透明太陽電池の特徴と可能性
こんにちは、リスナーの皆さん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ。ホストの地図です。
今日は、知財ハンターの新井さんをゲストに迎え、新しい技術について語っていきましょう。
ありがとうございます。地図さん。
今日のテーマは、透明太陽電池という技術です。まずは新井さん、この技術について教えてもらえますか。
赤外光を利用して電力を生成する無色透明の太陽電池です。
一般的な太陽電池と異なり、人の目に見えない赤外光を捉えて電力に変換し、見える光は通過させています。
例えば、窓ガラスに使っても、部屋の明るさを保ちながら発電できるんです。
すごいですね。赤外光ってどのくらいの割合で太陽光に含まれているんですか。
実は、太陽光の約半分が赤外光なんですよ。しかし、これまでの太陽電池は、赤外光を十分に活用できていませんでした。
なるほど。改めて、この技術の凄さをまとめると、3つですね。
補修が難しい赤外光を発電に活用できること、赤外光による発電と透明性を両立できること、そして、景観を損なわずに窓ガラスなどに利用できること、ですね。
まさにその通りです。ビルの窓ガラスなどに利用できれば、都市部での太陽光発電の可能性を大きく広げるものだと思います。
ちなみに、なぜ、このような技術が生まれたんですか。
再生可能エネルギーの需要が高まる中、より多くの太陽光を活用する必要がありました。
赤外光はエネルギー量が小さいため、これまで見過ごされがちでしたが、
オプトマスという会社は、この未利用の資源を活用しています。
このエネルギーを活用しようと考えました。
具体的には、どうやって実現されたんですか。
これには、ナノ粒子という、とても小さな粒子が関係しています。
これらの粒子は、赤外光という特定の光を捉えて、そのエネルギーを電気に変えるんです。
京都大学の坂本純教授が開発したんですよ。
ナノ粒子って、どれくらい小さいんですか。
1メートルの10億分の1くらいの大きさです。
とても小さいので、私たちの目には見えません。
それは本当に小さいですね。
でも、どうやって光を捉えるんですか。
これが面白いところで、ナノ粒子は光が当たると、その表面で電子が振動します。
この振動を利用して、光のエネルギーを電気エネルギーに変換するんです。
なるほど。光を電気に変える秘密は、ナノ粒子における電子の振動にあるんですね。
はい。
どうして透明なのですか。
このナノ粒子は、見える光を通過させますが、赤外光を吸収する特性があります。
添加物の混ぜ具合によって、吸収する波長も制御することもできるんですよ。
透明太陽電池の応用分野
そういうメカニズムだったんですね。
ちなみに、このナノ粒子は、どうやって太陽電池に組み込まれているんですか。
そうですね。これらのナノ粒子は、ガラス基板上に薄く塗布されます。
この塗布されたガラスは、
可視光を95%透過させるため、透明性を保ちながら赤外光を利用することができるのです。
なんとも画期的な技術ですね。とても小さな粒子であるナノ粒子が、とても大きな役割を発揮しているんですね。
まさにその通りです。
ちなみに、ビルや住宅などの建築分野で利用できることは分かりました。他にはどんな応用が考えられますか。
電気自動車や通信デバイスなどでの応用なんかも考えられますね。
確かにそうですね。幅広い活用ができそうです。
新井さん、面白い話をありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
それでは今日はこれでお別れです。また次回の知財図鑑ポッドキャストでお会いしましょう。