片山 俊大
ここからまず、それぞれ自己紹介ということでスタートさせていただきたいんですけれど、
私ですね、私が何者かということなんですが、
改めまして、スペースポートジャパンの共同創業者で理事を務めております片山俊博と申します。
スペースポートジャパンの話をするつもりなかったんですけど、
何でかというと、さっきの弁護士の新谷さんが同じ共同創業者だったので、
するかなと思ったので、用意していなかったんですが、ちょっとそれは後で触れます。
私はもともと20年くらいデンツーという会社におりまして、
ブランディングですとかマーケティング、いろんな新規事業開発とかM&Aとかやっていました。
今はですね、クリーク&リバーという会長室というところにおりまして、
いろんな人材ですとか、生成AIの事業開発ですとか、そういったようなことを他方面でやっております。
まず、スペースポートジャパンとは何ぞやということなんですけど、
スペースポートを日本に実現するための、いわゆる団体になります。非営利の団体ですと。
スペースポートとは何ぞやというと、宇宙に飛び立つための地上の拠点、宇宙港とも言いますね。
空港に対して宇宙港、エアポートに対してスペースポートというふうに覚えておいてください。
そこの、いわゆる私はですね、町づくり、宇宙と地球をつなぐ地球周辺の町づくりをやっています。
もともと宇宙との出会いは何かというとですね、政府系のお仕事をやっていました。
政府系のお仕事で、アラブ諸国連邦のアブダビというところにある石油の検疫を抑えるために、
両国間の関係を良くしなければならないという中で、宇宙×資源エネルギーというタイトルで2015年ぐらいですね、
そういうパビリオンをやって、そこで石油と宇宙のバーターの外交の戦略みたいなことをやっていました。
そこでさっきのアイスペースの袴田さんという社長と出会って、
そこで資源パビリオンみたいなところに月面開発のところを担当お願いしますみたいな感じでやったりもしていました。
そういったようなことがあって、もともと宇宙好きではなかったんですけど、
宇宙をずっとやるようになって、結果的にあんまり宇宙に対する強い思いがないようなひいた客観的な視点で本を出さないかということになって、
超速でわかる宇宙ビジネスということで、一応宇宙ビジネス界では最初に読む本というふうに言われているらしいんですけど、
台湾とか韓国とかでも翻訳版が発売されておりますと。
言ったようなことが、もともと宇宙じゃない業界の人間としてひいた目で、
今日はいろいろモデレーターも務めさせていただきたいと思いますので、改めてよろしくお願いします。
次にバトンタッチをしたいと思います。
続きまして佐藤さんお願いいたします。
佐藤 航陽
スペースエータの佐藤です。
私はもともとIT業界の出身といいますか、半分くらい今もIT業界ですけども、
日常だと宇宙業界の方々に関わっている場合が多いので、業界のイベントとか行ってもかなりアウェイ感があるんですけども、
今日は少しホーム感があるので安心をしています。
やっている内容としては、私もずっとさっきの藤井さんの話のように、
ITのイノベーションというのが終わってきているんじゃないかなということを2010年代くらいに感じていて、
もはやITというのがフロンティアじゃなくなっている時代が来たときに、
次のフロンティアはどこなのかなと考えた時に、これは宇宙しかないんじゃないかなと。
かつ、ここ20年でいうとグローバル化、あとはインターネット化というのがビジネスのトレンドでしたけども、
次の20年、30年のトレンドって何かといったら、宇宙というキーワードを事業に取り終えた上で、
地球、デジタル、宇宙という3軸を見ながら事業をやらなきゃいけない時代というのが間違いなく来ると。
そのビジネスモデルを率先して作りに行きたいということで今、事業を行っています。
コンピューター産業って、私たちもここにいる方々も起業されるときに、
いろんなソフトウェアとかプラットフォームとかを使いながらコスト安く参入できていると思うんですよね。
ただ現状って宇宙業界ってOS的なものって少なくてですね、やっぱスクラッチで全部作らなきゃいけないので、
なんか手軽に使えるようなプラットフォーム、ライブラリ、ソフトウェアということもすごく少なくてですね、
簡単に言うとコンピューター産業におけるWindowsとかAndroidがないようなそんな状態だと考えていただければ、
わかりやすいかなと思っています。
なので私も非宇宙から入っていって、そういうプラットフォームがなくて非常に苦労した経験があるので、
宇宙業界外の方々でも簡単に触れて、自分なりの事業を考えられるようなシミュレーションの環境でしたり、
ソフトウェアの環境を作っていきたいということを行っていてですね、
世界中の人間が宇宙機を作ったりとか、場合によっては宇宙ステーションみたいなものっていうのも、
特別な方々じゃなくても作ろうかというふうに言えるような環境っていうのを作るためのプラットフォームっていうのを、
デジタルの技術と宇宙の技術を混ぜ合わせながら作っていっています。
なのであとは宇宙の環境そのものも、多分宇宙業界にがっつり関わっている人たちに関しては、
重力でしたり放射線でしたり、あとは電力環境とか通信の制限というのもほとんどパッとわかると思うんですけども、
私も非宇宙から入っていって、ここ勉強するのも結構時間かかったんですよね。
インターネットの場合だと、あんまりよくわからずともアプリケーションとかソフトウェアが作れていたので、
ブラックボックスのまま触れて、触れた上で宇宙ってこういう環境になっているんだということを、
仮想的に再現するような、そういうようなプラットフォームっていうのが必要だなと思っていてですね、
宇宙デジタルツインって私たち呼んでますけども、ほぼ今のISSでしたり月面でしたり、
低軌道の宇宙環境っていうのをデジタル上で再現して、
万人が触れて、それをもとにどういう事業を立ち上げるんだっけっていうことを考えられるような、
そういうインフラっていうのを今作っていってます。
あとは5月末にKDDIさんと一緒に宇宙の企業を育てまくろうということで、
一応高須社長と意気投合しまして、これはもう12、3年前のスマホと全く一緒だと。
このまま行くと、GAFAみたいな企業にほとんどの産業取られちゃうと思いますし、
GAFAがSpaceXになっただけだって、ほとんどの産業ってのが宇宙を軽視して取られちゃうかもしれないと。
これはもうまずいということで、宇宙×○○っていうテーマに関しては全部切って、
全てにおいて試していくと。
成功したらそれに対して投資をしたりとか、大企業を呼んできて、
M&Aだったりとか、追加の投資をいただいたりってことをしながら、
本当にその産業として育てていくってことをやろうと思ってます。
宇宙の産業が参入するのが大変っていう場合には私たちのプラットフォームを使っていただいたりとか、
ネットワーク試験っていうのもご提供しながら、
今のスマートフォンとかITのように宇宙企業っていうのをポコポコ生み出していくっていう、
そういうエコシステムを作っていくっていう取り組みをしていってます。
システム側もそうですし、事業側も両方でプラットフォームが足りないっていうのが私の課題感だと思うので、
そういうようなインフラを作っていって、
宇宙産業っていうのをインターネットみたいなインフラにしていきたいっていうことをテーマに行っていってます。
以上です。ありがとうございます。
片山 俊大
はい、ありがとうございました。
私ももともと宇宙業界じゃないところから宇宙に入ってきたので、
やっぱり佐藤さんみたいな人がこうやって宇宙業界で活躍されているのを見ると、
すごく僕も嬉しいなという気持ちがしますと。
あとは本当に宇宙って、
そういえばスマホも宇宙業界っちゃ宇宙業界ですよね。
GPS使っている以上ね。
だから逆に宇宙と関係のない生活はもう不可能っていうぐらいなんですよね。
だからITとかインターネットが好きとか嫌いとかじゃなくて、
もうないと普通にもう生きていけないしビジネスにもならないっていうことなんで、
私なんかこう宇宙はむしろやってないと関わってないとやばいみたいな。
なんかそんなような独語感が今日伝わったらいいななんて。
佐藤さんもその感覚はちょっと近いものありますか。
佐藤 航陽
そうですね。今ITビジネスやるとかIT事業やるってなんか不思議な話じゃないですか。
万人がIT使っているのでIT事業って言えないと思うんですよね。
でもまだ宇宙産業って宇宙の事業やろうとか、
宇宙を領域として捉えていると思うんですけども、
これがもう空気みたいに酸素みたいなレベルになるんじゃないかなと思って今進めてますね。
片山 俊大
昔インターネットビジネスって本が結構あったんですよね。
今あったら大丈夫かって思いますよね。
私の宇宙ビジネスっていう本も10年後20年後に、
そんな本あったって大丈夫かみたいな。
いや昔あったんだよみたいな。
宇宙ってただの空間の話ですからね。
グローバルビジネスみたいなもんで、
グローバルビジネス当たり前、
宇宙ビジネスも空間立て行ったら当たり前じゃんみたいな。
そんな風にもうなってくるのはもう間違いないと思いますと言いながらですね、
次はJAXA、ナイキさんにバトンタッチ、
今度はリアルな宇宙の重要人物ということでよろしくお願いします。
内木 悟
はいJAXAの今宇宙戦略基金の事業部というところと、
それから新事業促進部というところの部長をしてますナイキと言います。
よろしくお願いします。
宇宙の話をする代表の人って東大航空のバリバリのドクターの人みたいなイメージはあるかもしれませんが、
私文系です。
今日全く難しい話はしませんのでご安心ください。
今日のこの登壇の打診をいただいたのはだいぶ前だったので、
実はこの日付を聞いてちょっとドキドキしてたことが2つありまして、
1つは元々予定していたH3の2号機の打ち上げが6月30日で、
大丈夫かしらと思ったんですが、おかげさまで7月1日に無事打ち上げられまして、
晴れて気持ちよく登壇できてよかったなというのが1つです。
もう1つは新事業の他にこの7月から始めた宇宙戦略基金の事業部というのがあるんですが、
後で少しご紹介しますけど、政府から10年で1兆円という規模のお金を託されて、
民間主体の宇宙事業に対して資金提供をしてサポートしていくという仕事なんですけど、
7月の初めからスタートしますと宣言して準備をしてきたんですけど、
内木 悟
本当に間に合うかしらという状況で、実は昨日も夜中までやっていまして、
おかげさまで今日ですね、実は午前中に最初の5テーマの募集を開始できたということで、
これも気持ちよく登壇できたということで、本当に安心して今日の日を迎えておりますので、
ドキドキが晴れてよかったなというふうに思っています。
ちょっとだけ仕事の紹介をしますと、最初のスライドが2つの図があって、
ビジで恐縮なんですが、新事業って何とか基金って何というのを示した絵を描いています。
右の上の方が新事業促進部という名前の部がやっている仕事なんですけど、
宇宙の開発でJAXAは基本的には自分で研究開発をして、
いろんな実証をして社会実証化していくということを目指しているんですが、
そうじゃなくて民間の人たちが自分の力で宇宙に挑戦するとか、
あるいは宇宙の技術を使って地上でビジネスをするとかいう時に、
どんなサポートができるかというのをやっているのが新事業促進部という部で、
右上の図は例えばスタップアップさんがいろんなステージでフェーズアップをして、
例えば社会実証のところでビジネスを成功させていくという流れを考えた時に、
国もそうですけどJAXAもいろんなステージで支援策を打ってきていますよということを示した図です。
すごくビジなので一個一個は紹介しませんが、
最近は出資もできるようになりまして、
企業さんに直接出資をしたりとか、あるいはGPさんにLPと参加して、
一緒に投資をしていくとかということもできるようになっていまして、
そういったところでいろんな企業さんの活躍を支援するというような仕事をしています。
もう一つの左の下の方が新しく始まったもので、
これは政府の肝入りで始めた事業なんですけど、
先ほどからいろいろ話になっていますが、
宇宙ってもう国や官が開発をします、良かったねという時代は終わりつつあって、
ビジネスの世界でどれだけ利益を生む企業が出てくるかというのが非常に大事だと。
世界ではそういう企業がどんどん出てきていて、
日本でも宇宙ビジネスをやっている企業も80社ぐらいあると聞いていますが、
それをどんどん増やして成功させていくというために、
政府が先ほども言いましたけど、10年で1兆円という基金を作って、
それをJAXAではなく民間の方たちが自分でやる事業に対して支援をしていくという事業を始めましたというのが、
この宇宙戦略基金というものです。
JAXAはこれをお金としては託されて、
国が定めたいろいろなテーマに対してやりたいという企業さんを集めて、
選んで支援をしていくという仕事をしなさいというようなことを新しく始めることになりました。
というのが今日ご紹介する2つのお話です。
内木 悟
まず新事業の方でやっている民間支援というのはちょっといろいろあって、
ここに出ている6シートがありますけど全部は紹介しないのですが、
大きくはJAXAが今後やりたいけど、自分たちの力だけじゃなくて民間さんの力を使って、
一緒にブレークスルーを作っていきませんかというような活動が一つ。
それからもう一つは民間さんがこんなことできるんじゃないかと思って取り組もうと思っている、
だけど宇宙の技術のところよくわからないので手伝ってくれということに対して一緒にやりましょうという事業がもう一つ。
この大きく2つのことを今力を入れてやっています。
このスライドでいうと左の上のJSパークというのが民間さんからいろいろアイディアをもらって、
こんな事業をやりたいということに対して、じゃあ一緒にやりましょうと競争をして
競争って共に作るという字を使うんですけど、競争活動をしてビジネスを立ち上げていきましょうというようなものが
次のスライドで詳しくお話しする話で、これ数字だけなんですけど、
真ん中のところがJSパークという競争活動は2018年から始めているんですが、
内木 悟
これまでの間に300ぐらいのアイディアをいただいています。
アイディアをいただくと一緒にうなりながら、それはいけるかな、いやちょっと難しいかなみたいな話をさせていただいて、
できそうなものについては、じゃあこの知見を持っている人たちと一緒にやりましょうということで始めてきているのが48事業があります。
そのうちもうすでに11は実際に事業化を果たしています。
事業化というのは民間さんが自分の力で例えば会社を作って実際にビジネスに参加していくと。
というようなところにもうすでに11の事業がたどり着いていますし、
残りの中でも今18ぐらいが継続して進んでいるというところで、
この取り組みって民間さんも本気でやっているので、
JAXAが自分たちの協力のために使っているお金の何倍ものお金をこびっとしてやってくれていて、
ですので途中で辞めちゃうというのはあまりなくて、
ほとんどのものが事業化したり独自活動になったりして続いているという状況です。
これ中身を見てみると左の方のナンバーですけど、
JAXAが普段やっている宇宙開発の研究開発の領域とは違う領域でこんなことをやりたいんですというものもいっぱい出てきていて、
すごく面白いのは例えば異色獣みたいなやつですね。
着るものとか食べるものとか、
あんまり普通は宇宙って考えないようなものがきっかけで宇宙を使って何ができるみたいなことをやるような仕事もどんどん出てきています。
それから下の方の異業種っていうのも、
我々最初思いつきもしないような新しい業種の人が参加してきてくれて、
例えば面白いのでいうとエンタメ業界さんとか教育業界さんとか、
先ほどの異色獣でいうと食品メーカーさんだとか医療品メーカーさんだとか、
そういうところもどんどん入ってきていて、
わかりやすい例でいうと、
例えば宇宙飛行士が宇宙ステーションの中で着ている洋服があります。
宇宙飛行士って宇宙に持って行けるものがすごく量が限られちゃうので、
実は毎日毎日着替えしていると着替えるものがなくなっちゃうので、
結構長い間同じものを着ているんですね。
そうすると汗かいたりして臭くなっちゃったりすると迷惑なので、
どうやって臭くなりにくい洋服が作れるかっていう研究テーマがあるんです。
それは実はJAXAがやってもあまり答えが見つからなくて、
医療品メーカーさんとタッグを組んでやりましょう。
そうすると宇宙でできた宇宙飛行士が着る洋服が、
実は皆さんが夏場に着る洋服としてすごくいいよねってことになるという形で、
宇宙と一緒にやることで地上でビジネスが発展するみたいなことが起こり始めているんですね。
そういうのがどんどん業種が広がっていますという状況です。
右側のナンバーはこの活動にこれまで参加してきている業者さんの数が200を超えてきていて、
実はよく見るとその中の75%は宇宙をやったことのない業者さんです。
なので今日おそらく先ほどのアンケートでも宇宙に参加していますよってほとんどいなかったと思うんですけど、
そういう方たちがこれからの宇宙関連の事業を生み出していく可能性は十分あるなと思っていますよというのをまたここでお話したいと思います。
内木 悟
それからもう一つが宇宙戦略基金というものです。
先ほども言いましたけど政府が10年で1兆円という規模のお金を出して民間の活動を支援していきますというものです。
ビジで中見られないと思うのでぜひホームページ見ていただきたいんですが、
テーマとしては大きくはロケットみたいな宇宙輸送と言われるものと、
それから人工衛星みたいなものと、
それからこれから先ほどアイスペースさんもいらっしゃいましたが、
月や火星なんかに探査に行くぞっていうような分野、
こういった分野に対して世界と戦っていく上で、
これができると勝負になるぞみたいなところを民間の力でやっていこうというようなことでテーマを政府が決めて、
それに対して募集をして提案をもらって一緒にやっていきましょうと思います。
というようなものです。
最初は今年度はまず3000億円というお金が来てまして、
その3000億円で22テーマをこれから募集をしていきますということになります。
細かい話はここでするととても時間が足りないので、
ぜひホームページを見ていただきたいんですが、
先ほども言いましたように、
今日最初の5テーマの募集が始まっています。
なのでぜひ興味ある方はホームページで見ていただいて、
これってもしかするとうちが持っているこんな技術役に立つんじゃねえのみたいなやつは、
ぜひどんどん提案をしていただければと思いますので、
ご検討いただければと思います。
こういう時代になって、私両方見ているんですが、
宇宙戦略基金というすごく大規模な民間活動をやっていきましょうというものができたことで、
今までJAXAとしてやってきた民間支援というのも、
どこをやるのが全体としてうまくいくのかなというのを今一生懸命考えているところで、
ここであるように民間さんが自分でやって何の支援も受けなくてできるもの、
それからJAXAが国から付託されてJAXAとしてやるべきもの、
それとJAXAが協力して民間さんの力を倍増させて、
それによって実現していくものみたいなものがきっとあると思っていまして、
それをうまくミックスを作りながら、
どうやって日本の産業を活性化して世界と戦っていけるようにするかというのが私のテーマなので、
ぜひ皆さんと一緒に考えながらやっていきたいと思っています。
ぜひよろしくお願いします。
片山 俊大
ありがとうございました。
自己紹介およびJAXAの取り組みをご紹介いただいたので、
そもそもあれですよね、
よくSpaceXとかアメリカで宇宙ビジネス、民間企業がすごいみたいな話はよく聞くと思うんですけれど、
基本的にはSpaceXは政府からものすごいたくさんのお金がサービスを買うという形でいってますから、
すごい金額なようで、でもアメリカから見るとどうなんですかね。
内木 悟
もともとアメリカが使っている宇宙予算って、先ほどもちょっとありましたけど、
防衛というバックボーンがあって、防衛という名のもとにやっている宇宙活動もあって、
NASAもNASAだけでJAXAの十数倍の予算を持っているというような状況なので、
使えるお金の規模は全く違うというのと、
SpaceXって皆さんご存知だと思いますが、
Elon Muskの莫大な個人資産があって、それをどんどん投入するというのと、
創造効果でやっているというのがミソなので、
あのモデルを同じだと思うのはなかなか難しいと思いますね。
ただ、実はあまり知られていないんですけど、SpaceXに対してもNASAの技術者のサポートってすごく入っていて、
それが実はSpaceXが独自でできるようになったというところの大きな部分を支えているので、
それに近いところを政府やJAXAがどれだけできるかというのは、我々も考えていきたいなというところです。
片山 俊大
そうですね。本当にこれからは民間ビジネスって言っても、
官と民が連携しながら徐々に民間が広がっていくという、
インターネットももともと国防総省が民間に開放したものですから、
そうやってビジネスが花開くということで、その流れの一つなのかなというふうに考えております。
では、ありがとうございました。最後は京都大学の大森さん、よろしくお願いします。
大森 香蓮
はい。京都大学総合生存学館というところの大学院生で、
今こちらの皆様の中で、なかなか普通の一般の人間かなと思うんですけれども、
ちょっと特殊なことをやっておりまして、その活動を紹介させていただきたいと思います。
総合生存学館というのは大学院の一つでして、なかなか知られていないんですけれども、
いろんな総合分野、いろんな分野からの知識を統合させて、
学問を社会実装させていこうという大学院になります。
そこの5年間コースの1年生でございます。
経歴もそんなに普通の学生なのであまりないんですけど、
大森 香蓮
学部時代はロケットを作ったりとか、ものづくりされている方がいらっしゃるとおっしゃっていたと思うんですけど、
本当にロケットを作っている、本当にその辺にいる学生の一人だったので、
今は京都大学の大学院で人工重力を備えた宇宙構造物というものを研究しておりまして、
ちょっと特殊かなと思います。
私たち京都大学が所有している宇宙関係のセンターがございまして、
SIC、有人宇宙学研究センターというのを持っております。
ここ5つぐらいの研究プロジェクトが並行して行われておりまして、
今上にいろいろと先生方がいらっしゃるんですけど、
それぞれが協力しながらこのプロジェクトを進めております。
1つ目の、さっき住友林業さんの木造人工衛星、
昨日そちらのブースで見られた方もいらっしゃるかと思うんですけど、
そちらを、このセンターの1つのプロジェクトです。
私が関わっておりますのは2つ目の宇宙居住研究という部分でして、
鹿島建設という大野さん、ご存知の方もいらっしゃるかもしれないんですけど、
大野さんと私のボスが協力して始めたプロジェクトになります。
私のボスの紹介をさせていただくんですけれども、
山敷陽介先生という私のボスがいまして、
この先生がこの有人宇宙学研究センターを主導してまとめながら進めております。
分野は航空中工学ではないという部分をご覧いただいたら分かると思うんですけど、
いろんな分野から人が集まってくることによって進められているので、
本当に違う分野でも参画しているんだというのが分かりやすいかなと思います。
私たちが提案しているコンセプトがございまして、
宇宙居住学プロジェクトの中でやっているプロジェクトなんですけれども、
月にルナグラスという人工重力施設、火星にマーズグラスという人工重力施設を作ることによって、
微小重力化で問題視されている人間への健康状態の解決の一つの方法として提案をしております。
また、火星に行くには往復で3年かかりますけれども、
その間に本当に今の宇宙飛行士で最長でISSにいたのはだいたい1年半ということで、
その倍以上の時間がかかる中で、かつ滞在がある中で、
本当に人体に微小重力が影響がないのかといったら多分あるということで、
その間の期間、移動中でも人工重力の重力下にいることによって、
その人体への影響を小さくしようというようなコンセプトを考えてやっております。
私の研究内容といたしましては、この人工重力施設、これ回るんですけど、
遠心力によって人工重力を発生させる建物や宇宙船を作るというようなコンセプトがありますので、
私の研究としては、その人工重力とか重力がどのように人体に影響があって、
それがどういうふうに違うのかというような研究でしたりとか、
プロジェクトとしてはその結果を踏まえて、
こういう施設とかにどのような改善を加えたらよいのかというふうなことをしております。
よろしくお願いいたします。
片山 俊大
ありがとうございました。
さらっとお話しされますけど、結構ぶっ飛んだことをやられてるんだなっていうのが、
京都大学の特徴なのかなと私は思ってまして、
簡単に解説すると、地球環境まずいよってなった時に、
イーロンマスクとかはもう火星に地球のバックアップ作ろうぜって言ってるじゃないですか。
月は氷があるので水素と酸素に電気分解して、
そこでエネルギーを補給して火星へ行って、
火星と月と地球の一体開発みたいな、
それがアルテミス計画みたいな感じでアメリカ中心にやってたりするんですけど、
その先に人がこれから住むには重力がちょっと足りないよねみたいなことで、
じゃあ人工重力装置を月に作りましょうみたいな。
それでこれを今作られようとしてるわけですよね。
大森 香蓮
そうですね。私たちはさらに今イーロンとかは行くっていう部分を取り組んでると思うんですけれども、
行った後にどういうふうにそこに人が住むってなった時に、
もうほぼ住もうとしているとか行こうとしている段階で、
どういうふうに人体に影響があるのかっていうのは、
やっぱりいろんな医学研究が進む上で問題が発生しています。
例えば視力が落ちていて、地球に戻ってきてもその視力が改善しないとか、
そういう人体の影響が言われていて、
それをどういうふうに改善してさらに人類が発展させていくところの一助になるかというふうな研究をしております。
片山 俊大
ありがとうございます。
というメンバーでということで、これからディスカッションに入りたいとは思いつつも、
あと18分くらいになってしまったので、
もうこうなったら担当直入にですね、
今日のテーマである人類課題の解決に宇宙産業はどう貢献できるのか。
またこれもなかなか壮大なテーマで、
これ最後の締めとかに質問したいなと思ったんですけれど、
最初から聞いてみたいなというふうに思います。
では、すごい無茶振り質問かもしれないんですけれど、
佐藤さん、どう思われるでしょうか。
いろいろお話しください。
佐藤 航陽
私、宇宙って道具に過ぎないかなと思っているので、
インターネットも産業の拡大をして、
GAFAみたいな企業を生み出していって、
こういう場所、こういうコミュニティを生み出したということも派生的に起きましたけれども、
宇宙に関しても、おっしゃっていると特別なものじゃなくて、
単純なインフラなのかなと思っているので、
それをプラスに使うのかマイナスに使うのか、
またまた何に使うのかというのは、
人それぞれ選べるんじゃないかなと思っていてですね。
この問いも、ハサミどう使うんですか?
という感覚の質問に感じてしまっているので、
どういうふうに。
確かに、ちょっとフワッとしすぎました。
片山 俊大
確かにおっしゃるように、
宇宙というのは100キロ以上、80キロというのもあるけど、
100キロ以上なんですね。
私、東京から来ているので、400キロくらいすると、
宇宙よりだいぶ遠いところから、
今日来ているみたいな。
ただの空間のところぐらい、
ありとあらゆるものを使えるみたいなところだから、
どう活用できるかって、
当たり前すぎて質問になっていなかったので、
ちょっと佐藤さんの質問をしたいのは、
今、仮想空間に宇宙を全部再現するというか、
再現でもないか、
再現という言い方でもなく、
作ろうとされているじゃないですか。
それは決してリアルの否定ではなくて、
リアルともちゃんと一体化しながら、
仮想空間に宇宙を作っていくというところだと思うんですけど、
そこをもう少しお聞きしてもよろしいですか。
そうですね。
個人的に思ったのが、
佐藤 航陽
今、私たち物理的な宇宙に住んでいて、
重力があってという状態だと思うんですけども、
仮想宇宙も物理宇宙も変わらないんじゃないかなと思っていて、
多少物事が動く条件が違うだけだって、
将来の人間というのは、
仮想空間、今のデジタル空間とか、
メタバスみたいなもの、
インターネットのコミュニティみたいなものと、
宇宙というのが並行で捉えられているようになっているんじゃないかなと思っていて、
前田さんみたいに、
誰もがお金を払って宇宙空間を訓練していけるかというと、
そうではないと思うんですけども、
将来的には地上から遠隔操作で、
ロボットみたいなものを経由しながら、
月面の探査を手伝ったりとか、
ISSに入っていったりとか、
ということもできるようになると、
今、私たちがスマホの画面を見たりとか、
コンピューターで通信したり、
ズームでミーティングしたりするような感覚で、
未来の人たちというのは、
宇宙を捉えているんじゃないかなと思っていて、
その意味では、
マルチバース的な未来観というのが私の中であって、
物理的な宇宙というのは、
いろんな100個、1000個、1万個ある宇宙の中の
1個に過ぎないというような感覚に、
将来の人類はなっていくのかなと思っていて、
それのためのインフラを作りたいなと思って、
こういうことをしていましたね。
なるほど。
片山 俊大
佐藤さんの授業を拝見すると、
宇宙空間を地球上で体験できるような、
メタバス空間と、
地球上の、いわゆるデジタルツインのような、
地球上、宇宙の衛星とかを使って、
再現するみたいな、
宇宙空間を、
宇宙空間を、
宇宙の衛星とかを使って、
再現するみたいな、
この2つって、
全然、佐藤さんの中では一緒かもしれないんですけれど、
一般的な観点からすると、
全然違うような気がするんです。
特に、例えば、
ビジネスとか生活とかに、
今日のビジネスでいうと、
どういう役に立つところを想定されているんですかね。
地球デジタルツイン、
佐藤 航陽
地球の空間を再現するというものに関しては、
結構ありとあらゆるもの、
片山 俊大
結構需要がいただいていて、
佐藤 航陽
自動運転のコースに学習したいとか、
あと、都市開発に活かしたいとか、
あとは防衛とかのシステムを使いたいみたいな、
いろいろあるんですけれども、
ビジネスとか事業っていうのは、
後からついてくるものだと思っていて、
先に技術とかテクノロジーを作ってしまえば、
それをどう商売に活かすかっていうのは、
割と自然発生的に、
時間が経てば生まれてくるものだなと思ってはいるので、
地球に関しても生まれてきているので、
今の宇宙のデジタルツインに関しても、
今、宇宙開発についても、
宇宙開発に使っていただきたいと思ってはいるんですけども、
エンタメとか、私たちが想定していないものに
使われるだろうなと思って、
世の中にボールを投げて楽しんでいるような感覚が