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2017-04-07

Q.41 物語が書けない

趣味で小説を書きはじめて10年。この1年間で240冊本を読み、自分の文章が変わったと思いますが、物語が書けなくなってしまいました...。


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こんにちは、プロインタビュアーの早川洋平です。石田衣良、恋と仕事と社会のQ&A。今日は新年度、一発目ですね。飯田さん、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、これ配信されるのは4月ですが、4月といえば…と続くと、石田衣良はどう答えますか?
いやー、やっぱり4月の頭の花見ですね。
花見ですか。
だから、長い冬が終わって、ドアを開けて外に出た瞬間に、風が生鳴るくてふわっとしていると、うわーって思いますね。
この長い冬を生き延びたっていう。
冬眠したみたいですね。
いや、そんな感じしません?気持ちいいよね、春の風。
でも、なんか花見って毎年行くんですか?
いや、っていうよりは、うちの近くの目黒川のところを散歩しながら…
あー、一番いいとこじゃないですか。
いや、人がすごく多いんで、ほんと良くないんですよ。
もうちょっと空いてるといいんですけど。
あ、そっかそっか。
で、ケバブ食べて、ポテト食べて、お好み焼き焼きそば食べてっていうのを果てしなく。
結構食べますね。そんなん。
だから、それを子供たちと一緒に行って、お昼代わりに3、4軒食べるっていうのが良いんですよね。
なるほどね。花見行きたくなってきましたから。
さあ、今日はですね、こんな質問を頂いています。
はい。
趣味で小説を書き始めて10年。石田先生の本を読んでください。読めば文章力が上がりますとの言葉に藁をもつかむ思いで本を読み、
この1年間で読んだ本約240冊。
おお、素晴らしい。
作家さんは150人以上。しかし読めば読むほど書けなくなりました。いざ書こうとすると1行目で自分の文章が嫌気がさし、パソコンの画面を閉じる始末。全く書けなくなりました。
書けないから読む。読んでまたさらに書けなくなるのスパイラル。それでも自分に夢中って書くと、確かに自分の文章は変わったという実感がありますが、物語が作れない。苦しいです。
あのね、多分ね。
今、自意識の扱いで悩んでいると思うんですよ。要は文章の上手い下手じゃなくて、自分で録音した声とか聞くと違和感を感じるじゃないですか。
人が撮った写真なんかでも違和感を感じることがある。なので、書くことをもっともっと続けてですね、その自分の文章、自分の声に対する違和感を消すしかないんだよね。
それと、今の段階で自分はもっとできるはずだとか、
もっと人によく見られたいみたいなエゴがすごく出てきているんで、それを削ぎ落とすためには逆に辛いかもしれないけれど、ともかくコツコツ書く。人に読ませる文章を書くっていうのが大事だと思いますね。
なので、とりあえず1本目、これが私のすべてとかっていうんじゃなくて、どこかの賞に応募するつもりで、気軽に1本あげてみたら、そこが出発点でいいので、開き直らないとダメなんだよね。
まずそこですね。
うん。
だから、完璧主義だと思うんですよ。なので、書いた途端に立派だと思われる作品とか文章を書きたいなっていう気持ちが強いと思うんだけど、それは最初からは無理だから、とりあえず書くことになれる、人に読んでもらうことになれるっていうのを繰り返すしかないんだよね。
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ただ、1本書いて短編をね、書き上げる。また2本書いてっていうので、またジリジリ上がっていくので、ともかく今は辛いかもしれないけれど、みんなその嫌な感じっていうのは持ってるので。
うん。
だから、白なパソコンに文章を打つときは、プロでもみんな嫌なものなので、それは慣れるしかないので、頑張ってくださいっていう感じですね。
嫌っていうのは、やっぱりずっと続くんですか?白いところに書くっていうのは。
調子がいいときは、もちろん誰だって大丈夫ですよ。でも、気分が乗らないとか、もう期日が迫っているけど、作品のテーマが決まらないみたいなときは、みんな辛いじゃないですか。
今でもやっぱりあります。
それはもう、プロはみんな一緒です。
うん。
うん。
でも、自分がノーベル文学賞を取っていますよ。川端さんでも、自分が文章を書き始めるときは、もう崖から飛び降りるようなつもりで毎回書くって言ってましたよ。だから、辛いの。基本的に人に読ませる文章を書くっていうのは。
なんか、辛いことたくさんありますね。そう考えると。
でも、その中に楽しいことあるじゃないですか。
うん。
なので、そこはもう乗り越え、慣れるしかないって感じかな。
うん。
人に読ませる文章、そういうもんだっていうふうに思って書きなさいってありましたけど、実際読ませたほうがいいんですか。そして読ませるとしたら、誰か近しい人に読んでもらうのか。
近しい人でもいいけど、やっぱりおすすめは客観的なプロの編集者だよね。彼らは書き手、たくさんの書き手の中で、そのプロになるかなれないかみたいなことを絶えず考えて読んでいるので。
はい。
やっぱりそういう人にちゃんと読んでもらうのがいいので。
うん。
でも、新人賞の応募をすると、必ずプロの読み手が読んでくれるので、そこがやっぱりおすすめかな。
うん。
でも、なんか今までお話がかかっていると、もちろんイラさんのような作家さん、慣れた方だからこそなのかもしれないですけど、なんかある程度力をつけていくと、まあ直木賞なんかもそういう感じじゃないですか。
はいはい。
必ずなんかいい線まで行くのが何年も続くとか、やっぱり力ってある程度のところは必ず上がっていってるんじゃないですか。
えっとね、じりじり上がることもあるし、停滞することもあるんですよね。
へえ。
で、そのプロの読み手が読んでくれるので。
はい。
でも、誰でもなれるかなれないかっていう壁は確かに厳然としてあるので、誰でもなれるっていうものではないんだけれど、今の相談の方はまだちゃんと書いてないからね。
そうですね。
それは書いてみるまでわからないので、とりあえず書いてどっかの賞に出してみましょう。
うん。
自分の好きなジャンルでいいので。
うん。
何でも中身はいいと思います。
じゃあ、まずもう飛び込んでみることですね、やっぱり。
うん。
あと、僕がやっているエブリスタのやつ、あのラノベのやつなんだけど、そっちでラノベの中では割と普通小説みたいなのが集まってくるので、
はい。
40代の人だったら、そっちにちょっと何か送ってみてもらってもいいかもね。
そうですね。
うん。
じゃあ、ぜひチャレンジしてみてください。
いや、チャレンジしてほしいですね。というより、240冊読めたんだから、じゃあ次は何とか50枚とか100枚の連作だったり短編だったりっていうのを一つ作ってみたらどうかな。
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そうですね。
うん。
ただ、この人すごい真面目なので、自分のことを書いていたような気がするんだけど、
ああ。
自分よりも、その自分以外のものを書いたほうがいいかな。
自分以外。
うん。
うん。
要は、世界のことを書いても、その人なりの見方とかその人の個性って必ず出てくるので、
ああ、そうか。
私が私がではなくて、人に読ませるものを書きながら、その中に自分の色が自然に出てくるっていうのがいいと思いますけどね、プロの書き手としては。
なるほど。自分から離れることが結局個性だと。
うん。そう。だから人文学で私のことだけ書くっていう人はそれはそれでいいけど、それはなかなか一般的にはならないので。
そうですね。具体的なアドバイスをいただきました。
はい。頑張ってね。
はい。
ということでですね、この4月から私たちもですね、新たなチャレンジを始めています。
そうなんです。
石平オンラインブックサロン。
はい。
世界はフィクションでできていると。
いや、世界はフィクションでできているって、タイトルとして出したんだけど、改めて決まってみると結構恥ずかしいですよね。
これ、実は僕らもこれからっていうとこなんですけど、何か飯田さん、今まさにね、Facebookデビューもして、これからですけど、何か感じてることとか、ワクワクしてることあります?
いや、そうですね。だから、もっと何か親密に、何か近い距離で。
親密に、何か近い距離でやり取りができるといいなとは思いますね。
うん。
うん。
それはやっぱりメルマガだと配信しておしまいになってしまうんで、
はい。
何かを問いかけてそのリアクションが返ってくるとか、さらにそこから話を広げるみたいなことはしにくいので、まあ、このFacebookのサロンの場合はそういうことがやりやすいということですから。
そうですね。このPodcastなんかのね、こういう質問もそうですけど、こういう質問をよりリアルタイムでそのサロンのメンバーから募って、またイラさんに答えるみたいなね、何かそんなこともする。
そうですね。
なんか今、まあTwitterの時代のせいかな、なんかみんなトゲトゲしてイライラしてるじゃないですか。
はい。
だからちょっとほっと息が抜ける場所が欲しいよね。
したいですね。
ここなんかあんまりうるせえ奴いないし、嫌な奴いないなっていう、そういう人が来るお店にしたいです。
欲しい。ある意味隠れ家的だね。
もうつらい。もうトラブとか見たくない、もう。
そうですね。
うん。
そんな場にしたいと思っておりますので、興味の方は石田イラ公式サイトの方にご案内ありますので、チェックしてみてください。
はい。よろしくお願いします。
ということで、今日もイラさんありがとうございました。
はい。ありがとうございました。

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