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デジタル時代の国語教育を語ろうにようこそ、パーソナリティーの笠原です。
この番組では、ICTを活用した国語の授業実践に関する話題を中心に、Google for Education認定トレーナーと認定コーチの資格を持つ私笠原が、教育にまつわる様々な話を配信していきます。
職員室のスタッフ同士で行われる教育談議のようなものだと思って、ゆるっと聞いてください。
8月に入って本格的に自由な時間が増えている先生方も多いのではないかと思っていますが、リスナーの皆様はいかがお過ごしでしょうか。
自分もやっと3社面談期間が終わって、自分の勉強に取り組めるんじゃないかなーなんて思っています。
今年度は日本国語教育学会の全国大会で単元学習実践発表というのを行うことになっているので、残り1週間でその発表用の資料を準備しなければならないなーと焦っているところです。
ちなみにここで発表する内容は、昨年の秋に生徒たちと取り組んだポッドキャスト作成の授業についてです。
論理国語の授業で生徒たちにポッドキャストを作ってもらうという単元に取り組んだんですが、これが国語化とICTの実践としてめちゃくちゃ面白かったんですよ。
だからそのことを今回の学会で授業の方法論としてまとめて、誰にでも取り組みやすいような形にして提案をしてくるつもりなのです。
自分がこうしてポッドキャスト配信をしているのは、この授業でポッドキャスト作りの教育としての効果をめちゃめちゃ実感したからというのは大きいですね。
インプットにもアウトプットにもかなりポッドキャストは便利なので、教育とポッドキャストの可能性というテーマでもいつか話してみたいですね。
さて今回の配信テーマは、そもそも学校にICTは必要なの?という問いについて考えてみたいと思っています。
現在全国の多くの学校では、コロナ禍の影響を受けて1人1台パソコン端末環境が整っている場合が多いです。
特に小中学校だと、ギガスクール構想という政策のおかげで、ほぼすべての公立学校で1人1人の生徒が端末を持っているというような状況です。
高校については確かまだ70%を超えるぐらいの数値で、結構学校によってまちまちなところがありますね。
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ただ、コロナ前に比較すると信じられないぐらい学校生活に当たり前にパソコンなどのデバイスがあるという状況になっています。
ちなみに自分の勤務校は私立高校ということもあって、1人1台端末Chromebookですね、と校内のWi-Fiが整備されています。
もう学校生活にChromebookがないとそもそも成り立たないみたいなレベルで使っていますね。
1人1台端末の整備はやはりコロナ禍をきっかけとしてかなり急ピッチで進んだということもあって、教員は必ずしも全員が必要性などを理解しているわけではないというところにちょっとした対立のようなものが生まれています。
例えば、高校の現場にいてよく聞こえてくる意見としては、ICT端末が学力向上に本当に役に立つのかみたいなことがあります。
ここでの学力というのは大学の入試に対応できるのかみたいなニュアンスは大きいとは思うんですけどね。
7月の末に公表された全国学力学習状況調査の結果を見ると、ICTが学力の向上に役に立つということについては少しポジティブな結果が出ていると言えなくもないんですが、おそらくこういうような結果が揃ってきたとしても、学力の向上に役に立つのというような意見を言う人は多分立場はあんまり変わらないんだろうなというふうにはちょっと思っています。
その背景の一つが、ICTを使った授業を考えるということは先生方にとって今までやってきた授業をゼロベースでやり直すこと考え直すことになるので結構厄介な仕事なんですよ。
だから効果があるのかいまいちわからない新しいことに無理やり挑戦させられるというのはなかなか前向きになれないというのもわからないでもないわけです。
だからこそそもそも学校にICTは必要なの?という問いで対抗しているような、そういうようなこともあるんじゃないかなと個人的には感じています。
このような意見は、ICTを推進したい自分のような立場からするとかなりもどかしく、自分のやってきた授業を変えるのがストレスだからといって授業を変えないでいるのは教育者としてどうなのよっていう気持ちも正直ありますが、
まあすでにいろいろなことでいっぱいいっぱいの現場に対してよくわからないリスクを強いるのも良くないなという気持ちもわからんでもないので、こういう価値対立を責めてもしょうがないなっていう気持ちもあります。
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そんなわけで、ICTが学力の向上に役に立つのかという意見は、学校にICTが必要なのかという意見に結びつきやすいのです。
さらにICTが講義式の授業とは相性が悪いということも結構根深い問題ですね。
例えば講義式の授業になってくると、オンライン上にすでに同じようなことを解説している授業があったり、授業でやろうとしていることの直接の答えが変えてあったりするので、これまでのように先生が教えてあげるよみたいな授業は生徒にとっては何でやるかわからないと言われてしまう可能性があるんですよ。
もちろん対面の講義式の授業の価値はある意味では強くなっているんだろうなぁとは思います。
コロナ禍で授業をできないということを体験してきた学校現場にいる立場からすると、対面で授業をやったからこそしっかりと伝わることがあるのは確かに感じています。
ただ、ICT端末があればその対面でなければ教えられないということが以前よりはかなり圧縮することも可能なんじゃないかなというのは感じるところです。
生徒たちが黙って聞くという授業がスタンダードであると考えるのは、少しずつ変えていった方がいいのだろうなとはICTを使っていると強く思います。
自分の授業を変えたくないからといって、やはりICTそのものを無視することも難しい現状はあります。
そして、自分の授業を変えない理由として、ICTが学力の向上に役立つのか、この学力も狭い意味での大学入試に役立つのかというようなニュアンスが強いので、そういう言い方をするのもあまり筋の良いことではないだろうなというふうには思っています。
ICTが学力向上の役に立つとすれば、それは日常的にもう手放せなくなるぐらいたくさん使っていることが前提なのだろうというふうに思います。
前回の配信でも少し触れましたが、ICTの最大の強みは大量の資料を教室に持ち込めることなので、その量的な強みをシンプルに生かすとすれば、
とりあえずはまず毎日大量に使ってみてから考えないとダメだよね、というのが自分の思っていることです。
そもそも学校にICTは必要なの?と疑問に思うならば、自分でまずは大量に使ってみて感覚を掴んでみるのもいいかもしれないですね。
自分自身で本当に必要なの?と問いながらたくさん使うからこそ見えてくるものはあると思います。
初めから否定していたらダメだと思いますし、自分も本当にこれでいいのかなというのは今でも悩んでいます。
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おそらくこれは10年以上ずっと悩み続けるんだろうというふうに思います。
そういう悩みと向き合うことが教えるという仕事の責任なのだろうと思いながら仕事をしています。
今回の配信はいかがだったでしょうか?
そもそも学校にICTは必要なの?という問いを持つことは大切だとは思いますが、それを理由にICTを使うことにブレーキをかけてほしくはないなぁとは思っています。
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