1. プロジェクトの秘訣を探る Project Design Room
  2. #14-3 「工場を誇ろう」掛川か..
2024-10-02 19:01

#14-3 「工場を誇ろう」掛川から製造業を更新する | COPREC代表 小林永典

spotify apple_podcasts youtube

起業家、科学者、クリエイター、新時代を導くプロフェッショナルの原動力に迫るインタビューシリーズ。「プロジェクトデザイン」の視点から5つの質問を投げかけ、プロジェクト成功の秘訣を探ります。

第14回目のゲストは、静岡県掛川市「COPREC」代表取締役の小林永典さんです。

地方の「板金企業」が「メタルクラフトカンパニー」に脱皮し、工場現場ありかたを抜本的に改革し、産業全体を更新していく挑戦について、対話を深めました。

<ハイライト> #10年後に社長にするから特別扱いする #恋人や家族に誇れる職場 #投資を費用と履き違えない #差を見えるようにすれば質が高い方に流れる #求職者が2年で3.5倍に

<5つの質問> #1 VISION・工場を誇ろう #2 CHALLENGE・否定された過去 #3 RESOURCE・人的投資と人的費用 #4 CORE・困難の中でも貫く中核 #5 COLLABORATION・産業を超えた共感

<関連記事>< ◯企業のビジョンが産業を更新する日

https://note.com/dem_yeah/n/n44a8c122024b

◯ブランディングプロジェクト―「工場を、誇ろう。」

日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞2024受賞:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01009/?i_cid=nbpnxr_breadcrumb

https://www.coprec.co.jp/news/20240624

■株式会社コプレック(COPREC) コプレックは1951年に創業した精密板金総合加工のプロフェッショナル企業です。「工場を、誇ろう。」を企業理念に掲げ、技術を磨き、製品を作ることだけではなく、日本品質を支えてきた工場が、働く人々にとって快適で安心して働ける場所となることを目指し、製造業の新たなスタンダードを掛川から発信しています。

コーポレートサイト: https://www.coprec.co.jp/ コーポレートムービー: https://player.vimeo.com/video/866382073?h=238b0a5842

00:00
プロジェクトの秘訣を探る Project Design Roomです。
それでは引き続き、COPREC代表の小林永典さんにお話を伺っていきます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
だいぶ小林さんという人が大切にしていることとか、
お伺いできてきたなと思うわけですが、
その中で結構大それた言葉を会社のビジョンにしたじゃないですか。
工場を誇ろうという非常に短くて太い言葉を採用されたなというふうに思っているんですけど、
これ見たときどんな気分で採用されたとか、何か覚えてます?当時のこと。
そうですね。壮大だなっていうような印象が。
一応でかいなとは思ってたんですね。
でかいなとは思いました。
そうですよね。でかいという自覚はあったんですね。
ありました。
世の中の人たちが全部そう変わっていくことがとても素晴らしいことだなと思いつつも、でかいなと思いましたね。
結構、行ったからにはっていうところで、だいぶ責任を背負ってもらわなきゃなと僕は思ってますけどね。
普段前に出ることがあまり好きではなかったんですが、さすがに腹がくくらないとなという気持ちにはなりました。
結構その傾向って僕らとしては嬉しくて、僕らもどちらかというと裏方で、
ブランディングやってて一番いいなって思う瞬間ってそこで、当事者のケツに火がついてるかどうかっていうことなんですよ。
ついてますね。
かっこいいワードが見出せたかとか、おしゃれなデザインができたかとか、大事ですけど、ぶっちゃけそこはむしろデザインをプロフェッショナルとしてやってる以上は当たり前の最低ライン。
なるほど。
だと思っていて、そのバトンを受け取った人が動かずにはいられなくなってるような状態になってるかっていうのをいつも自分たちの評価に置いてたりするんで、小橋さんはもうダッシュしてますね。
そういった意味では、あの言葉ができたことによって私の人生変わりましたね。
そうっすよね。でかいっすよ。
でかいですよね。
しかも面白いなって思うのが、うちの会社はこういうことにコミットしますとか、世の中をこう良くしますとかじゃなくて、工場を誇るって、ある意味では中途半端というか、プロセスにフォーカスしてるんですよね。
03:01
で、その先どんな良いことがあるかっていうのは、もちろん期待感がすごく膨らむようなところもあるんですけど、ある意味なんかあんまり結果にコミットしすぎない、でもプロセスには超コミットするみたいな、今回ワードを一緒に開発したなっていう感覚ですね。
そうですね。
急にそれでみんなが変わるってことはないかなとはもちろん思うんですけど、少し小さい変化でも起きてたりしますか。
もう社員のムシュメーションとかですね、それに共感してくれて、新たなお付き合いなんかも増えてきまして。
営業面でも。
営業面でもそうですね。
もともと製造業ってどうしてもスペックでのお付き合いが多かったわけですよ。農機が似合うかとか、コストが合うかとかで来ることが多かったんですけれども、なんか共感ベースで来る方が増えてきまして。
なんかこういった理念を持ってる会社さんと一緒に仕事をしたいであるとか、なんかちょっと御社に任せてみたいだとか、そういった案件が少しずつ出てきましたね。
なんか面白いですね。それすごいな。いわゆるクラファンとかがバーって勃興してきたような時代を僕ら見てきてますけど、応援購入みたいな。
別にタオルはスーパーでも買えるけど、この人からこのタオル買いたい。しかも別にすぐ届くわけじゃないけどみたいな。
そういうことにちょっと近い共感からのお付き合いが生まれたのがめっちゃいいですね。
ありがたいですよね。そうなると社員もやる気が全然違うので。
とじれないですよね。そんなオーダーを受けたもんだから。
とじれないですね。
いいものを作りたいしね。
あと実際にもう社長、こういう仕事楽しいですみたいなこと言う社員も出てきてですね。こういう仕事やりたかったんですよねみたいな感じの言う社員も出てきて、なんかとても面白いなという感じがしてます。
そっか、いやでもなんか僕結構そこがなんだろうな、ともするとエモーショナルな話に閉じちゃうのはめっちゃもったいないと思っていて。
でも最近小橋さんと経営の話とか数字の話とかもなんか少し伺う機会があって、やる気とかモチベーションとかってものすごく数値化しにくいじゃないですか。
でもやっぱりダイレクトに聞いてるんだなと思ったのが、不良率の低減みたいなワードで説明されるとむちゃくちゃ負に落ちるんですよ。
それってちゃんと数字に変わるなみたいな。
こういうお客さんだよとか、作ってるものはこういう四角い箱なんだけど、これいつもと違うこういうお客さんがオーダーしてきてくれてて、これがどういうふうに世の中に出ていくと社会が良くなるよみたいな。
06:13
大げさに言うとそういうところまでストーリーがつながってやる気が出ると、不良品減るんだみたいな。
それって利益につながるなみたいな。
つながりますね。
面白いですよね。
面白いと思います。
なのでこの工場誇ろうっていうのは、あくまでもうちだけの閉じたもんじゃなくて、社会全体に影響していけたらと思ってるんですが、
実際にこう仕事の質がうちで上がってるんであれば、日本全国で広がっていけば、日本全体の製造業の質も上がるんじゃないかっていう期待感は、期待感というか確信がほぼありますね。
そうそう、なんかそれめっちゃ勇気出るなと思っていて、
小林さんたちといろんなものを作っていくと、おのずとすごいパブリックなものになりがちだなと思っていて、
いくつかのブックを作ったじゃないですか。
イエローブックとシルバーブックですね。
イエローブックっていうのをちょっと説明してもらってもいいですか、どんなものか。
イエローブックというのは、うちが今までやってきたプロジェクトを分かりやすくまとめたブックになっています。
さまざまなもののデザインであるとか、フォントの使い方であるとか、色使いとかですね。
そういったものが分かりやすくまとめられたブックです。
これ何で作ったかと申しますと、うちの活動をもっと他の会社さんにも広げたいので、それを多くの企業さんに無料で配布しています。
うちに見学に来て、そのブックを持って帰った方々が、自分の会社でそれを参考にして自社を変えるきっかけになってほしいなと思って配布しています。
これがイエローブックですね。
そうですよね。だからなんか競合漁するみたいな感覚からすると、なんか真逆のことやってるなっていうような感覚に朝早かに見るとですよ、思うんですけど。
もっと良くなるでしょうとか、やっぱりそれを見てくれた人から当然ありがとうって感謝されるだけじゃなくて、意外とあ、だったらこういうところ工夫した方がいいんじゃないとか、逆にフィードバックをもらえたりすることもあるんですね。
そうなんですね。そういうのも期待してますし、このイエローブックも今はうちの事例だけですけれども、そういった形で多くの企業さんからのアイディアもまた盛り込んで、情報量を増やして一般販売なんかできたらとても楽しいなと思ってるんですよね。
そうですよね。結構やっぱり僕らもご視聴させていただく中で、かなりやっぱり気を使ったのが、普通ブランド作りって独自であればあるほどいいんですよ。
なるほど。
他が真似できない、追いつけない表現とか立ち位置を作れた方が、やっぱりマーケティングもしやすいし、人材採用もしやすいし、運の勘のいいことだらけだよねって発想なんですけど、
09:09
どうやったら他にパクられるか、真似されるかみたいなことをずっと考えてるなーって思って。
そうなんですよね。
そこがやっぱり、いわゆるコーポレートブランディングっていう領域を凌駕してて、産業のブランディングをしてるっていう感覚なんですよね。
そうなんですね。確かにそう言われるとそうかもしれない。
そうそう。でもなんか、やっぱりそうやっていかないと、いろいろもう間に合わなくないですか、この国みたいなことも思うし。
それは思いますね。
もっと言うと地球レベルでやんなきゃいけないこともたくさんあると思うし、皆さんみたいな重厚長大な金属を扱うようなお仕事をやっていればいるほど、
もうちょっと少ない材料で作れるやり方がないのみたいなこととか、個々人がそれぞれやってることはあるかもしれないですけど、
もっと騒ぎながらやったほうがいいんじゃないかなって思います。
そうなんですよね。騒ぎながらやりたいですよね。もっとね。
そう。で、やっぱ職人さんいるじゃないですか。見させてもらうと背中がすごくかっこよくて、
その角度で曲げられるんだみたいなのとか、やっぱ俗出するんですよ、毎回。
そうなんです。
なんですけど、商品を手に取ってる人からしてみると、ありがたみ損失でしかない感じがすごいあって、
やっぱそのプロセスに対する情報の味というか価値というか、そういうのもやっぱり騒ぎながらやりたいし、
なんでこんなとこちょっと意味ない穴が開いてるんだろうみたいなことも、
いや実は。
意味があるんですよね。
実はこれあると全然違うんですよみたいなのも、やっぱり知りたいですけどね、物を使っていく消費者という立場から。
そうですね、そういったものを見せられるようになっていくといいですよね。
騒ぎながらやりたいですね。
そうですね。
それいいな。でもやっぱり誇っていこうと、もうちょっと後に引けない大言を言い放った後に、
ちょっとやっぱり聞いてくださってる方、経営とかリーダーシップを取られてる方多いと思うので、
ちょっと数字の話もしたいなと思っていて、
きらびらやかになったねっていうことじゃなくて、何か増えた数字とか改善された数字とか何かありますか?
一番大きなのは求人の数ですね。この活動を始めて2年で3.5倍になりましたね。
めっちゃ増えてますね。
めっちゃ増えてますね。もう誰に言ってもびっくりされるくらい増えてますね。
12:01
製造業だけじゃないんですけど、めっちゃ人不足ですもんね。
そうなんです。うちも田舎の中小企業ですから、人不足にはずっと悩んでたんですけれども、
そんなに増えて、最近ではあんまりこの危機感を感じることもなかったです。
しかもですね、結構来てくれる方の、失礼と言ったら失礼ですけど、
とてもいい方が来てくれるようになりまして、
今まではやっぱりどうしても経験者であるとか、製造に興味があるであるとか、
工業高校出てました?みたいな人が多かったんですけれども、
今では全然飲食店やってましたとか、違う分野の方が何故か注目してくれて、
そして何故か、物作りやりたいんで来てくれる方が何か増えてるんですよね。
何か関わり方の種類とかも増やせそうですね。
そうですよね。
必ずしも常勤の社員じゃなくても、コープレップの仲間になりたいとか。
本当にそうですね。
会社の同じ屋根の下じゃなくても、プロジェクトにジョインしたいみたいなのってできそうですからね。
3.5倍は結構えぐい数字だなと。
周りの会社の中でも、当初ももともとそんなに少ない方ではなかったんですよね。
でもそれで3.5になったんで、明らかに増えてますね。
素晴らしい。
あとちょっと営業の面もね、先ほど効果が出てるよっていうところもありますけど、
あとは金々の納品物を作る仕事とかじゃないプロジェクトみたいなものが立ち上がったりとか、
そういうのもちらほら。
ありますね。
それもちょっとまだ詳細は言えないんですが、我々の活動に共感してくれた異業種の方。
それも結構、その業界の中ではすごい立派な方なんですが、
その方が注目をしていただいて、ぜひ一緒に何か作らないかという話を伺いまして、
今は工場で働く人たちがより快適に仕事ができて、かっこよくなるようなグッズを一緒に開発しているところですね。
面白いですね。
面白いですね、本当に。
それって短期的に明日の飯の種になるわけじゃないけど、
そこで生まれる、今グッズっていうお話でしたけど、資産が。
ともするとまた全然別のね、それこそ一時ワークマンがブワーって売れて、
ファッション化したみたいな話もありますけど、
いろんな可能性にまたつながる投資だなというふうに思いますね。
そうですね、この工場ホコロープロジェクトは、
多くの異業界の方でも関われるというか、
そこにビジネスチャンスすらあるような気もするので、
多くの異業種の方でも全然絡んでいただけるというか。
そうですね、要は板金だけである必要もないし、
15:02
食品工場だったり、魚を作ってる工場だったり、
ファクトリーと名のつくとこだったら、確かにどこでも。
ありますね。
展開性がありますもんね。
でもやっぱり僕、今日プロジェクトデザインの観点からお話を少し考察していくと、
これを当然小林さんみたいに意思のある方と始めたという意義はとっても大きいんですけど、
やっぱりこの動きが早く素早く工夫していける、
中小企業でありローカルだから使えるリソース、
例えば土地があるとか、自治体とも結構関係が深いとか、
いろんなリソースがあるなと思っていて、
それめちゃくちゃゼロを1にしていくときにはいいテクだなと思ってるんですけど、
これもうちょっと何か名指しでいいかなと思うんですけど、
トヨタさんとか入ってきてほしいですよね。
そうです。
近いしね、とかね。
あとヤマハさんとかも静岡いるしとか。
要は何が言いたいかというと、
独自性を排除して展開性にめちゃくちゃ重視した活動を今我々やってる認識なんですよ。
やっぱりスモールサクセスができたときに、
じゃあこれ従業員の規模が1000倍の会社になったとしても、
まず展開していける可能性があるみたいなと思って、
めちゃくちゃあると思いますし、
やっぱり最後はジャイアントキリングするんじゃなくて、
ジャイアントフレンドリーな感じで一緒にやっていけるっていうのは、
すごく目指す先には絶対に必要だなっていうふうに思ってて、
これトヨタの友達いる人、ヤマハさんの友達いる人は、
ぜひリンクをシェアしていただきたいなっていうところから発信していきたいですね。
実際にですね、大手二輪四輪メーカーさんの中堅ぐらいの方とは何度かこういうお話ししたことがあるんですけれど、
なんかうちの会社将来多分フィットするっていう言い方をしてくれる人も何人かいらっしゃって、
今すぐではないですけど、そういうカルチャーになりつつあるっていうことを言ってくれているので、
将来的に絡められる可能性はあるのかなっていう感じは漠然とですけど。
そうですね。急にオセロの角取って全部端から変えていくみたいなことがなかったとしても、
やっぱり中心に一つ新しい点を打つみたいな、
それってやっぱりこう、全社改革の活動としてやるときついんだけど、
というかなかなかすぐにジャッジができないんだけど、
18:00
やっぱりこのプロジェクトっていう単位で何かをトライするっていうことであれば、
明日から検討できることもありそうなんじゃないかなというふうにやっぱりするので、
製造業大手の自動車に関わらずどんな方々からね、ちょっとなんか飲み行きたいですね。
とにかく騒ぎながらやった方がいいっていうのが今日一つキーワードになっているかなと思いますので。
ちょっとそんなところでこの工場を誇ろうみたいな、
ちょっとまだ曖昧な柔らかい部分もありますけれども、
だったらこんなことできるんじゃないかみたいなところでね、
お問い合わせをいただけるようなそういった輪郭が見えたかなというふうに思っております。
最後次パート4ですけれども、
プロジェクトデザインの視点からこの製造業の変革どういうふうに進めていくのか、
対話を深めていきたいなと思います。
ではパート3ここまででありがとうございます。
19:01

コメント

スクロール