タイトルは覚えてますか、辰さん。
細胞が教えてくれる大切なことですね。
そうですね。すごく楽しみにしております。
大塚さとるさんが考えてくれたんですけど、届け君の心にATPですね。
届け君の心にATPですね。
辰さんの講義をですね、収録して、公開収録ですね。一発撮りで。
すごいですね。初めての試みですね。
普通の人もですね、大学で辰さんがこんな講義をしているというのを聞けてしまうということ。
これは見逃せない、聞き逃せない講義ですよ。
いつも通りやれるかな、平常心で。
学生たちにもしっかり質問してもらわないと困りますね。
じゃあ頑張ってみますね。
では皆さん、この後講義がスタートします。お楽しみください。
お楽しみに。
それでは時間になりましたので、今日のセミナーを始めていきたいと思います。
赤城健としては実はこういった外部講師を呼んでセミナーをするというのは今回が初めてで、第1号が河野辰さんです。
おそらく自己紹介はこの後されるかと思いますけれども、僕と辰さんとの関係性を簡単に紹介させてもらうと、
僕は大学の教員であると同時に、一般社団法人の海外日本人研究者ネットワークというメンバーになっていて、
それは何をしているかというと、大学院生とか若手の研究者をどんどん海外に留学してもらいましょうね、
そういう後押しの活動をしている、そういうUJAという団体があります。
そういう団体に僕が入っていて、その団体のメンバーの構成員が河野辰さんでした。
実は今日来ている鶴島さんもこういう活動にすごく興味を示してくれていて、鶴島さんもUJAの活動の手伝いをしてくれているところです。
今日は辰さん、たまたま熊本に仕事で来られていたので、今日は熊本からこちらの大学に来てもらって、
今日終わった後、この後また熊本に帰られるそうです。
さて、これ公開収録と言いましたけれども、辰さん実は後でお話しすると思いますけれども、
ポッドキャストで結構音声配信、いろんな人を呼んで音声配信をされていて、
僕自身もそれに出演したことがあって、スポティファイとかなんか、そこで音声配信をしています。
今回は辰さん自身のセミナーをここで今録音しておいて、後日スポティファイで音声配信するということですので、
今日の様子はずっと音声で録音させてもらいます。
おそらく皆さんこの後積極的に質問、質疑応答あると思いますけれども、そちらも録音してよろしいですかね。
録音されることになると思いますので、ぜひスポティファイデビューしたい人は名前を言って質問してください。
はい、じゃあ今日は辰さんよろしくお願いいたします。
奏でる細胞
奏でる細胞は、サイエンスと音楽を愛する二人がアメリカ、インディアナから楽しく奏でるようにおしゃべりする番組です。
この番組は地域医療に貢献し、皆様の一番近くにいるホームドクターを目指す。
はたなかないか。糖尿病クリニックのスポンサーズでお送りいたします。
はい、ありがとうございます。奏でる細胞というポートキャストをやっております。
いろんな配信を実はアメリカのインディアナからやってるんですけれども、初めて日本から配信するというチャンスをいただきました。
赤木さん、本当に呼んでいただいてありがとうございます。
今日何を皆さんに話そうかなと思ってるんですけど、僕たち奏でる細胞っていう名前を付けたのは、細胞の声を聞くという研究をしてますので、
それを聞いて細胞っていろんなことを教えてくれるんですね。
それを皆さんに伝えたいなと思ったのが一つと、あと僕はアメリカに15年前にアメリカに来ました。
なのでアメリカで生活していて気づくことを皆さんにお伝えして、皆さんがアメリカに行った時に僕がした同じ失敗を繰り返さないように、
そしてより楽にアメリカに適応できるようにというコツを伝えられたらいいなと思うので、何か感じていただければと思います。
まず最初に自己紹介させていただくんですけど、僕の大好きな生き物に鮭というのがありますね、サーモンですね。
2つの理由で好きなんですけれども、1つ目は美味しいということですね。
2つ目はですね、2つの環境に適応できている。
サーモンって最初川でピュアウォーター、淡水で生まれます。
そしてある時海に出まして海水、塩分のところで生きるんですね。
でまた淡水に戻ってきて卵を産んで次の世代に受け渡すということをするんですけど、多くの魚が生きれるわけじゃありません。
なぜサーモンだけがこうやって生きれるか皆さんご存知ですか。
エラにですね塩類細胞という細胞があります。
塩類細胞は塩を体の中に入れたり外に出したりするんですけど、すごい敏感に塩分濃度を感じ取って、
彼らのエラの細胞の形が変わって塩が多い時には外に出してあげる形。
塩がない淡水では塩を体の中に入れるような形になるんです。
こうやって敏感に環境の違いを感じ取って、そしてそれに合わせて体を作り変えるんですね。
でも全体を変えるわけじゃないんですよ。
エラのちょっとした細胞を変えるだけで適応できるんです。
これすごい生き物がくれている進化の適応のヒントだと思うんです。
なんかアメリカとかにバーンって行った時に、自分全部を変えなきゃいけないみたいな恐怖感ないですか。
大丈夫です。一部を変えればいいんです。一部を敏感にすればいいと思うんです。
それを後で説明させていただきます。
僕実はアメリカ生まれなんですね。
3歳までアメリカにいました。
父が工学部の研究者で博士をアメリカで取るために行ってました。
その時に僕生まれたんですね。
その後日本に来まして3歳から博士課程まで日本で過ごして、
その後アメリカに戻って子育て、3人の子育てをしています。
僕が幸せなのはこの家族のおかげなんですけど、
こういうサイクルがサーモンとまさに一緒なんですね。
アメリカから生まれて日本に来てまたアメリカに行っていると。
僕、研究の話をちょっとすると、化石が大好きな、恐竜が大好きな子供でした。
僕が大学に入ったあたりがウモウ恐竜が出てきまして、恐竜は蝶類に進化した。
ということはずっと僕が夢中になっていた恐竜の代謝、なぜ恐竜は大きくなったのか。
そして体温調節とかが恐竜はどうなっているのか。
トカゲのように変温動物なのか、人のように高温動物なのかという謎もね。
これ研究すれば分かるんじゃないかなと思って僕、鶏研究に行きました。
で、鶏の研究で研究していたところ、大きな謎、100年の謎と当時言われていたことが、
鶏はなぜ高血糖なのか。
人の3倍くらいの血糖値を持っているんですね。
人の3倍くらいの血糖値を持っているのは糖尿病なんですよ。
糖尿病のような状況で普段過ごしているこの鶏の謎をどうしても解き明かしたいなと思って
博士の家庭まで行って、インスリンと代謝ということで、
これが血糖調節に大事な役割を持っているものなんですが、
それを後でお話しさせてもらいますが、そういうのを明らかにして、
その後、血糖値の研究をしたので、
ちょっと糖尿病に関わる研究をしたいなと思って、
今ダイアビティスって日本でも言うらしいですね、ダイアビティスと。
これを研究しています。
僕の家族というのは、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんを含めて糖尿病の家系なんですね。
なぜか糖尿病が多いんですね。
だから、いつかその糖尿病というものが何なのか知りたいなという気持ちがあったのと、
アメリカでチャンスをもらえたということで、糖尿病の研究をしています。
じゃあちょっとさっき言った疑問に戻りますね。
日本とアメリカを2つの環境に適応するためには何に対して敏感になるべきか?
ちょっと皆さん何か思いつきます?
ちょっと想像してみてください、この答え。
ちょっとね、ちょっとだけ考えますね。
すぐ答え出ますから。いきますよ。
多様性を考える。
多様性というものにちょっと敏感になってほしいなというメッセージを出そうかなと思って、
僕が経験した大変さととても良かったことをシェアしたいと思います。
これ写真見て何か気づくことありますか?
これね、僕が2008年に行ったインディアナ大学の糖尿病センターの先生たちの比率です。
白人の女性が多いですね。
なんか華やかですね。
僕のところは実はこれ一型糖尿病というのは糖尿病2種類ありまして、
一型というのは子供のうちに結構疾患する方が多い糖尿病なので、小児科なんですね。
この小児科の小児病院の比率がもともと女性が多かったんですが、
それに目をつけたセンター長が優秀な女性をどんどん集めて、
女性が非常に多い研究施設を作ったんです。
そしたらアメリカの中でも難しいということで非常に話題になるし注目を浴びるし、
さらに優秀な方々を集めているので成果も出てですね、国際的にも有名になりました。
そういう戦略を持ったんです。
そうするとね、寄付金が集まるんです。
ドネーションがどんどん集まりまして、寄付金が集まるとそのお金でまた優秀な人を雇うことができて、
それで成功しているんですね。
僕はこの1型糖尿病のグループに入ったわけではなくて、
2型糖尿病のグループに入ったんですけど、
2型糖尿病のグループでこのカルメラさんという女の人が
ラボを開くところって同い年だったんです。
だいたい同い年。
僕の方がちょっと若いぐらいで。
でも友達みたいな感じで、
あなたの方がちょっとキャリアあるから、色々知ってるから、
研究の経験あるから、私と一緒に組みません?みたいな感じで、
誘われて一緒に研究室を立ち上げるところからやりました。
僕リクルートにも全部関わってるんですけど、
僕らのチームというのは成功してだんだんお金を得て、
こういうふうに15年進んできてます。
この15年のチームビルディングの中で、
もし皆さんがこのチームの中に1人ポンと入って、
このチームを引っ張ってくださいって言われたらどう頑張りますか?
どんな感じで溶け込んでいきますか?
何か想像できますか?
まず最初に僕が経験した違いを説明します。
どうやってチームワークを築くか。
日本にいた時僕ですね、こういうふうに呼ばれるんですよ。
タツは背が高い人ですね。
タツはスタイリッシュですね。
タツは国際交流会でボランティアしてる人だよね。
タツは優しくてナイスで、頭良くて、英語上手だよね。
助けてくれるしっていう感じで留学生の方々から言われて、
国際交流会で僕ね、学生の時から手伝いしてたんですよ。
スポーツもできるよねみたいな、こういう表現になります。
これがアメリカに行くと変わるんです。
こうなります。
タツってアジアンだよね。
タツって男だよね。
タツって日本語のアクセントが強くて何喋ってるか分からない人だよね。
これね、マジョリティとマイノリティの違いです。
男の人ばっかりの中にいたら、あの男の人って言われないですよ。
日本人ばっかりの中にいたら、あの日本人って言われないですよ。