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2022-03-22 16:36

今日の10分de1テーマ「心を折る暴力〜『暴力脱獄』『パピヨン』」について

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。

 [beats by P.J INLAND]

00:05
はい、というわけで始まりました。
本日はですね、暴力とはという話をしたいなと思うんですけども、
今日ちょっと打ち合わせをしていて、仕事で、
ちょっとものすごい暴力的なシーンを考えなくてはいけないという場面になりましてですね、
改めてどんな仕事やねんと思うんですけど、
でですね、ものすごいエグい暴力というのを相手が出さないといけないという場面があったんですよね。
でですね、何があるかなみたいな感じで思っててですね、
最近見たエグかったやつ、うーんと思ってですね、
コモトドラゴンが鹿食ってるYouTubeで映像を見たんですけど、
それはですね、めちゃくちゃエグかったんですよね。
何がエグいかって、
コモトドラゴンって毒があって噛むと麻痺するんですけど、
鹿がですね、最初に足とか噛むんですよね。
鹿が走ってくるんですけど、すぐ毒が回って動けなくなると、
そうするとのそのそうですね、コモトドラゴンが来て噛むんですけど、
噛んでね、普通のライオンとかだったらね、
基本的に首の骨折ったりとかして、
首噛んで脂息させたりとかして、
絶命させてから暴れないようにしてから食うじゃないですか。
何故かコモトドラゴン、毒効いてですね、
効かせてその後ですね、ガブガブ食べるんですけど、
まだ生きてるんですよね。
鹿がメーメーって鳴いてるんですけど、
何かどんどん仲間が寄ってきてですね、
しかも何か今一つ切れ味が悪い歯というかね、
ガブガブみたいな感じでですね、
もうなかなか死ねない感じでですね、
もうひたすらこう食いつぶられて、
すんごい時間かけて死んでいくんですけど、
で、わっつ、つらって言ってね、
世界中からこれは厳しきついっていうコメントがついてたんですけど、
すごいと思い出したんですが、
でもそれとかですね、
もうめちゃくちゃ苦痛に見てた辛い場面なんですけど、
暴力ではないんですよね。
ただ食ってるなっていう感じでですね、
暴力じゃないなと。
で、もっと違うんだよな、そういうんじゃないんだよなって言ってですね、
暴力的な場面というのを思い出した時に、
そのですね、思い出した最も残酷に、無残に感じた暴力って何だろうと思った時にですね、
思い出したのがそのものですね、
そのものですね、
暴力脱獄っていう映画の中の暴力シーンなんですよね。
それはどういう映画かっていうと、
03:01
ポール・ニューマンが主人公なんですけど、
ポール・ニューマンがですね、刑務所に入ってくるんですけど、
脱獄を何度も繰り返すんですよね。
ものすごくですね、自由を感じさせる、
もう笑うと歯がキラッて白く光るみたいな、
ものすごい自由を感じさせるキャラクターでですね、
大人しくみんな刑務作業に就いてたんですけど、
しょっちゅうですね、脱獄を繰り返して、
結局捕まって連れ戻されるんですけど、
その度にですね、すごい盛り上がるんですよね。
なんていうか、不可能だと思ってたことを可能にする男みたいな感じでですね、
今回はなんだ、1ヶ月で捕まっちまったか、みたいな感じでですね、
すごい無気力だった刑務所なんかが盛り上がると。
それを見てですね、監修がですね、
こいつは危険だって感じでですね、
とにかくいろんな拷問をするんですよね。
何かっていうと、例えばひたすら穴を掘ってですね、
掘らせて、その穴をですね、今度はまた埋めさせるっていう刑務作業をですね、
ずっとやらせたりとか、炎天下の中ですね、毒棒に入れたりとかですね、
みたいな感じでポール・ニューマンを徹底的にいじめ抜くんですよね。
いじめ抜いてですね、もう体力の限界が来てですね、倒れてですね、
ほら立てとかってやった時にですね、
ポール・ニューマンがずっとその反抗的な態度を崩さなかったポール・ニューマンがですね、
その刑務官の足元にひざまずいて土下座してですね、
もう勘弁してください、本当にもうしないんで勘弁してくださいって言ってしがみつくんですよね。
で、それをですね、その刑務所の中にいる仲間たちはですね、
ずっとポール・ニューマンがですね、いじめられてるの見て、
くそーっつって監修と揉めてて怒ってたんですけど、
もうそのですね、心が折れてしまったポール・ニューマンを見てですね、
もう本当にがっかりするんですよね。
もう自分たちのヒーロー、自由を感じさせてくれる人だと思ってたのが、
完全に心を折られてしまったっていう姿を見て、
もう本当にがっかりしてですね、ポール・ニューマンにも冷たく当たるんですよね。
で、その後もですね、ポール・ニューマンを、
逆に言うと、今までは自由のシンポルだったんですけど、
ここに自由なんてないんだぞっていうシンポルとしてですね、
ずーっと監修にですね、その後コマ遣いにされるんですよね。
あれ取ってこいとか言ったらポール・ニューマンが、
はい、わかりましたみたいな感じですね。
もう前の反抗的なですね、かっこよい感じはどこへやらって感じですね。
06:01
ぺこぺこしながらですね、走りみたいなことをやってるんですよ。
で、それを見てですね、もう本当にここには自由がないんだみたいな感じですね。
みんな見るともう心が沈むわけですよね。
で、監修は安心するみたいな場面があって、
その後もですね、一つ二つすごい面白い展開があるんですけど、
そこのですね、そこのポール・ニューマンがですね、
土下座して監修にしがみついてるシーンっていうのは、
ものすごくショックなんですよね。
もう見てても胸が潰れるような感じがするわけですけど、
やっぱりですね、そこで働かれたことっていうのはすごく暴力だって感じがするんですよね。
でですね、これも同じく脱獄者でですね、
パピオンっていうすごく大好きな映画があるんですけど、
それもですね、スティーブ・マックインとダスティン・ホフマンの二人が、
フランスの実際にあった大西洋沖の絶海の孤島みたいな刑務所に連れてこられてですね、
そこから二人で力を合わせて、
全くキャラクターが違う強くて絶対諦めない不屈の男、スティーブ・マックインとですね、
鍵を作る、開けることのプロなんだけど、すごい弱々しいですね。
ダスティン・ホフマンの二人がですね、
俺とお前が組めばここから脱出できるぜみたいな感じで脱獄を企ててですね、
川立てるんですけど、その途中でダスティン・ホフマンが捕まってですね、
スティーブ・マックインはそこからダスティン・ホフマンが捕まった後も、
逃げて逃げて逃げてってすごい遠くまで逃げるんですけど、
ある村で半年間くらい知らない部族の人たちと暮らすくらいの、
完全にこれ逃げ切ったかなみたいなとこまで逃げるんですけど、
捕まってですね、連れ戻されて、
真っ暗闇の独房に1年間とか入れられるんですよね。
これ実際の話が元らしいんですけど、
でですね、もう中に入れられる食料とか、
死んでもいいっていうような扱いをされるんですよ。
中に入れられる食料とかもですね、すんごい少なくてですね、
もう歯とかボロボロ折れなくなっててですね、
もうその独房の中のゴキブリ捕まえて食ってるみたいな、
とんでもない状況になるんですけど、
で、出てきた時は歯ボロボロでですね、髪の毛真っ白でですね、
もう拭け込んでスティーブ・マックインが出てくるんですよね。
なんですけどスティーブ・マックインはもう本当に不屈の男なんで、
出てきてですね、早速脱獄のこと考えるんですよね。
で、脱獄のこと考えてよーしってよーって言って、
ダスティン・ホフマンを誘いに行くんですよ。
09:01
ダスティン・ホフマンがもう同じ島にいるらしいぞってことを分かってですね、
あの時捕まったやつもいるのかって。
で、もう自分がですね、この拷問を受けたということはですね、
ダスティン・ホフマンももちろん受けてるわけですよね。
でですね、スティーブ・マックインがダスティン・ホフマンがいるっていうところに行ったらですね、
そのもう、なんていうか、脱獄って言ってるんですけど、
もう監守がいない島なんですよね、ほとんど。
で、監守がいない絶海の孤島にですね、
なんかそれぞれ小さい小屋を掘ったてて、
なんか農業とかして暮らしてるような感じなんですよ。
つまり逃げようと思ったら逃げられるんですよね。
なんですけど、スティーブ・マックインがですね、
ダスティン・ホフマンに誘って、
あの、「おお!」みたいな、
あの、「俺もこの島来たぜ!」みたいな感じで来たんですね。
ダスティン・ホフマンは、
すごいこう、「ああ、この島来たんだ!」みたいな感じですね。
すごいこう、おどおどしてですね、びくびく。
すごく痛めつけられた後の動物がですね、
なんか隅っこで震えてるみたいな感じの、
そういうびくびくさがあるんですよね。
でですね、たぶん、
それにスティーブ・マックイン気づいてるんですけど、
気づかないふりしてですね、
あの、「また俺とさ、脱獄しようぜ!」って言って、
脱獄、そっか、いいね、みたいな感じですね。
話し合わせてですね。
で、スティーブ・マックインがいろいろこう、
あの、準備するんですよね。
で、「あそこから船出すといいと思うんだ!」とか言って、
イカダを組んでですね、船出そうとするとですね、
波に押し戻されて、
あの岩壁にぶつかってバラバラになるんですよね。
で、スティーブ・マックインが、「ああ!」ってバラバラになったって言ってですね、
ダスティン・ホフマンがそれを見て、
あの、ちょっと嬉しそうに、
「あ、やっぱダメだったね!」って言うんですよ。
うん、やっぱちょっとここから、ここすごいね、
鑑賞もいないけど、絶対のことで、
周りの潮流もすごい強いしさ、
イカダで出したら多分無理だろうね、みたいな感じなんですよね。
なんですけど、もう本当に試行錯誤を重ねてですね、
イカダで、まあある時間帯の潮流をつかめば、使えばですね、
その島から脱出できるってことをスティーブ・マックインがこう、見つけるんですよね。
で、あの、「見つけたぞ!」って言って、
あの、「このタイミングだったら出られる!」って言って、
「さあ、一緒に行こう!」って言ったらですね、
ダスティン・ホフマンがすごいうつむいてですね、返事しないんですよね。
で、スティーブ・マックインが、「どうした?」って聞いたらですね、
「俺はもう行けないんだ!」って言うんですよね。
そしたらもう、つまりもう心が折れちゃってるんですよね。
で、それを見たスティーブ・マックインはですね、もう何も聞かずにですね、
あの、「知ってたよ!」って言って、
で、自分一人でですね、イカダに乗ってその島を後にするっていう、
12:00
すごい切ない映画なんですよね。
でですね、それのその、なんていうんですかね、
ダスティン・ホフマンが受けた暴力っていうのはですね、
直接は描かれてないんですけど、
ここまでですね、人の心を折ってしまうのかと、
っていうようなですね、ものすごく残酷さを感じるんですよね。
でですね、もう本当にその2つで描かれているような暴力っていうのは、
やっぱり一番無残に感じるわけですけど、
じゃあなんか、ここでですね、さっきのコモド・ドラゴンがシカバクバク食べてるっていうのとですね、
このパピオンとか暴力脱獄で描かれている暴力っていうのは明らかに違うわけですよね。
じゃあその何が違うのかというとですね、
一言で言うと、やっぱり相手を自分の思い通りにするというものが込められているのが、
やっぱ暴力だと思うんですよね。
でですね、これパピオンも暴力脱獄もですね、
共通しているのが、暴力脱獄とかですね、
最初ポール・ニューマンが入ってくるまでですね、
すごい平和なんですよ逆に。
別にそこでですね、ものすごい悪辣な監修がですね、
普段からビシバシビシバシ囚人をしごきまくっているとかじゃなくてですね、
ちょっと牧歌的なぐらいなんですよね。
もう本当にですね、お前らはこれ、
あのこのなんか麦叩く仕事やれみたいなこと言ってですね、
見張られててへーみたいな感じでパンパン叩いて、
あーあーめんどくせーなーみたいな感じでやってるみたいな感じで。
でもう監修の方もですね、なんかのんびりそれを見張ってるぐらいの感じなんですよね。
全然牧歌的なんですよポール・ニューマンが来るまで。
だしあのパピオンもですね、最後その絶対のことは監修すらいないわけですよね。
いない、いない、いないし、
なんでその島から出ようとさえしなければですね、
なんかその掘ったて小屋みたいな周りに畑とかってですね、
鶏とか飼ってて、
もう囚人が自活してるんですよね。
だからここにいさえすれば、
何も痛い目とかはされないんですよね。
でですねその、
つまりここで騒ぎさえ起こさず大人くさえしておけば何もしないよっていうのが、
そのこの2つの共通している監修のスタンスなんですよね。
逆に言うとですね、それを揺るがそうとするんだったらお前わかってるなって感じなんですよね。
だからですねその、
ここには自由なんかないけど、
安心はあるよとか、
この俺の思う通りにさえしていれば、
お前には危害加えないよ、安心だよっていうような、
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監修側のスタンスっていうのがあってですね。
で、それが俺の思う通りにでもしなかったら、
もう本当にどうなるかわかってるなっていうような感じなんですよね。
で、そこに対してですね、そのダスティン・ホフマンはですね、
足がすくんじゃってるわけですよね。
どういう目に合わされるか、
このですね、相手が自分に望んでることっていうのはですね、
自分がそれをちゃんとしなかったらですね、
それに逆らうようなことをしたらどういう目に合わされるかってことを、
もうマジで骨身に染みてですね、味合わされてるんで、
足がすくむと、自由の前に足がすくんじゃうんですよね。
その自由にですね、自分の思う通りのことをするよりも、
暴力を振るわれないっていう方を選んでしまうんですよね。
これがですね、暴力の恐ろしさっていうのをすごい描いてるなと思うんですけど、
暴力っていうのはですね、やっぱり相手が望む形で関係性を固定することを言うんだなというふうに思うんですよね。
でですね、なんかそういうこの暴力の性質みたいなことをですね、考えてた時に、
ちょっとまた別のことを思い出したんですけど、また続きは明日話します。
よろしくお願いします。
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