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2022-10-04 26:23

ノーベル経済学賞受賞者の講演録『貧困と闘う知』#1

大学院で開発金融を専攻していたのぞみが、みきさんにおすすめした本書。
2019年のノーベル経済学賞受賞者、エステル・デュフロがフランスで行った開発経済学に関する講演録。面白いです!

邦訳版表紙の写真/経済学ってどんな印象?貧困に対する経済学的アプローチの系譜/ノーベル経済学賞受賞のデュフロ&バナジーって何を切り開いたの?/一流の経済学者は論文の数がエグい/経済学における「実験」の難しさについて

--書籍紹介--

開発経済学の最前線をコンパクトに紹介。いま世界で最も注目されている経済学者の一人が、開発経済学の最先端の成果を、簡潔かつ詳細に語る入門書。

インド、マラウィ、ケニア、メキシコ、バングラデシュでの実践が明らかにしたのは……ワクチン接種キャンペーンをもっと効果的にするには? 低コストで子どもたちの教育を改善するには? 出勤しない教師や看護師にどう対応する? マイクロクレジットは貧農を救う魔法の処方箋か? 村落集会はほんとうにコミュニティの自己決定を強化しているのか?

「そのコンセプトの明快さ、その柔軟性、そしてそれが政策と研究の交差点に位置していることによって、ランダム化比較実験は特別に豊かで汎用性が高い道具になった。…本書では、こうした実験について報告することで、人間開発の挑戦に新たな光を当てることにしたい。私たちは、伝統的な政策はどの程度まで目的を果たすことができたのか、そして、これほどまでに進歩が遅いのはなぜなのかを、理解しようと試みる。この探究を進めるにあたって、私たちはアクターの行動や動機の豊かさを明らかにしようと試みる。これらをよく理解することによって、私たちは、より効果的な政策を立案するための道筋を提案できることになるだろう」(第I部の序)

貧困削減の成果を計測するRCT(ランダム化比較実験)という精緻な手法を、貧困のただなかにある現地の人々と実践していく、泥臭いフィールドが生んだ知の成果。常識を覆す成果によって、貧困削減のための具体的な政策を提示する。ベストセラー『貧乏人の経済学』とは一味違った筆致で、医療、教育、マイクロファイナンス、政治制度といった開発経済学の核心的な主題に切り込む一冊。

「貧困との闘いを持続させようと望むならば、試行錯誤、創意、そして根気が不可欠である。これらは、存在しない魔法の杖を見つけるためではなく、今日からでも最も貧しい人々の生活を改善するような一連の小さな前進を実現させるために、不可欠なのである」(第II部の結論)

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面白いなと思うのは、今私この表紙の写真、全然知らなかったんですけど、フィリピンなんですね、このエステル・ディフロっていう経済学、すごく有名な人なんですよ、経済学の中では。
で、開発経済学というか、この開発の分野ってなんとなく、私の感覚ですよ、なんとなく南北で結びついてるんですよ。
何を言ってるかっていうと、例えば日本がいろんな開発的な支援をしようと思うと、日本からこうやって南に行った東南アジアとかになるんですよね。
で、ヨーロッパの国、ドイツ、フランスとかっていうのが開発的な何かをやろうと思うと、グーッと南に行ってアフリカに行くんですよ。
で、アメリカの人たちの開発、米州開発銀行みたいなアメリカの開発系のチームってあるんですけど、やっぱり中米、南米とかにずっと行くんですよ。
結構その国とか、研究するところによって、特定の地域に行きやすいっていう話があって。
なので、このエステル・リフロさん、フランスで講演したやつの講義録がこの貧困と戦う地って本だと思うんですけど、
結構こういうヨーロッパ系の開発の話をすると、アフリカの事例がたくさん出てくるし、この人マサチューセッツ工科大学で先生をやられてるんですよ。
アメリカので、やっぱ中米、中南米みたいなところが中心になるっていうのが多いんですけど。
フィリピンなんだっていう。
表紙はね。
そうそう。中身はね、本当にいろんな地域のものが入ってっていう感じでしたけど。
フィリピンの写真なんだ、これ。
日本だけっぽいのかな。
日本人の写真の人たち。あ、想定でない日本人だし。
なるほどね。この現聴の表紙はどうなってるんだろう。
確かに。
全くフランス語っていうのは読めないですね。
海外のやつはオレンジ一色ですよ。
写真とかない。
公演をしてたイベントのポスターみたいなやつは、パンみたいなやつをぎゅっと握りしめてるポスターですけど。
あんまり写真っていう感じじゃないですね。
03:03
この想定もね、なかなか、なかなかなかなかっていう感じですね。
難しいんだろうな、タイトルにすんの。
この写真、どこの写真かしらみたいなのを調べたら、フィリピンのマリアのスモーキーマウンテンの写真ですと。
その後の解説が、カチョーシマ工作では非常に大変な場所として解説されたことで有名でしたって書いてあった。
いろいろ物事が繋がる場ですから。
まさか金本の戦ううちっていう本を読んで、カチョーシマ工作と繋がることに。
思ってめちゃびっくりした。
スモーキーマウンテン、大学の時の部活の友達がインターンとかに行ってた支援系のNPOの。
NPOとかね。
そうそう。日本からも結構ね、多いですもんね。
全然本論にあれになっちゃいますけど、エステルリフレっていう人と一緒にノーベル経済学賞を取ったMITのおじいちゃん教授。
デュフロ・アンド・バナジー?
そう、デュフロ・アンド・バナジーっていう2人が結構、同じ研究室なのかな。
一緒にノーベル経済学賞も受賞してるんですけど。
その2人で書いた、もともとの英語で言うとPure Economicsっていうタイトルの本があるんですよ。
で、私それ大学院の経済学研究館にいる時に現聴で出て、めちゃくちゃいい本だっていうのを何かで見て、先生にも勧められたし、買って読んでたんですよ。
めっちゃいい本だったんですよね。
で、それ日本語版になって出ますっていう時に、タイトルが貧乏人の経済学っていうやつになっちゃったんですよ。
なんかそういう話じゃなかったんだけどな、みたいなことをすげえ思って。
その内容はすごく素晴らしいんですけど、なんて言うんでしょうね。
でもそれなんかこの本の役者跡書きでも書いてあって、日本人向けの異役としては正しいけど、みたいなね。
経済学の貧困、Pure Economics自体を直訳すると経済学の貧困っていう意味だから。
そもそも現在の経済学の主流が貧弱すぎて、貧しい人々の暮らしにインパクトを与えてられないよっていう批判も込められてるって。
そうそうそうそうそうなんですよ。
で、なんかこう本の内容に入る前にこの、なんて言うんですか。
私のこのディフォロー&バナジーがいかに素晴らしいかっていう。
ぜひぜひお願いします。
そういうのを聞きたかった。
あ、そう。よかった。
経済学っていう分野が大きくあって、その中に開発経済学っていう一分野があるんですけど。
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思想的に、なんて言ったらいいんですかね。スノブが過ぎるわけですよ、全体的に。
何を言ってるかっていうと、先進国っていう人たちがいて、貧しい人たちを救わねばならんのであるみたいなスタンスがもともとすごい強い学問。
言うか言わないかは別ですよ。思想にそういうのが透けて見えるんですよ。
私もタイトル聞いた時に本当に大丈夫?みたいな。聞いたのがそういうイメージがあった。
そうそう。で、元々の開発経済学って結構そういう意味合いが強くて。
このデュフロバナジーっていう人たちが出てくるちょっと前の開発経済学の主流って、2つの流派のどっちを取るかみたいなのが結構主流で、議論として。
2つの流派。
そう。1個の流派はジェフリー・サックスっていう、今のSDGsみたいなやつって有名じゃないですか。
1個前のMDGっていうのがあって、ミレニアル開発目標みたいなのがあったじゃないですか。
で、それにすげー深く関わってたジェフリー・サックスっていうおじいちゃん研究者がいて、コロンビア大学どっかの教授だったんですけど。
とにかく、発展途上国というところにはもう金を継ぎ込みまくるべきであると。
とにかく金を出せっていうスタンス。
一応その経済学的なバックグラウンドっていうのはあって、それ単体ではもうどうしようもならないと。
例えばアフリカの貧しい国っていうのは、どんなに努力をしても理論的には成長の壁を越えられないから、
とにかく最初にガツンとキャッシュだ、お金だ、リソースだを継ぎ込んで壁を越えないと成長していくことは難しいんですよと。
なのでとにかく先進国が金出して援助しましょうっていう一派。
と、もう一派はイースタリーっていう研究者の一派がいて、
いやいや、金なんか出してもしょうがないんだと。
何でかっていうと、金を出してもたぶん1億ドル出しましたと。
言っても現地の人に届くのはお食だ、なんだ、でどんどんどんどん減衰していっちゃって、
1億ドル出したはずなのに現場に届くときには5万ドルですみたいな、あれ残りのお金どこに行ったのみたいになっちゃうと。
だから正しいお金の使い方なんかされないんだから、まずはなんか制度を整えなきゃいけないでしょ、みたいな。
金をまず出すのか、いやいや先に制度なのかっていう論争みたいなのがすげえ回ったんですよ。
で、なんかこの2つのそれぞれって、なんか見下してる感すごいじゃないですか。
うん、確かに。こういうもの、だから上から関係、私たちは高みの見物してますみたいな感じがあります。
そうそう、言わないんですよ。言わないんですけど、なんかそうですかって感じになるじゃないですか。
09:01
で、かつどっちも、どっちかって検証ができないんですよ。
どっちを取った方が状況の改善にとっていいのかっていうのもわかんないんですよね。
確かにわかんない。そんなシンプルじゃないからね。
そうそう、どっちもそうかもしれないじゃないですか。お金も必要だし、制度改革も必要だし、そんなこと話してる場合じゃないんだけど、ずっとなんかそういう議論を延々としてる分野っていう感じにどうしてもなってしまっていて。
その中でエステル・デュフロっていう人とか、バナジーっていう人が何が素晴らしかったかっていうと、いらっしゃる大学がMITっていうのもあるんですけど、やっぱり科学をしようとする人たちなんですよ、この開発経済学っていう分野の中で、科学をするんですよね。
科学をするっていうのは、どっちの派閥を取るかなんか、むっちゃけどうでもいいじゃないですか。
具体的に何をやったら効果が出るのかっていうことを、実験っていう手法を通じて何とかしていきましょうっていう思想がすごく強いお二人なんですよね。
その手法を開発していったし、実際に成果も出していったってことで、ノーベル経済学賞っていうのを取るんですけど。
なので、この二人、もちろん細かくてちょっとあれですけど、近しい取り組みをやってた人たちってのはいたんですけど、開発経済学ってもののパラダイムを大きく転換をした人たち。思想争いっていうところから、具体でどういうふうなことがあれば。
そう、まさに実践に科学にするためにはどうしたらいいのかっていうところに転換をしたっていうのが、この二人のすごく大きな功績の一つだと思います。
なので、すごく好きな経済学者の二人ですね。
確かにこの本を読んでても、本当にすごくミニマムな現場に折りたたむ目線で、こういう実験をしてみた、こういう実験をしてみたっていうね。
なるべくより良い方法を探す知性っていうものが一貫してあって、すっごい面白かったですね。なんか目が開けるような感覚を久しぶりに覚えた。
みきさんはこの経済学的なところは、言っても経済学の本じゃないですか。
うんうん。
何ですか、やったことはあるというか。
ないですないです。
大学の教養とかでもあんまりなんじゃいそいって感じ?
たぶん授業は、あ、ごめんなさい、大学に行ってないです。すみませんでした、本当に。本当にすみません、本当に。
いい大学だ、いい大学だ。
マジで行ってないです。
今回選んだのは、貧困と戦う地、教育、医療、金融がバランスっていう本。
みきさんって貧困問題、経済学とちょっと脇において、貧困とか教育、医療、金融がバランスみたいな、こういうテーマと関わった経験とかあったりされるんですか?
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全然なくて、就活の時にグループディスカッションした女の子が、私が学生時代にグライミング銀行にインターンしてましたっていう子がいて、
その時にグライミング銀行ってなんだろうって知ったぐらいの、マジでそのレベル感ですね。
グライミング銀行ってあれですね、マイクロファイナンスですごく有名になった。
そうですね、女性に優秀する、女性だけに優秀するみたいな銀行ですよね。
もうちょっと詳しいこと書いてありますけど。
第3章がマイクロファイナンスの話で、その中にも一部出てきますね、グライミング銀行。
貧困層の女性に特化して、金銭的な、経済的な支援をするっていうことですよね、銀行で簡単に言うと。
そうですね、既存の金融システムの中でお金を借りられない、銀行口座がないとか、クレジットがないとか、
そういう人たちに一定の仕組みの導入と合わせてお金を貸して、いい感じに、
銀行業ではあるんですけど、銀行業とか金融業ではあるんですけど、いろんな取り組みをしている。
数ドルみたいな単位でお金を貸すっていう。
そうですね。
それ以外の貧困だと、本当にゴミ拾いで1日2ドル稼いでますみたいな子供たちが、なんとなく世界どこかにいるみたいな話とか、
あとあれかな、スーパーハワイハードグループリポートとかで出てくる人たちをちょっと見たくて、
その市場とかが本当にケニアとかで読んでいれば愛する女性のご飯みたいなやつだったと思うので、
そういう人を見たことがあるとかいうレベルで、
あと映画とか、それこそワンビキ家族とか、日本の貧困でレイヤーが違う貧しい人たちのこととかは、
日本の映画とか小説とかでいっぱい出てくるから、そういうのは知ってますけど、そういうレベル感。
一個一個の事情を、いろんなメディアとかコンテンツとか、そういうのを通じて見てるという感じ。
知ってるっていう感じ、レベル感でした。
なるほど。
そういうのって、開発経済学をやる人って貧困を概念として捉える人たちがすごく多い。
最近やっと文化人類学者の人とフィールドワークに一緒に行って、現場を見てってこともやっと出てきたんですけど、
その前までは、数学のモデルで開発経済学を考えるみたいなのもあったんですよ。
開発経済学、例えば授業を取るとするじゃないですか、大学とかで。
全15回あるとすると、最初の7回ぐらいは経済学のモデルをとにかくたくさん学ぶっていうやつをやるんですよ。
労働の人口の移動があるモデルどうこうとか。
制作でベースの賃金を上げてみるとどうなるかとか。
15:03
まさに最低賃金をここで導入してみたらどうなるかとか。
同学的モデルは何て言ったらいいんだろう。
経済が成長していくモデルみたいな、経済成長モデルっていうのが経済学の数式として成立してたりするんですけど、
それに一定の条件を課して、途上国というか、発展途上国みたいなところだったり、進行国みたいなところのモデルを設定して、
そこでどういう条件を変えたら成長の軌道に乗るんだっけ、どうやったら乗らずにそのままになっちゃうんだっけとかっていうのを、
モデルで解いていくみたいなやつを序盤はゴリゴリと。
それはそれですごく面白いんですけど、それって結局どこの誰の話をしてるんですかっていうところとはやっぱりちょっと遠くなっちゃうことが多いので、
そこのバランスを取るってすごく難しいんですよね。
改めてこの貧困を戦ううちは既存の経済学的アプローチとは全然違う本なんですね。
そうですね。20世紀にやられてた開発経済学っていうもののアプローチとは全然違うと思います。
大きい開発経済学の中の貧困というのをマクロのものとして捉えて、
GDPが3%から6%成長率が3%から6%になるみたいなことよりかは、
多分この本の中に出てくる1個1個の経済学的な知見って、
どうやったらもっと学校に来てくれるようになったかとか、どうやったらお食が減ったかとか、
すごく測るものが具体じゃないですか。
貧困がブレイクダウンされてて、私も貧困ってこういうことだったのかって、
こういう要素が貧困ってことだったのかっていうのを改めて確認するような感じですね。
もっとこの貧困状態にあるってどういうことなのかとか、
そういう人の原因になってる要素とか、結果になっちゃってる要素。
例えば栄養失調とか、女性の家庭内暴力とか、
そういうのも貧困の結果だったり原因だったりするんだと思うんですよね。
そういうところと、まさにタイトルにある貧困と戦う実験。
貧困そのものと戦うっていうのももちろんあるんですけど、
その周辺のものとどうやって戦うか。
原因になってるものとどう戦うかっていう時に、そこにある種実験っていう手法を導入して、
どういうことをやったらいいんだっけっていうことを考えていくっていう。
かつても、この本の中に出てくる事例って2008年ぐらい、
8年か9年ぐらいの頃なんで。
そうなんですよ。すごい古いこともびっくりした。
そうそう、これは古くて。なので、もうだいぶ知れ渡ってるというか、
そうだよねって言ってることが今だったら書いてあるんですけど、
18:00
今からデュフロトバラジってものすごい色んな研究をやっていて、
本当に色んな論文を書いて実験というか研究をやっているので、
この15年多分さらにもっともっとなってるでしょうね。
いい論文というか、たくさん研究されてるっていう。
今どうなってるのか後で調べてみたいなとか思いました。
2008年9年の実験だから、今22年?今どんな感じなんだろうっていうのを調べたくなってますね。
そういうのを調べるときに、だいたいこういう人って本人の研究ページがあるんですよ。
そういうのを見ると、これから出ていく論文みたいなやつがまとめて見れるんですけど、
だいたいエグいんだよな。
難しいってこと?
難しいっていうのは、経済学者、学者全般かどうかわからないですけど、
経済学者という人に限定して言うと、ここに論文載せるってエグいねみたいな論文誌っていうのがあるんですよ。
あ、茶読が厳しいみたいな?
そう、厳しいし、もうちょっと理系のっていうとちょっとあれだけど、
サイエンスとかセルとか、そういうのの本誌に載る論文ってめちゃくちゃレベルが高いんですよ。
茶読も厳しいし、
いやこれはセル、いい論文だけどセルのレベルじゃないねみたいなのってやっぱあるんですよ。
インパクトが弱いとか。
そうそう、この論文の研究成果はすごいみたいなやつ。
インパクトが大きい、研究の文脈で言うとインパクトファクターっていうのがあって、
そのファクターが大きい論文誌っていうのに載っていくことなんですけど、
トップの方にあるのって3つか4つくらいあるんですよ。
アメリカンエコノミックレビューとか、上の方にあるやつがあるんですけど、
そこって例えば日本人の研究者とかだと、トップ誌にもう年間1本出す人がいたらもうすごいみたいなレベルなんですよ。
で、賞が1本載れば正直もうオンの字みたいな。
へー、じゃあノーベル賞みたいなもんなんですね。
そうですね、ノーベル賞なんて言ったらいいんだろう。
ノーベル賞って1回もらうやつじゃないですか。
そもそも1回か。
そう、なんだけどその論文誌の上の方に載って1本持っていればもうすごい研究者なんですよ。
で、かつその何番目の著者かとかっていうのもあるんですけど、
ファーストオーサーなのか、ただ協力者だけなのか、3番目4番目に載るだけなのかっていうのもあるんですけど、
このエステルディフォローとか、こういう人って年間7とか8とかに載るんですよ、そういうトップ論文誌に。
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で、それがやっぱお金も持って研究生もたくさんいるから、いろんな研究プロジェクトを同時に並行させられるっていう側面ももちろんあるんですけど、
もうなんかね、すごいんですよ。
だからあれか、ヒット作でバンバン出すみたいなことですよね。
まさにまさに。
スラムランクみたいなやつ年に7本くらい発表してるってことですよね。
そうそうそうそう。だからジャンプで2本、週刊ジャンプで2本連載しててみたいな。
その後マガジンでもやっててみたいな、NGっぽいってそういうことをやってる人。
なるほどね。
で、その人の個人ページみたいなのって必ずあるのって。
ディフレッションとロングネス、アンモングラ、エンジョイ。
高齢者の憂鬱と孤独。
面白そうですね。
面白そう。もう1本書いてるやつはテクノロジーの論文を書いてるの。
アプロフィートテクノロジーニュースって何?
発展途上国における技術採用の話をしていて。
ケニアの西部にいる農民に対してどれくらい肥料をどうやって使ってもらうかみたいな。
実験をしてるっぽいですね。
そこに肥料をどれくらい使うかっていうキッチンスプーンみたいなものを提示したときに何が起きるかってことの研究をやりました。
めっちゃ面白そう。
さっきの一番最初の実験っていうのが何で革命的だったかって話をすると、
経済学的な意味合いにおける実験ってやるのがとても大変なんですよ。
人がそれぞれ一人ずつ違うからね。
人も一人一人違う。まさにその通り。
どうやってランダムにするかっていう話もそうだし、
例えばこれをやったときに貧困、
例えばこのAっていう施策をやったときに、
みんなが貧困から抜け出すかっていう検証をしたりするじゃないですか。
そうするためにはまず特定の群の中でランダムにその施策を割り当てる人を決めなきゃいけないじゃないですか。
恣意的に半分こっちの人、半分こっちの人ってやると、
もともとの群の属性がみたいな統計学的な何かがあって、
ランダムにしなきゃいけないわけですよね。
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そのうちどうやってランダムにすんだって話と、
ランダムにしたってことは薬の知見とかでもそうですけど、
残りの半分の人たちはもし効果があったとすると、
その人たちをある種を捨てることになっちゃうじゃないですか。
なるほどね、そういう倫理があるんだ。
これは子どもの教育研究とかでも同じようにあるんですけど、
例えば6年間こういう教育プログラムをやったらどうなるかっていうときに、
成功したら成功したらもちろんいいんですよ、もちろんいいんですけど、
それを与えられなかった人って超かわいそうじゃないですか。
この本を読んでるときに少しだけ思ったことを思い出しました。
そうなんですよ、どうしてもそういう経済学の中では社会実験と呼ばれるものなんですけど、
薬みたいに同じ分子を2つ作ってどうするみたいなことをやって、
ラットで半分に分けてみたいなことより、実施するハードルがめちゃくちゃ高いんですよね。
それはみきさんがおっしゃってたみたいな、
個々人の一人一人の違いっていうのをどうやって標準化するかっていう手法的なところもそうですし、
割り当てた後にどうやって不平等感というか不公正感とか、
そういうことにどう対処するかっていうのはめちゃくちゃ難しいんですよ。
次世代のために犠牲になった感はありますもんね、その実験が成功しても失敗してもね。
そうなのよ、そうなのよ。
なので、それだったらもう研究なんかせずにガーンとやっちゃえばいいじゃんっていうふうにどうしてもなっちゃうんですよね、
さっきのサックスイスターみたいなふうに戻っちゃうので。
そうじゃなくて、どうやってそのバランスを取りながら施策をやるかってことをすごく頑張ってやってる人たちが、
このオンバーナージー人がデュフロっていう人たちですね。
確かにすごい感じる。
そうなんですよね。
この人のテッドトークとかもあるので、ぜひ。
見てみます。
貧困に立ち向かう社会的実験っていう、ソーシャルエクスペリメントスとファイトポバティーっていうまっすぐなタイトルのすごくいいやつなんですよね。
26:23

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