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2024-09-01 11:00

017 大改革!国語表現の単元学習

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私自身の国語表現の時間を振り返り、前任校で大改革をした授業作りについて語ります。いかさんの配信にインスパイアされました。

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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。
このチャンネルでは、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと語ってお届けしています。
今日は、ポッドキャストを配信されている李佳さんという高等学校の国語の先生の配信を聞いて、それに触発されて届けようと思っています。
李佳さんは、高等学校の2年生と3年生の国語表現という時間で、こんなことやってるよという取り組みを話しされていたのですが、
なんと、3年生の2学期の文化祭で演劇をするということで、その脚本を書いたりするということをおっしゃっていたのです。
本当にハイテクハイ並みの探求だなと思って感心しました。
聞けば、李佳さんの高等学校の校長先生が、その学校の国語科の先生で、その演劇の脚本を書くという取り組みを伝統的にすることになった発案者の方だそうで、なんて力のある校長先生なんだろうと思いました。
李佳さんの国語表現では、その他にも、基礎的な言葉の使い方とか、メール文とか話すこととか、
それから絞り有書や小論文やディベートなんかをやっていらっしゃるということだったのですが、突出してその演劇というのに心震えました。
本当に必要だなと思います。こういう総合的なPBL型の授業は本当にやりがいがあるなと思いました。
そこで私は自分の国語表現歴というものを振り返ってみたいと思います。
過去若かりし頃、進路多様校で国語表現の授業を担当したことがあります。
その時は随筆、私の好きな何々とか、それから短歌のリメイク、イラスト付きとか、それから小説を創作したりとか、小論文、新聞を読んで小論文を書いたりとか、それからディベートをしたりとか、そういった授業だったと思います。
今振り返ってみても楽しかったなと思うんですね。
全任校で国語表現を担当することになりまして、久しぶりの国語表現だったんですけれど、どんな授業をしてるんだろうと思ってシラバスをパッと見てみたら、これが見事なことに国語表現問題集の目次がそのまま貼り付けてあるだけでした。
愕然としましたね。漢字を書こう、正しい金遣いをしよう、文章を整えよう、要約をしよう、自分自身をPRしよう、面接練習をしよう、手紙文を書こうみたいな、そういった形の国語表現の問題集だったんで、
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これで一体、生徒は面白いんだろうかと思って、疑問を持って教室に臨みましたら、やっぱり案の定、国語表現を取るぐらいですから、就職をして勉強なんか嫌いでっていう生徒が、いわばちょっとしたお遊び的な要素があるだろうと思って取ったそういう授業ですから、あんまりモチベーションが高くない。
こんなことをやっても、生徒は適当にやって、面白くなさそうにしてるんですよ。これではいけないということで、私は早速大改革を断行しました。
まず最初にやったことは、私の名前、漢字、ポスターというのを作成させました。
自分の名前で用いられている漢字を深掘りして調べて、それを一枚もののポスターにするということで、やっぱり自分自身を見つめ直したり、名前を付けてくれた保護者の方の愛情を感じたり、
それから一人一人の個別性を大事にさせたり、それを認め合う雰囲気を作ったりということで、教室づくりの土台、個性を認め合うということの大切さを重視するためにも、この取り組みは有効だったと思います。
保護者というところで、時々親御さんに配慮しながら、親御さんがいない方もいらっしゃるので、そこを上手に配慮しながらやりました。
あとひらがなばっかりの名前の人は、もしひらがなに漢字を当てるとしたらどんな漢字が好きということで書かせたりはしました。
これは教室づくりのスタートとしては非常に良かったと思います。
その次にやったのが、マイブックレポート。
自分自身で好きな本を選んで、そのレポートをやるということで、これをICT導入されたということで、Googleスライドでこのマイブックレポートをさせました。
これも自分の好きな本ということで、自分というものが出るんですよ。
それを一生懸命に取り組んで、自分大好きなものですから集中して書いて、それがスライドになるものですから、自分の能力以上にアピールするものに仕上がる。
生徒はそれに喜びを覚えまして、どんどん集中していって、プレゼンテーションの時間もどこか誇らしげですよ。
みんなにすごいって褒められるものですから、安心安全な場作り、お互いを認め合う関係づくりができたなと思います。
自分の好きな本を選ぶっていうね、それから自分の個性が認められるっていうそういうシーンを作ること、あと優劣っていうのが分かりにくい状況を作るっていうことが大きいポイントだったなと思います。
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そうこうしているうちに、志望理由書とか面接練習とかをしないといけない段階になったんで、これはその時間を活用してちゃんとやりましたけれど、
一つ思ったのは自分を表現する場ですよね、志望理由書とか面接練習っていうのは。
この時担当したクラスの生徒はいろいろと心の問題を抱えている生徒が多かったり、その教室内の生徒同士でいさかいがあったりして、安心安全な場ではなかったんですね。
だからすごい自己開示がしにくくて、志望理由書とか面接の取り組みはあまりいい雰囲気のものではなかったですね。
そういった意味でも生徒の人間関係っていうのが授業に大きく影響してくると思います。
それが終わったら、いよいよ満を持して私が本当に練りに練ってやりたいと思ってやったのが、私のクールジャパンっていうそういう単元です。
この時担当した生徒は、やっぱりそういうサブカルチャーっていうのが好きな生徒が多くて、漫画とかアニメとか大好きだった生徒が多めだったんですよ。
それで自分自身が本当に推したいっていう漫画、アニメ、映画についてレポートしよう。
それを外国の人にも分かりやすいように、海外の人にも分かりやすいような形で作ろう。
最終的にはみんなで発表するんだけれども、ALTの先生にも英語で聞いてもらうよ。
英語でちょっと翻訳したものをしゃべって聞いてもらうよ。それは代表者にするけどねっていうことにしました。
そしたらやっぱりね、もう私の狙い通りで、自分の好きなアニメ、自分の好きな漫画、たかんな青春期にそのアニメに共感したり感動したり、
それから自分の人生観というものを揺さぶられたりするものですから、非常に熱中して取り組みまして、
ずっと静かにひたすらスライド作ってましたね。
当然のことながらネット検索が主なんですけど、自分自身でパンフレット持ってきたり、本を持ってきたりする生徒もいました。
で、それを作った後、プレゼンテーションの練習も当然させて、しゃべり原稿をスピーカーノートに打たせて、それで練習させたりしました。
だから、本当に生徒一生懸命取り組んで発表会も盛り上がりまして、やっぱりスライドを作成するということで、生徒は自分の能力以上に見た目が良くなるものですから、
もう有能感に打ちひしがれて、自分はこんなにすごいものを作ったんだ、見てみて先生、という感じで、本当に積極的に熱心に取り組みました。
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なので、この時の取り組みは本当に生徒が熱中していて、一生懸命やったので、私の思い出に残る取り組みになったし、
最後、ALTの先生に代表者が英語で一生懸命プレゼンするんですけど、つたない英語ながら、代表の生徒は一生懸命やってくれたと思います。
ということで、私の虚空表現の思い出を語りましたけれど、結局、本を読んだりとか、それから真面目に実用文を書かせたりとか、
嫌々やるよりも、熱中してやる時間、どれだけ生徒は言葉で考えているかっていうのが、その時に私、実感しまして、熱中する時間をたくさん作って、
その時に本当に集中して言葉で考える。その熱中している時間に使った言葉が、獲得した言葉になるっていうのをすごく感じた取り組みでした。
本当はもっと本を読ませたかったんだけど、生徒実態として無理だったんですが、生徒は本当に濃密な集中した時間を過ごして、堂々と発表して、楽しい取り組みになったと思います。
こういう経験は私の中で生きていて、本当に生徒が集中する、熱中するっていうシーンをいかに作るかっていうのが、自分自身の大きな問題意識、テーマになっています。
ということで、今日は自分がやってきた国語表現を熱く語ってしまいました。
本当に生徒が熱心になる、夢中になる取り組みをこれからも考えていきたいと思います。
それでは、たちまち今日はこの辺で、またお会いしましょう。ありがとうございました。
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コメント

言及いただきありがとうございます! 演劇について、文化祭時期で教員の負担も大きいので、続けるかどうか度々議論になっています。しかしそのように価値づけしていただき、やはり良い言語活動なのだと認識を新たにしました。 「生徒が熱中するシーンをいかにつくるか」 という授業観、私も大切にしていきたいと思いました。

高見知英
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