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2021-08-06 11:46

045. 花火

花火に関するお話をしてみました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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いちです。こんにちは。今日はですね、 長崎港ターミナルの巨大ないかぎの前に来ています。
ちょうどね、日が沈んだところで、これから夕暮れになっていくところなんですね。 このポッドキャスト、それからYouTubeをお聞きになってくださっている皆さんはですね、
前回ですね、屋内で撮影というか、録音させていただいたご記憶かもしれないんですが、僕自身も前回の録画録音を聞いてみてですね、
やっぱり屋内で撮った方が音としてはね、聞きやすいなと思ったんですけれども、また屋外に来てしまいました。
僕としては、やっぱり外にいる方が気持ちがちょっと上がるので、聞き取りづらい部分は申し訳ないんですけれども、特にね、ポッドキャストの方、ちょっと雰囲気が伝わりづらくて申し訳ないんですけれども、お付き合いいただければと思っています。
今日なんですけれども、花火の話をね、させていただこうと思っています。 花火、このシーズンね、今8月入ったところなんですけれども、
例年でしたら花火大会というのがあって、僕が今立っているところから見えている水辺の森公園というところもね、例年であれば花火大会があるところなんですが、去年と今年、今年はまだ延期ということで中止稼働が決まってないんですが、ちょっと厳しいかなという気はしています。
なので、ここにね、花火から遠ざかっていることになってしまいます。僕はね、まだ見れてないんですけれども、来年あたりは見たいなという気持ちはね、あります。
花火なんですけれども、ショーとして使われる花火というのは大きく分けると3種類あります。
一番有名なのは打ち上げ花火ですね。上空に花火を持ち上げて、打ち上げてパーンと爆発させる打ち上げ花火。
それからナイヤ柄の滝とかのようにして使われる仕掛け花火ですね。これ足場に花火を固定しておいて、そこで火を灯すというものですね。
それから打ち上げ花火が発明される前、何が主流だったかというと、吹き出し花火あるいは噴出花火ですね。これ筒から炎が吹き出すものですね。
ガンク花火という個人で購入して遊ぶような花火なんかでは、噴出花火というのがよく使われています。
ロケット花火というのが実は花火の歴史の中ではかなり古くからあるんですけれども、これはどこ飛んでいくのかわからないので、あまりショーとしては使われていないんじゃないかと思います。
ロケットと打ち上げの違いはですね、ロケットというのは推進用の火薬が花火の玉の側についているものですね。
実際にロケットというのは燃料を噴火して噴出して飛んでいきますよね。それと同じこと花火でやるんですが、ロケットというのは推進方向を制御しているのに対して花火というのは一度火をつけちゃうと制御が効かないので、実際にはロケット花火というのは大型のものというのは作られていないと思います。
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歴史上ショーとして使われた花火、最初のほうのもの、南宗の時代のものに関しては文献記録によるとロケット花火が作られていたようです。
ただおそらくはですね、武器として使われたものはあると思うんですけれども、ショーとして使われたものというのは姿を消していったというふうに考えられます。
花火の元になっている火薬ですね。火薬、これ黒色火薬と言いまして現在でも黒色火薬が使われています。黒色火薬というのは木炭と硫黄と焼石を混ぜ合わせたものです。
日本の場合、黒色火薬の原料のうち木炭は手に入ります。硫黄も日本火山大国なので手に入ります。むしろ外国に輸出していたぐらいです。
ところが焼石というのは水溶性なので水に溶けちゃうので、日本のような雨が多い地域ではほとんど手に入りません。
なので日本の黒色火薬のうち、焼石というのは輸入に頼っていました。
例えば小田信長がですね、世界有数の鉄砲軍隊を持っていたというふうに言われてますけれども、それが大体16世紀ぐらいの話ですよね。
ただその頃も日本は焼石が手に入らないので輸入をしています。
江戸時代ぐらいになると小枝芽からわずかに焼石が取れることが発見されるんですけれども、残念ながら大量生産ができていないので焼石は輸入に頼っていました。
なので日本の打ち上げ花火、有名ですけれども実際にはその輸入原料というのも一部頼っていたということになります。
花火なんですけれども、中国で発明されて、その後シルクロードを通ってまたたくまにロシア、それからヨーロッパという方に広まっていて、それぞれ独自進化を遂げるようなんですね。
中国の花火、ロシアの花火、ヨーロッパの花火、特にイタリアが有名ですね。
それからおそらくなんですけれども日本でも独自進化を遂げたようで、文献記録によるとおそらく1712年に打ち上げ花火というのが日本でも発明をされているようです。
特に日本の打ち上げ花火の特徴としては花火玉を和紙でくるむということですね。
和紙というのが、紙の発明は中国であったりエジプトのパピルスであったりというものがあったにせよ、和紙というものは日本で発明されていて、和紙というのは非常に丈夫に球をくるむことができるんですね。
他の紙ではできない特徴、例えばパピルスではできない特徴を持っているので、これで非常に軽くて丈夫な花火玉というのを作ることができたというのが、日本の打ち上げ花火を一役買ったのではないかと思います。
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それから通常、花火というのは要は大砲で花火玉を打ち出しているわけですね。
通常大砲というのは大砲の弾、砲弾、キャノンボールですね。
昔は丸型のキャノンボールというものなんですけれども、これは隙間がないように、筒と弾との間に隙間がないようにして、爆発のガスを外に逃がさないようにして弾を打ち出すわけなんですけれども、
日本の花火の場合、たまたま花火玉を軽く作れたおかげだとは思うんですが、結構筒と花火玉の間に隙間があるんですね、余裕があるんですね。
それ故に打ち上げ用の黒色火薬に点火するのに、上から火種を投げ入れるということができたようです。
それ故に花火師が、上から火種を投げ込んで耳を塞いで、その場で伏せるという打ち上げ方ができるようになった。
花火職人さんは命がけではあるんですけれども、職人技で打ち上げることができるようになったというのが、日本の打ち上げ花火の大きな特徴かなと思います。
花火なんですけれども、当然江戸時代、後期ぐらいになるまでは、色とりどりの花火という作る技術がありませんでした。
花火に色をつけるもの、英語でカララントと言いますけれども、これができるようになったのは19世紀イタリアからです。
これは、炎色反応という金属が炎に触れることで色を出すという反応が知られるようになってからです。
高校生の方、あるいは受験される方で化け学をとっている方ですね、炎色反応を覚えさせられると思います。
僕も高校時代に覚えさせられました。リチウムが赤、ナトリウムが黄色、カリウムが紫みたいに覚えさせられるわけですね。
なんで覚えなきゃいけないのかなと思うと、ずっと疑問だったんです。覚えて何になるのって。
考えたんですけども、よく考えてみると、あるパウダーが、粉が何でできてるんだろうって考えた時に、通常の化学の方法だと、
例えばある基地の酸に溶かしてみるとか、塩酸に溶かしてみるとか、硫酸に溶かしてみるとか、やってみるんですね。
これ物理学者の言葉で言うと、何かと何かを混ぜる、混ぜ混ぜするという発想なんですね。
物理学から見たら、そんな方法で荒っぽい方法で成分を調べるのって驚くんですけども、
それは1個レイヤーがあるとよくある話で、例えば化学者、化学者、
キミストから見ると、生物学の方でそんな荒っぽい方法でいいのって言うのね。
例えば、DNAの連携度なんかもそうですね。そんな荒っぽい方でいいのって。
最後、オーブンで焼いてザクザク切るとか、そんな方法でいいのって思われると思うんですね、キミストから見ると。
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ところが、生物学者から見たら、それは標準的な方法であったりする。
それと同じことが、物理学者から見たら、キミストの方法というのはすごく荒っぽく見えるということは起こるわけですね。
ところが、延縮反応というのは、極めて物理学的な方法なんですね。
ある未知の原子を炎の中で揺さぶってやって、揺さぶってやると原子の外角の電子ですね、
外回っている電子がふわっとそこ側の軌道に遷移して、それがまた元の軌道に戻るときにフォトンを放出する、光を放出する。
そのときに固有の波長の光を放出する。
例えばリチウムであれば赤に相当する波長のフォトンを放出する。
それからカリウムであれば紫に相当するフォトンを放出する。
極めて物理的な方法なので、延縮反応というのは化学と物理学をつなぐ現象だというふうに考えると、
勉強しないといけない理由も少しは納得していただけるかなと思ったわけです。
語呂合わせの覚え方とかもあるので、これはニュースレターの方で送らせていただいたので参照していただければと思います。
延縮反応の話をさせていただいて、それから焼石の話もさせていただきました。
焼石は焼酸カリウム、チリ焼石の場合は焼酸ナトリウムなんですけれども、
焼酸カリウムという水溶性の成分で日本ではほとんど取り出すことができない。
なのでそこら辺を通して、例えば織田信長がなぜ堺を抑えたのかって考えると、
鉄砲火事がいたのも一つなんですけれども、焼酸カリウム、焼石を何としてでも輸入を抑えなきゃいけないという理由もあったと思うんですね。
そうすると長崎から堺というルートを抑えなきゃいけないという事情もあったということも、
ケミストリーを通して歴史を学んでいったりとか、あるいは花火を通して歴史を知っていったりとかしていただければと思ってニュースレターも書かせていただいています。
そちらもご参照していただければと思います。
今日はその辺にしておきましょうか。
ぜひニュースレターの方でまた詳しく読んでいただければと思います。
今日も聞いてくださってありがとうございました。
見てくださってありがとうございました。
市でした。
11:46

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