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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、「真の永続化がこれからの課題である。」というものです。
永続化という言葉があります。
ITの世界では、動作中のプログラムが終了しても、そのプログラムが扱っていたデータが消えないことを表します。
「ん?どういうこと?そんなの当たり前じゃない?」という方もいるでしょうけど、
今使われているコンピューターの仕組みでは、原則として電源を切るとその時の状態が消えてしまうもので、
消さないためには特別な仕組みを用意する必要があるのです。
そして、消えないための仕組みは、コンピューターの世界ではとんでもなく遅いのです。
ちょっと極端ですけど、情報が消えないようにデータを印刷しておくというのも一種の永続化なのですが、
紙が出てくるのは結構遅いでしょう?
A4一枚出すのはさほどでもないかもしれませんが、これが100万枚だとしたら途方もない時間がかかることは想像がつきますよね。
コンピューターの中で扱っている情報はいつもそんなレベルの量なのです。
で、身近なところではハードディスクとか、SSDという半導体ディスクみたいなものを使って消えないように管理します。
ですが、これらのデバイスも永久に使えるわけではありません。
半永久的に使うためには、これらのデバイスに書かれた情報を、どこかのタイミングで新しいデバイスにコピーし直すということを長期的なスパンでやり続ける必要があるわけです。
わかりやすい例で言えば、写真のアルバムをずっと管理し続けるイメージです。
プリントして色あせた写真は誰もが見たことがあるでしょう。
せいぜい自分が生きている間のことを考えればいいので、それは仕方ないと思うことも多いですが、
綺麗に保存してあったとしたら、これが何かに使える新しい可能性が出てくるかもしれません。
でもこれ、個人のレベルでやり続けるのはほぼ無理です。
そこに可能性として出てきたのがクラウドを使うことです。
もちろんクラウドも永続性が保証されているわけではないのですが、
少なくとも個人でやるよりはずっと少ないコストで情報を保持することができます。
新しい技術による記録保持もずっと容易になります。
最初に今のコンピューターの仕組みでは、特別な方法で永続化を行っていると言いました。
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将来はそもそも半永続化ができて、外からのエネルギーが失われても情報が消えないようなデバイスの出現が期待されます。
昔は情報を半永久的に残すことを考えて石に刻んだりしたわけですが、
それは誰にでもできることではないし、そもそも記録できる情報量が少なすぎます。
そんな時代から、僕たちは誰もがある程度の情報を半永久的に残せる入り口に来ているのです。
石碑の情報が後世の我々の参考になるように、
僕たちが蓄積したデータが将来の人々の役に立つことがあるかもしれません。
そんな大きいことを考えなくても、僕の場合は十数年前の写真がクラウドに残っていて、
単純に驚いたり感動したりしているくらいです。
今回何が役に立つかわからないことを考えると、できるだけ情報を残しておきたいと思うのです。
僕たちの世代では、兄弟の下の子は小さい頃の写真が少ないというのがあるあるです。
撮っておかなかったものはどうにもなりません。
一人一人が情報の永続化を考える時代になったと考えると、
どこに保存するか、アクセスのために必要なものは何かが大切になります。
そういう運用を含めて、永続化というキーワードを考えてみると良いでしょう。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。