよね。
さっき撮ったキーちゃんの写真のサイズを見てみましょう。
4.4MBになっています。
注意が必要なのは、データのサイズはバイトで表すことです。
1バイトは8ビットです。
ということはキーちゃんの写真1枚は約3500万ビットです。
1秒間に6000万ビット遅れる回線だと、キーちゃんの写真は0.5秒くらいで遅れるということになります。
実際には通信するときにはデータを縮小したり圧縮したりするのでもっと早いのですが、まあそんなイメージです。
ではテキストデータはどうでしょう。
前回話したマルチメディアという考え方の回の編集前の書き起こしデータをダウンロードしてみたら、7KBありました。
これはビットに変換すると、56000ビットです。
1秒間に6000万ビット遅れる回線だと、1000分の1秒で遅れてしまいます。
ファイルを圧縮したらもっと早く遅れます。
かなり適当に計算したのでひょっとすると桁が違ったりしているかもしれませんが、大体のイメージが掴めると思います。
この辺りをベースラインにしてインターネットアクセスの通信速度の歴史を見てみましょう。
インターネットの前身のアーパネットの頃、ネットワークは電話回線を使っていました。
電話回線は音声通信を行うものですから、ビットを音に変換して送るのです。
僕が見たことがある装置は、パソコンが出力するビットを音にしてスピーカーを鳴らし、
回線から聞こえてくる音をマイクで拾ってビットに変換してパソコンに入力する音響カプラという装置です。
これは条件が良いとざっくり1秒間に600ビットほどを送ることができました。
この仕組みでさっき撮ったキーちゃんの写真を送るとしたら、58,000秒かかります。
ざっと16時間ですね。
16時間電話をかけたら今でも結構電話代がかかりますよね。
これが国際通話だったら通信条件はもっと悪いので1日以上かかっても不思議ではありません。
もちろんかかるお金は…考えるのも恐ろしいですよね。
その後に出てきたのは2400BPS出るモデムです。
ざっと4倍の速さになりました。
これで前回の書き起こしを送ったとしたら約23秒かかります。
長いですけど我慢できないこともないレベルになってきました。
モデムは4800BPS、9600BPSという風にスピードアップしていきます。
同じテキストが5秒くらいで送れるようになっていきます。
一般的な電話回線では14400BPSくらいまでスピードアップしました。
これどんな感じかというと、今でも使っているPAXのスピードのイメージですね。
ビット音に変えるというのはあれです。
PAXを送るときにピーヒョロローって音が聞こえることがありますよね。
電話回線の音を使う方法はこの辺りが限界になります。
言うのを忘れていましたが、電話回線は導線が使われていました。
音声はアナログデータとして導線を伝わっていくので、その仕組みを使ってコンピューター同士の通信を行っていたのです。
デジタル情報を音声というアナログ情報に変換して送る限界がPAXくらいということになります。
この次にくるのは導線にデジタル情報をパルスとして送る方法です。
これはかなり効率を上げることができました。