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2024-10-30 35:26

#7−9 熱意が組織を強くする!Netflixを支えるノールールズなルール(前半)

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ルールに縛られず、社員の能力と率直なフィードバックを重視する独自の組織文化で急激な業界の変化を乗り越えてきたNetflix。自由と責任を両立させるその戦略はAmazonやディズニーにも真似できないものです。今回はどのようにしてNetflixの組織が進化してきたのかを掘り下げます。


▼「s07 Netflix編」再生リスト:

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▼MC:

尾原和啓(IT批評家) https://twitter.com/kazobara


京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、産総研人工知能研究センターアドバイザー、現在13職目 、近著「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。「プロセスエコノミー」はビジネス書グランプリ イノベーション部門受賞


▼サブMC:

けんすう(アル株式会社代表取締役) https://twitter.com/kensuu


アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、2018年から現職。


▼番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。

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▼音声編集:株式会社BOOK


▼アドバイザー:株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典

サマリー

Netflixは、戦略の中心を絶えず変えつつ、独特の組織文化と適応性を持ち、競争の中で成長を続けています。特に、ルールに縛られない自由と責任のバランスが、クリエイティブなコンテンツを生み出す要因となっています。このエピソードでは、Netflixの組織文化とその成功の要因について深掘りしています。特に、クリエイティビティを高めるための自由な環境が、才能の密度を増すことに貢献している点が強調されています。また、Netflixの組織文化は成功を重視し、失敗を歓迎するボトムアップ型であることも強調されています。アマゾンなど他の企業と比較しながら、それぞれの文化や戦略の違いについても言及されています。

Netflixの変遷
スピーカー 1
はい、というわけでNetflix編もいよいよ第9回目ですが、ちょっと前回までとは違った、今回はNetflixの組織編ということなんですけれども、ある意味だと一番有名というか、一番Netflixのコアな部分みたいな印象があるんですけれど、今日はこの話でお願いできますか?
スピーカー 2
今までNetflixが逃げて、次の中心を見つけて、また逃げて次の中心を見つけてっていう形で、戦略転換をですね、もともとDVD販売レンタルにするのかっていうのを色々悩んで、レンタルだけだと辛いから、販売もセットで始めて、レンタルから月額制に中心をずらして、
そこからストリーミングが始まって、オリジナルコンテンツを外部制作とかで作り始めて、いよいよ内部制作で作ってみたいな形で、ずっと中心をずらしてるのに、こんなに変化に適応が早くて、
前々回話したように、ブロックバスターとかにボコボコにされながら生き残って、結果的に今百花繚乱な会社って珍しくないですか?
スピーカー 1
珍しいですし、それぞれのフェーズで必要な人材って全然変わりそうですよね。
スピーカー 2
さらに、実は今回1個だけ、ネットフリックスとして大極難なんだけど生き残ったよっていう戦略に関して語ってない歴史の部分があるんでしょう。
スピーカー 1
実はここ3年、ネットフリックスの株価って1回6分の1ぐらいに落ちて、実は先月ぐらいに一番最高潮だったのを取り戻したって知ってる?
そうなんですね。つまり2001年ぐらいから落ち始めて、2024年の8月とかにはもう最高値をつけているっていう感じなんですね。
スピーカー 2
最低値になったのがいつかっていうのはちょっとデータちゃんと見てないから、皆さん見ていただければなんですけど、感覚的にはそのぐらいで、この間にどんなバトルが広げられたかっていうと、
要はネットフリックス超強くなってきたのに対して、やっぱりコンテンツちゃんと自分でもってやっとかないとまずいじゃんっていうふうに他社が気づいて。
で、Amazonはもっとネット配信に注力してくるし、あとでかいのがディズニープラスの参入とかね。
スピーカー 1
ディズニーですね、確かに。
スピーカー 2
そんな感じで、要はコロナでみんなが引きこもってオンラインで動画見る需要が高まったときに、プラスしてもう一度、うちもオリジナルいいコンテンツあるんでぶん殴り合いやってるんですよ。
で、これでたまたまそのタイミングにサースネットバブルの崩壊みたいな形で、いろんな会社の株価が10分の1とか20分の1実はなってたんですよね、アメリカでは。
で、コロナの煽りを受けたこともあって、ネットフリックス、さっき言ったように時価総額が一時期40兆は届かなかったかな。ところから6分の1の7兆円とか6兆円ぐらいまで下がって、そっからもでもやっぱりなんのかんの言ってネットフリックスだよねっていう形で戻してるんですよ。
で、これ戦略として何なんだろうってオバラいろいろ探したんですけど、結論組織が戦略ってのがオバラの結論なんですね。
スピーカー 1
なるほど、じゃあそこのライバルがどんどん入ってきて大変だよねっていうときでも、戦略的な組織力で勝ったみたいな感じなんですね。
スピーカー 2
そうだと思う。それが一件数がさっき、これは結構ネットフリックスの中で実は有名なんじゃないですかっていう話が、いわゆる本として出版されたタイトルで言えばNo Rulesなんですね。
一言で言えばルールが必要になる人材なんて雇わねえよ。だから逆に言えば休暇とか経費とかお前の勝手にバンバン使えばいいじゃんっていう会社にしたことが結果コンテンツとクリエイティブっていうものが会社の中の最重要戦略になったときにむちゃくちゃ効いたんじゃないかっていうのがオバラの仮説。
自由と責任のバランス
スピーカー 1
なるほど、面白い。みんな口では組織が一番大事って言ったりするけど、そこまでやりきっている会社ってあんまりないですよね。
スピーカー 2
ないですね。調べたり、今回ネットフリックスの友人だったりとかに実際7人ぐらいインタビューしました。
スピーカー 1
すごい。
スピーカー 2
いわゆるあるじゃないですか、本では書いてるけれども実態がほとんどそうなくなってる会社。
スピーカー 1
ありますよね。
スピーカー 2
今具体例を挙げようとしたな。
スピーカー 1
いやいや、やめましたよ。
スピーカー 2
偉いですね。ネットフリックスの話はそこがコアってちゃんと認識してるんでしょうね。今のところそういう子がめっちゃ境外化してるよみたいな話ってほとんど聞こえなかったんですよ。
スピーカー 1
じゃあ中にいる人たちも、あの本のまんまだよっていう感覚なんですか?
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
すごい。
スピーカー 2
特にさっき言ったクリエイティブディレクションをしてる人たちですね。ということもあって、今日はこの話をしていきたいと思うんですけども。
スピーカー 1
楽しみ。
スピーカー 2
つまりネットフリックスがなぜ合計すると10回以上の細かい戦略転換をしたにも関わらず、かつブロックバスターという大凶豪とかいろんな凶豪から殴られ、ここ3,4年で言えばあのディズニーからもアマゾンからも殴られ、なぜ伸び続けるという適応性を作れたのか。
さらに言えば、誰もが見たいと思うような作品ですよね。が、ネットフリックスからはなぜ生まれるのかと。
最近で言うとね、トークサバイバーが、これちょっと再生時はどのぐらいまで今言ってるかわかんないんですけど、めちゃめちゃ面白かったりとか、面白いコンテンツが連発するわけですよね。
スピーカー 1
そうですね。もうあそこにしかないコンテンツがたくさんありますね。
スピーカー 2
しかもわかってる?グローバル企業なのに日本からこんだけいいコンテンツ出てんだぜ。
スピーカー 1
そうですよね。そこなんですよね。
スピーカー 2
っていうようなところを生んでる組織をどう作ったかっていうノールール。これの構造を説明していきたいと思います。
ものすごく言うとですね、当たり前だけどルールがいらないような社員だけが残って活躍するっていうところまでいかないと当たり前だけどこんなことできないわけですよ。
スピーカー 1
そうですね。逆に中途半端な人はダメなわけですもんね。ちょっとできるぐらいだと難しいですよね。
スピーカー 2
ネットフリックスがこういうことを言うところの根っこって自由と責任のコンビネーションなんですよね。
スピーカー 1
自由と責任。
スピーカー 2
自由と責任って言ったら当たり前すぎるじゃないですか。自由にさせるからには責任を自分で持とうねっていう話だとこれだとわかりにくいので。
わかりやすい言い方をするとデザインされた自由っていう言い方だったりとか。あとこれはネットフリックスじゃなくて他社の表現で似たような文化があってザッポスとかではオーガナイズドカオスって言い方しないでしょ。
スピーカー 1
近い意味ですね。デザインされたルールというか自由と。
スピーカー 2
要はあなたに任せるんだけれどもあなたに任せる中で会社として大事なことが結果として現れるようにデザインされてますよっていうのがデザインされた自由っていう言い方であり。
逆にザッポスの方の言い方のオーガナイズドカオスっていうのは有機的に連結された混乱っていう感じなんでしょうね。
つまり新しいものを生み出していくためには今までにないものを取り込んだり出したりする必要性があるからカオス混乱がないと新しいもので生まれないわけですよ。
だけどカオスって言っちゃうともう何でもOKみたいな感じになるともう無規律状態になってしまうので、むしろ自然と今まで繋がらなかったものが繋がるようになるとか。
自分が大事にしているものがものすごい力を持って突破していって今までなかったところまで飛んでいく。
こういうものを生み出すことをオーガナイズドカオスっていう言い方を靴のECですごい有名な会社で、これもどこかで取り上げたいんですけれどもザッポスでは言ってたりするんですよね。
じゃあ具体的にこのデザインされた自由に向かうにはどうすればいいのかっていう話だったりとか、ないしはルールが必要になるような人材を雇わずに本当に結果が出るっていうところに向かうにはどうするかっていうのには3つの柱があるんですよ。
スピーカー 1
三つの柱。
スピーカー 2
それが1、能力密度を高める。
スピーカー 1
能力密度。
スピーカー 2
これ後で説明します。
2番目、実は僕2番目好きなんですよね。
率直さを高める。
スピーカー 1
なるほど率直さ。
スピーカー 2
一言で言えば思った時に思ったことを言えるっていう話だし、もっと言えばお互いに思ったフィードバックをきっちり相手に言えるってことなんですよね。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
3番目がこの2つがあればコントロールを減らしていけるよと。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
っていうことなんですね。
要はコントロールを減らすって何かっていうと、コントロールするってどういうことかっていうと命令がされるってことだよね。
もっと言えば命令がされるっていうのは相手の言いなりになるってことじゃないですか。
スピーカー 1
なるほどね確かにね。
スピーカー 2
そうするとこれねモチベーションの革命って素晴らしい本があるんですけど。
スピーカー 1
小原さんの書いたモチベーション革命。
スピーカー 2
ごめんね突っ込むまで待っちゃって。
自画自賛は置いといて、いろんなモチベーションのリサーチを僕この本の時にしたんですけど。
実はモチベーション革命のことで本当に大事なところって2要しかなくてさ。
何かっていうと人間がモチベーションを持って働けるっていう時はたった2つ守るだけでいいんです。
目的を自分で決めること。
あともう一つは目的に対する手段も自分で決める。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
そうすると他人に言われたことではなくて、やりたいことやれることってのが自分から由来してるから自由なわけですね。
こういうふうに命令を減らして自分がやりたいことのゴールを自分で決めて、その手段も自分で決めてっていうふうになってるとモチベーションフルマックスになるから。
人よりも100倍のスーパースター社員みたいなのがバンバン生まれてくるし。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
さらに言えばもう1個大事なことは変化に強いとか、あとコンテンツにおいて他では見られないぐらいの熱量がある、攻めてる作品が生まれるって、やっぱり大事なことってその人がやりたい方向に熱量を持って走るってことが大事だし。
これって僕らでもよく話す変害みたいな話だよね。
あともう1個大事なことが、やっぱり変化に気付けるようになるっていうことがむちゃくちゃ重要なわけですよ。
スピーカー 1
変化に気付ける。
スピーカー 2
これね、心理的絶対安全性って言葉あるじゃないですか。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
これめちゃめちゃ経営の中では当たり前に使ってる言葉じゃない?
スピーカー 1
そうですね。従業員がここでは何やってもというか、こういうこと言ったりこういうことやっても大丈夫だよっていう安全性があると組織はすごい活発になるよみたいな話ですよね。
スピーカー 2
だけどこれもともとね、実はこれGoogleが研究して使い始めてみんなが使うようになった言葉なんですよ。
スピーカー 1
Google発なんですか、これ。
そうです。
スピーカー 2
マインドフルネスの文脈の中で広まった言葉で。
スピーカー 1
そうなんですね。
スピーカー 2
要は何かっていうと、クリエイティビティが増すには何が一番重要な因子なんでしょう。
ということを調べていったときに、このサイコロジカルセーフティ、心理的安全性っていうのが大事って話になったんですね。
そのときに、じゃあこの心理的安全性を調べるための質問って何なんですかっていうと、これも一個でいいんですよ。
これは何かっていうと、あなたの上司はあなたのことを部下A、部下Bとかじゃなくて、あなたと個人として認識してますかっていう質問をしたときに、6割の人がイエスって答える組織はクリエイティブだって話なんですね。
へー、面白い。
組織の心理的安全性
スピーカー 2
要はね、これ逆のシチュエーションを考えるとめっちゃわかりやすいんでしょ。
要は、自分のことはもう名前で認知されてなくて、部下A、部下Bですっていう話って、単純に言っちゃうと、上司は私のことを取り替え可能な部品と見てるだろうって思えちゃうわけですよね。
スピーカー 1
そうですよね。
スピーカー 2
そうするとどうなるかっていうと、失敗を嫌うようになるわけです。
スピーカー 1
交換されては部品ですもんね。
スピーカー 2
さらに言えば、上司が何かおかしな振る舞いをしてても、最大の失敗を嫌うっていうのは、上司がしたミスを言えなくなっちゃうんです。
スピーカー 1
あー、確かにね。嫌われたらまたそれも排除されちゃいますもんね。
スピーカー 2
そうなんです。だから、自分がやってることを、組織がやってることっていうのが、おかしな方向に向かってても言えなくなるし。
ましてや、本当はさっき言ったように、変化に対応が早くなるっていうことだったりとか、自分だけがこれめっちゃいいと思ってんだよねっていうことを表現することなんていうのは、自分が取り替え可能な部品だって思ってる人からは発言生まれないですよね。
スピーカー 1
確かにね。
スピーカー 2
だから、心理的安全性っていうものがクリエイティブの第一条件ですよっていうことが大事っていう話で。
ネットフリックスの話に戻っていくと、このコントロールを減らして、自分たちでゴールを決めて、自分たちで手段も決めてやるっていうのは、ネットフリックスっていうのは、ライバイからどんどんぶん殴られる環境がすごいし。
ましてや、他ではなくてネットフリックスでしか見れないコンテンツがあるっていう、この熱量が今、ネットフリックスにおける戦略の一番大事なところなわけでしょうね。
スピーカー 1
そうですね。
しかもネットフリックスって、今や世界190ヶ国にいるから、4億人のユーザーがいるので。
スピーカー 2
そうすると、4億人の中の1%に届く、1%にむちゃくちゃ刺さる作品だけでも400万人を対象として作品が作れるから。
じゃあ、1作品で10円、1人10円でコンテンツを作ってくださいって言っても、1%にめちゃくちゃ刺さる作品であったとしても、10円あれば400万人いるから4000万円使えるわけですよね。
ってことは逆に言えば、それだけあなたが刺さってるって思えるものにめちゃめちゃ作ってこいっていうこともできるし。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
逆にそれの裏側に、前回話したみたいなAIのデータみたいなことを使っていくと、それを1%じゃなくて、日本では20%の人が見てくれますね。
海外では1%の人が見てくれますね。みたいなことをやるだけで600万人とか800万人とかできるから、予算規模ももっと欠けれる。
スピーカー 1
セブンルールズっていう規模の経済みたいなものがここでも効いてくることですね。
さすがだね。
スピーカー 2
っていうことで、このクリエイティビティの他にない作品があるってのが、今や世界に広がるNetflixの中で一番の戦略根幹になった時に、このコントロールを減らして自分の熱量で動ける社員を増やすってのが戦略じゃないってのがオバラの見立てなわけですよ。
なるほど。さっきの3つの組織のルールの1番目が、才能というか能力の密度を高めて、2つ目が率直さを高める。
能力密度とクリエイティビティ
スピーカー 1
率直さを高めて、それがあると3つ目のコントロールしなくて済むみたいな、こういう構造なんですね。
スピーカー 2
はい、さすがですね。つまり、このコントロールを減らすことで、デザインされた自由の中で社員の方が動けるっていうところが一番重要だとしても、その状態に持っていくのがめっちゃ大変じゃないですか。
スピーカー 1
そうですね。一言で言うと、要はコントロールをしないことでクリエイティビティが高まるから良い作品生まれて勝てるっていうだけなんですけど、コントロールしないで組織を運営するのがいかに難しいかっていうのがありますよね。
スピーカー 2
そのために大事にしている3段階っていうのが、能力密度をまず高めましょう。率直さを高めましょう。最後にコントロールを減らしましょうっていうこのステップを踏んでないとダメですよって話なんですね。
スピーカー 1
さっき率直さと聞いた時に僕ちょっとだけ笑っちゃったんですけど、あらゆる組織で率直さとかオネスティとかめちゃくちゃ言われてるけど、ここはみんな一緒なのに能力密度の話って結構みんな避けますよね。
スピーカー 2
そうなんですよ。
スピーカー 1
なんかちょっとドギツく聞こえるのかなと思って。
スピーカー 2
おっしゃる通りです。
ただここで大事な、本当やっぱり組織いろいろ見てるからもうお指摘がめちゃめちゃ鋭いんですけど、能力密度って言ってるとめちゃめちゃできるやつだけ残そうぜっていうふうに聞こえるじゃないですか。
スピーカー 1
そうですね。印象的にはそうですね。
スピーカー 2
もちろん能力密度を高めるっていうことは、その組織のリーダーの最優先目標、一番の目標は最高の同僚だけで構成される職場にするっていうことが能力密度の定義なんですけど、じゃあこの最高の同僚とはどういう人ですかっていうことの定義。
ネットフリックスの場合はクリエイティビティと情熱を持って重要な仕事を山ほどこなす人っていうのがまず最高の同僚の定義なんですね。
スピーカー 1
なるほどな、山ほどね。
スピーカー 2
山ほどっていうのは、これはちょっと後でまた話に戻ってきたいんですけど、単純に言うとさ、僕らって普通に考えたらブラックの働き方してるじゃないですか。これはもう水野さんにしてもキングコングの西野さんにしてもそうで。
それって何かっていうと、さっき言ったように、自分の中に情熱があってさ、自分の中でクリエイティビティが発動しちゃってさ、思いついちゃったらやっちゃうじゃん。
スピーカー 1
そうですね、誰かに言われてやってるわけじゃないですもんね。
スピーカー 2
しかもその仕事っていうのが重要で、これうまくいったら世の中にちょっと影響与えれるんじゃね?とか、誰かをめっちゃ笑顔にできるんじゃね?とか、自分が思い描けたことで人の心が動くんじゃね?とかってなると、ほっといても山ほどこなすよね。
スピーカー 1
はいはい。
そうです、これ綺麗事ではなくて、本当にその辺が一番ワクワクしちゃうんですよね、きっと。
スピーカー 2
本当にそうなんですよ。だから逆に言うと、そういう同僚だけが残る会社に住むのが大事じゃね?って話なんですよ。
じゃあそういうクリエイティビティと情熱を持って、自ら重要な仕事なんだからガンガンやっちゃうぜ、それで結果的に人の100倍結果出すぜっていう人がガンガンに残りたくて、そういう人が発動しやすくなる会社って何なんですかっていう話で能力密度を高めるってことは、
高めるために能力密度を低くする社員にはいなくなってほしいっていうのが次生まれるわけですよ。
そうすると、これサイバーエージェントの藤田さんが言ってた話でもあるんですけど、能力がある人間といいやつっていう二軸があった時に、能力があっていいやつっていうのは必ずいただきたい社員じゃないですか。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
一方で、いつも問題になるのは、能力があるんだけどいいやつじゃないっていう人間と、能力がないんだけどいいやつってなった時にどっちを残したいですかって話になるわけですよね。
どっちですか。
スピーカー 1
僕はやっぱり能力高くていい人じゃないのは、かなり組織を壊すという感覚があるので、そっちはちょっと退場していただこうがいいかなって思ってます。
スピーカー 2
まず能力があったとしても、良くないやつは絶対に残さないってことを決めることが能力密度を高めることになる。
それはなぜならば、最高の同僚であるクリエイティビティと情熱を持って重要な仕事を山ほどこなす人がいたくなくなる。
何種類はその人がクリエイティビティと情熱を持って仕事できなくなる。これが無害だから、そういう人はいなくなってくださいっていうことを決めてるところもちゃんとすごいんですよね。
スピーカー 1
ネットフリックスでも、良い人でクリエイティビティ超あるし、情熱もあって山ほど仕事をこなしてるけど、めちゃくちゃ番組が面白くない、刺さってないみたいな場合でも、その人は残れるんですか?
スピーカー 2
そういう意味では、まず大前提で言うと、能力はあるけれども、良い人じゃない人はいなくなってもらいましょう。
これは大前提なんですよ。迷うところじゃないですか。
その次にある、能力がないんだけど良い人は残ってくださいってのはまた別問題で、能力がないと生き残れない会社ですっていう風にしてるので。
スピーカー 1
なるほどね。そこはやっぱり実力主義の。
スピーカー 2
そうですそうです。
スピーカー 1
なるほど。じゃあ実力主義のところはあるけど、実力だけがあっても全然ダメですよっていうことで。
スピーカー 2
そうですそうです。おっしゃる通りです。
スピーカー 1
なるほど。じゃあ本当にもう一番良いところ、能力もあるし良い人だけを残すっていうことですね。
そうですそうです。
スピーカー 2
なるほど。
で、それをやるためにやってることっていうのが、じゃあ能力があるけど良い人じゃない人をちゃんと定義するってことで。
それは何かっていうと、悲観論者、特にネガティブなことを言う悲観的な人は退場いただきましょう。
あと対人関係においてマウンティングをするとか、いろんな形で嫌なやつは退場いただきましょう。
あと能力があってもやっぱり怠け者な人はいなくなっていただきましょう。
こういうようなことをやっていくことによって、最高の同僚が最高に仕事ができる環境にまずするっていうのが能力密を高めるってことなんですよ。
スピーカー 1
なるほどな。
スピーカー 2
でも実際、仕事ってスキルとウィルの掛け算なんですよ。
だから良い人良い人じゃないじゃなくて、アウトプットってスキルである技術を持ってる、できる能力があるっていうことにその人がめちゃめちゃやる気になるっていうウィルがあるかの掛け算なんですよね。
そうすると今みたいな能力密度を下げるような人間がいなくなって、お前がやりたいことをやれるように任すよって言うと、スキルが、ウィルが発動するのでスキルの150倍、200倍、1000倍の仕事をするようになるし。
ウィルを高めると結局スキルも育つわけですよね。
こういう両循環をするようになると、結果としてその人が100倍とか1000倍のアウトプットを出せるようになるから、だったらその人には年収10倍払えますよと。
スピーカー 1
まあそうですよね。人は少ないほうがいいですもんね、クリエイティビティとかにおいては。
スピーカー 2
っていうようなところまで能力密度が高められると、第2段階来るし。第3段階になってくると、クリエイティビティと情熱を持って重要な仕事を山ほど自分でこなせる人っていうのが当たり前の状態になってくるので、今度能力密度を高めるためにさらに濃くするってことまでNetflixはやってて。
これ何かっていうと、常に上司はある質問を頭に浮かべるし、各メンバーも思い浮かべる質問っていうのがあって。
Netflixをやめて他社に転職するってあいつから言われたらどうしようって思った時に、必死に引き止めようって思わない人材は減らしてっていいんだよっていうのはもう課せられてるし、さらに本人、各メンバーもですね、どんどんどんどんいろんな会社に転職面談してくださいと。
転職面談した時に、自分はNetflix以外に行ってもいいかなって思い始めたら、それは逆にこの会社が最高のクリエイティビティと情熱を持って仕事ができる場所じゃなくなってきてるってことだから、それちょっと考え直したほうがいいんじゃないの?
スピーカー 1
なるほど。要はその意思の部分が下がってるっていうふうにも言えますもんね。
Netflixの組織文化の理解
スピーカー 2
そうなんです。っていうことまでいくってことなんですよね。
でも普通そう考えたら、大前提、さっき言ったようにこの会社にいてガンガンに結果出してれば、要は社員年収が10倍とかに上がるから。要は年収だけじゃ転職しなくなるからね、なかなか。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
みたいなところまでいけてるってことなんですよ。
スピーカー 1
これちょっと面白いなと思ったのが、やっぱりディズニーとかアマゾンも同じようなことやると強そうだけど、組織文化は真似できないというか。
例えば、アマゾンの組織文化っていろんなことやってるから、倉庫で働く方もいれば、エンジニアもいればで、いろいろあるから、そのルールを、ノールールっていうルールを適用しようと思っても無理ですよね。
スピーカー 2
難しいんだよね。もちろんすごい良い指摘で、アマゾンも上司の中にある一個大事なミッションがあって、自分よりレベル高いメンバーを雇えっていうのが重要ミッションに入ってるんですよ。
実際に市販機って3ヶ月単位かな、半年単位か1年単位か忘れたんですけど、実際ある定期期間の中でメンバーの平均レベルが上がってなかったらお前はマネージャー失格っていうルールがあるんですね、アマゾンには。
だから単純に言っちゃうと、きっちりかっちりやることやってろよっていう組織になると、当たり前ですけど、自分のポジション守りたいからさ。自分より優秀なメンバー雇わないよね、社員としてやってると。
それを防ぐためにそういうルールは入れてたりするんですけど、おっしゃる通りアマゾンってどっちかっていうと、ものすごい高密度なオペレーションをしっかりきっちりこなしきるから、安くて早くできるっていうとこがアマゾンの規定だったりするから、全部デザインされた自由だけに任せられないんだよね。
スピーカー 1
そうですね。まさに倉庫の人たちが自由にクリエイティビティ発揮したら、効率性が落ちて配送が遅くなるとか、起こる触手だったりとかしますもんね。
スピーカー 2
だからそれは、ネットフリックスがすごくてアマゾンがすごくないっていう話ではなくて、いろんなところでボトムアップのネットワーク型組織が最高だよねとか、ティール型組織が最高だよねみたいなことを言うんだけど、いやいや違えんだよと。
会社っていうのは、できるだけ失敗を減らしていくことによって、普通だったら10しかできないところを100できる組織にどんどん広げていくっていうことの方が会社の戦略のコアになる組織と。これメーカーとかそうだよね。同じもんをちゃんと高品質で安くたくさん作れる会社も十分会社の戦略としてあるわけじゃないですか。
スピーカー 1
ありますね。みんながアップルみたいにならなくていいわけですもんね。
スピーカー 2
こういう会社はコントロールを減らすんじゃなくて、むしろコントロールを増やしたヒエラルキー型、いわゆるピラミッド社会って方がいいんですよ。
スピーカー 1
そうですね。ヤフーと楽天とメルカリでも全然組織文化違いますけど、それぞれの方向で成果を出してるわけですもんね。
スピーカー 2
そうなんですよ。ごめん、この話ネタ好きすぎるからちょっとだけ今回長くなってもいい?
スピーカー 1
はい。やりましょう。
スピーカー 2
だけどそれに対して、こういう個人個人にデザインされた自由を任すことによって、いち早く変化に気づけるとか。
他の人はそこまで愛がないんだけど、この人にむちゃくちゃそこに対する愛があるから、とんでもない突破された作品が生まれることによって、今まで周りの人が気づかなかった愛が生まれるみたいなものは、
そのボトムアップ型、いわゆるメンバーにできるだけコントロールを減らして渡していくネットワーク型組織の方が向いてるんでしょうね。
つまり一言で言うと、失敗を歓迎して失敗の中から成功を導く組織っていうのはネットワーク型、ボトムアップ型組織の方が向いてて、
一方で失敗を減らすことによってむちゃくちゃ規模を伸ばせる会社がピラミッド型社会の方が向いてるんですよね。
スピーカー 1
っていうところの違いだけなので、Amazonは後者って話なんですよ。
変化に敏感な組織戦略
スピーカー 2
そうですよね。だからNetflixはどちらかというとクリエイティを高めていい作品を作る方が戦略的に取った選択肢だから、そっちの組織になっているっていうことですね。
特に大事なことは時代の変化に対して、もう敏感に反応しながら動いていくっていうことが大事ですかっていう話と、
あともう一つあるのはアウトサイドインなのかインサイドアウトなのかって話があって。
この話もしたいところなんですけれども、ちょっと長くなってきたので次回話します。
スピーカー 1
はいわかりました。楽しみにしています。
ありがとうございます。
スピーカー 2
はーい。
35:26

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