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2021-07-11 17:51

041. 結婚の数学

「結婚」に関する数学の話題を3点お届けします.ひとつめは「合コン」で誰もが浮気をしないようにする数学的な方法.ふたつめは人生のどのタイミングで結婚すべきかを知る数学的な方法.みっつめは「知の巨人」と呼ばれたレヴィ・ストロースが「やらかした」婚姻と数学の関係についての説明です.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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おはようございます。
今朝はですね、オランダ坂につながる橋の手前から録画と録音をさせていただいています。
ここですね、実は僕は屋外での録画録音にこだわっているんですけれども、
セミの音が大きくて、ちゃんと録れているのかどうか、若干不安にはなっているんですけれども、
このままいきたいと思います。
もしね、セミの音がうるさければ、夏の風物詩と思ってお許しいただければと思っています。
最近ですね、僕が送らせていただいているニュースレターに関して腰を抜かすような嬉しいニュースが2つありましたので、
少しご披露させていただきたいと思います。
1つ目はですね、僕の学生時代の恩師がニュースレターに感想を送っていただいて、
まず読んでいただいているというのが嬉しかったんですけれども、
それに非常に的確なコメントを送りいただいて、
これはもうこの先生の弟子で良かったなと思った、改めて思った瞬間でもありました。
本当にありがとうございます。
それからもう1つはですね、僕が勝手に自分では弟子だと思っている、
大尊敬している作家さんであり数学者である結城先生という先生、
数学ガールの著者で、数学ガールシリーズの著者でいらっしゃる先生なんですけれども、
今朝ツイッターでですね、僕のニュースレターをご紹介いただいていて、
今朝ね、ツイッター開いたとき、iPhoneかiPadだったかな、ツイッター開いたときに、
もう漫画みたいに腰抜かして、急いでスクショも撮って、消されちゃったらどうしようとか思って、
もう嬉しすぎて、すぐ引用リツイートさせていただいたら、コメントもまた返していただいて、
本当にありがとうございます。
多分ね、ニュースレターを続けられているのは多分じゃなくて絶対なんですけれども、
読者の皆さんであるとかツイッターのフォロワーの皆さんであるとか、
ポッドキャストのリスナーの皆さんであるとか、
YouTubeのご覧になってくださっている視聴者の皆さんとかのおかげですので、
本当にありがとうございます。
今後もニュースレターを続けていきたいと思いますし、
このYouTube、ポッドキャストも続けていきたいと思いますので、
よろしかったらチャンネル登録あるいはサブスクリプションをしていただいて、
よかったらいいねも押していただけると嬉しいです。
すいません、調子乗ってちょっと今日嬉しいので。
今日は何の話をしていきたいかというと、
結婚にまつわる数学の話なんですね。
数学といってもそんなに交渉の話をするわけではなくて、
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こんな考え方があるよという触りの部分だけのお話なんですけれども、
させていただければと思っています。
3つ時間があればお話をしていきたいと思っているんですけれども、
1つ目が安定結婚問題と言われている数学の問題で、
ただ安定結婚問題というと語弊が多かったのか、
現在では安定マッチング問題という呼び方をすることが多いです。
ただ英語ではどちらもSMPで、
ステイブルマリージプログラムがステイブルマッチングプログラムに変わっただけで、
SMPで変わらないんですけれども、
これはどういう問題かというと、
合婚におけるカップルの作り方、
マッチングの取り方問題なんですね。
これどういうことかというと、
仮に男性5人、女性5人が合婚に来ていたとします。
5人5人、
政治人が男性、政治人が女性で全然問題ないです。
それぞれが性思考はヘテロセクシャルであると仮定します。
この仮定だけがあればいいです。
男性5人、女性5人、自称でもかまわない。
それぞれがヘテロセクシャル、男性は女性が好き、女性は男性が好きと仮定して、
それぞれ順位付けをするんです。
例えば誰々さんは、男性のある方は好きな女性1位がこの人、2位がこの人、3位がこの人、それぞれ順位付けをします。
女性の側もこの男性1位、この男性2位、この男性3位、第5位、全員分の希望順位を付けます。
下の方は多分ランク外ということになるんでしょうけど、一応ランキングを付けます。
ランキングをした上で、ある数学アルゴリズムを使うと、安定なマッチングというのができるようになります。
安定なマッチングとは何かというと、みんなが妥協した状態ですね。
全員の1位がバラバラで、全員が1位同士で相思相愛のままくっつくということはあり得ないじゃないですか。
僕、合コンのことはあまりよく知らないんですよ。
実は合コン、あまり参加したことがなくて、たぶんね、生涯で2回か3回ぐらいしかないんですよ。
しかも本気の合コンといったことがなくて、主催したことはね、婚活パーティーの主催とかは何回かしたことがあるんですけれども、
合コンにゲストとして呼ばれていたことがほとんどないので、実際どういう風にしてマッチングを取るか全然知らないんですけども、
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今お話ししている合コンに関しては、今横の川にクラゲさんが泳いでいて、川というかウンガなんですけども、
クラゲさんがすごい可愛くて、結構たくさんいる、結構大きなクラゲさんが。
クラゲ大好きなんで、すみません、気が散っちゃって。
学生には授業の時に気を散らさずに聞けとか言うんですけども、クラゲさん可愛くて目がチラチラいってしまいました。
合コンの話なんですけども、順位付けをして、自分が思っている順位の中で一番上で、相手が思われている順位が一番マシ。
自分が思っている方で順位が一番マシ。
全員がマシな選択をするようなマッチングを見つける方法というのがあります。
だから全員が今の選択肢が一番マシなので、それ以上相性の良いカップルというのが存在しない状態、これを安定マッチングと言うんですね。
なのでこの安定マッチングをしておけば浮気をするカップルが出てこないという設計なんです。
ただこれはもう理論上の話で、これが実際に合コンに使えるかどうかというと、たぶんそんなことはないと思うんですけども。
合コン以外の場面、僕が調べた範囲では、例えば研修院がどの病院に行きたいですかという順位付けと、
研修院の受入病院がどの研修院に来てほしいですかという順位付け、これをマッチングするのに使われていたりとか、
大学のゼミ配属なんかで、自分は何々ゼミに行きたいです、何々研究室に行きたいです、
研究室ゼミの側は学生の誰々さん来てほしいです、次は誰々さんという順位付けをした場合にそれをマッチングを取るというようなことに使われることがあるようです。
必ずしもそうなっていないところも多いと思うんですが、そういうことで使われることがあるということですね。
僕は学部生の時は研究室配属はジャンケンで決まっていました。
僕はジャンケンが弱いので、当然ジャンケンでは負け続けました。
ただ結果としてはすごく良い研究室にすごく良い勉強ができたので、僕は感謝をしています。
2番目の話題なんですけれども、こちらも数学的には結婚問題と呼ばれていたり、秘書問題とかスルタンの持参金問題、スルタンの持参金付き娘問題とかいろんな呼び方があるんですけれども、
これは何かというと、結婚というよりはお見合いと考えた方がいいかもしれないですね。
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例えば100人お見合いをするとしましょう。一緒の間でこれは大げさな言い方なんですけれども、
100人お見合いをするとしたら、何人目で手を打てば一番自分が希望するお相手、一番順位付けの高いお相手と出会う可能性が高いかという計算ですね。
100人お相手がいて、男性でも女性でもどちらでも結構です。100人お相手候補がいて、1位から100位までいるとします。
ただしどの順番で出会うかというのは分からない。何番目で手を打てばいいか。
例えば1人目に1位の人が来るかもしれないし、100番目に1位の人が来るかもしれないという状況で何人目で手を打てばいいか。
これは数学的には確率を一番高く可能な限り高くする方法がわかっています。
37番目まではとりあえずスルーです。37番目まではお見合いをしても手は打たない。
38人目からは過去最高が来たらそこで手を打つということですね。
これが結婚問題とかあるいは秘書問題。これは秘書を採用するという問題ですね。
それからスルタンの持参金付き娘問題というのは、なぜか庶民がモテモテで、スルタン王様の娘100人が持参金を持って結婚を申し込んでくる。
持参金がそれぞれ1位から100位までランクがあって、何番目の娘で手を打つかという問題でもあり得ないんですけども、数学の世界ではそういう仮定を置いて考えるというお話です。
そんな話ないですよね。娘100人、持参金付き、そういう話があるということですね。
これはテッドトークにもなっているので、ニュースレターの中にテッドトークのご紹介がさせてもらっているので、そちらも見ていただければと思います。
3番目がニュースレターに書かせていただいた内容で、非常に大それたことを書かせていただいたんですけども、
レビストロース、クロード・レビストロースという社会人類学者ですね。
つい21世紀に入ってから亡くなられたんですけども、フランスの地の巨人と呼ばれた方で、
彼は社会学に数学、特に抽象数学を持ち込んだという点で非常に評価されている方です。
いわゆる構造主義ですね。数学の世界でフランスで構造主義という考え方が、どっちが先だったかわからないですけども、
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ニコラ・ブルバキという人たちが集合論からスタートして数学を組み立てていくというような流れで、
彼らがそう呼んだのか周りの人がそう呼んだのかわからないですけども構造主義と呼ばれて、
それが社会学であるとか哲学の世界に盛んに使われるようになった。
その普及のきっかけを作ったというか、ひと仕事された方ですね、レビストロース。
彼が婚姻関係ですね、いろんな社会がそれぞれ婚姻のルールというのを持っています。
非常に有名なのは、兄弟婚を禁止する、謹慎婚を禁止するというものですね。
いとこ婚に関しては許可している国と許可していない国があります。
兄弟婚に関しては、イフ邸ならOKとかイボ邸ならOKとか、どっちだったかな、
どっちかスウェーデンで例外的に認めるケースがあるそうなんですが、
グリーンランドとかですかね、人口が少なくて家計を遡っていくと、どこかで繋がるので、
自分と恋人がどのくらい家計が近いのかというのを調べるアプリなんかがあるそうなんですけれども、
できるだけ謹慎婚を避けようというのは人類の知恵としてあるわけですね。
そういったものをルール化している民族というのもたくさんあります。
僕が以前お世話になった国立民族学博物館って大阪にあるんですけれども、
そこで展示をさせてもらったときに、カナダ、アラスカ先住民たちの結婚のルールというものも教わりました。
彼ら彼女らはアニミズムがあって、日本とよく似てるんですけど、
動物が神様で、神様と交流するには動物と変身するというような伝説があるんですけれども、
自分たちはどの動物に変身するか、つまり自分たちはどの動物の一族であるかというのはそれぞれ家ごとにあるんですね。
シャチの一族ですよとかカラスの一族ですよとかあるわけですね。
例えばシャチの家の人とシャチの家の人は結婚しちゃいけないとか、
そういったルールがあって、そういうことで近親婚を避けていく知恵だと思うんですけれども、
それをいくつか民族ごとに類型化して、非常に複雑には見えたんですね。
言葉で書くと複雑に見えて、必ずしも言語化されていないところもあると思うんですけれども、
それを数学者のアンドレ・ベイユという理論数学者で、中小数学の大先生がいらっしゃるんですけれども、
彼がレビストロースに協力して、親族の基本構造とか悲しき熱帯であるとか、
そういった本に書いていったわけですね。
その本も読ませていただいて、ベイユの仕事も読ませていただいて、解説されている論文も読ませていただいて、
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それをニュースレターにSNSで書かせていただいたんですけれども、
ベイユは途中で飽きちゃったんだなと、めんどくせえというかつまんねえと思ったんだろうなと思いますし、
クロード・レビストロースの方はベイユの言ったことで理解したのか、ちょっと疑問に思ったんですよね。
この人ちゃんと中小数学わかって書いたのかなと、ちょっと疑問に思ったんですね。
レビストロースの弟子たちは非常に緻密に理論の検証をしていて、
確かにベイユが言っていることも矛盾しないし、ちゃんと数学的に整理はできるということは示されているんですけれども、
だから何?ということしか出てこなかったんですね。
数学的に比喩として、もうちょっといい方法があるだろうと思って書かせていただきました。
これはちょっと僕のオリジナルのアイディアで、四角形が4つポンポンポンポンと出てくるんですけれども、
多分レビストロースが言ったこと、ベイユが言ったことと本質的には数学的には同じことを言ったはずです。
その親族の基本構造というのは実はこういうことなんだよというのを書かせていただきました。
こちらはぜひニュースレターの方で読んでいただければと思います。
実はこのニュースレター、いつもは音声版というのを別のポッドキャストチャンネルでお送りしているんですけれども、
図がいくつかあって、とても声だけで朗読しても伝わらないだろうなと思って、
声の方は撮ってないんですよ。どうしましょうね。何かいい方法があれば思いついたらやってみたいと思うんですが、
確かにレビストロースの方は図がほとんどないので、何とか言葉で説明しようとしたんだなと思ったんですけれども、
僕はなかなかそこまで出力がなくて書けなかったんですね。すみません。
というわけで、今朝もYouTubeの録画とポッドキャストの録音を送らせていただきました。
若干交通量が増えてきたのでここら辺で、またクラゲを見ながらお別れできるかな。
クラゲいなくなっちゃった。残念。
じゃあ家帰って、季節のお菓子でも食べている動画を撮っておまけにしようかなと思います。
今日も聞いてくださって、見てくださってありがとうございました。
よろしければチャンネル登録と高評価もお願いいたします。
ではまた次回お会いしましょう。市でした。
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