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イタリアで受賞したんですね、カメラを止めるのが。受賞した途端、試写会が立ち見が出るぐらい満席が出始めて、なんかTwitterとかでバツ売りを上げたりとか、その映画祭のタイミングといい、なんかいろいろ、いろんなタイミングが良かったんだなと。
黒木瞳の映画ここだけバナシ
こんにちは。ひまわりで配信始めました。黒木瞳の映画ここだけバナシ。今日も聞いていただいてありがとうございます。そして、プロフェッショナルな方は、前回に引き続き映画監督であり、撮影監督の曽根たけしさんです。よろしくお願いいたします。
曽根たけしです。よろしくお願いします。
はい、曽根さんは、あの有名なカメラを止めるな!のカメラを止めた人です。
そこからですか。はい、カメラを止めたらしいです。
もう最後だって言って、これ以上今日はもうできないって言って、最後に撮った時の長回しの最中で止めてたと。
はい、カメラ止めてたんです。私が止めちゃったんです。
もう、キャメラマンが止めたらもう誰も文句言えませんよね。
いやいやいや、文句言われないのは言われないので辛いんですよ。もう激しく文句言ってくれた方が、ちょっとああ、ああみたいな。沈黙のちょっと方が怖いなと思います。
でもそれは、この作品においては沈黙だったと想像できますね。
よくあの、演者でね、作品出る時に、あの、技術スタッフの方が、こちらですってもう一回お願いします、こちらですって言われる時があるじゃないですか。
それがあの、こちらですじゃなくて、本当はあなたの芝居よっていう時もあるわけですよ。
うん、ありますね。ありますね。あの、監督、監督もそうですし技術スタッフもそうなんですよ。監督と連携して、何かの都合で役者さんが何かあってもう一回やりたいっていう時は、誰かのせいにしたことにするっていうのはよくあります。
うん、そういうのありますよね。暗黙のね。
はい、暗黙の。
本当に。どれくらい経つんですか?映画に携わられてから。
えーと、12年、13年とかですかね。
じゃあもう結構ベテランでらっしゃるんですね。
そう、そうなんですかね。何十年とやってらっしゃる方に比べたらまだまだですけど。入った当初は、こんなに長く携わるとは思ってなかったですけど。
でもやっぱり好きなことだったんですね。映画というものにやって。まあそのカメラを止めるなのお話をずっとさせていただいておりますけれども、この長回し、お好きだっておっしゃってましたけれども、長回しがこれはもうできないんじゃないかって思って台本が2種類あったそうですね。
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はい、あ、そうですね。長回し、あのワンカットの中のワンカットの長回しはあるんですけれども、その映画の中で描かれているのは、ワンカットがうまく撮れなくてみんなで試行錯誤して何とか撮ったワンカットなんですね。
で、ややこしいんですけど、問題とかトラブルが落ちなくてスムーズにいったであろうワンカットのお話というのがありまして。
意味わかりますかね、これ。
わかります。
はい。
あ、そっち。成功例。
はい。成功例に成功例の台本を撮るつもりで、演じたさん、役者さんはみんなその思いでその行動を起こすんですけど、うまくいかなくて。
はい。
用意されたカメラを止めるなの台本になってしまうと。
ほー。
そういった意味でみんなの気持ちとか行動原理を作るために、成功例の台本も用意されてたっていうのがカメラを止めるなです。
そういう意味なんですね。
はい。
じゃあものすごく緻密に描かれた、寝られた本だったんですね。
でもそっちがなかったら、みんななぜこういう行動をするのかわからないみたいなポイントもほらあったかと思うので、一種類台本を用意しておいてよかったんだと思います。
酔っ払いの人とかね、お腹くだす人とかね。
はい。そんな想定じゃなかったですから。
あの娘もいい活躍するしね、奥さんも元役者だったとかね。
本当にもういろいろ、だからすごく計算され尽くされて、計算し尽くされて描かれた本なんだなっていうのが率直な意見なんです。
そうですね。その本は本当によくできてるなと思いました。
ですが、本を読んだ当初の感想というか思ったのは、よく寝られてるけどよく完成像が想像できないみたいに思いました。
想像ができない。
はい。これどう出来上がるんだろうって。
珍しいんじゃないですか。
ですかね。
大体本を読めば、ああこういう風になっていくんだなとかありますよね。
自分もこういう風に撮りたいなとか。特に撮影監督でいらっしゃるから、例えばイントレが必要とかクレーンが必要とかいろんなね、ジブが必要とかいろいろあるじゃないですか。
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その器具の。器具って言うんですか。道具って言うんですか。
もちろん各シーンのこういった、こういう風に撮るとかのイメージはできるんですけれども、完成された時にこのワンカットの裏舞台みたいなのがすごくうまくいくのかどうなのか。
お客さんにどう届くのかっていうのが結構想像できないなという部分があって、うまくいけばすごくうまくいきますし、うまくいかなかったらお客さん置いてけぼれにされてあるんじゃないかなとか思ったり。
なんかそこが結構想像できなくて。
で、さぐりさぐりで私たち監督も含め作品を撮ったんですけど、作品を撮り終えたワンカットとかそうですね。
撮り終えた時点でもみんなものすごく達成感はあったんですけど、この作品どういう風に仕上がってどういう風になるんだろうっていうのがそこまで想像できてないっていうか。
監督自身もアップした時にこれどうなるかがちょっと思い浮かばないみたいなおっしゃってましたね。
そうなんですか。
もちろん一つ一つの撮った絵はわかってますし、こういう風に編集するんだろうなともわかるんですけど、なんか全体のイメージがどういう風になるんだろうっていうのがなんか想像も及ばなかったっていうか。
なんですかね。奇跡のヒット作っていうことですか。
でもヒットするのは必然ですもんね作品的には。だから奇跡じゃないね。
公開の過程でのなんかいろんななんか拡大劇場が拡大されてたりとかは結構運だったり奇跡な面もあったかなと思うんですよ。
とある方が劇場に来られてそれに関していろいろコメントしたことがバズったりとか。
アスミックエースが廃墟に途中から入ったんですけど、最初劇場公開がなんとか決まりましたと。
最初は2週間3週間かな限定公開だったんですけれど、その2週間目ぐらいにアスミックエースの方がたまたま見に来られて。
見に来た翌日ぐらいにもううちが廃墟するみたいに名を挙げていただいて、その方がそのタイミングで見に来なかったら。
いろんなタイミングってあるなぁと思いますね。
あとは映画祭ですね。最初映画祭出てた頃は満席にならなかったんです。
映画公開に向けて2ヶ月ぐらい前から試写会をやってたんですけど、試写会も全然人がそんなに集まっているわけではなかったんです。
その試写会をやってた途中でイタリアで受賞したんですね。
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カメラを止めるのが。受賞した途端、試写会が立ち見が出るぐらい満席が出始めて。
試写会に来ていただける著名人の方がまたどんどん自主的にコメントをあり始めて、こちらからお願いせずどんどんツイッターとかでバツ売りを上げたりとか。
その映画祭のタイミングといい、いろいろいろんなタイミングが良かったんだなぁと。
それじゃあ日本の方じゃなくてイタリアの方が最初に。
そうですねイタリアですごい大ヒットの人気が出て、その記事が日本に記事が出まして。
それはどうよ。
それまでは日本ではそんなに注目されているのかどうか。
それはちょっと自国愛がちょっと足りないんじゃないのそれ。
お客さんからはすごい受けがいいのに、映画祭からあまりよく思われてないのか。
その前にユーバリー国際ファンタスティック映画祭っていうのがあったんですけど、ユーバリーの枠ではクロージングセレモニーの時間帯にカメ止めて上映されてたんですよ。
一番狭い会場でお客さんが来ないであろう時間帯に上映されてて、なんだこれはと思って。
映画祭の審査員というか映画祭なんでこんな時間帯にこの映画を上映しようとするんだと。
なんか嫌われてるとしか思えないぐらいに思ってて。
ところが口コミで一番狭い会場ではあるんですけどちょっと立ち見が出るほど人が集まりまして。
かつそこで受賞したんですね。観客賞っていうお客さんの投票での賞を取りまして。
ほらやっぱり視聴者は面白いと思ってくれてるじゃんみたいな。映画祭なんなんだみたいな。
なんかね、ちょっと私は奥歯に物が挟まったような言い方しかできないですけど。
なんかね、審査員の方もね。
審査員見る目がないんじゃないかなみたいな。
審査医者の方もね、私も最後までは言えませんけど。
そうだったんですか。
でもやっぱりそういった一つ一つのことが積み重ねてこのヒット作を生んだっていうことなんですね。
あとその過程の中でキャストの皆さんが毎日舞台に立って舞台挨拶を200日ぐらい連続で舞台挨拶してらっしゃいます。
200日!?
なかなかあり得ないことだと思うんですけど。
200日!?
200日半年以上毎日毎日舞台挨拶をどこかの劇場でやっているという宣伝活動をずっと続けたりとか。
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そういったのもどんどんどんどんファンが膨らんでいく。
皆さん、ワークショップというか、プロじゃないアマと違いはなんだろうって。
この映画を見たときに思いました。
だから違いないような気がしました。
違いはないんですよね。正直ないんですよね。
本当に面白い作品は面白いですし、それがちゃんとお客さんに届いて面白いと思ってもらえれば、それがちゃんと収益を上げていれば、それはもうみんなプロフェッショナルなんだろうなと思いますね。
おっしゃる通りです。
それは、フローとアマの違いってなんだろうなとかって、芝居そのものが正解はないですし、エンタメの世界でもね、何が正しいのかそれはわからない。
見る人の心を打つか打たないのかはその人次第ですからね。
長回しっていうのは、私は舞台から出発したので、長回ししていただいた方が嬉しい派なんですけど、だから映画って細かく切るときが多いじゃないですか。
そうですね、多いですね。
だから、そこでやっぱり感情をキープしていくっていうのは難しいです。
例えばテレビとかだと、マルチって何台?6台?7台?とかってやって、ワンシーンをワンカットで、ワンカットというか、通しでやれるっていう時って本当に嬉しいですね。
その方がやっぱりやりやすいですか?
特にやっぱ感情がワーってくる時っていうのって、え、なんでここで切るの?みたいな時もあって、やっぱり人ってね、ボルテージ本当にね、急に0から100には持っていけないので、
だからその辺のっていうのって、やっぱりマルチでやってると意外と舞台感覚で長めに撮れる、気持ちが持続するみたいなこともありますね。
そうですね、撮ってる時も結構まあ、ここは感情が結構入ったりとか、演者さんのテンションが入ってやり合うシーンとかは、マルチでずっと眺まして撮った方がいいだろうという判断で撮ることは結構ありますね。映画の中でも。
昔はもう感情が来ちゃったら、もう涙が溢れそうになるようなシーンの時に来ちゃったら、もうキャメラマンが回すぞっておっしゃってくださったりとか、やっぱりちゃんと役者を見てくださってるキャメラマンの方がいらっしゃったりとか。
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私一番驚いたのは、クゼテルヒコさんというTBSのディレクターをやってらっしゃった、亡くなりになったんですけども、クゼさんとどうしても仕事がしたくて、やっと念願かなって松本聖長の坂道の家というドラマを撮ったんですけども、最後に長い告白のシーンがあるんですね。
その時に監督がおっしゃったのは、このセリフで涙が出て、このセリフで頬を伝って、このセリフで上を向いた涙が首筋を通って、それで首を戻して、長いセリフだったんです。
やってくださいっておっしゃったんですよ。
それで、はいって言って、これ家で練習するわけですよ。
どこでボルテージを上げればいいか、そしたらそれおっしゃるように、そこで目から涙が出てくるっていう。
で、なんか普通に練習してても全然うまくいかないから、なんかよし、ビール飲むかみたいな感じで、ビール飲んで。
で、ちょっとアルコールが入ると感情も来るじゃない。
でも本番ではできないし、お酒飲むことはできない。
でもそれも本当にすっごい一人で練習したわけですよ。
そしたらすごいナーバスになってて、私も。
で、当日、早い早い早い、ちょっと早いと思ったけどしょうがない、もう来ちゃったから。
で、監督がおっしゃるところでほっぺたじゃなくて、ちょっと早かったんですよ。
で、上向いたのもちょっと早かったんですよ。
で、カットっていうのがあって。
まあいいよとかって、天の声がするわけですよ、サブが。
それで、じゃあ次のセリフを言ってくださいって上からおっしゃって。
それで、なんとかかんとかって言って。
もう、照明ついてないんですよ。
ナレーションみたいな感じだから。
そしたらそれを、
結局多分監督が回しとけって言ったんだと思うんですよ。
それで、結局それを使われたみたいな。
はいはいはいはい。
いろんなことが、現場で気持ち悪いんですよ。
で、それを、
それを使われたみたいな。
はいはいはいはい。
いろんなことが、現場で起きますね。
ちょっと急に思い出しました。
でも、結構ありますね、なんか。
回しとけ、みたいな。
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回しとけもありますし、回しといたほうがいいだろうみたいなの。
自分だったら、OKが出ましたと。
OKが出たけど、OKが出た後のほうがよかったりするって結構あるんですね。
で、ほっそり言わずに回しといて、そっちを使うみたいなの結構ありますね。
監督がもちろん言うときもありますし、勝手に自分が回してることを知らないところで監督に回してるんでって言って、それを使うこともありますし。
やっぱり、キャメラマンと役者って感情が一心同体みたいになるときってあるんでしょうね。
あるんですね。あるんですね。
だから映画はやめられないんですね。
今のもちょっと裏舞台のエピソードになりそうですけどね。
何でも。
ネタ泥棒。
よくあるネタです。よくあるネタです。
今回もありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。
ありがとうございます。