ジャズの入り口案内所、案内役のFrank Nappaです。
この番組は、様々な扉から、ジャズの入り口をご案内するラジオです。
まずはじめにお知らせを1件。
ジャズの入り口案内所ですが、6月9日でめでたく1年を迎えるということで、
1周年の記念に、ポッドキャスト的ジャズフェスティバル、Nappa Jazz 2024を、
5月の30日と31日に開催・配信いたします。
SpotifyのMusic Plus Talk機能を利用して、ジャズのライブ音源を中心に、
まるでジャズフェスに来たような、そんなプログラムができるんじゃないかなと思って、
頑張ってみようと思ってます。
皆さんにはですね、そこで流す曲だとか、おすすめのアーティストについて、
リクエストをしていただけたら嬉しいと思って、ただいま絶賛受付中であります。
リクエストの方法は、概要欄のメールフォームや、
Xでハッシュタグジャズの入り口をつけてポスト、また各種SNSのDM、
どんな方法でも結構です。
皆さんの送りやすい方法で構いませんので、ぜひぜひ送ってください。
なお締め切りはですね、5月の6日火曜日となっております。
また聞くためには、これ別にSpotifyさんの回し物でもないんですけれども、
このMusic Plus Talk機能を十分に活用する必要がありますので、
Spotifyの有料会員、プレミアム会員の方にならないとですね、
うまくこのジャズフェスのような雰囲気で聞くことはできないわけですけれども、
またね、どこかでSpotifyさんの無料キャンペーンとかね、やりますので、
ぜひそういったタイミングでね、聞いていただければ、
こちらジャズフェスと言いながらもね、ポッドキャストになりますので、
アーカイブは残りますから、ぜひぜひそんなタイミングをね、
見計らって聞いていただければ嬉しいかなと思っております。
ということで皆様、ぜひリクエストの方よろしくお願いします。
さて本編の方に入ってまいりたいと思いますけれども、
本日開ける扉は、父と娘、
ジャズ界のとある一組の父と娘の物語をご案内したいと思います。
ということで早速、父と娘の扉、開けてみましょう。
では実際ね、父と娘と言いますけれども、誰を取り上げるのか。
まずお父さんの方のご紹介をしたいと思います。
お父さんの名前はトキ・ヒデフミという日本を代表するサックスプレーヤーの方です。
今日はね、わかりやすくトキパパなんて呼びたいと思いますけれども、
トキパパの簡単なご紹介から入っていきますけれども、
この方、1950年に兵庫県の神戸市で生まれます。
小さい頃からいろいろな音楽を聴いて育ったそうで、
中学校の時にブラスバンドでフルートをお父さんから買ってもらったそうなんですけれども、
それからだんだん管楽器の世界に入っていって、
やがて3年生になった頃にサックスを学校が買ってくれたということで、
3年生の強みを生かして、それからサックスを吹くようになったというようなことがスタートだそうです。
中学校の頃からジャズも聴き始めたみたいで、
当然サックスプレーヤーですから、チャーリーパーカーなんか聴いてたみたいなんですけれども、
で、高校の時にジャズクラブにデビューしてですね、
こちらでジャムセッションやったりとかしながら過ごしていたそうなんですけれども、
高校生の時に渡辺貞男さんとかそういった方と一緒にジャズセッションをやってたそうで、
かなりの腕前だったんだろうなということは思うわけですけれども。
そんなことで、ジャズクラブでもプレーしながらデビューをしていた関係で、
この大学をこの人中退するんですね。音楽大学なんですけれども。
そうしてジャズクラブに出入りしながら、2年生の時にトキさんの言葉を借りるとですね、
音大っていうのはナンパな学校で、よく練習してよく遊んだっていうんですね。
で、高校から大学卒業までずっと7年間も同じ環境に居続けちゃうと、
これは人間としてダメになっちゃうなということでやめたって言ってますね。
その中で出入りしていましたジャズクラブの方にミュージシャンとして入って活動をしていくようになります。
その入っていたジャズクラブにかなり有名なミュージシャンも来てたみたいで、
例えばジャズメッセンジャーズとかね、サラボーンとかね、世界的に有名なアーティストがやってきては、
そこでジャムセッションをしたりして腕を磨いていったそうなんですけれども、
やがてトキさん自身もソロデビューをしたり、日野テルマサさんのバンドに入って活動したり、
いろんなことをしていく中で、一つスタジオミュージシャンとしても活動を進めていきます。
スタジオミュージシャンとしてのキャリア、バックバンドとしてのキャリアといえば、
山下達郎さんのサポートメンバーを務めたということがやはり有名ですよね。
山下達郎さんのツアーのリハとかに行くとですね、
山下さんがいかにトキさんを信頼していたのかということがよくわかるエピソードがあるんですけれども、
トキさんってさっきから言っているようにサックスプレーヤーなんですけれども、
達郎さんからもらう楽譜がギターの楽譜しかもらわないんだそうですね。
ギターの楽譜しかもらわないものだから、トキさんはリハーサルのときに何をしているかというと、
寝転がって音楽を聴いているそうですよ。
そうすると聴いていると、だんだん自分がどこで何を吹いたらいいのかというイメージが湧いてきてね、
わかるそうなんですね。
それでもって本番にプッと吹くとバチッとはまる、そういうような感覚だったそうです。
とても自由でそれが許されるというかね、そういうふうに任されるというあたりがやはり
トキさんの実力を達郎さんが信頼していた証なんだと思いますね。
さらにトキさん自由なんで、ある日はテナサックスで吹いたと思ったらある日はね、
急にアルドサックスに変えてみたりだとか、それからイントロを前の日に吹いていたと思ったら
次の日はもうイントロ吹かないとかね、かなり自由度が高かったそうですね。
本人もオタマジャクシの指定はされたことがないっていうぐらい自由に達郎さんのバンドでは吹いていたそうです。
またね、ジャズミュージシャンともいろいろユニットを組んだりしてですね、
日本を代表するサックスプレイヤーとしてキャリアを進めていきます。
で、このアルバムはジャズアルバムなんですけれども、
実はね、本当はシンバルズとしてちょっとね、いつものシンバルズではない音楽をやりたいっていうことで立ち上げた企画だったらしいんですけれども、
先にバンドが解散することが決まってしまって、トキさんがね、途方に暮れてしまうっていうことが起きたそうなんですね。
で、困ったなっていうところで、このアルバムの企画。
どうしたのかというと、プロデューサーにお父さんであるトキ・ヒデフミさんを招いて、一緒にね、この1枚のアルバムを作っていくことになります。
ここが、なんて言うんでしょうね、私も娘がいるからなんでしょうけど、とても心が震えるというかね、
当時は震えませんよ。この娘ができた今だからこそ感じるものがあるというか。
仮にですよ、仮に今の私の娘がですね、ポッドキャストを始めたいと言った時に、ちょっとポッドキャストよくわからないから、
お父さんちょっと一緒にポッドキャストやるの手伝ってくれと、もし言われたら。
これはね、たまんなく嬉しいですよね。きっとですけど、このトキパパもですね、
トキ・アザコさんにこう、一緒にやってって言われたらね、嬉しかったんだろうなって。
このプロデュースだけでなくて、ガンガンにですね、トラックの中でサックスを吹いてるわけですよ。
吹き散らかしてますよね、お父さん。めちゃめちゃいいサックス吹いてる。何ならトキさんのボーカル食っちゃってるぐらい、いいサックス吹いてます。
すげーかっこいいです。作品全体の雰囲気で言うと、トキさんが持ってる、トキ・アザコさんが持ってる、
ザ・ポップスっていうね、可愛らしくてキュートな、それでいて少し吐息が入ったようなスモーキーな歌声が、
もう少しジャズ寄りにね、抑えられた、ちょっと上品な感じというかね、ささやくような形で歌われている。
そんな風なボーカルの変化だったりだとか、スタンダードと言うんですけど、収録されている曲を見ていくと、
例えばスティービーワンダーの曲だったりとかですね、ジャズのスタンダードだけではなくて洋楽のカバーだとか、こういったのをジャズアレンジして、
なんて言うでしょう、トキ・アザコが歌うジャズの世界を上手に表現されていて、普通のジャズアルバムよりもポップで聴きやすい。
それでいてしっかりジャズっていうようなアルバムになっています。
トキさん、この後もう一枚ジャズアルバム出されるんですけれども、いいですね。
なかなか他の方のジャズアーティストの作品にはない味が出ていて、とてもポップで聴きやすいです。
ということでね、この父親の身から見た、このトキ・アザコさんのソロデビューアルバムにお父さんが力を貸すっていうこの構図がたまらないですね。
ぜひ皆さんにも、このトキさんの歌うポップな可愛らしくて素敵なジャズ、こちらもね、一曲聴いていただきたいと思いますので、ご案内させていただきたいと思います。
このトキ・アザコさんのデビューアルバム、Standards on the Sofa、トキ・アザコ、ジャズを歌うから、TVワンダーの楽曲のカバーですね、Another Star、こちらを一曲ご案内したいと思います。
聴きどころとしてはですね、トキ・アザコさんの歌声とお父さんのサックス、トキパパのサックスが掛け合いのようにしているところがあって、