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2021-08-29 20:05

046. RNAワクチンとカリコー・カタリン博士

ファイザー&バイオンテックとモデルナの新型コロナワクチンに採用されているRNAワクチンと,その開発者カリコー・カタリン博士についてお話しました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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いちです、こんにちは。長崎市内に外出の自粛要請が出されています。
というわけで、屋外での録画・録音というのは遠慮しておこうと思うんですが、
これから買い物に行くので、買い物の様子をスーパーに入る手前までVlog的に録画して、
その後にオフレコで音声をかぶせていこうと思っています。
今日も最後までお付き合いください。どうぞよろしくお願いします。
今週、ニュースレターでワクチンの話をさせていただきました。
今、新型コロナウイルス感染症のためのワクチンの接種が始まっていまして、
もう受けられた方もいらっしゃると思いますし、
予約取れへんはブーブーという方もおられるかと思うんですが、
近いうちに希望する方全員にワクチンが受けられるといいなと思っています。
ワクチンなんですけれども、歴史的には10世紀頃、
中国で天然痘という非常に重い感染症に対する対策として始まったんじゃないかと言われています。
天然痘という病気、これ感染症なんですけれども、
古代エジプトの王様が天然痘で命を落としているという記録が残っているぐらい期限前ですからね。
人類にとってはもうずっと大敵だった病気なんですが、
人類が唯一撲滅に成功した病気とも言われています。
その10世紀頃の中国で何があったかというと、
天然痘に感染した人は2割から5割という致死率と言われているんですが、
非常に生き残る可能性の低い病気ではあるんですけれども、
その天然痘で生き残った人は2度目天然痘にかからないと言われていたんですね。
そういうことが知られていたんですね。
じゃあ軽い天然痘に人為的にかかれば、次は本番にかからなくて済むんじゃないかというふうに考えた人がいて、
これネットで読んだんですけども、お試しインストールあるいは体験版インストールみたいなものなんですね。
天然痘の体験版をインストールしておくと本番に感染しなくて済むよということで、
天然痘というのは体の表面にもいっぱいかさぶたができる病気なんですけれども、
そのかさぶたを乾燥させて人間の体に植え付ける、ちょっとナイフで傷をつけて体の中に埋め込むと、
そうすることであえて天然痘に感染させて本番に備えるということが行われていたそうです。
そのかさぶたをある程度乾燥させて弱毒化を狙ったんだと思うんですけれども、
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というのは天然痘は非常に危険なウイルスなので、当時ウイルスは知られていないんですけど非常に危険な病気なので、
できるだけ軽く済むように乾燥させたり量を調整したりとかして、
軽い天然痘にかかるようにということで、首都と当時世の中でもわからないですけども、
摂取というもので行われたそうです。
ただこれやはり本物の天然痘を使うので、いくらおためにしてもやはり命を落とす人がいて、
非常に危険な医療予防だったそうです。
その後なんですけれども、これはずっと時代が下って、イギリス人医師のジェンナーという方が、
天然痘ではなく牛痘という牛の病気を人間に移すと、その人間は天然痘にかかりにくくなるということを発見します。
これが現在の首都の始まりですね。
ジェンナーは使用人の子供、息子に牛痘を摂取して、ほら天然痘にかからなかったでしょうということを示しました。
今考えればちょっと倫理的にどうなのという話ではあるんですけれども、結果的に人類を救ったということになります。
その牛痘を人間に摂取した時にやはり天然痘に似た症状は出て海が出るんですけれども、
その海を船で運んで世界中の人たちに摂取しようとした。
日本でもシーボルトが牛痘の海を輸入をしています。
ただこれは途中でダメになっちゃったみたいで、シーボルトは記録にあるだけでも2回輸入してるんですけれども、2回ともダメだったようです。
最終的に何度も日本輸入を繰り返していて、最終的に尾形公安が手に入れた牛痘の海がたまたま良い株だったようで、
それで日本でも摂取というものが進んでいって天然痘というのが防げるようになったそうなんですけれども、
その海の正体なんですけれども、今調べると牛痘ウイルスではなくてワクシニアウイルスという違う種類のウイルスだったそうです。
天然痘自体は摂取によって人類が撲滅した病気というふうにされています。
ただ、いつかまたどこかでどこか残って出てくるかもしれないのと、最悪の場合、生物兵器として使われる可能性があるので、
アメリカ軍なんかはワクシニアウイルスを培養していて、天然痘ワクチンというのを生産を続けていて、兵士には摂取しているというふうに聞いています。
ただ、人類の中で唯一撲滅した感染症というのが天然痘ということになるんですね。
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この天然痘のような本物のウイルス、この場合天然痘ウイルスではなくてワクシニアウイルスですけれども、
それをある程度弱毒化して人間に生きたまま植え付けるというもの、これを生ワクチンというふうに言います。
これは非常に確実な抗体を作る方法なんですね。
人間の感染症って何種類かあるんですけれども、ウイルスによる感染症というのが一つ。
それから、バクテリアによる感染症というものもありますね。これも一つ。
それから侵含生物ですね。これ、寄生虫も含めて侵含生物にアメバとかもですね、人間に寄生することによって病気を起こす。
大体この3種類じゃないかと思うんですけれども、バクテリア感染、細菌感染ですね。
これに関しては様々な抗生物質というのが見つかったり開発とかされたりしていることで、
いろんなものが抗生物質で治るということが知られています。
一方の侵含生物は人間と同じ生き物なので、殺すというのは非常に難しい。人間にも毒なので仕方ないです。
毒を持って毒を制すみたいな形でアメバであるとか寄生虫であるとかというのを殺していくんですけれども、
ウイルスというのは非常に厄介。ウイルスはそもそも生き物じゃないんですね。
ウイルスというのは遺伝子をタンパク質のカプセルで包んだだけのもので、自分では自己複製できないんですけれども、
その代わり抗生物質なんかも効かないわけですね。抗ウイルス薬というものが世の中にもあるんですけれども、
そんなに種類が多くなくて、なのでウイルスによる感染症というものを薬で治すのは非常に難しいわけです。
種類も非常に限られています。
ウイルスをやっつけるためにはどうするかというと、やはり人間が持っている免疫を働かせて、免疫に頑張ってもらうしかないですね。
免疫は様々な防御機構ですが、防御機構を持っているのでその免疫に戦ってもらう。
ただ免疫というのは水知らずのウイルスがやってきた時に防御できないんですね。
なのでお試し版をあらかじめインストールしておくことで防御の仕方を覚えてもらうということが必要になります。
そこで生ワクチンですね、毒を薄めたオリジナルを注射することで防御の方法を覚えてもらおうというのが生ワクチンの考え方。
赤ちゃんなんかに接種するね、今後ワクチンなんかも、ハシカのワクチンであるとか福風のワクチンであるとかそういったものは生ワクチンで、
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副反応はもちろん病原体ですからあるんですけれども、生涯にわたって抗体を保持するという能力が認められています。
一方ですね、そのワクチンを、ウイルスを完全にもう不活化してしまって、ウイルスっていうのは自分で自己複製できないんですけれども、
人間とか動物の細胞の中に入っていって細胞を書くまで入っていって遺伝子を乗っ取るわけですよね。
その遺伝子ちょっとあんた待ちながらとワシをコピーせんかいと言って自分を複製させるわけですよね。
自分を複製させて細胞を突き破って広がっていってしまうので細胞死んじゃうと。
そこを、その能力を持っているウイルスを半ば殺して、もともと死んでいるので殺すという言い方おかしいんですけれども、
不活化して、一周バラバラにして不活化にしてしまって、増殖能力をなくした状態で体に打ち込んでやっても、
人間の体はあ、こんなん来るんやったらちょっと防御しなというので抗体を作るわけですね。
これが不活化ワクチンというもので有名なのは狂犬病のワクチンですね。
不活化ワクチンというのは人間の防御というのがそれほど持続しないので何回も打たないといけません。
狂犬病ワクチンで2回打つと抗体ができると言われてるんですけれども、抗体長く持続しなくてブースターを打つ必要があります。
だいたい3回目打つと10年と言われてるんですけれども、僕が狂犬病打ってもらったドクターの話によると、
そのドクターも毎年狂犬病が蔓延している地域に行かれるそうなんですが、毎年ブースターを打っていると、
狂犬病なんかは抗体がないとかまるたら確実にアウトですから、
そういう意味では毎年ブースターを打って毎年この抗体を作っていくんだというふうにおっしゃってたんですけれども、
それだけ不活化ワクチンというものは抗体を維持するというのは難しいので、毎年ブースターを打っていかないといけないということになるわけですね。
その代わりワクチンそのものが不活化されているので、それによる副反応というのは生ワクチンほど大きくはないというふうにされています。
狂犬病も打った時は結構きつかったですけどね。
このコロナウイルスに対するワクチンなんですけれども、中国のシノファーム、シノバックスの2社が作っているワクチンはどうも不活化ワクチンなんだそうです。
インフルエンザワクチンも不活化ワクチンが使われるんですけども、同じでそのもともとのインフルエンザウイルスであるとか、
それから今回だったら新型コロナウイルスを不活化して投与するというのが不活化ワクチン。
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そのためには元のウイルスを、ウイルス自体は自分で増えることができない、増殖させてあげないといけない、何かの生き物に注射して増やしてあげないといけない。
インフルエンザウイルスの場合は卵、ニワトリの卵に植え付けて増殖させて不活化してワクチンを作るわけなんですね。
この新型コロナウイルスの増殖をどうやってやったのかというのはよくわからないんですけれども、中国ではうまいことできたんでしょうね。
それを不活化してシノバックス、シノファームのワクチンというのが作られているそうです。
アストラゼネカとかソビエトじゃなくてロシアのスプートニクVとかはまた違うんですけれども、
日本で使われているファイザーバイオンテック、それからモデルナのワクチンというのはそういうのと全く違ってRNAワクチンという全く新しいタイプのワクチンです。
先ほど申し上げたように細胞には細胞核というものの中に遺伝子が入っていて、DNAというのは遺伝子を持っていて、そのDNAにかかる遺伝子の支持でタンパク質を作っていくんですけれども、
細胞核の中にあるDNAというのは細胞の中に出ていかないんですね。どうやって情報を伝えているかというと、メッセンジャーRNAという物質がDNAの設計図を移して細胞の中に出ていって、
これこれこういうタンパク質を作ってくださいというふうに言うんですけれども、そのメッセンジャーRNAという物質を人為的に作って体内の中に打ち込むと。
メッセンジャーRNAに何を書いておくかというと、こういう抗体を作ってくださいということを人為的に書いておくわけですね。
どういう抗体を作ればいいって何でわかっているかというと、これは中国の研究者たちが新型コロナウイルスの遺伝子の情報を公開したわけですね。
それでこういうウイルスがやってくるんだというのは事前にわかったので、じゃあこれに対する抗体を人間が設計してそのメッセンジャーRNAに書き込んで細胞の中に入れてあげると、注射して入れてあげると。
ところがこのメッセンジャーRNAというのは非常に不安定な物質で、なおかつ人間の中に打ち込むというのは基本できなかったんですよ。
それを可能にしたのがハンガリー出身の女性研究者のカリコー・カタリン博士という方の技術なんですね。
このカリコーが苗字でカタリンが名前です。ハンガリーの方で苗字、名前という順番で呼ぶそうなので、僕もカリコー・カタリン博士という風に呼ばせていただくんですけれども、
このカリコー博士がハンガリーにいらっしゃった時に大学でRNAの研究をされています。
当時ハンガリーというのは共産圏で旧ソビエト連邦の衛星国だったんですね。
ご存知の通りどんどん貧しくなっていって、カリコー博士も大学を出てハンガリーの科学アカデミーの付属研究所でRNAの研究をされるわけなんですけれども、
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研究所の予算がなくなって彼女もクビンになってしまいます。
ちょうどその時にアメリカの大学でカリコー博士のポジションが用意できたということでアメリカに渡るんですけれども、
共産圏から西側に移動するのに外貨を持っていってはならないという決まりがあって、
日本でもあまり外貨、大金を海外に持ち出すとかできないじゃないですか。
申告しないといけないじゃないですか。
当時はもっと厳しくて外貨を持ち出してはいけない。
ただカリコー博士はアメリカを渡ってもすぐ生活しないといけないので、
ためたお金を持っていかないといけないわけですね。
3歳の娘さんのクマのぬいぐるみに全財産900ポンドを詰め込んでアメリカへ渡ったそうです。
900ポンドって今のお金で、イギリスポンドだとすると今のお金でいうと、
当時いくらぐらいだったんでしょうね。
全部で2、30万円というところですかね。
ポーランドじゃない、ハンガリーでは大金だと思うんですけれども、
アメリカで最初は家を借りて、家賃を払って、生活用品を揃えてというと本当にギリギリの生活だったと思うんですけれども、
それでペンシルバニア大学に職を得ます。
彼女はRNAの研究をするんですけれども、
これがなかなか日の目を見なくて、
政府の予算も取れず、民間企業の予算も取れず、
ついにペンシルバニア大学から研究テーマを変えるか、
降格、ランクを下げるか、どっちかしなさいと言われるんですね。
大学というのは降格って普通あり得ないので、実質首を言い渡されることだと思うんですね。
辞めるか、研究テーマを変えてお金を取ってくるか、どっちかしなさいということだと思うんですけれども、
彼女はですね、降格を申し出ます。
これ多分大学もびっくりしたと思うんですけれども、
彼女は元々最低ランクなんですよ。
リサーチアソシエイトじゃなくて、アシスタントプロフェッサーというね、
最低ランクなリサーチアシスタントプロフェッサーという最低ランクだったので、
その下となると非常勤研究員みたいなポジションになると思うんですけれども、
なので多分研究設備とか机とかもだいぶ不利益を受けたと思うんですけれども、
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そこでも彼女は粘ります。
そしてその有名なコピー室の出会いというのがあって、
コピー室で新しく着任されたワイスマン教授という方と出会って、
ワイスマン教授がカリコ博士の研究に着目して、
じゃあ一緒にやろうかと。
ある程度の支援ができますよということで、
ワイスマン教授の下で一緒にRNAの研究をされて、
ある程度成果も出ます。
ワイスマン教授と二人で新しいバイオベンチャーを立ち上げて特許を取るんですけれども、
ただそれでも大学からの評価というのは低かったそうなんですけれども、
これは別の大学のロッシー博士という方が目をつけて、
彼はモデルナという会社を創立します。
それから彼女はカリコ博士というのも大学から評価されなくて、
大学を辞めるんですけれども、
その後ドイツのバイオベンチャー企業のバイオンテックという会社に引き抜かれまして、
そのバイオンテックという会社がファイザーと組んでワクチン生産を目指すわけですね。
モデルナを作ったロッシー博士の方もカリコ博士の特許をどうにかして取得して、
もともとカリコ博士の手は離れていたそうなんですけれども、
手に入れてそれぞれファイザーバイオンテックとモデルナ、
それぞれがワクチンというものを生産することになっていきます。
その後の話も非常に長くあるんですけれども、
そうやって現在我々がRNAワクチンというものを接種できるようになったという話をさせていただきました。
よかったらまたニュースデータの方で読んでいただければと思います。
どうもありがとうございました。イチでした。
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