SOLAMENT®の特性と新たな応用分野への展開
こんにちは、リスナーのみなさん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ、ホストの知図です。
今日のゲストは、知財ハンターの新井さんです。
よろしくお願いします、知図さん。
今日のテーマは、SOLAMENT®:です。これはどんな技術なのでしょうか?
SOLAMENT®:とは、太陽光をコントロールし、そのエネルギーを活用するための素材テクノロジーです。
具体的には、太陽光に含まれる、人の目に見えない近赤外線を吸収する特性を持っています。
この特性を利用して、発熱や射熱が可能になります。
なるほど。従来の発熱、射熱素材と何が違うんでしょうか?
SOLAMENT®:は、近赤外線を吸収して、自ら熱に変換するんです。
そして、可視光は透過するため、高い透明性を持っています。
例えば、薄い生地に塗布すると、ダウン並みの暖かさを提供できます。
また、農業用ネットに使用すれば、光合成を妨げずにハウス内を適温に保つことができます。
すごいですね。幅広い領域での展開が期待できますね。
そうですね。建築分野では、太陽エネルギーを活用した建材などが考えられます。
また、赤外線を利用したスイムウェアなどの盗撮防止にも活用できるんです。
近赤外線を吸収することで、カメラの赤外線撮影を防ぐことができ、プライバシー保護にも役立ちます。
それはすごいですね。防犯面でも役立つなんて、非常に多機能な技術ですね。
SOLAMENT®:のすごさがよくわかりました。この技術はなぜ生まれたのでしょうか?
住友金属鉱山が開発したCWOという近赤外吸収微粒子がベースになっています。
CWOは効率よく近赤外線を吸収する透明性の高い無機材料です。
2002年に開発され、国内外で多数の特許を保有しています。
なるほど。それがどうしてSOLAMENT®:になったんでしょうか?
住友金属鉱山は、このCWOの特性をさらに広めるために、太陽光をコントロールする素材テクノロジーとしてSOLAMENT®:にリブランドしました。
このリブランドによって、CWOの可能性を広く国内外に伝えることが目的でした。
リブランドすることで何が変わったんでしょうか?
リブランドによってCWOの技術がさらに注目されるようになり、新しい応用分野への展開が進んだんです。
また、SOLAMENT®:という新しいブランド名を通じて、消費者や企業に対する認知度も高まりました。
なるほど。リブランドにはそんな狙いがあったんですね。
技術自体は以前からあったものが、新たなブランドとして生まれ変わったわけですね。
近赤外線の特徴とSOLAMENT®の効率的な吸収
そういえば、SOLAMENT®:は近赤外線を利用するとのことですが、そもそも近赤外線と可視光の違いって何でしょうか?
太陽光は、紫外線、可視光線、近赤外線、中赤外線といった異なる波長の電磁波で構成されています。
特に、波長780nmから2500nmの近赤外線は、大きなエネルギーを持ち、発熱効果が高いんです。
このため、熱線とも呼ばれています。
そうなんですね。
SOLAMENT®:は、太陽光の約40%を占める、波長800nmから1200nmの近赤外線を強力に吸収し、熱に変換します。
そのため、少ない点火量でも効率的に近赤外線を吸収することができます。
また、CWOは金属などから合成された無機材料なので、熱や湿気、紫外線、薬品に対しても強く、長期間、その機能を保持することができます。
それはすごいですね。少ない材料で効率的に働くというのは、経済的でもありますよね。
新井さん、今日も詳しく教えていただき、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
それでは、今日はこれでお別れです。また次回の資材図鑑ポッドキャストでお会いしましょう。