00:03
おはようございます。英語の歴史を研究しています。 慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった 英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、接頭辞 be- は「汚い感じ」という話題です。
英語には接頭辞ですね。 本体の前にですね、そろっとした要素をつけてですね、意味を変えるっていうのがありますね。
その中で、あまり知られていませんが be っていうのがあります。これ be というふうに綴って be ということになることが多いんですが、これは非常に古い接頭辞なんですね。
そして、どうやらですね、いろいろあるんですけれども、なんとなく今に至るまでですね、評価されていない。
どうも低い評価しか与えられていないっていう接頭辞がこの be なんですね。もちろん単体ではですね、これ実は倍に相当するんです、前置詞の。
be 動詞の be ではなくて、倍に相当するっていう、単なるちょっとした要素の過ぎないんですけれども、どうもですね、これは評判が悪いっていうことになってるんですね。
この辺りを今日は、いくつかの例を見ながら考えてみたいと思うんですね。
まずですね、この be で綴られる be ですね。これ、英語でこの be と言って、非常に多くの動詞ですね、主に動詞なんですけれども、この頭についてちょっとした意味を付加したんです。
それはですね、ちょっとだいたい強め、強調であったりですね、強調が過ぎてですね、やりすぎというような過度という意味も出たりするんですが、基本的に動詞について意味を強調するっていうのが、おそらく元々の機能だったと思うんですね。
非常に多くあったんですけれども、その後ですね、中英語、近代英語、そして現代英語にかけて、だいたいこの be が取れてしまってですね、それほど有力な瀬戸字ではなくなってきたっていうのがあるんですね。
それでも今に残るこの be あるいは新たにできたこの be をつけることによってできた動詞っていうのも、いくつか、数は多くないんですけれども出てきていましてですね、ただ全体的に見るとですね、どうもやっぱり評価は悪いんですね。ここは何でなのかなと思うんですけれども、いくつか見てみたいと思います。
03:04
現代にも残っているものですね。これは挙げたいと思うんですが、bedove。dove っていうのは、汚すとか塗ったくるっていうことですね。さらに be をつけることに、bedove っていうと、塗ったくる、汚すっていうことですよね。同じように smear。これもやっぱり汚すとかですね。そういう意味なんですが、be をつけると、余計に汚くなる。
とても汚す。とてもいっぱい汚すっていう感じになって、be をつけることで、ある意味ちょっと下品になるって言いますかね。もともと汚すという意味をより強めるっていうような、こんな雰囲気がどうもあるんですね。
で、他にもですね、例えば befuddle。これ混乱させるっていうことで、be をつけることで、さらに混乱させるであるとか、be smite。smite っていうのは叩くっていうことですが、be smite で叩き割るっていうか、非常にちょっと下品な叩くという意味になりますね。
非常に強く叩くであるとか、叩きつける、叩き割るみたいな、ちょっとしたそういう、より悪い意味ですね。もともと悪い意味を、もうちょっと悪い意味にするっていうような意味合いがあったりしますね。
で、そこまではっきりしませんが、例えば speak に対して bespeak っていう表現があったりしますね。これ speak はもちろん話すっていうことなんですが、bespeak と be をつけることで、何々を示唆するというような、ちょっと意味を変えるっていうような例もあったりします。
それからですね、befriend これもちろんですね、friend、友達ですよね。これに be をつけた形なんですけれども、困っている人の友として力を貸すというような、世話をするっていうような、ちょっと周り駆動意味になりますね。
このようにですね、もともとある機体、ベースに be をつけることによって、新たな動詞をつけるっていうのがですね、多くはないんですが、いくつかあります。ただ全体的にですね、あんまり良いイメージの単語っていうのがないんですね。
これ何でかわかりませんが、be をつけると、ちょっとお下品になるって言いますかね。そういう雰囲気がある。これがどうも培われてきてしまったこの be の雰囲気なんですね。英語では普通にですね、そういうマイナスイメージではなく、普通に be ということですね。
いろいろ新しい動詞を作り出したりしたんですけれども、どの時期からなんですかね。その後、中英語で下火になって、そして近代、現代にかけて、なくなるかと思いきや復活したと。ただ復活した時には、その意味合い、ニュアンスがですね、ちょっとネガティブになっていったと。
06:22
こういうふうにして生き残ってきた、ちょっとしたかわいそうな窃盗誌ということもできるかと思うんですね。おそらくこのようなですね、ちょっとかわいそうな意味合いを持ってしまった be のうち、最も有名なこの動詞ですね。これがですね、実は be little なんです。
little ですよ。小さいの。あの little を be ですね。この窃盗誌を前につけることによって、動詞化したっていうことです。これ文字通りは小さくするっていうことなんですね。小さくする。これ自体だと別にプラスもマイナスもないんですけれども、どうもですね、価値を小さくすると。何なのか価値を下げるっていうふうに使うことがとても多いんです。
例えばですね、例文を挙げますと stop belittling yourself みたいに。これはですね、自分自身の価値を下げることをやめろと。つまり自己評価を低くするのをやめろというような感じですね。
で、この be little というのはですね、実は英語史上非常に有名な単語でして、どういう意味で有名な単語なのかというと、これは非常にアメリカ的な表現なんですね。
それもそのはずで、アメリカの第三大大統領、例のトマス・ジェファーソンが1782年に造語したものなんです。
little に be というこの接頭字をつけてですね、be little とつけた。
ただしですね、その頃はですね、be を接頭字につけることによって動詞化するっていうような操作はですね、語の作り方っていうのは久しく知られていなかったので、
これをトマス・ジェファーソンが使った時に非常に激しい非難があったんです。アメリカ英語の中で。なんでそんなくだらない、つまらない語を作るんだということですね。
もちろんトマス・ジェファーソンは政治家ですから、これに反対した人も言葉尻を捉えて言っただけで、いわゆる性的なんです。
政治的な反対をもって、このトマス・ジェファーソンのあらゆることに非難するということで、be little を非難したっていうことなんですが、これは非常にですね、歴史上残っていて、
トマス・ジェファーソンの造語であるということはよく知られていて、しかもそれがですね、最初はものすごく非難されたということで、ある意味一躍有名になっている単語の一つなんです。
09:10
当時はですね、そういった形で非難されたかもしれませんが、一旦時間が経って落ち着いてしまうと普通になるもので、今ではbe littleですね、小さくする、価値を下げるという意味で、普通に使われています。
なのでですね、このbe littleというのは、普通、誰が作ったかというのはわからないものなんですけれども、これはですね、特殊な事情でアメリカ第三大大統領トマス・ジェファーソンが1782年に造語したものであるということがよくわかっている単語なんですね。
be little、皆さん覚えておいてください。
ではまた。