内科医たけおの心身健康ラジオ、みなさんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわるちょっと役に立つ小話を、毎朝5時50分、20分程度で配信しています。
あと、毎朝5時半からライブをやっていて、公開の収録や皆さんからのご質問やリクエストに直接お答えしたりしています。
アフタートークも人気です。ぜひご参加ください。
ということで、今週1週間は9月の1日が防災の日ということで、防災とか災害医療をテーマにですね、お送りしております。
なので、ちょっとトラウマ雑記されそうみたいな方は、今週はちょっと聞かずに置いておいていただけたらと思いますが、
毎週火曜日はですね、興味心身論文をお送りしているんですけれども、今日は論文ではなくてですね、生命文を一緒に読んでいけたらなというふうに思っております。
これはですね、実は昨日トリアージの模擬体験をちょっとしていただきまして、それの元になった企画ですね。
この日本医師会と日本災害医学会の合同でされた、今年かな、第29回の日本災害医学会総会学術集会の企画で、
そのトリアージを実際に市民の方にやって議事体験していただこうっていうのを真似た企画だったんですけれども、
それのですね、ホームページがありまして、その中にですね、今回のこの生命文ですね、国民の皆様に向けた生命文っていうのがあるんですね。
これをちょっと一緒に読んでいけたらなというふうに思います。
はい、ということで、全部で2枚の文章なんですけれども、タイトルがトリアージをはじめとする災害医療についてご理解いただきたいことということで、
医師会の会長の松本先生とですね、災害医学会の代表理事の本間先生、ちょっと私存在嫌いですけれども、
あと救急医学会の代表理事の大友先生と、この先生ちょっと名前は聞いたことがありますね、の連名で出ております。
はい、で順番に、もう今日は読むだけなんで、大災害が発生すると非常に多くの方々の命が危険にさらされます。
私たち医療者は、人よりも多くの方の命を救うために、トリアージをはじめとした平時と異なる医療を提供しなければなりません。
広く国民の皆様にはご理解いただきますようお願いいたします。ということで、国民の方々に知っていただきたい文章ということですね。
1、諸言。東日本大震災で被災した石巻市の女性、当時95歳が病院のトリアージを受けた3日後に死亡したことについて、
トリアージと対応に過失があったとして、ご遺族が石巻石中寺病院を仙台地裁に提訴する事例が発生しました。
亡くなられた女性及びご遺族の方々に対して、謹んで哀悼の意を表します。
しかし、災害時の対応に関して病院が提訴される事態に至ったことは、災害時の医療に取り組んできた多くの関係者にとって極めて遺憾なことであり、
国民の皆さんに災害時の医療がいかなるものであるかについて、十分ご理解いただけていない点があるのではないかと懸念しています。
災害時における医療とはどのようなもので、どのような困難性や特性があるのかについて、国民の皆様にお伝えする内容を記載しましたということで、
これちょっと昨日もちらっと取り上げた内容ですね。
これ実際にはトリアージで緑っていうふうに判定されたみたいなんですけれども、
緑ってその場で一旦経過観察して大丈夫っていうような判断なんですけれども、
なんですけれども、その後には亡くなられたっていう、そういう事案みたいですね。
結局和解されてるんですけれども、はい、っていうことみたいです。
はい、ということで、2、災害、時、医療とはということで、我が国では地震や水害といった自然災害で毎年のように被害が発生しています。
それに加え、大規模な事故や事件によって多数の傷病者が発生する危機事案は少なからず起きています。
こうした中で一度に非常に多数の患者さんが発生することで、
日常のような救急搬送や診療が困難な状況で行われる医療のことを災害、時、医療と呼びます。
災害、時、医療の特徴としていかのことが挙げられます。
大規模地震や水害などでは被災地域の医療機関において、
建物被害、電気や水などライフラインの途絶、医薬品をはじめとする医療資材の供給途絶などの被害が発生することがある。
社会インフラの破損、道路の寸断による流通の停滞や通信の途絶により、周囲の状況が把握できないことがある。
医療スタッフや医薬品、医療機材も枯渇あるいは大きく制限され、特に高度医療の提供が困難になることがある。
このように医療を受ける必要のある方が多数発生する一方で、医療資源、医療スタッフや医薬品、医療機材などの不足など、
医療を提供できる能力が大きく下がってしまった状況で対応しなければなりません。
日常とは大きく異なり、十分な医療の提供が困難な状況でも、何とか工夫しつつ医療を配分しながら、災害時医療を継続せざるを得ないのです。
ということで、これは本当にその通りですね。
この受給バランスが明らかにおかしくなるっていうのが、この災害医療の特徴かなというふうに思います。
そんな中でですね、この3、災害時の取り味についてということで、前述したように、医療を受ける必要のある方と医療を提供できる能力のバランスが大きく崩れてしまった状況において、
より多くの方々に医療を提供するためには、日常と異なる対応が求められます。
多数の方々の緊急性や重症度を迅速に判断し、より緊急性や重症度の高い方々に限られた医療を傾斜配分します。
つまり、緊急性や重症度が高い方に人や資材を早く多く割り振る一方で救命不可能と判断された方々や、緊急性の低い方々への医療の配分は相対的に少なくなります。
しかし、必ずしも、緊急性や重症度が低い方を何の処置もせずに後回しにするというわけではありません。
例えば、平時なら、方法止血、縫って血を止めるということを必要とする傷に対して、
じーんと時間をかけずに、圧迫止血や、抑えて血を止めるや包帯など、最小限の止血剤によりできる限りの簡潔な処置に努めます。
一般にこのように、処置や診療前に行う一連の傾斜配分の判断をトリアージと呼び、
その実施によって結果的に多くの人命を救うことができるとされています。
医療の需要と供給のバランスが回復するにつれて、通常の対応が可能になっていきますということで、
本当にこの通りっていう感じなんですけどね。
実はですね、別に災害じゃなくて、もうトリアージってされてるんですね。
これ救急の待合室とかに貼ってある病院、結構今も増えてるんじゃないかなと思うんですけれども、
救急の現場で普通に歩いて来られる方と救急車の方と、どちらが優先度高いかっていうと、
一般的には救急車の方が高いですね。
ちょっと救急車をタクシー利用する方とかもいらっしゃいますけれども、
でも基本的には救急車で来られる方の方が重症の割合が相対的に高いんで、
そちらを優先されるっていう、早く来て、歩いてきた方が待ち合いに待っていたとしても、
救急車隊を優先するみたいなことはよくあるかなというふうに思いますし、
もちろん歩いてきてる人の中でも、一見大丈夫そうな方でも、
例えば先週扱った救急行動外援っぽい人がいたらですね、
その方を優先的に診療するみたいなことは普通の救急でもされることはありますけれども、
それより傾斜をつけて災害時はやらないといけないっていう、そんな感じになりますよね。
4、災害時のトリアージにおいて求められる迅速性についてということで、
トリアージによって生命の危機が迫る緊急性重症度が高い症病者を一刻も早く把握しなければなりません。
劣悪な環境の中、不特定多数の初対面となる症病者を対象とする災害時のトリアージは、
診断機器を用いる間もなく短時間で多数の方々を対象に実施する必要があるため、
その判断に高い精度を期待することに困難が生じます。
また、医療を受ける必要のある方と医療を提供できる能力のバランスがどの程度崩れるかによって対応にも変化が生じ、