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はい、引き続きね、セクシー田中さんの話をします。
はい、その3人、セクシー田中さんこと田中京子と、あかり、そして翔野。3人が中心人物なんですけれども。
じゃあ、あかりが好きなのは誰かっていうと、シンゴっていうキャラクターがいて、これ最初から出てくるんですけれども、結構途中存在感薄いですけれども、要所要所で出てくるシンゴ。
それと合コンで知り合う、ちなみにその合コンに翔野もいたんですけれども、そして翔野があかりを罵倒して帰ってくるんですけれども。
で、出会う小西っていう男が30代で、チャラクテで広告代理店に勤務しているっていうキャラクターなんですけど、小西がいます。
主にこの2人ですね。で、小西とはLINEでやり取りをして、小西があかりにベタボレするっていう形ですね。
で、じゃああかりとシンゴはどういう関係かっていうと、なんか逃げ切らない関係。
友達なのか、なんか距離を置いた友達みたいな関係なんですよね。
で、あかりは別にどっちのことも好きじゃないです。最初は。
後にいろいろ添加はありますけれども、でもそれもベタな三角関係とは全然違うというか、
あかりはキャラクター設定としては23歳でチャラチャラしていて、チャラチャラしてるって軽い描写ですかね。
合コンで高めの男を捕まえてやろうと思っているようなタイプの女子。
で、自分が可愛いというか、みんなにチェアを増やされるってことを子供の頃からよく知っていて、そういう経験を重ねてきていてモテる。
なんだけれども本当に自分の好きな人みたいな、好きな人みたいな話ではないんだよな。
自分がどう生きていくのかみたいなところにあんまりその自信が持てていない。
だから田中さんみたいに凛とした感じで踊っているっていうのにすごく背中を押される、背筋が伸びるというそういう話ではあるんですけど。
だから単純に恋愛の要素はすごくふんだんに出てくるんですけど、合コンもそもそもそういうもんだしね。
だけど決してチャラい女じゃないんですよね。軽くない全然。
というのは例えば小西に誘われて初のデートらしきものをするんですけれども、
そこで小西とね、悶着っていうのもないですけど、小西がちょっとなんとか心ない発言をしたときに明かりが持ち出してくるのが、
ヒラリー・クリントンのガラスの天井っていう演説。
これもね、ググってもらえばいろいろ出てくると思いますけれども、殺すさと引っ張ってくるんですよ。
ガラスの天井があって彼女は大統領になれなかったと。
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だけれども心配しないでほしい少女諸君と。これを聞いている少女の皆さんはそんな心配する人はないと。
多分私たちが思っているよりも早くそれを実現するだろうと。
女性がそういう大統領になる日っていうのはもう本当にすぐなんだっていうことを言って勇気づけるっていうそういう内容の演説なんですけど。
とこ引っ張ってくるんですよね。全然チャラくないでしょ。
チャラく見えるんだけどな。あとやってることもチャラいんですよ。だって合コンに短いスカートを履いていくような子だからね。
だけどね、やっぱ芯がすごいしっかりしてるっていうキャラクターなわけですよ。
で明らかにこのストーリーっていうのは、そういう他者から求められている自分の像と自分らしくありたいという自分との二律背反を描いているんですね。
田中さんもそうなんですよ。田中さんもだから要は本来の自分っていうのは、田中さんの場合も複雑なんだよな。
多分本来の自分は会社にいる時の自分なんですよ。地味な自分。
で、ベリーダンスを踊っている方の自分が特別な自分というか、なりたい自分ですよね。
ただなりたい自分になりきれないっていうところがあって。
やっぱりそのベリーダンスを踊っているのはまだ練習生だし、ためらいもある中で留学をして本格的に勉強したいと思っているみたいなんですけれども。
いろいろ壁も感じているというね。
他方、会社では一切そういうなりたい自分というのは見せられていない。
途中でバレるっていう話が出てくるんですけれども。
田中さんがね、実はベリーダンスを踊っているというのがバレるって話も出てくるんですけども。
そういうのとかも、そのなりたい自分というものを素直に表現できないっていうところの葛藤として出てくるんですよ。
なんで迷ってるんですよね。
だからスーパーマンみたいなキャラクターじゃないんですよね。
でもスーパーマンも迷ってたような気もする。
なんかクリプトン性から来たんだけれども人間のほどが好きになっちゃってみたいななんか葛藤があったような気がしますけど。
まあまあちょっとごめんなさいね。細かいことはスーパーマンの話じゃないんだよね。
これはね。セクシー田中さんの話なんで。
っていうその二律背反みたいなのをみんな抱えてるんですよ。
あかりもそうで。だからやっぱり自分の長所を伸ばすっていう意味で言うとやっぱり高めの男を捕まえて安心して暮らすのがいいっていうのは前提としてあるんですけれども。
一方でその田中さんにおけるベリーダンスみたいなものが私にはない。
私はどうしたらいいんだろうっていうふうに悩んでるんですよね。
全然安定を求めていないという一面を持っているというですね。
でそこで揺れ動いている例外は要素としては絡んでくるんだけれどもメインファクターにはならないんですよね。
で全部のキャラクターがねみんなそういう感じなんですよ。
その翔野っていう男のキャラクターもそうだし。
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で小西とかもそうなんですよね。
小西もなんかただひたすらあかりに対してですね。
惚れて甘いっていうキャラクターではないですね。
もうちょい複雑なんですよね。
シングはもっとよくわかんないんだけどみたいな。
そのメインのキャラクター。
ちなみに田中さんが好きな相手は三好っていうキャラクターがいて一番おじさんなんですけれども。
ペルシャ料理店?中東料理店?トルコ料理店って言ってたかな?
フェセンジューンっていうのがすごいキーワードとして出てきて。
フェセンジューンってもう我々がイランでよく食べた美味いですよ。
料理なんですけどペルシャ料理ですね。
なんでそういう料理店を営みつつ楽器を太鼓みたいなのを叩いてて。
ベリーダンスをやっている女性たちを応援しているっていうね。
女たらしのキャラクターが出てきて。
結婚者なんですけど、その三好っていうのに田中さんは恋愛感情を抱いている。
憧れですよね。恋愛の要素はあるんですよ。
ただ別になんか惚れた晴れた話は全然ないっていうね。
こうやって言葉で今私こう説明してますけれども。
新聞記者ですよ。
じゃあね、記事で田中さんのキャラクターを説明せよと。
あかりのキャラクターを説明せよって。
だいたい記事って短い文字数で描写しなきゃいけないわけなんですけど。
あかりってなんて言えばいいのっていうふうに思っちゃいますよね。
合コン行って高めの男を狙うみたいなのは本当に入り口でしかなくて。
その彼女の悩みっていうのは。
これはちょっとねキャラクターとして言語化するのは本当に難しいですね。
田中さんもそうですね。
っていうような具合でちょっとそれにびっくりしたんですよね。
心理描写が極めて優れているものは文学作品とかだっていろいろあるんだろうと思いますけれども。
一応大した字本読まないですよね。
芥川賞は半年に一度の芥川賞は文芸春秋とか読んで。
全部読んでるかって言われたら全部読んでないですけど。
まあまあさらっと目通すぐらいはしてる。
今その文学の世界ではこういう動きがあるんだなっていうのはわかりますし。
っていうぐらいなんですけれども。
そういう芥川賞受賞作品のどれよりもものすごい繊細で複雑な人物描写。
人物の関係の描写でしたね。
それでしかも相互に影響し合うんですよ。
田中さんの影響を受けて明かりは変わるし賞のも変わる。
だけど田中さんも賞のや明かりの影響を受けて変わってくるんですよね。
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それがずっとストーリーの中で繰り返されていくっていう。
一体全体この筆者の足原雛子先生は何をどこまで設定してどのようなストーリー展開をどこまで決めてこの物語を書き始めたんだろうかっていう風に。
文章を作る立場ですが全然違う創作とかやんない新聞記者としてはもう本当にただただ脱毛というか。
こんなことができるのかって驚き打ちのめされるって感じでしたね。
普通の作品はまとめられますよもうちょい簡単に。
と思いましたね例えばすごくいい作品だったと思った東京都同情党っていうね芥川賞の作品ありましたけどめちゃくちゃ面白かったですけど。
人物の造形はもうちょいシンプルだし関係性もシンプルですね。
こんななんか10分も使わないと10分使っても別に何も説明できない感じでありますからね。
っていう感じではないっていう深淵さんに驚きました。