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  2. 7_3第2の『カメラを止めるな!..
2021-07-09 17:33

7_3第2の『カメラを止めるな!』は誕生するのか?(ゲスト:映画監督/撮影監督の曽根剛さん)


今週と来週のゲストは映画監督兼撮影監督の曽根剛さん。2018年に大ヒットした映画『カメラを止めるな!』の撮影監督でもあり、映画監督もされている曽根さんに「カメ止め現象」はなぜ起きた?/第2の『カメラを止めるな』は誕生するのか?/低予算で映画を作るには?など、ここだけバナシしていきます。

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1カットを撮る日って1日しかスケジュールはなくて、どう頑張っても3回ぐらいしかできないと。実際2回しかできないと。それで日が暮れてしまうというところで、撮り切ったんですね。それがラストテイクでオッケーだってなったんですけど、カメラ止まってたっていう。
止めるなのにね。
黒木瞳の映画ここだけバナシ。
こんにちは。ヒマラヤで配信始めました。黒木瞳の映画ここだけバナシ。今回も聞いていただいてありがとうございます。そして今回も映画監督兼撮影監督の曽根たけしさんです。
曽根です。よろしくお願いします。
今日もよろしくお願いいたします。
さて、第2のカメ止めは誕生するのかという話を伺いたいと思いますけれども、その前に低予算の超映画製作術という本を出されました。立派なご本ですね。原稿者っていうんでしょうか。そして映画監督、上田慎一郎監督がセキララすぎって呼び、本当にねセキララすぎって私も思いました。
ありがとうございます。
なんとこの映画、皆さんご存知の方が多いと思うんですけれども、300万円で作られたんですよね。ロケ地0円。
ロケ地0円です。
そしてカメラを止めるなですから長回しで撮ると。
はい。
それを聞いたときどう思われました。
私、長回し結構もともと好きなんですね。
私自身も映画を作ってまして、その中でも結構長回しをしていることが結構多いんです。
ワンシーン、ワンカットであるとか、台湾で映画を撮ったことがあるんですけど、そのときは2,3カットぐらいで長編映画を作ったりであるとか、そういった長回しは結構やってまして。
眠くならなかったですか。
はい。
大丈夫?
はい。
長回しの効果が出るときもあるけれども、自己満で撮ってしまうと、長回しやってしまうと、見てる人が眠くなっちゃってるみたいなときもあるじゃないですか。
どうなんですかね。
そんなシーンももしかしたらあったかもしれないですけど、私が撮ったときは、むしろ役者さんではなくて一般の方に設定と役だけ与えてやってもらったものですから、長回しで良かったなと。
結構アドリブ。
即興?
即興です。
またいろんなことやってらっしゃるんですね。
即興だけで長編を撮るみたいなことをやったものですから、多分カットを終わってたら、皆さん一般の方ですから撮れなかったであろうと。
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長回しで設定とキャラクターは結構本人に近い設定を与えまして、結末だけ決めてやるっていうことを結構実験的にやってましたもので、すごいその効果は出たなと思ってます。
長回しでやってるから本人のキャラクターがどんどん出てきてテンションが上がってもそのままやってくれると。
多分途中で中断されるとここから続きをやるってなったらみんなできないと思うんですね。
一般の方だから。
長回しですごい効果的だったなっていう自分の作品を撮りましたが、カメラを止めるなに関して長回しをするって初めて聞いたときはちょっと難しいんじゃないかなっていうのが正直なところでしたね。
特殊メイクが結構入りまして、途中で人が死んでトンプになってきたりであるとか、
従来私がやってた長回しって結構ワンシチュエーションで作ってたんですけど、カメラを止めるのはワンシチュエーションではなく、長回しの中で室内から外に出て屋上に登ってとかいろんな場所行ったりしたりしてたんですね。
なかなかちょっと現実的ではないんじゃないかっていう風に脚本を読んでも思いましたし、実際のロケ地を見ても思いまして、監督に実際そう言ったんですね。
監督の強い意思があったんですね。
結果的にはそうだったんですよ。そういったところでリハーサルだったりとかはカットを途中で割るっていうのを前提にリハーサルを進めていったんです。
どこでカットを割ることができるか、ワンカット風に見せながら撮影することができるかみたいなことも話し合いながらリハーサルをしたり、ロケ地を見て回ったりしてたんですけれども、リハーサルが終わる頃にカメラを止める映画って、みんながワンカットをいかにして撮るかということに関して奮闘する話なんですね。
この話を撮ろうとする私たち自身がワンカットを撮ろうと奮闘しなくてどうするんだと。それは頑張りたいと監督がおっしゃって、その話聞いたときストーンと本当にそうだなと思ったんです。
私が思ったと同時に女監督の方とかみんな、徳島恵子さんももうこれはやろうよみたいなムードがみんな出来上がってて、もういけるいけるやろうやろうみたいな。その監督の言葉で結構、現場全体の雰囲気が変わったなっていうふうに思いますね。
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リハーも実際のところでやられたんですよね。何回くらいこの本に書いてあったんですけど。
リハーサル、ロケ地を見に行ったときに、役者さんも来ていただいて、その時にリハーをやったんですね。その時のリハーは夕方に1回だけなんですけれども、そのリハーサルでみんないけるって確信を持って。
実際撮影に入ってからはもう撮っていくっていう感じなんですけれども、合計で6回やりまして、ただ6回のうちの2回は最初の2、3分くらいでカットかけてるんですね。最後までやったのは4回だけっていう。
その中のどれかなんですね。
最後、ラストテイクですね。
でもラストテイクでうまくいってよかったですね。
ところがそのラストテイクは、ラストテイクの前のテイクがラストテイクだったんです本当は。
ワンカットを撮る日って1日しかスケジュールはなくて、どう頑張っても3回ぐらいしかできないと。
実際2回しかできないと。
それで日が暮れてしまうっていうところで、撮り切ったんですね。
それがラストテイクでオッケーだってなったんですけど、カメラが止まってたんです。
それ撮影監督はどなたでしたっけ。
撮影監督はどなたですかね。やばいですよね。本当に。
撮影監督はどなたでしたっけ。
私の目の前にいらっしゃる方でしたっけ。
ソネっていう。
それはどこで気づいたんですか。終わってから気づいたんですか。
終わってから気づいたんです。
どこから止まってたんですか。
止まったのが、ワンカットの中でカメラが転んでクルンって回るっていう場面があるんですけど、
そこで止まってました。
なのでそこで転んで、私が押しちゃったんだろうなということに、
なんでその後ずっと気づかなかったんだろうっていうのが、ちょっとショックでショックで。
役者の指揮も下がりますよね。
そうなんですよ。カメラ止まってたっていう。
止めるなのにね。
撮影監督自ら止めた。
止まらないままラストシーンの屋上まで行きまして、ラストのラストで監督が弱々しい声でカットみたいに言って、
あれなんかすごい弱々しいカットだなと。どうしたんだってなったら実際止まってまして、止まったってなってて、
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その時に屋上の遠くのほうに他の役者さんみなさんいらっしゃるんですよ。
これなんて言えばいいんだろうってもう、なかなか。
土下座もんですね。
土下座もんですね。なかなかそんな感覚もう味合いたくない。
でもよく次にもう一回意識を上げてもう一回立て直したわけでしょ、全員で。
もう一回。かつ撮影スケジュール、一日予備日っていうのがないので、他の撮影スケジュールをちょっと削ってでももう一回やりましょうみたいなことになりましたんで、次こそ本当に最後の最後だっていう。
じゃあその日にはもう撮らなかったんですか。
その日はもう気がくれて撮れなかったんです。
もうどうやってもその日はもうそれがラストだみたいなところでカメラが止まってしまっていたんです。
いやーっていう。
本当にカメラを止めるなですね。
誰なんだカメラ止めたのはっていう。
まあでもそういう裏話を聞くと、ねえ本当に何回ぐらいやられたのかなってやっぱり、あの見てる時はねただ本当に笑って楽しんだんだけど、でも終わった後にいや一体どういう練習をされて何日間ぐらいやられたんだろうとか思いましたけど、まあまさかそういうアクシデントがあったとは。
ただまあそのアクシデントがあったからこそみんなより何か結束が強くなったっていうのも思いますし、
あのその追加撮影で再度撮影したことによって初めて生まれた効果とかもありまして。
例えばわかります。
あのカメラに血しぶりが飛んだりとかはこの再発でのみ起こったんですね。
それまで1回もそんなこと起きなくて、それがすごいやっぱ臨場感というか。
カメラマンが撮ってるぞという意識に観客の目がさすがに向くじゃないですか。
そういう効果を結構強くもたらしたんじゃないかなと思って。
血を吹いてましたもんねカメラの連続で。
海外の映画祭とかですともうそこでみんなスタンディングオペレーションが起こるぐらいだったんですね。
えーっと思って。
なるほどなるほど。
撮ってる自分もその時すごいテンション上がりながら吹いてましたね。
走りながらですもんね。
走りながらおー吹いて。
しぶきかかったーって。
それはもう再度達成してよかったなって。
私は何でもありなんだと思って。
すごいなーってこれを世に出すんだーって。
その力強さをものすごく血をねレンズを吹いてる。
それが曽根さんだったんですよね。
しかも2回ぐらい吹くんですね。
1回で撮れなくてね。
そうなんです。何回吹くか迷ったんですよ。
吹いたまだ撮れてない。
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もう1回吹いてもう1回撮れなくて。
でもこれ3回吹くのしつっこいだろうなーと見てる人にとっては。
まあ吹きムラ残っててもこのまま行くのがいいんじゃないかみたいなのを走りながら話して。
そう。だからもう1回もう1回吹いたよって思いながら。
すごい映画だなーって思ったんですけど。
でそういったことがあのー
あのー
あのー
そういった事が第2部と言いますか。
映画の中の裏舞台でも活かされるようになりまして。
しぶきがかかって吹くっていうのが伝説として持ち入られたりとか。
私が転んだことによってカメラアシスタントの彼女はオチョコチョイでよく転ぶっていう
キャラクターがね。
キャラクターが変わったりとか。
結構、ワンカットのシーンをどう撮ったかによってその裏舞台が決まっていくっていうのが面白かったですね。生物みたいな形で。
でもよくね、撮れましたよね。
はい。
なんでカメラがひっくり返るんだろうとか、このままなんだとか、本当にもう、なんだろうなーって。
え、もしかして、それでエンディングが出るじゃないですか。
はい。
長橋の後。
はい。
で、え、これで終わり?って。やっぱお客さん騙されますよね。
え、これで30分で終わりなの?とか思ったら、たら次が始まるじゃないですか。
あれ?みたいな。だからこう、なんか2度びっくりするんですよね。
その1回目のエンディングで立って出て行こうとするお客さんが。
何回かそういうお客さんがいたらしいんですよね。
なんだこれかって。なんでこれが流行ってんのかって。その後見ないとね。
あれ、そうなんですよ。撮ってる時は劇場公開がそこまで拡大されることを想定してなかったので、これDVDとかで途中で止められたらどうしようとか。
劇場は劇場でも立って本当に話題になることを想定してないので、もう出て行かれるんじゃないかって、みんな不安になり、監督が一番不安になってましたけど。
どう思う?この間って。このご神術とかポンとかやってる時点でお客さん立って出て行くんじゃないかみたいな。
どう思いますか?みたいな感じで監督がみんなに相談してて。長すぎてもダメだし、短すぎても裏舞台の設定にそぐわないしみたいな。
そこら辺がちょっと答えがみんなわからないみたいな。さくりながら撮影してましたね。
この間も言いましたけれども、やっぱりこの芝居の間は一体なんだろう。これが上田監督の世界観なのかなとか。
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ん?とか思いながら最初のあれは見てましたけど、こういうカラクリだったんだってことが全部回収されていって気持ちよかったですけれども。
失敗もあったんですよね。寒ペで拾ってっていうの、拾うと捨てるっていう字が間違ってたっていう。
捨ってっていう間違いがあったりとか、結構撮影中誰も気づいていないボンミス結構ありますね。
だからそこも私も見逃してまして、本を読むまで見逃してまして、あそこもその後主役の女の子が、こんなところに小野賀とかいるね。
それがものすごくわざとらしいセリフ回しで。
だからそれも後で回収されるわけですよ。寒ペが出てたんだなっていうね。だからあんなわざとらしいセリフ回しでおっしゃったんだとか、すごく計算されていて。
絶妙なんですよね。この下手くそな説明ゼリフは果たしてどう思われるんだろうみたいな。
だからぜひこの本を、曽根さんの本を読まれてからもう一度亀戸目ご覧になると、本当にまた3倍ぐらい楽しめますよね。
本の宣伝ばっかりしていただいてありがとうございます。
いやいや、面白かったんで、やっぱもう一度見たくなったんであれですけども。でも何ですか、これ本は書きたくなったんですか?
そうですね。
お小遣いがなくなったんですか?
というわけじゃないですけど、書く、書いておくべきだろうと思って。
書いてるとものすごい長文になってしまって、出版社を探して出させていただいたんです。
やっぱりね、低予算の日がヒット作になったっていうのは、やっぱ日本の映画界ではもう、すごい深夜のごとく現れて皆さんが、本当きらめく星になりましたものね。
ありがとうございます。まだまだお付き合いいただきたいので、来週もよろしくお願いいたします。
お願いします。
今日はありがとうございました。
ありがとうございます。
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