すごい変な音鳴ってるなみたいな、なんかそのギターのエフェクトの感じみたいなのもすごいかっこいいなみたいな感じで聞いてて、
すげーなーって思いながら、ただなんかそのゆらゆら帝国っていう名前から想像するもっとヤバいノイズみたいな、
僕の変な環境もあるんですけど、もっと本当にグシャーってノイズだけが鳴ってるみたいな音楽とかをやってる人が近くにいたりとかしたんで、
そういうもんだと思ってたら、思ったより普通にすごいかっこいいロックバンドだなみたいな感じもありつつ、
ただ聞いたことない奴もあるし、そのバランス感覚みたいなのが初めてオリジナリティとすごい変なもんみたいなのがちょうど合わさってる形みたいな、
しかもなんか普通に全国とかでツアーしててめっちゃパンパンで人気があるらしいみたいな、
そういう自分が好きだったものとか、勉強として聴いてる同性の邦楽ロックとかみたいなもんとかと全部繋がってるバンドって今思ってもなかなかなかったなというか、
なんかそういう感じで、で今何年も経っていろんな音楽も聴いてって感じですけど、やっぱり世界中探しても一番すごいロックバンドってゆらゆら帝国なんじゃないかなっていうのは、
嘘を偽りなく言えるなって本当に思ってるぐらい好きだし、影響を受けたし、僕だけじゃなくて周りにゆらゆら帝国になりたいっていう人を見てきた数というかね、
そういうのも含めて本当にすごいデカい存在だったんですよね。
心の砂地。
で、僕とゆらゆら帝国の距離感っていうとそういう感じなんですよね。
亀千代さん、柴田さん、坂本さん、3人の、言ったら3人とも全員妖怪というか、あんまりご飯とか食べてるイメージないみたいな、
なんかその漫画、あの実際それで坂本さんが水木しげる作品好きとか言ってるのもあって、
ほんじゃあ水木しげるの漫画ちゃんと読まなあかんのよみたいな、ゲゲゲの鬼太郎ちゃんと読まなあかんのよみたいなので、
ゲゲゲの鬼太郎の漫画買ってきて読んだりとか、そういうふうに影響を受けるぐらいに、
「ロックバンドは妖怪たるべし」みたいな、なんかそういう一つの道しるべというかね、距離感だったんですけど、
もうちょっと大人になって、高校生大学生ぐらいの時とかって、
実際そういう京都とか大阪のライブハウスとか遊びに行ったり、自分も出演したりみたいなことが始まるんですけど、
そういう時に、あの本当に言ったら初期ゆらゆら帝国、『ゆらゆら帝国Ⅲ』までのゆらゆら帝国のイメージみたいなのを、
もうもろやっちゃってるみたいな人が、当時の関西にいっぱいいました。大阪難波、神戸元町いっぱいいました。
で、もうそれがね、もう本当に複雑な気持ちで僕は見てたというか、これはよく自分でも話すんですけども、
ブランキージェットシティ一番かっこいいと思ってたら、ブランキージェットシティまんまの人と出会って、
それがダサく見えちゃったみたいなのが、僕の体験としてすごいあったんですけど、
同じようにゆらゆら帝国になりたいみたいな、もちろん言ってないんですけど本人は、言ってないんだけど、
明らかにこの感じのスタイルで3人でこういう曲を書いてたら、どう見てもゆら帝だよね、みたいなバンドがいっぱいあった。
で、普通、例えば、曲を書いたり歌を歌ったりフロントマンの見た目とか、そういったものに影響を受けることが多いと思うんですよね。
だからブランキーだったら、ベンジーの歌い方、見た目のモノマネをしている、同じギターを持つ、みたいな。
で、ミシェルガンだったらチバさんの感じになる、みたいなね。
ブルーハーツ、ハイロウズだったら、ヒロト、マーシーの感じになるっていうのがね、まんまだなと、影響を受けてるなっていう。
それがいろんなブレンド具合はあれど、そこがみんな若いから、20代前半だから、そのモノマネからスタートして、自分がやりたいことをやるんだっていう感じのスタートキーみたいな人ばっかりがいるから、
それは仕方なかったなと思うんだけど、ただそのゆら帝だなっていう人は、みんな坂本さんじゃなくて、亀千代さんのモノマネをしてたんですよ。
これ結構面白い現象というか、すごい印象的っていうか、これも名前出すとすごい過度が立つんで、具体的な名前は控えるんですけども、
僕と同世代からちょい上ぐらい、だから今30代前後から後半ぐらいまでの人って、ロン毛で尖ったロックバンドのフロントマンって何人かいないですか?それって今めっちゃ若い子でいなくないですか?今の20代とかでもいなくて、僕たち世代だけじゃないですか?いるの。
ロン毛の亀千代さんみたいなスタイルの挑発でロックバンドをやってるフロントマン、何人かいると思うんですよ。今も名前が残ってる人で。で、その人たちはそれぞれたぶん理由があるし、
言ったらもっと本当のルーツのね、ゆら帝のルーツである60年代70年代のロックバンド、サイケデリックのロックバンドとか、もっとノイズとか、それこそ灰野さんも同じ髪型してますから。
そういう人たちのいろんなアイコンというかね。マッシュルームカットの人はみんなビードルズなんかっていうわけではないですから、それを全部言わないんですけど。
あまりにもこの亀千代さんスタイルのバンドマンっていうのが、今もたぶん話してて、ロックバンドを聴いてるっていう人は何人か浮かんだと思うんですけど、そういう名前の残ってる人たちもまだそのスタイルだったり、
今短くなったりとかいろいろあるけども、そういうぐらいその下の地下というかインディーシーン、僕がいたのは関西のライブシーンみたいなのには、その名前の出てる人たちもそこから出てきてる人たちはいるんだけど、いっぱいいたんですよ。
亀千代さんの見た目で、服装は坂本さんみたいな。下がフレアしたパンツとか、それこそまんま赤いパンツ、フレアした赤いパンツ履いてる方もいらっしゃいました。
で、上はちょっと柄シャツとか、水玉のシャツとか、同じように赤いシャツ着てるみたいな。
ただ僕は、初期ゆら帝、それこそ亀千代さんのスタイル、髪型同じ髪型して、ガラシャツとかベルボトムとかマフレアしたパンツ履いてみたいな。
で、ちょっと60年代70年代のサイケデリックとか、それこそ漫画ガロとか、あとは昭和歌謡感というかね。
当時、キャプテンズとか、GSのリバイバルみたいなことやってるバンドとか、
あとはその後出てくるキノコホテルとかが出てくる感じって言ってくれるとちょっとわかりやすいと思うんですけど、
昭和カッコイイみたいな。
流行ってるインターネットカルチャー的な、デジタル的なもんとかじゃない、ヒッピー的な感じをやろうとしてる人たちっていうのは結構いたんですよね。
で、その人たちがみんな明らかにこう、「あ、亀千代さんの髪型とその感じしてる!」みたいなっていう見た目でバンドをやってて。
ただサウンドは、ゆら帝は『Sweet Spot』とか『空洞です』って出た時にすごい、もっとミニマルな、非ロックな感じになってるのに、
その真似してる人たちはまだまだ『ゆらゆら帝国Ⅲ』の影を追いかけてる感じみたいなのが…すごく僕は好きだったし、なりたかった、僕も。
ただ僕は、できない。そういう格好をするっていうのはなんか違うなと思ってたからできないけど、
そういうことをやってる人は、ずっと何年か前のゆら帝の影を追いかけてるみたいなのは、「それはダサいんちゃうかな?」みたいな。
いや、「それはオリジナリティないんちゃうかな?」みたいなね、そういう複雑な感情を持ってたんですよね。
ゆら帝っていうもの、ものすごいオリジナリティがあるものを好きなはずなのに、それを真似して、たぶん本人たちはオリジナリティあると思ってやってるけど、
いや、「それはどう見てもゆら帝なんじゃないの?」みたいな感じがね、こう複雑に見てたんです。
だからそういう複雑な気持ちを持つバンドでもあって、だから大いにゆら帝が一番好きですって言えないというかね。
僕もなんかこう言いたくないプライドみたいなのもちょっと恥ずかしいからみたいな。
恥ずかしいからっていうぐらい、すごく多くの人が好きだったし、私がゆらゆら帝国を一番わかってる、
私が坂本さんのこと、亀千代さんのこと、柴田さんのことを一番わかってるみたいな。
なんかそういう感じもあるけど、すごい大衆にも向けてるみたいな。
唯一無二の影響は受けました。
心の砂地。
ちょっとゆらゆら帝国の作品についてね、話していこうかなと思うんですけれども、
今回に合わせて作品集を聞き直したんですよ。
ちょっと今回一人で喋ってるんですけど、実はこれてらださんとも撮ってて、
てらださんもすごくいい感じで喋ってくれたんですけど、
ちょっと違ったなって思うとこが結構あって、撮り直して今喋ってるんですけど、
ちょっとなんでてらださんにそう申し訳ないんですけど。
その時に喋ってくれたこととかも、こういろいろ補足しながら、
ゆら帝の作品集を話していきたいんですけども。
まず、ゆら帝の作品っていうのは、
メジャー時代をはじめとしてというのが一般的なゆら帝像だと思います。
メジャーの98年のファースト、『3×3×3』からはみんな知ったし、
ゆら帝聴いてる過ぎっていう人はみんなここから。
今配信されてる音源も全部ここから。
『3×3×3』が98年。
翌年に『ミーのカー』、ミニアルバムの『太陽と白い粉』が99年に。
で、2年空いて『ゆらゆら帝国Ⅲ』。
多分このロックバンドとしての到達点としては、
この『ゆらゆら帝国Ⅲ』かなと思いますね。
本当にすごい音源だったと思うし、
みんなこれを聴いて、このメソッドで曲を作っていた。
みたいな感じの音が全部詰まっている『ゆらゆら帝国Ⅲ』っていうのがあって、
で、その2年後に『ゆらゆら帝国のしびれ』
『ゆらゆら帝国のめまい』というアルバムが出ます。
これがまたね、問題作というか、
実際坂本さんがインタビューで喋ってたりもするんですけど、
『ゆらゆら帝国Ⅲ』っていうのはインディーズ時代とかも全部含めて、
ロックバンドっぽいものの集大成だなって感じがするんですよね。
が、もう録音物としてこういうものが作りたいみたいなアルバムを2枚作って、
すごいどっちも変なレコードっていうか、異様にポップだったり。
今までのアルバムからすると、編集、名盤、アルバムを作ろうっていう感じの音源になっているんで、
結構ここで、「なんやこれ?」ってなるような。
僕からすると、「あ、ここの音楽の感じだったんだ。」とかいうのが、
この後でゆら帝のルーツとか、
自分が音楽を聴いていく中で出会ったものというかね。
そういうのがふんだんに詰まってて、すごい好きなアルバムなんですけど、
『しびれ』『めまい』というのが同時に出ますというのがあって、
ここからそういったらスタジオ盤を作る、そういう姿勢。
ビートルズで言うと、ライブをやめて音源を作っていくんだっていう風になったらリボルバーみたいなね。
そういう録音物として良いアルバムを作るっていうやつなんですよね。
で、同時にその後に『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』っていうのが入ってて。
これはライブ版で、ライブの音源を後で編集してる感じもあるんで、
ちょっとリミックスに近いようなライブ版っていう変な感じの音源であるんだけど、
『しびれ』、『めまい』がすごい録音物としてちゃんとしてる、生々しい感じがあんまない感じだったのが、
同時にライブツアーとかでは同じような曲をやってるんで、
その時の音源が入ってて。
Ⅲから流れで聴いてた人からすると、『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』は、
『しびれ』『めまい』の音源はハテナマークが浮かんでも、「わっ!かっこいい!」ってなるようなアレンジというかサウンドになってるんで、
意外とあんま聴いてない人多いかもしれないんですけど、『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』は、
ロックバンドのライブ版としても、本当にフリクション79ライブとか、裸のラリーズ77ライブとか、
いろいろありますね、ロックバンドの名盤、ライブ版、それクラスにヤバいレコードだと思うんでね、
ぜひね、ロックが好きな流れの人は生しびれ、生めまいまで聴いてほしいなと思うんですけれども、
こういうのがメジャー時代にありました。ロックバンドとしてのゆらゆら帝国。
しびれめまいってちょっと変わってきたよ、スタジオアルバムっぽいものを作るようになったよっていうのがあるんですけど、
ここまでがMIDIというレーベルにいた時代ですね。
で、これちょっと話をギュンと戻すんですけど、
みんな基本はここを聴いて、ユラル帝国の話みたいなのを、僕たちが中学校、大学ぐらいまでかな、話するっていうのが多くて、
で、それこそさっき言った亀千代さんになりたいなみたいな、サイケデリック掘るぞみたいな、
自分たちはアウトサイダーだぞっていう人たちの中で音楽めっちゃ好きな人っていうのは、
マウンティングじゃないけど、インディーズ時代のゆらゆら帝国ヤバいみたいな話をしたりするんですよね。
で、実際これは配信もされてないし、盤はそれなりに出回ってるんで、非常に高等化してますけども、探せば手に入るかもしれないっていうインディーズ版っていうのが4枚出てるんですよ。
『ゆらゆら帝国』、名前の盤が92年と94年、それぞれ出てたり、『ライブ』っていうライブアルバムが95年に出てるっていうのがあって、
ここまではメンバーも結構違うんですよね。ファーストの頃だとギター2人いた時とか、
亀千代さん、坂本さんは一緒なんですけど、ドラマーも違ったりとか、そういうのもあったりとかしてて、
すごいサイケっぽい感じがガンガン来てるんで、「違うもん聴いてるぞ!」みたいな、「ヤバいもん聴いてるぞ!」みたいな感じの人からすると、
ゆらゆら帝国のインディーズ時代っていうのは結構特別し、当時の関西ライブシーンではされたりしてたなーみたいな。
SEとかでかけてる、声の感じとかで、「これユラ帝だけど、この音源聴いたことないなー。」みたいな感じでね。
あの使ってるバンドとかも結構いたなーみたいな感じがしてて。
で、アーユーラっていう、キャプテントリップっていうレーベルから出てるアルバムはインディーズ時代だと、これも数が出てるから手に入りやすいし、
あのちょっと聴いてみるっていうのもアリかなと思いますね。さっき挙げた名前の3枚よりは手に入りやすいと思うし、って感じなんで。
そういうやつもあったなーみたいな。余談としてね。インディーズ時代のユラ帝ヤバいみたいな感じで、
ちょっとこうマウントというか、なんかあったなーみたいな話ちょっとせっかくなんでしましたけども。
そんなのもあって、2005年に『Sweet Spot』というアルバムが出るんですけども、ここからレーベルが変わりまして、
ソニーになります。ソニーミュージックアソシエイテッドから『Sweet Spot』が出ます。これがね、僕のリアルタイムですよね。
オリジナルアルバムとして出るアルバムとしては。で、ベスト版とか、『ゆらゆら帝国Ⅲ』とか、3×3×3とかは借りて、
MDに落として聴いたりとかしてたんで、聴いてたんですけど。『Sweet Spot』は出るっていうので買って、
で、いきなりロックナンバーが来ると思ったら、こう、「アメリカ、中国…」みたいな。