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2022-09-14 07:59

#312 【技】選択肢が増えてさらにどこでも通信できるようになる

日本で暮らしていると、スマホが圏外になることはめったにありません。

でもそれはものすごいインフラが整備されているからです。

さらにもっとすごいインフラが整いつつあります。

そのためにロケットがバンバン打ち上げられているのをご存知ですか?

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。

そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

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をご覧ください。

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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「選択肢が増えて、さらにどこでも通信できるようになる。」というものです。
水曜日の配信は、IT技術のトレンドについて話しています。
今回は、人工衛星を使った通信の話です。
土曜日に、IT全史という本を読んで、ITの歴史をたどる配信をしています。
ITというと、目に見えるパソコンとかスマホのことを思い浮かべると思います。
でも、ITを構成するものの中で、あまり意識していないけれど重要なのが通信です。
IT全史では、煙を使うのろしという通信手段から、手旗信号のようなもの、電線を使ったもの、電波を使ったもの、光を使ったものというような技術進歩について順に語られています。
通信システムは、誰もがどこでも様々な情報をやり取りできるものを目指して進化してきました。
現代は、それがある程度実現されつつある時代です。
実際に日本では、スマホを持っていればいつでも情報を得られるし、他の人とも連絡が取れるようになりました。
ただ、このような状況を実現するためには、多様な通信手段を組み合わせています。
スマホが直接通信しているのは最寄りの基地局です。
基地局がカバーするのは、せいぜい数キロのエリアですから、どこでも通信ができるようにするために基地局をたくさん設置しているわけです。
それだけでは通信はできません。
基地局から先に繋がっているものがあります。
大抵は光ファイバーです。
基地局にはたくさんの端末がぶら下がっていて、それらを束ねて高速の通信を行えるようにするためには光ファイバーを使うことになるのです。
電波と光ファイバーでは送れる情報の量が桁違いなのです。
基地局から交換局のようなところまで光ファイバーを引き、その先はまた光ファイバーで他の携帯電話会社との間を繋いでいます。
さらにその先はもっと容量の大きい光ファイバーで国同士を繋いでいます。
光ファイバーは海底ケーブルとして世界中に付接されているのです。
世界中がケーブルで繋がっているのは想像するのがちょっと難しい感じですよね。
そこにもう一つの選択肢が現れ始めています。
人工衛星を使った通信です。
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人工衛星での通信自体はそんなに新しいものではありません。
始まりは1960年代です。
月に行ったアポロ宇宙船も地球と通信をしていました。
ボイジャーなどの宇宙探査機は太陽系の外側に出てもある程度の通信を成立させています。
まあそういう特殊な通信は別にして、通信衛星を使った通信は今も結構行われています。
ただこれまでの衛星通信に使われる衛星は、静止衛星という地球から見ていつも同じ位置に見えるような衛星でした。
この軌道は地球から約3万6千キロ離れた位置になります。
この距離を電波が往復すると0.25秒ぐらいかかるのです。
この遅延は人が普通に違和感を感じてしまう遅延です。
遅延だけでなく遠い場所に電波を届けるには巨大なアンテナが必要ですし、アンテナが大きいということはそれだけ電力も必要ということになるのです。
というわけで今のスマホのようにある程度快適に使うためにはこのシステムでは難しいということになります。
そこでこの数年で実用化されてきたのが、もっと近い位置に衛星を配置することです。
地球からの距離が近い衛星は静止して見えるようにはできません。
地上からはかなりのスピードで移動しているように見えます。
地上から400キロメートルの高さのあたりを回っている国際宇宙ステーションは1日に地球を16周しているそうです。
今実用化を迎えている通信衛星はそれよりも低い高度に配置されます。
ということはもっと早く移動してしまうのです。
そこでそういう衛星をたくさん飛ばして常にいくつかの衛星を捕まえることができるような仕組みで継続して通信を行えるようなシステムが作られています。
このために飛ばす衛星の数は数万のオーダーになります。
アメリカのスペースX社はそのために月に2桁の回数のロケット打ち上げを行い一度に50個以上の衛星を軌道に乗せてこのような通信環境を構築しようとしています。
すでに一部の地域でサービスが始まっていて空さえ見えればどこからでも通信ができる環境ができつつあるのです。
これを衛星コンステレーションと呼んでいます。
まだ地上側にひとかかいもあるアンテナを設置する必要がありますが、一般的なスマホでの通信と同じくらいのスピードで通信ができるようになりました。
この技術はもっと進んでいき、遠からずスマホから直接通信ができるようになりそうです。
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そうなると光ファイバーによるネットワークに加えて衛星による遠距離通信も使えるようになるわけです。
この方法のメリットは、とにかく空さえ見えれば通信が可能ということです。
多分今の基地局経由の携帯接続はマイナーなものになってしまうでしょう。
日本ではそのような事例を一度経験しています。
携帯電話よりも大量の基地局展開が必要であったPHS網がそれです。
一気になくなるわけではないでしょうが、衛星でのモバイル通信が十分使えるレベルに達したら、とって変わられてしまうことでしょう。
とはいえ、僕たちはあまりそんなことを意識しないで通信をしているでしょう。
今よりもっとたくさんの通信機器をほとんど無意識に身につけて、もっと自然に情報を取り入れコミュニケーションをとっているに違いありません。
そんな世界が当たり前になるためにロケットがどんどん打ち上げられているというのは、なんだか不思議な感じがしますよね。
ネット検索をしたり、LINEでメッセージを送ったり、そんな当たり前の世界の裏に、とてつもない規模のシステムがあるということを、たまに想像してみるのも悪くないですよ。
読書と編集ではITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については概要欄のリンクから、または、読書と編集と検索して猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。
この配信の書き起こしをnoteで連載しています。
概要欄にリンクがありますので、フォローいただけると嬉しいです。
今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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