宮武 徹郎
宮武さんからお願いします。
田村菜津紀
オフトピックの宮武と申します。
僕の方ではポートキャストを主にやっているんですけど、
オフトピックという海外のアメリカのテックニュースでしたりテックカルチャーについて深掘りするようなポートキャストを運営しています。
それ以外にシリアルトークというリテール向けのポートキャストでしたり、VC向けのポートキャストも運営しています。
もともとデジタルガレージという会社に所属していまして、
そこで佐々木さんの下でオープンネットワークラボの運営とメンタリングで入っていたので、
宮武 徹郎
今日はまさかのオンラボ2人が出るというところですね。
私は知らなかったんですけど、実は。
田村菜津紀
よろしくお願いします。
宮武 徹郎
ありがとうございます。佐々木さんお願いします。
佐々木 智也
デジタルガレージ佐々木と申します。
だいぶ僕は古いので、2005年からデジタルガレージに入って、
初めは海外からインターネットサービスを日本に持ってくるということを知って、
Twitterを日本に持ってきて普及活動をするとかですね、
Twitterジャパンできるまでの運営を我々の方でやるという中で、
日本から世界に飛び出すスタートアップを生み出したいなということで、
オープンネットワークラボを始めて鉄路とも一緒にやったり、
その中からいろんなドラマが生まれてきました。
今日はアクセラってどんなのよっていうのをお伝えできればと思っています。
よろしくお願いします。
宮武 徹郎
佐々木さんありがとうございます。
私も簡単にですが、
グロービスでジスタータップというアクセラレータープログラムの事務局長を務めています田村といいます。
私は2019年にグロービスの方に入社しまして、
日本からユニコーン100社配出するプラットフォームを作るというそんなビジョンをグロービスが掲げていて、
このアクセラレーターを今5年間運営をしてきています。
その前は実はアクセラとの出会いは、最初のキャリアがニコン株式会社でカメラの会社ですけど、
この会社の中でCVCをやってまして、
そこでアクセラレーターを立ち上げるという経験が元々ありました。
それでですね、グロービスから声を掛けてもらって、
その後スタートアップ特化したアクセラをしっかりやっていきたいと思って、
グロービスにジョインをしてきたそんなキャリアです。
今日はよろしくお願いします。
今日はかなり短い時間なんで、
本当に予定調和なしで楽しくオフレコも含み話していきたいなと思ってますが、
今日はネクストシティステージということで、
そもそもアクセラレーター知らない方いないかなと思って、
一応定義を持ってきています。
アクセラ入ったことある方とか、考えてるよって方ってちなみにどれくらいいますか。
全然いない。
知らないよって方はいらっしゃらない。
大丈夫。
一応定義持ってきてますが、
なかなか簡単に一言で言うのは表しにくいんですが、
アクセラレータープログラムと機関固定で、
集合型でシード機の起業家を支援するメンターシップと教育コンテンツを含んでいて、
最終的にデモデイというプレゼンの場を設けて資金調達を実現させていくような、
そんな支援プログラムのことをアクセラレーターと言っています。
ここまでで日米のこれまでの主要アクセラレーターの年表、
アクセラレーターの編成みたいなものを持ってこさせていただきましたが、
そもそもアクセラレータープログラムというものは、
アメリカで初めて始まりました。
Yコンビネーターですね。
この部分はかなり宮崎さんが詳しいところかなと思いますが、
2005年にアクセラレータープログラム、
ポール・グレハムという人がシリコンバレーで立ち上げて、
そこからグローバルにスタートアップを支援するようなエコシステムが出来上がってきているというところです。
有名なところだとARBとかドロップボックスとか、
そんなところがここから出ていてユニコーンになっているというところですね。
一方、日本は2010年がオープンレットワークラボが初めて国内で立ち上がったというところですね。
佐紀さん、当時アクセラってどんな印象だったんですか。
佐々木 智也
まだあまりYコンビネーターを知られていなかったというのもあって、
実はパクリです。
でもリスペクトして、やっぱり日本でもこういうのをやりたいよねっていうところから始まりました。
田村菜津紀
研究されて。
佐々木 智也
ただ同じはできないので、オリジナリティをどう出していくかというところが重要でした。
宮武 徹郎
オンラボさんが立ち上がられて、その後日本だとKDDIさんの無限ラボとか、
コーポレートアクセラレーターといって大企業がオープンイノベーションの一環でスタートアップとの連携を模索するために立ち上げるアクセラレーター、
そういったものがすごくたくさん増加していった経緯があったりします。
宮武 徹郎
2020年、私たちGスタートアップも2019年でかなり後発ではあるんですが、
VCがアクセラレーターを始めるみたいな流れができてきていて、
2020年以降、独立系のVCもアクセラレータープログラムを作って、
シード機の起業家を支援するという流れが出ているかなと思います。
ここで問題提起をしたいなと思うんですけど、
実は国内のアクセラからあまりまだユニコーンみたいなところが出てきている事例ってないですよねっていう話ですね。
田村菜津紀
スマートHRさんですかね。
宮武 徹郎
スマートHRさんですね。
それはまさに言われていると思うんですけど、本当に少ないという状況があります。
やっぱりアメリカではこのアクセラレーターみたいなものがしっかり創業機、シード機の支援をしているからこそユニコーンがエコシステムで生まれてきているっていう風に、
私は実は見ていたりするんですね。
そんな中で日本においてはなかなかここが育ってきていないっていう問題意識があったりするんですけど、
佐々木 智也
お二人はどう見られていますかっていうのをお聞きしたいなと思います。
やっぱりアクセラレーターを続けるのってすごい大変なんですね。
やっぱり成果も求められるし、あと10年ぐらい耐えてもらわないと会社にはいけないので、
そうすると良い循環が生まれてくるんですけど、その辺アメリカのYCの歴史をちょっと紐解いてください。
田村菜津紀
YCもまさに、もともとVCをちょっと嫌った形でアクセラレータープログラムという、もうちょっと速いスピードで投資ができて、
より小さい額で投資できるようなシステムを作ったのがこのポール・グラムさんという方で、
いろいろ試作を作ったからこそ今のアクセラレーターが存在するというところで、
そこのモデル自体はどんどん進化しているんですけど、そこがコピーされやすいと思うんですよ、そのモデル自体は。
ただ結局そこのちゃんとした優位性の部分とかはちょっと見過ごしてしまう傾向があったりするので、
外部メンターを呼べばいいじゃんみたいなことって、多分それって間違っているので、
根本的にスタートアップのためになるものっていうのは、もうちょっとインターナルのメンターでしたり、
そこのどういうふうな向き合い方をスタートアップするかっていう部分なので、
そこに関しては僕もオンラボにいたので、オンラボとかですと結構しっかりやってたのかなというふうには思いますね。
佐々木 智也
家族とまでは言わないですけど、親戚のいとこみたいな、困った時は相談するみたいな、そんな関係ですかね。
宮武 徹郎
ありがとうございます。
なので、ある意味だと米国においてはアクセラレーターの日米における役割とか提供価値の違いを聞きたいなと思っていて、
米国ではVCがそもそもシードの支援ってできなかったんですか?
そもそもなんでアクセラがここまで大きくなったのかって、どう?
田村菜津紀
一番最初で言うと、そもそもファウンダーの概念があまりなかったので、
当時の2005年とかに関しては、どちらかというとハッカーっていう呼ばれ方をしてたタイミングだったので、
そういう人たちに演じる趣旨みたいな形でそれをプログラム化しようっていうところが、
ポールグラムさんの自分の経験からそういう経験をしているので、だからそれをもう一回やろうと。
結局そのモデルが今までなかったっていうところ、
特に一番最初の3ヶ月間のPMFを探すところと、最初の加速の部分が全てだっていうのがポールグラムさんの考えで、
それをしっかりシステム化したっていうところですね。
それがやっぱり提供価値としてマーケットで刺さって、全世界のスタートアップが集まるようになってきたって、そういうことなんですか?
結果がまず出ないといけないので、ちゃんと結果を出してるっていう、
Airbnbもそうですし、Stripeもそうですし、そういうところにちゃんと入れてたっていうところ。
それこそサム・アルトマンも今一期生だったりするので。
宮武 徹郎
オープンAIのサム・アルトマンですね。
一期生の卒業生。
田村菜津紀
あそこも結局サービスとしてはそこまでうまくいってないんですけど、
彼はエンジェル投資家としてもう一回Yコンビネーターに投資家として戻ってきたりとか、
エコシステムの循環を作るのが非常にうまい。
そこの卒業生ネットワークを作るのが非常にうまいのがYCかなっていう。
宮武 徹郎
なるほど、ありがとうございます。
これじゃあ日本ではどうですか?
今たくさんのシードVCがいる中で、アクセラってどういう役割で育ってきたのかなとか、
その立場、役割、提供価値としてどんな価値がアクセラレーターに国内であるのかなと思っていて。
佐々木 智也
僕らのオープンネットワークラボもスタッフもそうなんですけど、スタッフも卒業していくんですけど、
スタートアップもどんどん卒業していくんで、ファミリーはどんどん無尽蔵に増えていくっていうので、
この写真は卒業生たちを集めてパーティーをやった時なんですけど、
スタッフを辞めた面々も集まってきて交流をしたっていう感じです。
13年オンラボをやってきてるんで、卒業生は155社いて、
それに社員もいるってことで、3人くらいいるから300とかいると思うんですよね。
田村菜津紀
基本的にオンラボの場合ですと、今も多分そうだと思うんですけど、
基本的にメインのプログラムですと全員に投資してる。
なので、ちゃんと投資のコミットまでしっかりしてるのも一つの特徴としてあるかなと思いますね。
宮武 徹郎
そういう意味ですごいコミットメント。みんな卒業後も仲が良くて帰ってくる場になってる。
佐々木 智也
そういう感じです。
辛いです。だから、上場企業としてこれをやるのは非常にテクニカルなところが必要だと思います。
宮武 徹郎
そうですよね。だからこそ直近だと私が感じてるのは、
やっぱり各VCがアクセラやるものの長続きしない。
2年くらいで、ちょっとオフレコの話ですけど、割とクローズしてしまったりとか、
担当者が辞められて、結果的に今まであったリソースがほとんど使えない状況で、
また改めてリブランディングして始まっていくみたいなことが結構起きてるかなと思っていて。
田村菜津紀
多分思った以上にアクセラレーターを運営するコストってあるので、
そこはやっぱり人の調整コストでしたり、やっぱり回す人たちは思った以上に負荷をかかっているので、
僕も上側にいたのでそれはすごいわかるんですけど、
そこは多分なかなか外からだと全く見えない部分なので、
そこは多分すごい意識して見ていかないとなっていうふうに思いますね。
宮武 徹郎
さっき話を聞いていたら、割と毎期終わるごとにその企画が今後どうなるかわからないみたいなディスカッションだったり、
もしくは数を減らす、調整ですよね。
ブラッシュアップって意味だと思うんですけど、そんなことを重ねられてきたっていう話があって。
佐々木 智也
常に変えていってます。担当者もコミュニティを担当する人間、後、広報ですとか、
メディア等の情報発信する人間と、後、チーム担当でずっと密接にやっていくとか、
もう大変なんですよ。
田村菜津紀
あとプログラム自体も結構変えてたりするので、そこも毎期ごと、
もともとは平等に同じ金額を投資していたのを調整しましょうかとか、
担当者1人をつけるべきなのか、2人つけるべきなのか、
外部メンターと内部メンターの比重をどう考えるべきなのかとか、
ピッチキャンプをするべきなのかとか、
どこまでピッチに重視するべきで、どこまでゼロイチの部分を重視するべきとか、
そこら辺は毎期ごと事前に相談しながら変えてるっていうところですね。
宮武 徹郎
なるほど。次のテーマに行ってるかなと思うので、一旦トピック出しますけど、
本質的に事業成長を実現させるための支援とかプログラム、
宮武 徹郎
これってどうやって作っていくのかなっていう、
これがまさにアクセラレーターの本当に本質的な価値だと思っていて、
シードで創業期の起業家を本当に立ち上げをして、
IPOがないし大きく成長させていく、そのためのドライブをかけていくってことなんで、
これをどう今捉えられてますかっていうこと。
佐々木 智也
僕らは鉄路がいた時代に確立したんですけど、5つの質問、
あそこの5つの問いに対する答えっていうのは出させるように今も繋がってる。
宮武 徹郎
5つの質問。
佐々木 智也
5つの質問。
田村菜津紀
全部覚えてるかちょっとあれなんですけど、
誰のために何の課題をどう解決するのかっていうところと、
それがどの市場でなぜ今やるのかっていうところですね。
宮武 徹郎
その質問を起業家に投げかけるっていうこと?
田村菜津紀
基本的にその5つの質問をずっと問いかけてるだけです。
プログラム中は。
最初からスタートするんですけど、誰のための何の課題だっていうのをひたすら話して、
それをクリアしなければそもそも次に行くべきではないので、
誰のターゲットも課題も決まっていなければソリューション作るべきではないので、
よくプログラム中で見るのが解決から来る起業家が多いので、
そこをもう少し根本的にユーザーヒアリングをしましょうとか、
本当に課題ってあるんですかっていうのをひたすら詰めると、
課題じゃなかったってなるんですよ。
佐々木 智也
結構思い込みで来る起業家の方もいらっしゃるんで、
もうちょっとそれ考えて直してみようっていうのをやります。
田村菜津紀
オンラボのプログラムは他のプログラムとはちょっと違って、
他のアクセラレータープログラムですとどちらかというと応援型、
起業家が入ってくるのはちゃんと支援しましょう、ちゃんと応援しましょうという形なんですけど、
オンラボの場合ですと結構壁になるんですよ。
そこをそもそも超えられなくて、すごいフラストレーションを感じる起業家もいれば、
プログラム中めちゃくちゃ嫌われることもあるんですよ。
宮武 徹郎
支援してもらえると思って来たら、
すごい否定されてるみたいなことがある。
田村菜津紀
こっちは否定してないんですよ。
ただ同じ質問を言い返してるだけなんですよ。
そこに対してめちゃくちゃ自信を持った場合は、
じゃあやってくださいっていうところで終わるんですよ。
ただずっと同じ質問を繰り返すと意外と皆さん自信崩してしまうので、
そうするとどこまでちゃんと考えてたかっていう話に戻るんですけど、
結果的にそれをやることによって、
プログラムの後に感謝されることはめちゃくちゃあります。
宮武 徹郎
なるほどな。
佐々木 智也
その後の成長とかも間違ってなかったっていうのはありますね。
宮武 徹郎
ちょっとじゃあここで用意していただいたスライド、
私が映してなかったんですけど、
オンラボさんの成績的な今の状況をよかったら教えていただけたら。
佐々木 智也
この前のページに下に、先ほど155社の卒業生で、
この下のところに155チーム卒業してて、
次回の資金調達率が60.4%、エグジットが12.9%ってことで、
次のページIPOが3社出てます。
あと大きなM&Aでいうと、今楽マンになってるフリルですとか、
エンジニアコミュニティのキータだったり、
アメリカでM&Aになりましたフォンドだったり、
一番最初のヤフーに買収されたドリッパースっていうのもM&Aで、
これから次期IPO出たり、
あと明日のローンチパッドに出るコムハムっていうのも卒業生だったりします。
宮武 徹郎
これすごいですよね。
本当に正直驚くぐらいの成果だなと思っていて。
田村菜津紀
たぶんそもそも上場まで出てるアクセラレーターって本当にないと思うので、
そこを3社も出してるっていうのはなかなかすごい実績だとは思います。
佐々木 智也
ありがとうございますっていうか、辞めた人間にフォローされてるんですけど、
でも過去の卒業生だから、やっぱり一緒に支援してたチームなんで嬉しいです。
宮武 徹郎
宮崎さん何機から何機やられてたんですか?