ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池の特徴と応用
こんにちは、リスナーの皆さん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ。ホストの地図です。
今日は、知財ハンターの早鷹さんをゲストに迎え、新しい技術について語っていきましょう。
ありがとうございます、地図さん。
今日のテーマは、景観に調和しつつ、高効率で発電する太陽電池です。
この技術の概要を教えていただけますか?
もちろんです。この技術は、建築資材であるガラスと一体化している、ペロブスカイト太陽電池です。
ガラス基板上に、直接発電槽を形成します。
ガラスが使用される場所なら、どこでも発電が可能です。
パナソニックが開発したんですよ。
ガラスが太陽電池になるなんて、すごいですね。
この技術の凄さを、もっと詳しく知りたいです。
主に3つあります。
1つ目は、景観を損なわずに幅広く設置です。
2つ目は、ペロブスカイトモジュールで、世界最高レベルの発電効率17.9%を実現していること。
そして3つ目は、大面積で均一な総材料の塗布が可能なインクジェット技術の活用です。
なるほど。では、なぜこの技術が開発されたのですか?
脱炭素社会を目指し、再生可能エネルギーの普及が急務だったからです。
特に日本は平地が少なく、建物の壁や窓を利用する発電機が多く、
発電方法が注目されました。
しかし、従来のペロブスカイト対応電池は、エネルギー変換効率が低かったのです。
そこで、UKELディスプレイ生産の技術を応用し、
インクジェット技術とUKELディスプレイの応用
インクジェット技術による塗布法で、高効率を実現しました。
UKELディスプレイの生産技術が応用されているとは驚きです。
ちなみに、実際の実現事例はあるのでしょうか?
はい。藤沢サスティナブルスマートタウンで、
長期実証実験が行われています。
ここでは、モデルハウスのバルコニーに、この対応電池のプロトタイプを設置し、
発電性能や耐久性を検証しています。
素晴らしいですね。なぜ、こんなに進歩した技術が実現できたんですか?
大きく3つの要因があります。
まず、先ほどもお話ししたインクジェット技術ですね。
この技術を使って、ガラス基板上に発電槽を均一に塗布することができるんです。
これにより、
大面積でも高い発電効率を維持できます。
なるほど。他にはどのような要因があるのでしょうか?
2つ目は、軽量化や加工を可能にするガラス基板の活用です。
レーザー加工技術を活用することで、サイズや形状を自由に加工できます。
なるほど。これによって、建築物に合わせたカスタマイズが可能になるんですね。
最後の要因は何でしょうか?
UKELディスプレイの、
技術と開発者の転用です。
実は、UKELディスプレイは、太陽光を電気に変換する太陽電池とは逆のプロセスです。
しかし、使用する材料やプロセスが似ているため、技術的な親和性がありました。
これらの技術の組み合わせが、この革新的な太陽電池を実現したわけですね。
最後に、この技術が特に相性のいい産業分野はありますか?
住宅設備に利用することはもちろん、
景観の規制があるエリアなどでの活用も期待されます。
また、電気自動車や電車など、モビリティへの展開もできそうです。
素晴らしいですね。
早鷹さん、詳しい解説をありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
それでは、今日はこれでお別れです。
また次回の、知財図鑑ポッドキャスト、で、お会いしましょう。
ご視聴ありがとうございました。