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2021-08-18 16:45

13_2 日本で一番インターステラーを観た科学の先生(ゲスト:字幕科学監修 山崎 詩郎さん)

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今週のゲストは東京工業大学理学院物理学系の助教の山崎詩郎さん。何故山崎さんはTENETの字幕科学監修になったのか?今回はノーラン監督 前々作『インターステラー』をおそらく日本で一番観たであろう科学の先生、山崎 詩郎さん。世界で一番大きいシアターで『インターステラー』を観るためだけに海外に行った?!ここだけバナシ聞いていきます

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世界最大のアイマックスシアターで7回目見るために、オーソラリアまで日帰りで旅行で行ってきました。
いかがでした?7回目は。
世界最大のシアターですので、日本にある最大のシアターが4枚分ぐらいの大きさ。
そんなに大きいんですか。
黒木瞳の映画ここだけバナシ
黒木瞳の映画ここだけバナシ、今日も聞いていただきありがとうございます。
映画に携わる様々なジャンルの方々とここだけ話をしていきます。
今回のゲストは、前回に引き続き映画デネット字幕科学監修の山崎詩郎さんです。よろしくお願いいたします。
山崎さんは物理の女教授でいらっしゃるんですけれども、もともとインターステラーのファンになられたのはどういったところですか。
最初は、私SFAが好きと言っても普通のライトファンぐらいな感じだったんですね。
インターステラーが登場した時も、ノーラン監督がまた映画を作るらしいなとか、
ブラックホールが出てくるらしいなぐらいの感じで、すごいライトな感じで映画館に行ったんですね。
そしたらですね、映画がどんどん進んでいきまして、一番最初にワームホールっていうのに突っ込むシーンがあるんですけれども、
そのワームホールが今までの映画で見てきたような、いわゆる作り物のCGのものじゃなくて、
本当に科学に基づいた相対性理論に基づいて計算された超リアルなもので。
ごめんなさい、その相対性理論っていうのは何ですか?
相対性理論というのは一言で言うと、時間と空間の科学と言えます。
時間と空間の科学。
はい。普通我々は時間は普通にこの1秒、2秒、3秒で進んでますとか、
あと空間はすごい固いものだと思ってます。
上とか前とかにこうやって空間が曲がるなんて考えないんですけども、
相対性理論では時間がゆっくり進んだりとか、空間が歪んだりですとか、
そういうことが起こるという、そういうのを説明する学問が相対性理論というふうに言われています。
もともとそのアインシュタインが時計の針を見て考えられたみたいな学問ですね。
そうですね。アインシュタインは実は科学者になる前はですね、
特許局に勤めておりまして、
町中にある時計の時間を正確に合わせるにはどうしたらいいんだって考えていたんですね。
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今は当然電波時計とか自動的にインターネット経由して時計の針の動機して動きますけども、
200年前とか100年前とかどうしたらいいかということで、
アインシュタインって町中にあるいろんな時計等の時間を一斉に合わせるにはどうするか、
なんてことを科学者になる前から考えていたんですね。
そういう発想がずっと彼の頭の中で悶々としていて、
時間というのは実は正確に合わせることはそもそもできなくて、
あなたはあなた、私は私の時間を持っている。
そういうのを相対的な時間と言うんですけども、
そういう今までカッチリカッチリしていた時間をすごくやんわりとしたソフトな時間に、
概念をガラッと変えたのは科学家の一番の展開ですね。
だからこのインターステラーの中にも重力が時間を変えていくわけですよね。
1時間が7年、地球でいうところの7年は宇宙の方に何とかせいに行ってしまうと1時間だという、
そういったところをやっぱりノーラン監督が取り入れてらっしゃる。
まさに今おっしゃったのミラーの惑星というところでして、
津波が発生した惑星というのがわかりやすいんですけども、
津波ね、海が縦になった時は驚きましたけど私も。
ノーラン監督ああいう平らなものを縦に立てるっていう演出が非常に好きでして、
ミラーの惑星では海ってもちろん水平ですけども、
水平な海が縦にこうやって競り上がるかのようにそういう表現したりですとか、
実はインセプションという映画で街が曲がりましたね。
やっぱりノーラン監督はそこでの成功体験をちょっと忘れられなかったのかなと思っていまして。
結構気に入ってらっしゃる。
気に入ってるんですよね。
もう何回も何回もこの平らなものを曲げるっていうのはですね、
インターセラーの中でも3回ぐらい。
最後のシーンで野球やってるシーン覚えてますか、最後。
野球ってもちろん平らなグラウンドでありますけど、
ホームランを打ったら、その球が飛んでった先見たら街がなんか上の方にロールアップしてるシーンですね。
あれも構図とかも含めて、
ロールアップしてる演出が何回も同じような感じで出てくるので、
彼の中では超お気に入りの演出なんじゃないかなと思いましたね。
インターセラーは本当に知人に勧められて、
ぜひ見なさいということで拝見したんですよ。
でも、ちんぷんかんぷんだったです。最初。
でもなんとなくわかるんですよ。
いろんな危機になっても流行病が出てても、結局酸素が少なくなってみんな窒息してしまうから、
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地球を救うんじゃなくて、地球を去るのだと。
っていうところから始まっていくんですけれど。
その辺はわかるんですけど、
そのブラックホールとか相対性理論とか出てきてしまうと、
わかったつもりで字幕を読んでるんですけど。
でも本当にもっと知りたいな。どうなってんだろう、どうなってんだろうと思って。
科学者が一番怖いのは重力だっておっしゃいました。
あれってどういう意味なんですか?
あれはですね。
要は科学者は、私もその一部ですが、
理解していきたいと思う生き物なんですね。
いろんなものをなるべく理解して。
理解して、はい。
理解ですね。
今のところ、重力とか時間ってのはまだ完全に理解できてない部分でして、
そうすると科学者的にはすごく手強い相手というふうに考えて、
そこで恐れてるという表現を映画の中で出てきたという感じになりますね。
ニュートンが重力というものを発見したんですよね。
そうですね。一番最初は、昔は実は重力なんてないと思われてまして、
すべてのものは地面に張り付こうとするっていう、
張り付こうとする?
昔は地上のものと天のものは別のものだっていうふうに考えられてまして、
地上のものを天に送ろうとしても地上に戻ってしまう。
天のものはずっと天にいるということで、
全然今とは違う世界観を持ってて、
でもニュートンは、そういう考えじゃなくて、
全てのものは地上に、下向きに力を受けてるんじゃないかと考えて。
それが重力だと。
そうですね。重力と名付けたということで。
それが重力の理解の第一歩目という。
でもそれは日本の、日本じゃなくて、この地球の重力だけれども、
他の星の重力はまた力の加減が違うわけですよね。
そうなんです。
例えばお月様に行きますと、地球の重力よりも6分の1ぐらいになりますので、
例えば体重もし50キロの人間がお月様に行ったら、
体重10キロ分ぐらいの力しか感じないので、
すごい高くジャンプできるようになるし、生活もしやすい。
月でオリンピックしたらすごいことになりますね。
もう新記録出まくりですよ。
出まくりですね。
出まくりですし、たぶん100年後ぐらいに月で、
新しいオリンピック種目とかできてるんじゃないかと思いますね。
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やはり重力が違えば、スポーツの流行りも違うと思いますので、
サッカーとかも全然違うルールで行われるようになると思いますし、
ぜひそういうスポーツで出てみたいと思いますね。
出てみたいですか。
じゃあ映画のお話に戻ると、
ノーラン監督の前々作、インターステラー、大ファンでらして、
このインターステラーをもとに、いろんな方々に物理を教えてらっしゃる、
科学を教えてらっしゃるということなんですけれども、
オーストラリアに一泊二日で行かれたと。
その話、じゃあ少ししましょうか。
インターステラーを、まず日本にいるときに、
一回見た後に、先ほどの話の続きですけれども、
ワームホールのシーンを見て、もう頭が完全にプッツンしてしまいまして、
もう一生忘れられない脳の新しい回路が脳に形成された瞬間というか、
映画を見てて、これは自分の中で一番好きな映画か、
2番目に好きな映画になったと思って、
でも何回も何回も見まして、6回見ました、まずは。
でももう一回見たいなと思ったんですが、
もうインターネットで調べても、映画の上映が全部終わっちゃってたんですけれども、
なんと、世界で一番大きなアイマックスシアターであれば、
あと3日間だけ映画館で上映がされてるっていう情報を突き止めたんですね。
で、それが場所がシドニーだったんですよ。
あと3日間で、もう日本中で、世界中でもあと3日しかないってことで、
その日のうちに私はオーストラリア行きのビザを取りまして、
航空券のチケットも20万円ぐらいかかりましたけど、直前に取るので高いんですよ。
7回目のインターステラを見るのに。
世界最大のアイマックスシアターで7回目見るために、
オーストラリアまで日帰りで旅行で行ってきました。
いかがでした?7回目は。
もうですね、7回目がまず良かったのもありますけれども、
やっぱ世界最大のシアターですので、
日本にある最大のシアターが4枚分ぐらいの大きさなんですね。
そんなに大きいんですか。
だからもう上映中も、何ていうか映画を見るというかは、
中にいるような感じなので、
右から左に首を振りながら、
4枚の映画館のうちどれを見ようかなというぐらいですよ。
右上、右下、左上、左下に全部映画のスプリーンがあるような感じですので。
で、例のワームホールが出てきた。
私が一番普通に来てしまったシーンですけど。
ワームホール。
ワームホールってどこのシーンですか。
序盤から中盤にかけてのシーンなんですけども、
最初にクーパーたちが宇宙船に乗って宇宙に行きまして、
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土星の近くまでまず行きました。
土星の近くに黒っぽい毛玉みたいなのがあったシーンがあるんですけども、
そこが休憩の穴と呼ばれてまして、穴ですね。
そこにワームホールに突っ込んで、
なんかホースみたいな中を通って、別の銀河から飛び出してきたっていうシーン。
なんかガタガタガタガタって。
あれがやっぱり今まで見た映画の中でも一番触れたんですか。
私はそうですね、一番か二番かぐらいかもしれませんね。
あの騒音みたいなガタガタガタっていう音もすごかったですし、
実はワームホールに入る前に休憩の黒っぽい玉みたいのがありましたけども、
あれ別に派手さも何もないんですね。
すごく淡々と相対性理論、忠実に守って描かれてるっていうのがすごく感じまして、
やっぱそういう作り物よりもすごくリアルなものに科学者なので惹かれるところがありまして、
あのシーンは本当に、後半のブラックホールのシーンももちろん大好きなんですけども、
あの映画見た時に最初にジーンと来たのはあのシーンでしたね。
ワームホールを見てジーンと来てしまうのが科学者という感じですね。
でもそこまでやっぱりノーラン監督っていうのは、科学を忠実にというか、やっぱり取られたってことですね。
実は科学監修してる方がキップソーンという方がいるんですけども、
その方が相対性理論の専門家の方でして、ノーベル物理学賞も取ってるようなすごい先生なんですけども、
その方が実は科学監修してるので、
インターステラーはああいう今まで見たことないような科学的にリアルなブラックホールとかワームホールの再現がなされまして、
それで確かアカデミー賞の資格賞とかも取っていたと思いますね。
でその7回目をオーストラリアまで見に行かれて、
そしてそのインターステラーをもとにいろんな方々に科学の魅力を普及してるというか、
そういうことをやってらっしゃったと。
そうですね。
山崎さんがね。
そうですね。
大体まさに映画インターステラー黒木さんが見た時に、
面白かったけどもあのシーンって何だったんだろう。
あのシーンってどうだったのって。
ブラックホールって何なの。
ワームホールって何なのって。
頭の中がハテナでいっぱいになったと思うんですね。
それでその需要に応えたという感じでして、
じゃあインターステラーを科学的に説明してあげるということで、
もうプレゼンを500ページぐらい作りまして、
今まで100回ぐらいそういう講演会をいろんなところでやっていきましたね。
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じゃあ私は今日は1対1で聞けるわけですね。
リスナーの皆さんも聞いて欲しいけれども。
もう無料で全然大丈夫ですので。
ありがとうございます。
ただねインターステラーってもちろん科学がわからなくても、
最後に彼が自分の我が身を捨てて、
地球を救うのか何か言って、
5次元の世界に行くじゃないですか。
そうすると時間が過去になって、
過去の自分が見えたり、過去の娘が見えたりして、
なんとか信号、何でしたっけ。
モールス信号ですかね。
モールス信号で同じ本が落ちるっていう、また繰り返すじゃないですか。
ああいうところのロマンというか、娘への愛、父の切なさみたいなものがグッときました。
そうなんです。
実はノーラン監督の作品私が好きなのは、
決して科学的にリアルだからとか、
そんなことは正直言うとどうでもいいと言っちゃいいすぎなんですが、
やっぱ親子の愛ですとか、
そういう親子の愛のシーンに重力の理論とかを、
本当に直接入れてくるところがすごいなと思いましたね。
やっぱそういう愛の話がメインであるから、
ノーラン監督の作品は楽しいというか、
深く思い出に残るのかなって思いましたね。
ありがとうございました。
引き続きまたノーラン監督の作品について、
山崎さんにいろいろと教えていただきたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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