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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
今回も世界一周の船旅にお付き合いいただき、ありがとうございます。
それでは、今回も船旅の続きへと出かけましょう。
6月29日、出港から50日目。
オランダはアムステルダムで一晩を過ごし、今日は2日目。
出港はこの日の夜だから、出港までの時間を楽しまなくちゃ、と支度をして船を降りようとしたら、
なんと雨がざわざわ、そして肌寒い。
一度傘を取りに戻ってから、再度出発しました。
はじめに10ドルを両替して、昨日通ったパン屋さんを目指す。
行くともうオープンしていて、おいしそうな香りが辺りに漂っている。
昨日と同じくHちゃんと連れて中に入り、朝食用のパンを購入。
チーズとハムのデニッシュ、ソフトフランスのような白パンを買って、その近くのスーパーへ。
ミルクコーヒーとチーズ、こちらも焼き上がりを待って、
チーズとベーコンの入った焼きたてのクロワッサンサンドを買って、
雨の当たらないところにあったスーパーの外のベンチで朝食を取りました。
朝食後、雨だけど行ってみようとガイドブックにあったのみの市を目指して歩きます。
だけど結局見当たらず、うろうろとした結果、
なんと先ほどのスーパーの一本裏にテントの屋台が並んでいるじゃないですか。
のみの市はやはり雨のせいもあって、時間も早いせいか、品物が並んでいる店はちらほら、
これからもっともっとオープンしてくるみたいで、古着なんかを忙しそうに並べたりしている人々の姿が。
私はここで時計を一つ購入しました。
千円ぐらいのものだけれど、旅先での一度きりの出会い、
気に入ったものを記念品として持って帰れるのは嬉しいですよね。
雨は降ったり止んだりを繰り返している。
今日のメインテーマはアムステルダム国立美術館だけれど、
せっかくなので街中を散策しながら徒歩で行くことに。
昨日も立ち寄った王宮の前のダム広場へ。
途中でまた可愛らしいベーカリーを見つけてしまう。
良い香りに思わず中へ。どれだけパンを買う気なんでしょう。
美味しそうなパンに色とりどりのケーキ。
そういえばオランダはアップルパイが有名だという話。
ショーケースに一切れちょこんと佇んでいるアップルパイを見逃す私ではありません。
そしてその隣に並ぶアップルクロワッサン。
うーん、こちらも見逃せない。
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結局アップルパイとアップルクロワッサンを2つを買ってドラムの庭を目指します。
雨は強くなっていて気温が下がり寒いぐらい。
暖かいものが飲みたくなり途中で立ち寄ったカフェで間違ったコーヒーという意味のカフェフェルケートを見つけて飲んでみました。
こちらの店では店内の持ち込みもOKのようでアップルクロワッサンと一緒に頬張ってみた。
外はカリッとしてカスタードもリンゴも甘さ控えめでとても美味しかった。
期待していたカフェフェルケートは飲んだ感じ普通のカフェオレでしたが
体が温まっていくのがわかります。
雨宿りをして体も温まったのでこうなったら名物を歩きながら食べてのんびり美術館を目指そうということになりました。
オランダの名物は一口パンケーキのポーフェルフェかハーロングサンド。
ハーロングは日清の意味です。
ちょっと裏道に入ってみるとサンドイッチの店がずらり。
おーここなら名物料理が見つかりそうかも。
店頭のショーケースを物色しながら歩いていると女の子が日清を片手につまんでいるポスターが貼ってある。
こっちの人は日清を頭からパクッと食べるのが正しい食べ方なんだそう。
ポスターの貼ってあるお店に入ってみるとショーケースには生の日清が貼ってあります。
ポスターの貼ってあるお店に入ってみるとショーケースには生の日清、サーモン、スズケやマリネの日清、魚のフライやツナやエビといったシーフードがずらり。
カウンターにはパンが山積みされていてショーケースから具材を選んでお気に入りのサンドイッチを作るようだ。
カウンター越しに陽気なおじさんが現れ、ハーロングサンドと言うと早速作ってくれた。
パンに生の日清、オニオン、ピクルスを挟んだだけの板でシンプルなものです。
友達はスズケの日清にしたけれど皮目が青く光っていてちょっとグロテスク。
だけど味は生臭さがなくて意外にも美味しかった。
日清は初めて生で食べたけれど柔らかくてまあまあ癖がなく美味しい。
サーモンも捨てがたかったな。
日本じゃ考えられない生日清サンドを食べた後、トラムに乗っていざ国立美術館へ。
下車すると目の前にこれが王宮ですと言われたらそのまま信じてしまいそうなほど。
一般の建物がアムステルダム国立美術館。
ちなみに1885年に建てられたこのレンガ作りの壮大な美しい建物は
老朽化のために2003年から10年の月日をかけて2013年に改修工事が終わったようです。
ですので私はこの改修工事が始まるほんの少し前に訪れていたことになり
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今の展示方法や作品展示物は大きく変わっていると思います。
こちらの美術館は5000点から8000点の収容物があり
随時それを入れ替えて展示しているということです。
もちろん世界的に有名な美術品は今も昔も同じように展示されていることと思います。
概要欄にアムステルダム国立美術館のURLを貼っておきます。
こちらの美術館はそのハイライトとなる作品を見ることもできますので
ご興味のある方、日本語も少しだけありますのでよかったら見てみてください。
ロンドンのナショナルギャラリーも格野というほどの規模である。
これは期待が高まる。
早速入場し、クロークに荷物と傘を預け、美術と芸術の森へと出発していく。
2時間と時間を決めて、まずは2階から。
2階は中世の木の彫刻、宗教画から始まっている。
圧巻なのは聖書をモチーフとした巨大なタペストリー。
近づいてみると、微妙な光の加減による色の違いを出すために
数え切れないくらいの種類の色の糸を使って織り込まれていることがわかる。
このタペストリーを製作するのに何年の時間が費やされたことだろう。
そして宝物館。
暗い黒い布張りのガラスケースの中にスポットライトを浴びてきらめく宝石たち。
思わずため息が出てしまうほどの魅惑の輝き。
ダイヤ、エメラルド、サファイア、ルビー、金銀、ラデンザイクにラピスラズリ、目の水晶。
そのほか私の知る余地もない貴重な地球の財産たちが
美しい彫刻や器、置物に唯一無二の彩りと輝きを与えている。
つけられている絵や細かい彫刻も驚くほど繊細で
丁寧に作り込まれているのが素人目にもよくわかる。
腐っても女子の私、自分で欲しいとは思わないけれど
やはりキラキラするものには目が奪われてしまう。
カラスと一緒ですね。
そしてついに絵画ゾーンへと足を踏み入れます。
いきなり目に飛び込んできたのは迫力のある生き生きとした絵画の数々。
全部しっかりと見て回りたいけれどいかんせん、全然時間が足りない。
目についたものが円があったものと
ふらふらと引きつけられるように絵から絵と。
まるで花に引き寄せられる三菱のように
飛び回るように絵画に吸い寄せられていく。
目移りするような名画の数々。
それでもやはり世界的名画というものは
その名が知られている理由がわかるものだ。
白天同様、遠くからでもイヤガオウでも目についてしまう。
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レンブラントの夜景はその絵画自体の大きさも去ることながら
存在感は圧倒的。
この絵の前だけでも一時間はいられそうなほどだ。
人物は暗い背景の中に生き生きと浮かび上がり
こちらに飛び出してきそう。
さすが光と影の魔術師の意味を持つレンブラント。
素晴らしい明暗の描き分けの手法で
平面とはとても思えないくらいの奥行きを感じさせる。
この絵画が見たかったのだ。
憧れの一枚を前に感動の波が胸に押し寄せた。
しばらくこの絵画の前で立ち尽くした後、
もう一つのハイライト、ゴッホの初作品へ。
近くにあるゴッホ博物館に行くことは時間的に難しかったけれど
こちらでも何点かその作品を見ることができるということで
悩んだ末にアムステルダムの国立美術館を選んだのだ。
レンブラントとはもちろん全く違う画風。
ゴッホの独特なタッチは柔らかさと厳しさ、悲しさと激しさ。
その情熱がそのまま伝わってくる。
まるで話し出しそうな絵画だ。
絵画からでもその人の心が、性格が伝わってくるような作品はそうそうないから
その点だけでも彼が歴史に名を刻んだ理由がわかるような気がしてくる。
ゴッホについては不牛な人生を送った彼が後にヒマワリ、アルルの羽橋など明るい絵画を描いていき
その人生を終えることとなった南フランス、プロバンスの地を
その足跡をたどりながら旅をすることになったのはこの船旅の約4年後。
今はまだ知る良しもありませんでした。
タイムリミットがあっという間に近づいていき焦っていると
日本人女性に声をかけられた。
なんと前々回のピースボートに乗っていたのだという。
ゲスト乗船している方へのメモを預かって最後のハイライト
フェルメールの牛乳を注ぐ女、青い衣服の女の場所を聞く。
フェルメールは日本でも人気が高いながらあまり作品を残していない。
一番有名なのは映画化もされた真珠の耳飾りの少女であることには間違いない。
その他にも素晴らしい作品を残している。
原画を見ることができるのは本当に貴重な機会だ。
これを逃したら次はいつ見られるかわからない。
かの有名なフェルメールブルーは本当に美しかった。
先ほどの宝物館で見たサファイアの輝きもかくや、という美しさだ。
コバルトブルーからルリーロに近い深みのある青。
存在感のある牛乳を注ぐ女のテーブルクロスとスカート。
フェルメールもまた光の画家と言われる。
白い光の粒を描くことで作品をよりリアルに立体的に見せながらも幻想的な雰囲気を作り上げるのだ。
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そして実に見事にパンの質感、布の質感、液体の質感を描き分けている。
青い衣服の女ではもっと柔らかい光、午後の優しい光がうっすらと女を包み込み、
さながら光合しささえ彼女に与えている。
ヨーロッパだからこその淡い午後の光。東南アジアではこう描くことはないだろう。
決して夜景のような大きな作品ではないけれど、圧倒的な質感と存在感で人々の目を、心を引きつけるものがやはりフェルメールの作品にはある。
これらの数点が実際に見られただけでもここに来た甲斐があったというものだ。
後ろ髪をぐいぐい引っ張られながら国立美術館を後にした。
トラムに乗り再び王宮前のダム広場へ。
またあの大きなスーパーで夜用のモッツァレラチーズ、ブラックオリーブ、キュウリとトマトのサラダセットを買い、
ベイビーゴーダと書かれているチーズを購入した。
ワックスで周りが固められているので常温保存が可能とのこと。
もっとも船旅から帰国する頃にはベイビーがアダルトぐらいには熟成されているかもしれないけれど。
帰船リミットがあるのでお土産屋さんを物色しながら船へ戻る。
絵はがき、ピンバッチ、石鹸などを購入し、これまた名物のフライドポテトを食べながらアムステルダムを後にする。
こちらではフライドポテトにかけるのはなんとマヨネーズ。
マヨネーズの味は全然違って酸味がなくどちらかというと甘い。そして粘度が高い。
これはこれで美味しいけれどお好み焼きやたこ焼きには合わない気がする。
ところ変わればマヨネーズの味も変わるものだ。
雨はいつの間にか止んでオリビア号に帰るのは楽だった。
船に戻るとなんだか物々しい雰囲気。警察車両がたくさん。
何事?と思っているとシェパードたちが廊下をうろうろとしている。
船内放送を聞いたところによるとどうやら私たちが不在の間、
麻薬探査犬の犬たちが船の隅々をドラッグが持ち込まれていないかを細かくチェックしていた様子です。
オランダではタイマーなどのいわゆるソフトドラッグはコーヒーショップと称される店舗において購入できるとはされているものの、
これらの薬物の所持、販売等については本来違法であり犯罪行為にあたります。
外務省を海外安全情報より抜粋させていただきました。
というように特定の場所で購入はできるものの、これらを持ち込むこと、海外に持ち出すことは犯罪にあたるため、
入港はすんなりできるものの、出港にはかなり時間がかかりました。
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私は後から知ったことですが、この時タイマーを所持していた乗船客がいたようで強制下船になったようです。
やっぱり特別に訓練されたプロフェッショナルな犬たちの鼻はごまかせませんね。
連日歩き通して思わずベッドに倒れ込んだら、そのままうとうとしてしまった。
出港アナウンスが聞こえて、よかった、無事に出港できる。
それを最後に私は夢の国へ。
複雑な魅力の詰まった自由都市、アムステルダムを後にして、
お次は北欧美しき自然の町、ノルウェーの首都、オスロへ。
それでは来週もまた。楽しみにお待ちください。